BanG Dream! 3rd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
熱烈な勧誘の後の、冷たい門前払い。RASのリーダー、チュチュに振り回されつつも、胸の奥に熱い鼓動を抱え込んだ朝日六花。
その鍵を外すべく、Poppin'Partyは新曲を生み出す。
一歩ずつ、アナタだけの音に向かって。さあ、行こう!
そんな感じのRAS結成編実質クライマックス、目覚めた心が走り出し未来を掴むエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
一期では自分のことで精一杯だったポピパが、誰かの背中を押す立場になった成長にも震えるし、それを受けて疾走する六花のロック魂、呼応するRASの音楽も最高だった。
やっぱ”目覚め、出会う”話が好き。
一期からアプリの物語を経て二期、誰かの憧れを背負えるほど大きくなったポピパの身の丈は、六花が『ポピパさん凄い! ポピパさん大好きだ!』と、幾度も言ってくれたから身に沁みた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
驚き役というのはとても大事だけど、彼女はそこで終わっていい人間ではない。
『Poppin'Partyが好きな自分』に縛られるあまり、胸の奥で湧き上がるプレイヤーとしての血潮から、目を逸らす六花。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
彼女を後押しする”歌”を、同じように己の願いから目を背けていた沙綾が生み出し、RASのギターだったおたえが繋ぐのは、非常に感慨深かった。少女に歴史あり、である。
今回のエピソードは朝日六花がPoppin'Partyから巣立ち、RASという自分の居場所に、自分の意志で飛び込む話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
しかしその背中は、Poppin'Partyの歌で押され、マスキングの単車で加速して、夢に届く。
一人では生まれ得ない科学反応を、何処かで求めていた。バンドを見るだけでなく、演りたかった。
そんなロックの魂を、口下手なマスキングはギターで感じ取っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
『バンド、やりたいのかと思ってよ』
それは隠しようのない本心なのだが、六花本人がそこに向き合えていない。
やっぱ三期第一章、全部”旭湯”から始まるんだなぁ…。
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去っていくマスキングの背中には、六花自身の心が反射している。それを目で追いつつも、自分が何を願うか見通せず、鍵をかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
彼女のパフォーマーネームはLockである。自分を閉じ込める”何か”を、ぶち壊したいと強く願うチュチュの音楽と、気のいい眼鏡の内面は静かに呼応している。
Poppin'Partyの”Step × Step!”を受け取るまで、六花は非常にぽやーっとした表情を見せて、RASのことばかり考えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
求められ、拒絶され、それでも燻る胸の炎。その環状に名前を付けられないから、彼女の瞳は彷徨い続ける。
そして、彷徨っているのはRASも同じだ。
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ゴージャスなクオリティで言えば、圧倒的に上回っているはずの自分たちが、RASに勝てない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
見据えるサウンドに足りないものが、一体何なのか。チュチュもまた、答えを見つけられないまま暴れ狂っている。
RASを完成形にし、音楽を続けることで、早熟にして未熟なチュチュも、足りないものを埋めていく
それは多分、三期全体を通して語られる物語なのだと思う。今回…と次回、前半1/3合計四話の主役は、眼鏡とシュシュで自分を閉じ込めた少女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
Roseliaライブは未来の展開への目配せだと思うんだが、急に”ひなつぐ”が襲いかかってきてビックリしたよね…あと吹き上がるシスコン共。
一方ポピパはいつもどおりのノンビリで、肉まんを六分こして食べるの食べないの、市ヶ谷がチョロいので騒いでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
この等身大の手触りが良いんだが、そこから六花ははみ出しつつある。香澄が声をかけるまで、執拗に画面から消しておく演出が秀逸。
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当たり前のように、六花は”そこ”にいる。肉まんも分けてもらえる。でも、楽器を貰ってポピパになるわけにはいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
ポピパはポピパで、五人でポピパだから。アニメ2期、あるいはアプリのバンストを使って積み上げられた物語に、六花の指定席はない。自分で自分の物語を、掴み取る必要がある。
それを薄々勘付きつつ、そして自分のガチ志向が収まる予感をRASに感じつつも、六花は『ポピパが好きな自分』にしがみつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
RASはポピパを潰そうとするから、そこにいてはいけない。それは、心が大きく乱れた時に救ってくれたポピパを、ようやく構築した自分を捨てることになる。
過去を乗り越え、新しい自分を構築することへの恐怖が、六花のぼんやりには宿っていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
それはつまり、それでも変わりたいと願う情熱がそこに存在し、畏れとせめぎ合っていることも意味する。
自分では動けないジレンマにとらわれて、六花はとても苦しい。そして、ポピパはそれを見落とさない。
『ポピパの六人目』ではなく、『RASの五人目』として進む未来。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
それがどんな色彩なのか見せるべく、RASの練習風景は幾度も描かれる。戯けたパレオも、プレイングには妥協がない。指がガチガチになろうが弾き倒す。
