ドロヘドロを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
己の過去を取り戻すため、カイマンは再び魔法使いの世界へ踏み込んだ。
親友との決別すら覚悟の一歩は、奇妙な日常に呑み込まれていく。
レストラン丹波でのバイト。煙ファミリー仕切りのブルーナイト。
物見遊山ではない視線から見る、魔法の国のパートナーシップ。
そんな感じの、豪華五本立て! 地獄日常系アニメドロヘドロ!! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
第5話・第6話では、ワンダーランドの負け戦だった魔法の国。
ジェットコースターのように濃厚な一日ではなく、どっしり腰を据え、暴力も血飛沫も少なめのスタンスで見つめる魔法使いの国。
そこには色んな人の繋がりがあり、カイマンが覚悟と共に置いてきたニカイドウへの想いにも似ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
相手の目を見て、人間だと知ってなお正面からぶっ潰せるのがこのお話の住人であるが、しかし問答無用にぶっ殺していた時代とは、やはり違う。
魔法使いの覆面を剥ぐ。そういうエピソードである。
藤田のマブダチだった松村は完全ミンチとなり、復活はできない。カイマンは二度と帰らない覚悟を決めて、ニカイドウの背中の傷を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
ぼんやりのんびりと攻め込んだ、魔法の国の後遺症。それをしっかり見据える誠実は、蜥蜴顔の外道にもある
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一人になったことでカイマンは、色んな人のパートナーシップを見つめることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
魔法使いならざる彼は”パートナー”を必要としないが、そこに宿る絆の強さは解る。解るからこそ、ニカイドウは”ホール”に置いてきたのだ。
永遠の愛なり友情なりを、神に誓う。
そんなヌルい夢は、何処にも置いてない
カスカベ博士の相方は人間サイズのゴキブリだし、祈りを捧げる対象は逆十字の悪魔だし、何もかもがクレイジーなのは相変わらず。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
だんだん明らかになるブルーナイトのルールは、とにかく悪魔の家で契約を果たせば、強制的にパートナー成立だ。
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カイマンはニカイドウを置いて、心と腹を満たす大葉餃子を補充できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
それでも、自分だけの記憶を取り戻すために、親友を傷つけないために一人で戦おうとする。
しかしどれだけ孤高な意思を固めても、腹は減るし暴力は荒れ狂う。
カイマンさん、ネームド以外にはマジ強いっすね…
カイマン的には『なんか気に食わねぇから暴れた』くらいだと思うのだが、結果として丹波と福山との縁が生まれ、美味いミートパイで腹も膨れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
仮面を外した魔法使いの素顔を見て、カイマンは生活の拠点をマジカル・ワンダーランドに定める。
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この話、『素顔=人間』『仮面=怪物』っていう分かりやすい(そして間違っている)二分法では進んでないけども、顔を晒すって行為に結構特別な意味は込められていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
カイマンはガスマスクを剥がされ、彼がぶっ殺すべき魔法使いも素顔を見せる。
皆同じ店で働き、殴られつつ同じものを食べる。
そこで物語が始まったときのような『魔法使い=食べた後殺す』という短絡に出ないのは、自分のノンキがニカイドウの背中に刻んだ聖痕を見落とさない視線と、しっかり重なっている気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
同じところをウロウロ回り、何処にも進めていないようなクレイジーな歩み。狂った記憶迷宮の、出口なき道行き
そう思えるような物語の中でも、カイマンは少しずつ記憶の手がかりを手に入れ、何が大事なのか、殺し殺されの只中で思い出し(あるいは獲得し)ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
栗鼠という重要人物との接点、煙ファミリーとの因縁、ニカイドウとの絆。
あるいは黒煙に塗れた狂った世界に、一筋漂う涙味のペーソス。
そういうモノを飲み込んで、白紙の記憶に刻んできたからこそ、彼は一人で魔法の世界に来て、”仇”がどういう生活を営んでいるか見る事になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
フルボルテージなセンスと狂気で塗られつつも、この世界にはそういう小さな歩みがあって、バラバラの肉片めいた人間性の欠片が、随所に隠れている。
それを上手く繋ぎ合わせ、『色々あった』結果背筋の伸びた安定性を手に入れているのが、心&能井ペアなのかなぁ、などとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
カイマンと同じく記憶のない栗鼠は、バラバラの過去を繋ごうとあがく。
その時求めるのは、やっぱり相棒だ
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十字目の組織には属していないけど、自分のことを本当に心配してくれた会川。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
騙し討ちに死ねなかったケムリ・サイボーグは、背中に刻まれた活動限界に怯えつつ、放置され腐り果てた元・日常ではなく、そこを飛び出した突破口を探す。
カイマンが、ニカイドウから離れることで掴もうとしたもの。
過去の真実を、栗鼠は会川と再会することで引き寄せようとしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
宿敵か、相棒か。お互いの顔も知らぬまま、運命の磁力で引き寄せられては離れる、二人の記憶喪失者。
彼らが共に、誰か大事な人を思いながら足掻いているのは、なかなか面白い共鳴だ。
一方世間はブルーナイトに向けて突き進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
今回は巨大組織としての煙ファミリー、その”顔”としてのおなじみの面々がクローズアップされ、なかなか新鮮だ。
