波よ聞いてくれ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
心の整理もつかないまま、動き始めるミナレ初の冠番組”波よ聞いてくれ”。
お前の声と才能で遊ぶ。
ノンスポンサー枠をわざわざもぎ取ってきた、麻藤の不敵な笑みに支えられ、ほぼアドリブの奇妙なドラマが夜の北海道を駆けていく。
その先に、未来はあるのか?
そんな感じの、オンエアスタートな回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
殺人に放送事故に宇宙人。ヤバな要素をてんこ盛りにした、ミナレに圧力のかかる唐突な放送。
『疾風に勁草を知る』とばかりに、腹を決めたミナレは見事初回放送を乗り越え、電波に声を乗せる。
そしてそれは、確かに届く。
トンチキでヤバなネタばっかり扱うけれども、そこには確かな面白さと手応えがある。どん詰まりの最底辺から、声一つでのし上がっていくサクセスがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ここら辺の硬い手応えが、”波よ聞いてくれ”を実在の番組として面白く見せる手腕と相まって、独自の旨味を醸し出している。杉山里帆さんすげーわ。
中山くんとのネトネトも処理できない内に、呼びつけられてラジオ局。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ミナレの憂鬱を反射して暗い世界が、なかなか鮮明に描かれてる出だしが良い。この夜の暗さが、勝負を終えて朝に漕ぎ出すシーンに繋がってんのよね…。
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まぁ重たいトーンは長く持たず、すぐさまケーキに帽子で浮かれポンチだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ただ喋らせただけでは平板になってしまいそうな”ラジオ”という題材を、笑いとシリアスの緩急で食わせるリズム感は、こういうところでも元気である。
瑞穂とミナレの波長が合って仲良しなの、ホッコリと良いよね。
おポンチ帽子を脱げないまま、放送の期日は迫る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
麻藤さんは仕事を前に、今までのひょうげた表情を少しシメ直す。ノンスポンサー枠をもぎ取り、本気で”遊ぶ”ために足場を整えまくる辣腕が、渋い表情によく映える。
仕事はできる。その上で最悪である。
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人間一人の才能と将来を、電波に乗っけて遊ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
非常にヤバい橋を意識して渡る麻藤さんは、ユーモアをにじませつつも圧力が強い。
ケーキと一緒に”食う”心配も、自分の胃袋に落としてミナレには背負わせない。そういうカッコ良さもあるにはあるが、まぁメチャクチャだよ。
酔っ払っての寝言が電波に乗ったときから、ミナレの運命は転がりだしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
人生ペロペロナメまくりのクソアマ故に、前言はすぐ撤回するし、覚悟も決まらないが、アドリブ能力は高い。
5分前、土壇場で麻藤さんに”女”を問いかけて、ようやく褌を締める。
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ここのグダグダした葛藤と、それを”女”としての自分再確認で突破する流れは、ミナレという人物がよく滲んで面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
さんざん酷い目にあい、酷い目に合わせながらも恋愛から離れられないのは、それがミナレにとって人格の根っこにあるからだ。だから、最後のブースターは”そこ”にある。
まぁ麻藤さんは、土壇場で化けるミナレの”才”…あるいは去っていったシセル光明を求めてる感じもあるけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ダイナシのダメ人間絵巻を転がしつつ、恋愛相関図が結構複雑なこのお話。
麻藤さんがどういう視線でミナレと世界を見ているかは、なかなかに読みきれないようになっている。
穴だらけの台本と、ノンスポンサー枠。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ミナレの”才”が踊る舞台をわざわざ整えて、ヨーイドンギリギリで気合を見せた、薄汚いマイ・フェア・レディ。
動き出した”遊び”を前に、ちょっと獣臭のする笑みを浮かべる麻藤さんがなかなか格好いい。
そういう表情が見たくて、ミナレを転がしてるんだろうし…
放送事故を装う、殺人とUFOの虚構。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
それはスタジオを飛び出して、実際に”ミツオ”がおっ死ぬ瀬戸際に重なっていく。
ミナレの知らないところで、銭を奪った元カレは死にかけていて、そこにも波は届いていく。
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明るいブースと、暗い犯行現場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
虚実を行き来しながら、迫真のアドリブ…であり、何を話すかの骨格は用意されているドラマは夜を流れていく。
あんだけグダグダ足踏みしていたのに、いざ幕が上がるとスルスルと話を転がし、仮装の殺人喜劇を即興で組み上げていく手腕に、麻藤さんもニッコリ。
ミナレは、荒れ地でこそよく咲く花らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
整わないメンタル、将来への不安、穴だらけの台本。それが全部、話芸を加速させる燃料になってる感じがする。
あるいはその資質を見抜いて、麻藤さんも無茶苦茶な企画を投げつけるのか。
本当悪い大人だなぁ…楽しむためなら、苦労を厭わないところが。
ミナレ迫真の演技は、様々な場所へ届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
何しろ今ぶっ刺そうとしてる当人がモデルなので、その葛藤やらディテールやらは、ズバズバ包丁持った今カノに刺さる。
『自分が言いたいことを、その通り言ってくれるありがたさ』