ここのパレオの百面相は、多彩な個性を魅せて素晴らしい。
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チュチュも従順なメイド(あるいは自分の欠落を補ってくれる友人)としてだけではなく、凄腕のプレイヤーとしてパレオを求め、認めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
RASはまずテクニックで繋がる、本物志向のバンドだ。暴走気味な六花のギターが収まるには、良いハコである。
その分、湿り気の少ないドライなところもあるけど
バンドリ勝つためにどうしたら良いか、ギターは誰を入れるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
結構問題山積なのに、愛しの花ちゃんに呼び出され喜色満面、『忙しかった?』って聞かれた『全然!』って返すレイヤさんのブレなさが好きです。
さすが世界が『花ちゃん・音楽・それ以外』で構成されている女…。
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しかし二期で見せたオトナな視界、物分りの良い人格は健在で、レイヤさんは色んな事情をおたえに伝えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
『RASのHANAZONO』でもあったおたえにとって、RASは今でも大事な場所だ。
”いつでも帰れる場所”ではないが、存分に腕をふるえる”青い空”でもあった、RASというバンド。
そこがおたえにとって、未だに大事な場所なのだと判るシーンでもあり、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
六花の問題をどうにかしたいと前向きになるところと言い、今回は変人おたえの意外な面倒見、他者認識がよく判るお話だ。
すぐのぼせるのに、わざわざお湯に入って六花の話も聞く。
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思い出の中にある、明るく楽しい”バンド”。その残影を美しく輝かせてくれるから、六花はポピパが好きなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
失ってしまった輝きと、RASのギラついた本気はあまりに違う。でも、そこに惹かれるものがある。自分を120%曝け出せる予感がある。
湯船の対話は、言葉にならないものをおたえに教える
ここで六花の内面を、当人よりよく理解できたのはおたえの人格的成長であるし、ガチ志向ギタリスト故の共鳴でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
厳しくも本気の場所で、徹底的に弾き倒す。それは必死で疲れるけども、楽しい時間でもあった。それを、HANAZONOは知っている。今でも大事にしている。
悩みに悩んでポピパを選んだけど、RASの強さも面白さも、まだ胸に残っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
だからこそ、六花の想いを飛び立たせたい。そうやって、ポピパ以外の場所を大事にできるようになった花園たえが、僕は好きなのだ。
生徒会室の話し合いは、新たな曲へと繋がっていく。
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笑顔で優しく、自分を支えてくれる年下の友達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
でもその優しさだけが、朝日六花の全てじゃない。
新しい自分、胸に燻ってる想いを開放してあげられるのは、時に他人の優しい掌だから。
それを知る沙綾は、五人で歌う応援の歌を思いつき、有咲はまた盆栽を売る。つーかなんで”五輪書”引用したん…?
丹精込めて仕上げた”千曲川”を売ってでも、ショルダー・キーボードで歌わなければいけなかった曲。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
沙綾のドラムと合わせて、マイクに向かって自分が開けていることが前提となる新曲を、観客席に陣取る一人の少女に向けて歌うためには、楽器を変える必要があったのだ。
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自分たちが表現したい音楽のために、新しいインストゥルメントを選ぶ所まで、ポピパが成長したこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
イントロ、マーチング風のドラムに合わせて”Step”を刻む振り付けのメッセージ。
あまりにも遠い、客席とステージの距離に悩む少女に向けて、手を差し伸べ背中を押す曲調。
全てが一期のころ、ただ前だけを見て必死に星を探していた女の子たちが、どれだけデカく、豊かな歌を紡げるようになったか教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
それは六花の未来への歌であり、自分たちの過去への音楽なのだろう。ああ…本当に大きくなった…。
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道に迷った朝日六花が、Spaceで出会った導きの星。誰よりも大好きなポピパさんは、いつでも手を差し伸べ優しくしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
でも、そこだけが私の居場所じゃない。『ポピパが好きな自分』だけが、私の願いじゃない。
自分も弾きたい。志を同じくする仲間と、バンドがしたい!
それは物語が始まった時、戸山香澄を遮二無二突き動かした衝動と、全く同じもので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
辿り着く場所、そこで求める音は違うとしても、時を越えて二人は…あらゆるバンド野郎共に共通する、原始の衝動。
そこを通り抜けて、香澄はポピパを手に入れた。輝くステージに立った。
悩んだり、迷ったり、泣いたり苦しんだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
”Step × Step!”はそんな歩みすら愛おしく思える場所へ、たどり着いたポピパ自身の曲でもある。
アナタが恐れる未来へ、既に飛び込んだ立場から振り返ると、”バンド”良いものだよ。さあ、行こう!
