22/7を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ナナニジ解散から一ヶ月。冬の動物園に、斎藤ニコルはいた。
夢が奪われた後の荒野に、名残る背中の残響。己を封じ込めていた壁を、ぶち壊した力強い拳。
滝川みゆ。前髪の奥に獣を閉じ込めた少女は、仲間の涙を前に震える。悲しみではなく、理不尽と無力への怒りに…。
そんな感じの、待ってました! ニコルの巨大感情爆裂回ッ!! である。ダーッハッハッハ、こういうのを待ってたんだよナナニジちゃんよ~!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
…失礼いたしました、私澄まし顔の奥に一生モンの巨大感情を隠し持つ人間が大好物なもので、タメにタメてボガンとイッた今回、非常にありがたくてツイ…。
気配はありつつも、その源泉を見せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
各キャラの過去エピでも使われたナナニジ主義を、ニコルは1クールかけて生かした形だ。非常に”らしい”構成で、全体構造の収まり方としても良かった。
あの視線、あの描写に込めていた期待が、一気に回収される気持ちよさがあったな…。
これ後追いで結果知ってて見たんでは、あんま刺さらんと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
三ヶ月リアルタイムで『ナナニジアニメ、理ッ解んねぇ~~』と首をひねりつつも、妙な引力に引き寄せられて見続け、なにか掴んだと思ったら逃げていく。
ボソボソと自分なり、作品と”お話”する不確かな時間。
そこを通ったからこそ、ズドンと真ん中を射抜くニコルの過去エピ、その視線を受け止め震えるみうのパンクスに、凄く揺さぶられるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
まぁ普通じゃないし、ヘンテコなアニメだよ。もっと素直に感動作るメソッドもあるとは思うんだが、ずーっと変化球だもんな…。好きだぜ正直。
女の過去がバレると、こっちのテンションはアガリ現実はそれなりに転がるってのが、ナナニジのルールである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ニコルの過去は、どこか今のみうに似た自身のない、隠れがちな少女であった。
タイミングと深度はそれぞれだが、八人全員”嘘”被ってるの凄いよね…一応青春アイドルアニメやぞ
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そんな彼女が笑顔になれる、唯一の瞬間が”アイドル”だった。ここら辺、第7話の純ちゃんと似ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
やっぱり『なぜアイドルか』という疑問には、直球の答えが返ってきたほうが腑には落ちるなぁ…。
ニコルの場合は、それに加えて『なぜ”滝川みゆ”か』にも、過去回想で答えていくが。視線が強いッ!
思い返せば出会いから、ずーっと一人の女を見つめて付けてきた視線。上に乗っかる”中止”の赤文字に、マスクで封じたため息も出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
言葉にはしないけど、貴方が全てだった。だからここに来て、顔を上げたら皆がいる。再び交わった道は、封じられた道へと続いている。
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小学校パートはいじめと吃音の生々しさが凄くて、一時停止しながら見てしまった。マージで個人の特質を、煽ったり嘲ったりするの良くない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
魔女役を押し付けられても、憬れの”アイドル”のように輝くべく前に出るニコル。その姿を、みうはじっと見ている。
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ゴミみてぇないじめっ子が”白雪姫”で、後に花の舞台に上がるニコルが”魔女”なの、このアニメらしい転倒だなぁ、と思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
前髪かきあげて”見る”ことはみうの特質であり、後に解るように理不尽に対し怒ることは美質である。だが物語開始時点で、彼女はそれを忘れている。
”弾く”という資質もまた、第3話の大舞台でようやく思い出した強さなのだが、それはずっと前から脈を打っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ニコルの孤闘に無言で寄り添い、音楽で背中を支える。ナナニジデビューの伝説は、実は”再話”だったわけだ。
無言でズヌっと飛び出してくる、みうさんの”圧”が凄い。
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今にして思うと、ニコルがお披露目ライブでアドリブ舞台にかけ出せたのも、”アイドル”への強い意志だけではなかったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
滝川みうは、やる。
