放課後さいころ倶楽部を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
年が巡り、高校二年生の春直前。新たな変化に胸を張って進んでいく友の背中に、後ろめたさを感じる美姫。
抱え込んだ湿り気と重たさを、アナログゲームが、そこで繋がった人たちが開放してくれるなら。
出会いと別れを繰り返しながら、時は流れて行く。でも…
そんな感じの、さいころ倶楽部最終回ッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
出会いから一年、原作を贅沢に使って走りきった青春は、美姫の面倒くささに帰還して終わった。
怯えたまま踏み出した未知の大地。友情とアナログゲームが少女に何を与えたのかを、じっくり追いかけるエピソードである。
相変わらず、特に派手なことはなく堅実なストーリー展開が続く。そこが非常に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
恋も焦ることなく地道に、進展とすら言えない速度でジリジリと進んだし、フツーの青春をフツーに描き続ける筆が僕は安心する。それは最後まで乱れることなく、堅調に明瞭に進んできた。
年が一巡りする今回、美姫の時間も『振り出しに戻る』ことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
”楽しい”を探し、誰かの手を取って進んできた日々。友情と青春を加速させる触媒として、アナログゲームは大事な仕事を果たし続けてきた。
今回も、”ナンジャモンジャ”が皆を繋ぐ。
ダウナーでウェットな美姫の性格は、友達ができたからと言って変わりはしない。ただ、それを新しい使い方で発露させる手段、仲間、関係性をこの一年で積み上げてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
”ゲームデザイナー”という明瞭な夢に突き進む、エミーと翠。持ち前の明るさで、欲張りな未来へ邁進する綾。
『隣の芝生は青く見える』というか。幸せだからこそ、ふと憂鬱が不意打ちしてくるというか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
美姫は変わりきれていない自分と仲間を比較し、寂しい心を慰めてもらおうと街をさまよう。真夜中に電話もかける。
忘れてたけど、重いねこの子…だがそれがいい。
結局彼女の放浪は、アナログゲーム(とそれ以外)が取り持った縁を引き寄せ、しっかり受け止められるわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
それ以前の、アナログゲーム自身(に反射する、結構変化している自我)と対話する”一人遊び”のシーンが、結構好きである。
美姫ちゃん…TRPGやらんかね!(唐突な勧誘)
カードから想像力を膨らませ、ストーリーを編んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
それはインストカードにはない遊び方だ。
でも考えすぎてしまうことは美姫の特質で、それに合わせて遊び方を自力で考えることは、彼女だけの大事な”遊び”だ。
定められた形じゃなくても、アナログゲームを楽しんでも良い。
答えは仲間の形で後から追いかけてくるけど、美姫の一年間に既にあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
カードに秘められたイマジネーションを開放する中で、美姫は積み上げた時間、変化した自我と対話して、回答への準備をする。
そういう、自己読解的な物語構築ゲームとしても、”ナンジャモンジャ”は遊ばれる。
過剰な想像力は、外界への怯えに繋がる。自分の中から湧き上がる特質に怯えていた時間は、綾と、友達と、アナログゲームと出会うことで別の形に変化した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
色々想像して、具象を抽象につなげていく。美姫を傷つけもする特質は、確かに仲間と遊ぶ時間を豊かにしていった。だから、友は彼女を追う。
”正しい”遊び方で共有される”ナンジャモンジャ”も、美姫だけのセルフリーディング・メディアとしての”ナンジャモンジャ”も、両方とても良いものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
ゲームの楽しさは、いろんな形がある。色んな喜び、色んな遊び方を許容できる豊かさを、最後に刻んで終わるのはこのアニメらしいなぁ、と思う。
一年積んだものを確認するのは、本筋の中だけではなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
サブキャラをモリモリ出して、彼らもまた彼らの人生を楽しく、アナログゲームを伴にして進んでいる様子が見れるのは嬉しい。
蓮ちょんが青島会長とツンデレデートしてて、ちょっとホッコリしてしまった。幸せにおなり…。
タイトル回収となる『放課後さいころ倶楽部』結成も、あんま声高らかというよりは、しっとり落ち着いた日常の一幕として、静かな輝きに満ちて話をまとめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
その落ち着いた調子が、美姫ちゃんと仲間たちが一年で手に入れたもの、アナログゲームが生み出せるものをポジティブに見据えていて良かった。
というわけで、”放課後さいころ倶楽部”終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
いやー…しみじみと良かった。
深夜アニメらしい濃い味付け、派手なケレンとは距離を取った、どっしり腰を落とした青春絵巻。少しオールドスクールな…言ってしまえば『高校生アナログゲーム日記』的な筆致は、しかし青春とゲーム、両方を捉えていた
僕は主題をわざわざ選び取った理由が、ちゃんと焼き付いてるアニメが好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
なぜこの題材なのか。なぜこのキャラクターとシチュエーションなのか。
作品世界を創造する理由が、実際の物語運びで支えられていると実感した時、僕はお話を好きになる。
アナログゲームと青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
それを切り取る筆は多彩かつ堅実で、色んなキャラクターの色んな輝きが、眩しく描かれていた。
アナログゲームの面白さ、それが繋ぐ人の縁がどれだけ”善い”ものなのか、上手く伝わる語り口であったと思う。
それを支えるべく、豊富な知識も動員されていた。
ゲームを万能の処方箋ではなく、あくまで人と人を繋げるメディアとして描き、ドラマに分厚さをもたせていたのも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
ゲームを一緒に遊んで楽しい。その思いと経験こそが、少しずつ日々を良くしていく糧にもなる。ゲームを通じ何を手に入れるか、個別のゲームとしっかり絡めた話作りも良かった。
キャラクターは朗らかで可愛らしく、みな応援したくなるいいキャラだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
ただただ完璧に明るいだけでなく、それぞれに欠落があって、お互い補い合って、基本笑顔で、時に涙混じりに青春を走っていく姿は、真っ直ぐで力強い。
ボーイも可愛い奴らだったのは、非常にグッド。
あと美術が必要十分に美麗で、移ろいゆく四季、京都という街の息吹をしっかり宿していたのは凄く良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
ファンタジックな絶景を突きつける、っていう使い方じゃないけど、ホッコリと心にしみじみ『いい場所だなぁ…』と思わせる描き方が、作品のテイストに噛み合っていた。
この作品で扱われるボードゲーム、カードゲームがメインではないけども、僕もアナログゲームを遊ぶ人間で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
このお話の”ゲーム”は、それで手に入れたもの、繋がった人が沢山ある個人史に、優しく話しかけてくれるような扱いでした。
波長が合った、というか…でも普遍的なものも、しっかり捕まえてた。
ただ女の子にゲームをさせるだけでなく、デザインの意図、楽しさの構造をドラマの中でしっかり解体・再構築し、物語に絡ませて描くリテラシーの高さも良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
語られてる物語を考える中で、自分の中の”ゲーム”を洗い直す経験は、非常に面白かった。
堅実、清廉な話運び故に破調が少なく、破天荒なパワーに欠けた部分はあるかもだけど…でも僕は、この地道さと確かなリスペクト、作中存在への優しい視線が非常に良かったな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
美姫ちゃんがゲームと友達に出会い、笑い合いながら変化する時間は、確かにこのアニメの中にあった。
そういう手触りと、ハンディな愛おしさを携えながらアニメを見終わる経験ってのは、やっぱりとても良いものです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月18日
非常に面白かったです。チャーミングで、クレバーな作品だったと思います。
一年を綺麗に語り通し、食べたりない感じも無いですが…二年目も見たい! とまれ、今はお疲れさまでした!