魔法使いの世界にしっかり根付き、憧れの対象であるファミリー。
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書類も作れば着飾りもする、当たり前の日常。(書類作成はカイマンの”履歴書”として、新しい日常に差し込まれていたね)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
ホールに足場を起き、身勝手な実験体ルールを押し付ける異物として魔法使いを見てた時には、見えなかったモノが積み重なっていく。
それは主役たるカイマンの精神と社会が、一人で魔法世界に足を踏み入れたことで変化しつつあることと、しっかりシンクロしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
彼は魔法使いと一緒に働き、その素顔を見る。その視線の延長線上に、煙ファミリーの平和なビジネス描写があるのだ。この重なり合いが、妙に気持ちいい。
飴細工の巨像に、曼珠沙華の飾り、退屈なリハーサル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
塔に閉じ込めていた”自称・煙のパートナー”な鳥太も、すっかりファミリーの一員だ。
異常に見えた存在も、当たり前に生活を続ける日常に馴染み、隣人としての可愛げを魅せてくる。
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この接近は、第8話までこの異常な世界と物語に付き合い、どす汚れた異常性とそこに確かにある生活の体温をたっぷり摂取した僕らの愛着と、歩みを同じくしていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
初見のぶっ飛び加減に脳髄を殴りつけられ、それゆえ惹きつけられ、このアニメを見始めた。見続けた。
結果溢れかえる超暴力にも、それを駆動させる作品独自のルールと乾いたヒューマニティにも、ちょっとずつ慣れ親しんできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
仮面を付けていようが、人殺しだろうが、人倫から外れていようが、死んで蘇ろうが魔法を使おうが、彼らは生きていて、飯を食って友と笑い、喪失を悲しむ。
異質ながら確かに脈動する日常の体温が、肌に馴染んできたからこそ、今回描かれる魔法の国の毎日は妙に暖かく、微笑ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
そういうところまで、狂いきった世界を描き抜きながら視聴者を持ってきたのは、非常にパワーのある物語運びだと思う。狂ったクオリティの高さ、一回もブレないもんな…。
煙ファミリーと、魔法の国のカイマンはそれぞれの日常を謳歌し、ブルーナイトに引き寄せられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
彼らが人倫ツギハギの超暴力人間である以上、それはノンキな日常系で終わるはずもない。カイマンはやっぱり、粗暴なバイオレンスをぶん回す
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パートナー選びはお互いの意思を尊重して…なんて甘っとろい理想が通じるはずもなく、パワーで契約書にサインさせちまえば、全てはOKである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
二枚だけだけど希望が来た藤田の成長にホッコリしつつも、因縁に能井が向ける視線はシリアスだ。
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『まつ毛長ッ! 身長210cmのヴィーナスかよ…』と思わず見とれてしまったが、そういう事言うと心先輩にも煙ボスにもミンチにされそうなので黙っておこう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
福山がノンキに夢をかける、約束のブルーナイト。
それは見た目ほど美しきも青くもなく、この世界らしい粗暴が横行する悪い夢だ。
思えばカイマンが”それ”に出会った時から、相手の同意を得ない超誘拐だったわけで、まぁ日常を描きつつもドロヘドロ世界の共通ルールは”暴力”だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
世界律が牙を向き、能井の体はズタズタにされる。パートナーの危機に目を見開く、心先輩素敵…
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こうして心が通じ合うパートナーもいれば、強引に契約をもぎ取る強制もあり、ぜーんぜん通じ合わない友情もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
カイマンがいなくなった””空腹虫”は、空前絶後の大繁盛。第5話の逆回しのように、ノンキに蜥蜴顔を思うニカイドウ。
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だが、煙ファミリーの捜査の手は、確かに”時間を巻き戻す魔法使い”へと伸びているのだった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
魔法マフィアが、いかにも草臥れた刑事ルックで事件操作してるの、クレイジーでいいわね…。
ガッポンガッポンこき使われるのと同じ”便所”で、荒れ狂った凶行。その行く末は、カオスの只中…。
っていう所で、次回に続く、である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
カイマンがニカイドウと袂を分かち、魔法使い達の日常に身を投げることで、ちょっと作品世界が違った角度から見えるお話でした。
煙ファミリーの忙しい日常、青く美しいブルーナイト。そこに宿る、”ホール”と変わりゃしねぇ大暴力。
魔法の国の平凡をジックリ、暖かく描いたからこそ鮮明に見えるものってのがあるはずで、能井と心先輩の過去に深く繋がりそうな襲撃が、どう転がるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
それが覚悟の孤闘を続けるカイマンにどう関わってくるか、楽しみになるエピソードでした。
やっぱ群像劇として善く出来てるよね、ドロヘドロ。
心先輩の過去は第6話で掘ったわけで、今度は能井の過去、そこに繋がるパートナーとの出会いが見れそう。ぜってぇクソまみれ世界最高のロマンスが、二人の過去には隠れてんだよなぁ…楽しみだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月4日
パイ屋の愉快な仲間とか、独自の歩みを始めた栗鼠とか、ワキもなかなか盛り上がっており。次回が楽しみです