そういう事を歌に込めれる所まで、ポピパは来たのだ。
詩に導かれ、シュシュを外して疾走する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
転びそうになっても、歩みは止まらない。強い風の中を、真っ直ぐに未来に向かって。
『アナタは一人じゃない』と、遠くに響く音楽が示すように、金色の獅子がロックの足になってくれる。
ますきさん…アンタちょっとカッコ良すぎるよ…。
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チュチュのつれない態度も、数多の風を受け取った今のロックを止め得ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
『帰らん!』と吠えるまで、ロックの瞳が眼鏡で隠れている所が、RASと自分の気持ちに向き合う覚悟を強調していて上手い。
目をそらし、見て見ぬ振りを続けてきた衝動。
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六花はもう、それを隠さない。熱い情熱を瞳に込めて、真っ直ぐに訴える。”RIOT”ソロに震えたマスキングも、チュチュに出会うことで似たような衝動を、形にし得たのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
皆別々の場所から、同じ衝動へとたどり着く。そういう運命が呼び合うから、バンドはバンドになるのだ。
顔を上げ、メガネを外して『ポピパが好きな自分』を投げ捨てた六花は、他人の顔色を伺う瞳を閉じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
ただ、自分の指が求める音を。
この過激な暴走こそが、チュチュがRASに求める可能性なのだと思う。チュチュ様は抑圧から開放されたいのだな…。
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他のパートを喰っちまう貪欲に当てられ、メンバーたちはぞろぞろとスタジオに入る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
レイヤが歌い出すまで、目を開けず自分のギターに集中している六花の”狭さ”が面白い。
他人と弾く経験が薄いからこそ、研ぎ澄まされた驚異のテクニック。身勝手で凶暴な、”いい子”じゃない私。
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その陶酔に、割って入るだけの実力と気概、物怖じしない熱量をRASは持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
火と火をぶつけ合って炎に変えるようなスタイルは、ポピパにどれだけ憧れても満たされなかっただろう。
ポピパから巣立つことで、六花はパフォーマーとしての自分を存分に開放できる場所を見つけたのだ。
”バンド”になる中で、目を開けて他人の顔を見て、プレイを聞くことがロックの課題になると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
そうやって耳を開くことで、自分のプレイは限界を越え、より鋭く激しいものへと変わっていく。
欲しいのは凄テクのソロではなく、あくまで”バンド”…音が交わり、別物へと変化していく喜びなのだ。
自分を強く持って、他人に興味のないテクニック志向と思わせておいて、RASは存外他人を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
だからこその抑圧を突破して、魂で共鳴できる仲間と、より高みを目指す。
そういう部分が共通しているはずなんだが、チュチュ様のエゴがデカくて、なかなか目が行かない感じよね…。
チュチュ様が真実、自分の求めるサウンドを実現したいのであれば、RASを強権的に引っ張るだけでなく、RASに自分を預ける必要があろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
理想のための道具ではなく、運命で呼びあった同志だからこそ、厳しい選抜を経て”バンド”になった。
欲しいのは、ただ上手い音じゃない。
そういうこっ恥ずかしい青春ど真ん中に、自分がいることを認めない限り、チュチュ様のフラストレーションは収まらないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
六花がバンドに加入しても、RASの物語は終わらない。ちびっ子天才児が愛に素直になれるよう、ジワジワ関係を深める必要がありそうだ。Roseliaとはそこが違う、か。
そのためにはまず、バンドの形を整えないといけないわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
六花魂のサウンド、それに呼応するRASのプレイを受け取り、チュチュ様は仮のOKを出す。
果たして、『RASのギター』という新しい自分を掴むのに、足らないものは何なのか。
©BanG Dream! Project pic.twitter.com/Zf7YVoALZj
朝日六花の旅路は、もう少し続きそうだ。そして多分その先に、チュチュをリーダーにするRASの道も続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
そんな道程に胸が高鳴る、良いエピソードでした。ギターサウンドに音が重なって曲になるところとか、”Returns”の強い文脈を的確に再演した感じもあり、非常に上手かったです。熱量もあった。
六花魂の全力疾走(と、それを支えるマスキング)が印象的だけど、ポピパの成長が瞼に焼き付くお話でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
星を求めてがむしゃらに走った香澄たちが、六花憧れの星となり、自分からその先にある風景に押し出していく。
自分たちの経験を踏まえ、新しい自分に怯える後輩に、優しくエールを送る。
そういう事ができるバンドに、人間に香澄たちはなったんだなぁと思うと、なかなかに感慨深かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月7日
こういう分厚さを手に入れたポピパとRAS、Roseliaは武道館を巡って、競い合うことになる。六花を主役にしたRAS結成編の”先”に響く歌でした。
この熱を受け、第一章どうまとめるか。次回も楽しみ