アズールレーン THE ANIMATIONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
避けようもなく迫りくる、蒼天の大艦隊決戦。連合と枢軸は嵐の中で邂逅し、砲火の挨拶が交わされる。
静かな激情を秘めて展開される、赤城の世界。金色に瞳を輝かせる、灰色の亡霊。
戦士たちの傷を残酷に飲み込み、海は揺蕩う。
闘いは、いつも変わることなく
そんな感じの、大艦隊決戦である。2週間前のスーパー肌色日常祭りが嘘みてぇなシリアス展開であるが、平和を守るために戦士たちは闘い、戦うことで平和を忘れていくのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
終わらないワルツの中、二人の女の激情が交錯する。赤い炎の龍と、金色の弓兵。さて、どう転がるか…。
お話は凪の平穏から荒れ狂う激戦へと、静かに推移する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
戦いを前にそれぞれの想いを視線に乗せる、各陣営の艦船少女たち。
じっくり時間を使って、余韻を活かしながら群像を照らすカメラがなかなか良い。シメは主人公たちとなるが、ここで今回の演出のキモ、『手を握る』が早速顔を出す。
今回は望まぬ闘いの中、伸ばした手が届かない描写が非常に多い。しかしラフィーは、晴天でも荒天でもジャベリンの手をしっかり掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
無垢で幼いからこそ、最初に答えに到達する。アルカナで言えば”愚者”。
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それがラフィーちゃんの属性なんだろうなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
身体のデカさや年の功、戦闘能力を超えた倫理的卓越性。物語の中で一番強い所が、うさみみねむねむ少女に託されているのはなかなか面白い。
ラフィーちゃんは、大事な人の手を取ることをためらわない。それが強さである。
一方、複雑怪奇な感情に囚われた成熟固体は、なかなか素直に闘いきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
貫禄たっぷりに赤城領域を展開する赤城さんには『ウッヒョー! 超悪いジャームみてぇ!!』と興奮してしまった。(ダブルクロスモノの反射)
いやマジ、オルクス/モルフェウスって感じじゃん?
艦隊戦のスタンダードを大事にしつつ、かっこいい異能、イカすアクションが目の前に来たら迷わず掴み取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
いい意味でのミーハーさが、アクションをダレさせない仕事を果たしていると思う。
近接戦も超常召喚も、盛り上がると思ったら迷わずブッこむ! 正しいエンタメ無頼主義…信頼できるな。
赤城さんのアンリミテッド情念ワークスに、ベルはゴリゴリ通しこまれていく。その苦戦がエンプラさんをピンチに追い込むのは、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
闘いの中で闘いだけに三昧する戦士の強さを、優しさが壊す。
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ベルと触れ合うことで、エンプラさんは弱くなったのか。平和と優しさは、戦士から牙を奪うだけか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
ハードな戦闘中なので言葉はないけども、ここの鍔迫まりはそういう問いかけを投げてくる。
まぁエンプラさん、根源的に優しさの人なんで、窮地を見て見ぬ振りとかベルと会う前から無理だと思うけど…。
水底に沈みつつ、エンプラさんは黒いキューブと呼応する。やっぱ”姉”への濃厚情念が、何かを突破するための必要条件なのか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
黒幕超越者っ面でいい気になってるオブザーバーさんは、一体何を狙うのか。我々はどこから来て、どこへ行くのか。
謎は深まるばかりである。
エンプラさん覚醒前の夢(もしくは悪夢)は、抽象度が高くて謎が多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
”海”、あるいは”船”にまつわる歴史や記憶が混濁している感じでもあるし、封じていたトラウマが蘇った感じでもある。
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沈みつつ伸ばした手に呼応するように、黒いキューブは反応した。燃えているのは鋼の軍船ではなく、古き帆船であるし、少女の屍に手を添えているのが誰かも分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
ここら辺のミステリが、終盤戦を引っ張るエンジンになるのか。
なかなか難しいな…想定より、歴史SFとして壮大な感じか…?