幼い時に叩き込まれた信頼が、自分を支えてきた。なにかが起こると信じていた。だから、即座に反応できた。https://t.co/4z7ZnGKpAy
影から日向へ飛び出す。恐れず、堂々と胸を張る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
そんな生き方を教えてくれた人がいればこそ、斎藤ニコルは”アイドル”になれた。”アイドル”を信じられた。
今まで随所に挟まれていた強い視線が、ビシバシ意味を手に入れていく快楽。こういう謎解きは、やっぱり気持ちがいい。https://t.co/rizR2avsyU
つーか『こんだけの巨大感情を抱え込んで、よくムッツリ顔で黙ってられたな…』って感じだが。目の前で桜ちゃんとイチャつくしよ~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
やっぱ運命の再開だと思ってたら、すっかり忘れてるのに傷ついて、自分からは言わないことにしたのかな。
そのプライド、YESだね…。
他人の決意や誇りや努力を、踏みにじる遊びの悪意。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
滝川みうはそれを見落とさないために、かつて前髪の奥から世界を睨んでいた。
それを見落としてしまえば、自分の中の大事な何かが壊れる。そう思ったから、獣のように飛び出し、MMA選手のようにマウントパンチである。オルぁァ!!
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舞台をぶち壊しにしてでも、ニコルの思いを守りたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
滝川さんのパンクスっぷりにマジで感動したのは、ニコルだけではない。小さな頃から、『やる時はやる』人なんだよなぁ…。
そしてその激情を、わざわざ説明はしない。真実は自分の中だけにあればいい。高倉健みてぇな女だな…。
怒りの鉄槌(物理)を振り下ろしたみうは、斎藤ニコルの世界から去っていった。世界の誰も理解しなくても、私だけのヒーローがいちばん大事なものを、拳で守ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ヒロイズムすら、なんかゴツゴツして完全には上手くいかない。非常にナナニジらしい過去である。
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”ビースト”みうの行動主義は、自分を守る壁をぶっ壊されたニコルの生き方に強い影響を与えたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
他人がどう思おうと、関係なし。目指した道に、無言で一直線。
だって私のヒーローは、そうやって私を守ってくれたから。
重い…そして美しい。好みのタイプじゃねぇの…。
かくして”アイドル”一直線。挫折も敗北も、あの”獣”の背中を思い出さえば耐えられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ナナニジへの黒い招待状は、時を飛び越えてかつてのヒーローに会いに行くチケットだったわけだ。
正直、ニコル周辺だけ感情の重量が分厚すぎて、完全に百合姫連載作品。重力でレンズが歪むッ…!
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そうして再開した少女は、しかしひどくぼんやりした顔に成り果てていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
夢の”アイドル”を掴んだ瞬間、”獣”がかつての自分のような前髪女に弱体化してたのを見て、ニコルは何を思ったのだろうか。
今までの描写が、全て逆向きに襲いかかってくる…ッ!
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仮にもアイドル物語なのに、ニコルの運命の扉を叩き壊したのが”拳”ってのが最高にナナニジで、最高に良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
別れてる間に鎧われてしまった、みうの中の獣性。デビューで爆裂したパンクスの魂は、理不尽な解散の中吠える時を待ってる。
ニコルも俺も”拳”に期待大だっ! 刃牙みてぇになってきた!
まぁそこに至るまでは、へにょへにょしたアイドル青春絵巻が涙色に展開するわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
こういう湿り気のある描写も、情景の強さと合わせて巧いのはこのアニメ、良いところ。ママンが見守ってくれるの、やっぱ良いよねぇ…みうママン好きよ私ァ。
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流されるままに遠ざけられ、封じられた約束の場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
着る必要もない制服を来て、神様が命じるまま”アイドル”を演じてきた日々。
でもそれは、楽しかった。ナナニジが好きだった。
その未練と不完全燃焼を再確認する場に、皆降りてくる。合田ちゃんも見とるぞ!