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先週瑞穂が伝えていたミナレの”才”は、全く知らない波に乗って、殺してやりたいほど憎い元カレの命を救う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
それが善行なのか因縁なのか、なかなか判断はつきにくいが、包丁よりもよく心に刺さる刃なのは間違いない。
嘘っぱちのドラマは、リアルを貫通し確かに、他人に届くのだ。
洒落にならねぇ包丁の輝きと、ブースで積み重なる芸と笑顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
虚実のギャップを行き来しながら、喋りっぱなしのラジオ放送をしっかり、アニメ視聴者にも聞かせる運びが上手い。
作中で『凄いこと』とされているものが、実際凄く感じるのってなかなか大変よね。
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なんとか20分のアドリブ一人芝居を乗り越え、ミナレはホッと息をつく。その熱量を間近に感じた麻藤も瑞穂も、手応えを感じて笑顔だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ここの『いい仕事してる』感出た描写は、邪道ながらお仕事モノでもあるこのアニメで、とても大事な部分だと思う。
色々捻れてはいるが、これは必死で本気の仕事なのだ
トンチキで無茶苦茶だろうが、無我夢中に走り抜けた先にしか、未来はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
流され転がってたどり着いたブースで、悪い大人に踊らされつつも、ミナレは熱心に誠実に”仕事”をする。
ここに甘さがなく必死さがあるのは、結構大事なことだと思う。
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足を踏み入れた時は薄暗い闇に包まれていたラジオ局は、初陣を無事走りきって明るい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
優れた言語の反射神経、豊富な語彙とイメージ力。
パーソナリティ…あるいは芸人としての強さがよく出た『殺人犯、宇宙人に拉致さる』に、ミナレは確かな手応えを感じる。それは、見てた視聴者にも通じる仕上がりだ
散々騒がしくダイナシに転がしてた話だが、この朝焼けがちゃんと爽やかに、良い汗の感触を交えて描けているのは巧妙だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
色んな要素があるけど、ミナレの自己実現ってのは話を支える大事な柱で、それをしっかり伝えるには、仕事の仕上がり、そこでミナレが感じたやりがいをちゃんと描かんといかん。
長い足踏み、本番直前の覚悟、走り出したら暴れ倒すマシンガントーク。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
異常な切れ味とインテリジェンスで暴れ倒す話芸が、確かに何かを動かすだろう説得力をもって動き出したのは、今後の変化を保証する、とても良い材料だ。
生真面目にやり抜くところは、ちゃんと描く。メリハリ聞いたお話だ。
つーことは、ダイナシにする所では無茶苦茶やるって話でもあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
うっかり夢に見るくらい、前のめりで演じた嘘。それは電波に乗って世界に広がり、反響を呼び覚ます。
それもまた、悪いおじさんたちの”遊び”の一貫ではある。
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バイラル広げるためにきっちり仕込みする辺り、やっぱり麻藤さんスキなく仕事やっとるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ミナレの瞬発力とセンスを見るために、わざと穴開きにした脚本。期待通り転がりだした、ザラツイた声と才能。
朝焼けはミナレだけでなく、麻藤さんにも満足を連れてくる。いやー、悪いなぁ…。
最初の一発で楽しい遊びを終わらせるつもりは当然なくて、麻藤さんは次の爆弾をどんどん仕込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
ド素人の瞬発芸と、計算されたプロのプライド。それを当てこするように、まどかに放送媒体を手渡す。
狙ってグツグツさせてんだから、マジタチ悪いわな…。
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そんなおじさんの悪巧みはいざしらず、ミナレは波に乗って広がった己の声に、手応えを感じていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
所詮斜陽のローカルメディア、成り行き任せの軽薄虚業。
そううそぶいてみても、自分が必死に喋り倒したものが届き、反響を巻き起こすのは嬉しい。
すぐさま調子乗るのが、ミナレのミナレたる所以だ。
『ラジオ一本で行く!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
中原くんがマキエと何やってたか、勝手に審判した末に飛び出した、カレー屋決別宣言。
まーた絶対撤回するし、おそらくジャッジも大間違いなのだが、それぐらいの手応えが初回放送にはあった、ということだ。
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”Pride”がメッチャいい曲なので、浮かれたポンチ女が身勝手なことほざいてるシーンでも、なんか劇的でスタイリッシュに見えてしまうのはズルい。ここぞとばかり、画面効果とか使ってんじゃないよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
深夜生まれたミナレの”波”は、世間を、彼女自身を何処に押し流していくのか。
そういうところで、待て次回、である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
会話のテンポ、ネタの鮮度、インテリジェンスの切れ味。
放送事故とラジオドラマ。熱気溢れるブースと、包丁揺らめく現場を行き来する、虚実のメリハリ。
”波よ聞いてくれ”初回放送が、強い説得力を持った面白さで描かれていたのが、とても良かったです。
今後の変化やサクセスの足場になる、最初の一発。ここに説得力があることで、今後の展開を飲みやすくなるし、面白くもなるしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月3日
やりきった実感で天井まで浮かび上がる、ミナレの軽薄さも良かった。ゼッテーロクでもねぇことになるな…。
次回も楽しみですね!