さておき、エンプラさんは金色の大暴走モードとなり、戦場を己の色に染めていく。
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禍々しき金色を前に、手を伸ばし掴むもの。届かぬまま、取り残されるもの。
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赤城は加賀に手を伸ばしはするが、金色の領域を前に手を引っ込めてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
五航戦やジャベリンが、迷いなく愛するものに手を伸ばせたのに対し、赤城の思いにはどこか、後ろめたさがある。
それはもう片方の手で、死人の思い出を引きずっているからなのだろう。
燃え盛る赤い竜を、譲れぬ思いの証に変えて。
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赤城ドラゴンの純情は、覚醒エンタープライズの一撃の前に、無残に飛び散る。
降りしきる涙雨、遠い背中。彼岸花の花言葉は、『情熱、再開、諦め』である。
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守るべきを守り、傷つけるべきでないものに矢を向けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
善い戦士であろうと己を律してきたエンタープライズは、ここで金色の覚醒に自意識を手渡してしまった。
伸ばした手は虚しく、赤城は死の淵に落ちる。
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戦うことが己の使命。兵器に情は無用。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
そう嘯いてきたのに、鉄火場で手は勝手に”敵”を拾い上げようとし、鉄の心は軋んで嘆く。泣けない仮面の代わりに、荒れ狂う嵐が涙と落ちていく。
幼子のように無垢に、ただ答えだけを掴み取れたら。
その祈りは言葉にならぬまま、慟哭に消えていく。
戦争してんだから敵ぶっ殺すのは当然なんだが、エンプラさんは真実の戦士なので、本当は殺したくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
同じく譲れぬ情念を抱えて目の前に立つ塞がるものに、本当は手を伸ばしたいのに、矢を射かけることしか出来ない。
涙雨は多分、自分の未熟にも流れているのだろう。哀しみの戦士じゃん…。
しかし無貌なる悪意は、赤城の死を許さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
彼岸花咲き乱れる死の国で、ようやく手に入れたはずの再開。それは新たな闘いを告げる、復活の狼煙。
いやー、ぜってぇろくでもねぇことになるぞ!
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ここで天城の顔がないのは、赤城がオロチ計画を推進し(加賀の純情を袖にし続け)手に入れたかったものが、虚しい夢であると示しているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
それを進めても、天城は蘇らない。死人は帰ってこない。
そういう結論を、ニャルラトホテプめいた無貌は残酷に告げているように思う。
オロチ計画を持ち込み、枢軸と連合をこの大決戦に巻き込んだセイレーンサイドが、何を狙っているのか。彼女らの起源は、どこにあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
そこら辺を掘らないと、なかなか収まりどころが難しそうな展開である。ゲームでどんだけ明かされているか知らんけども、オラワクワクすっぞ!!
というわけで、女達の情念と無念、誰かを抱きしめる腕と虚しく掻き抱く指先が交錯する、嵐の艦隊決戦でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
赤城…情念ドラゴンフレイムまで出しておいて、金色エンプラさんの噛ませ犬で終わるとは…。
死に戻りした赤城さん、マジろくでもない存在に進化してそうで、加賀さんが可哀想…。
撃ったエンプラさんの方も、可愛い可愛いベルのピンチに心が乱れ、よく知らねぇ金色の波動に心を乗っ取られ、殺したくねぇ相手を水に沈め、マジ散々である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
銃火で敵を踏みにじれば、即ち人道の勝利とはならない。
単純な総力戦決着を否定する、なかなか哀しい闘いでした。良いわね、この切り口…。
加賀→赤城→天城の三段階式情念ロケット(成層圏突破前に自壊)とか、強がっててもメイドがマジで気になるエンプラさんの純情とか、濃厚な感情がグルグルしてたのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
大人組の因縁がねっとり重たいほど、既に”答え”にたどり着いてるラフィーちゃんが、涼しげに頼もしいですね。やっぱつえーわ。
混濁する記憶、暴走する力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
決戦を終えてなお、無明の嵐が吹き荒れる戦場の中で、少女は、戦士は何を求めるのか。
その裏でうごめく、魔女たちの呼び声。セイレーンと艦船少女を繋ぐ糸とは。
後半戦に向け、更に温度を上げるアズレンアニメ。マジ面白ぇ。来週も楽しみです。
マージで『あ…べる…べるがあぶない…』ってなって、加賀の接近を許したエンプラさんの変化良いんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年11月21日
己を鋼鉄と定めた女が、愛と出会って脆くなる。
優しさという錆を受け入れて、真実の刃にたどり着くためには、この脆さを一回は描写しないと嘘になるからね。こっからの突破に期待大。