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諦めきれず戻ってきた夢に、一足早くヒーローが待ってた時、ニコルは何を思ったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
みうはその視線に込められているものを憶えていないし、何かに報いようと思ったわけでもない。それでも先んじて、ニコルに”背中”を見せるヒロイズムは、まだまだ死んでいないのだ。
それぞれ過去は伝えずとも、秘めた思いが花と開いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ナナニジはそれぞれに特別な思い出で、未だ終わりにしたくない。都泣くな…お前が泣くと、特別辛い…。
そしてニコルの瞳は、仲間の涙よりヒーローの”拳”に引き寄せられる。理不尽を打ち砕く、情熱の震えに。
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前髪の奥に隠された、鋭い視線。哀しみよりも怒りを湧き上がらせ、獣のように突き進む魂。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
それを、ニコルは知っている。
それに、ニコルは救われた。
それで、ニコルは”アイドル”になった。
未だ終わりじゃない。始まってすらいない。主役の視線に、マグマめいた熱が籠もる。
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僕はみうが生粋のパンクスであることが好きなので、ニコルの回想を薪にして、それがボーボー燃え始めるのは最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ナナニジのデビューでは、鍵盤で道を作った。ニコルの未来を、知らず切り開いた。
その”拳”は、今度は何を叩き壊すのか。
前髪女…そろそろ、暴れる時間だぜ!
やっぱりみうがセンターで主役だから、彼女が最後は締めてくれたほうが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
そのための下準備を、ニコルが丁寧に整えてくれるエピソードでした。
同時にブラックホール級の巨大感情を隠していたと判って、これまでの描写が全部腑に落ちた。マジでこういうのを待ってたからよぉ…。
ホント今過去話を見ると、巨大感情センサーに引っかかってた描写全てに納得できる。ただのライバル意識にしては、マジ”見すぎ”なんだよなぁニコル…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
ここで手を引いたのも、ヒーロー晴れの舞台への帰還を喜んでいたわけだな。
それを表には出さない。極上のツンデレだ…。https://t.co/yOAanpJQlC
少女たちの涙(約一名”拳”、約一名ヒーロー爆発への強い期待)に呼応し、壁も動く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
急にフリーザ声で喋りだした、理不尽の自動的な権化はいったい、どんな未来を連れてくるのか。
次回、ナナニジアニメ最終回。滝川みうの”拳”が唸る。
©ANIME 22/7 pic.twitter.com/1Hirx3sh5N
つう感じの、みうとニコルの過去と現在でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
いやー…最高っすね。ニコルの過去エピをタメにタメ、意味深な視線を随所に織り込んで期待感を高めた成果が、一気に爆発するエピソードでした。
唐突な終わりをぶっ飛ばしてくれそうな、みうの”拳”の強さもバキッと届いたし。
”そこ”を越えたら、もう暴力しか無い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
そういう太い信念を、前髪女がかつて持ってた事実が最終回直前、異常に頼もしい。
ニコルの熱視線が”拳”を求める中、果たして壁ちゃんはなんか物分りがいい感じに人格を手に入れるのか。それとも最後まで、不気味な他者で有り続けてくれるのか。
どう落としてどう魅せるか、最後まで安心できねぇ所が7虹アニメって感じですが、これだけは言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
俺、このアニメ見続けてマジで良かったよ。
アイドル…というか一人間としての熱さ、感情の太さ。見たいものがちゃんと見れて、相当に満足してる。
次週、最終回。マジで楽しみ。
追記 今回みうが見せたメガバイオレンス・ヒロイズムで、ようやくナナニジが”俺のアニメ”になった感じすらある。
小学二年生の滝川みう、行動理念が完全に原哲夫作品なんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年3月22日
学芸会のマウントは、完全に”花の慶次”の幸村じゃん。
『人間には触れちゃならん傷みがあるんだ!! 其処に触れたら後はもう生命のやり取りしか残らんのだ!!』じゃん。
もう後は『これよりナナニジ、修羅に入る”』じゃん。
最高。