波よ聞いてくれ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
荒波に押し流されるように放送された、ミナレの冠番組”波よ聞いてくれ”。
それぞれの事情がジリジリ煮出される中、第二回放送が近づく。
ミナレをおもちゃに本気で遊ぶつもりの、麻藤Dが選んだ企画は…なんと悪霊退治の実況録画ッ!?
そんな感じの、ロクでなし共の悲劇喜劇、第二幕開演前夜である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
各キャラクターの家庭環境とか、心の根っこにある執着とかを掘り下げつつ、嘘殺人者VS宇宙人よりも更にロクでもない方向へと、番組がブッちぎって行く展開となった。
転がるごとにヒドい出目が出る、ミナレの人生すごろく。
傍から見るには(ラジオだから”聞くには”か)、ひどく面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
加速していく碌でもなさと、並走するように妙に湿った感情やら関係性やらも見えてきて、作品独特の味わいはより深く、噛みごたえが出てきている。
この”風”を背中に受けての次回、第二回放送がどうなるか、非常に楽しみになった。
前回のカレー屋決別宣言を亜音速で蹴り飛ばし、相変わらず人生ペロペロナメてるミナレの生活は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
中原くんとマキエの微妙な距離感を、睨みつつも踏み込めない厄介な間合いで、混戦した電波はロクでなしの親父に繋がっていく。
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中原くんにしてもマキエにしても、今回は家族関係を掘る話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
色々個別の生臭さを抱え、家を出たあともその影響を受けながら、生み出されたキャラクター。
『この家にして、この子あり』と納得するには、初回放送が一旦落ち着いたこの回、良いタイミングかも知れない。
ミナレの親父さんは一見良いこと言ってるようで、ギャンブル狂いのアルコール依存、どこに出しても恥ずかしいクズである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
そういうのを引き寄せるのもまた”血”なのか、月を見上げても答えは出ない。オカンの方は、ある種の悟りを既に開いてるっぽいけどね…。
”月を見上げる”というアクションは中原家でも共通で、マキエを見守りつつ、彼の恋心も(ついでに店長の寝言も)なかなかうまく繋がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
複雑怪奇に転がったマキエの人生を壁越し気にかけつつ、自分の悪口言われてるとは思わない所に、中原くんの善良がある
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『その寝間着、背中バックリ空きすぎだろオメー…』という感想はさておき、中原くんの姉ちゃんはとてもいい人で、マキエとの掛け合いは妙にホッコリした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
ミナレに対する瑞穂ちゃんと同じで、ヤバ女が落ち着いた人とフツーの交流しとると、しみじみ『あ、良いな』と思ってしまう。
どうせまたすぐロクでもない方向に転がるのだが、そればっかりが彼らの全てではなく、同時にこういう”いい塩梅”に落ち着けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
そういう運命を観測する足場として、しっとりとした女二人の会話は良い感じだ。やっぱ新井里美は良いなぁ…。
まぁマキエの家庭環境は、しっとりどころじゃねぇけどな!
兄貴の事故も店長の不幸も、中原くんの善意も利用して檻を出る、どす黒いエゴ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
それを隠せない程度にはマキエも清廉で、穏やかに受け止めてくれる相手もいる。
ここら辺の事情知っても、中原くん怒ったり追い出したりしないだろうなぁ…良い人だ、ミナレ相手だと時々ドちんぽ人間だけど。
オバサンと赤ん坊と、善人とヤバ女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
奇縁で流れ着いた部屋は、奇妙ながら妙な落ち着きがあり、トンチキ人間の宿り木という風情がある。
ミナレが藻岩山ラジオに、なんだかんだ新たな足場を見出しているように、マキエもこの部屋を足場に、人生を転がしていくのか?
はたまた、ヤバ兄貴がヤバい方向に大嵐を巻き起こすのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
そこら辺は、人生が転がってみないと判らない部分である。ホント、どう流れていってもオカシクないからな、子のお話…。
『トンチキでもいい、それなりに幸福になって欲しい…』って感じだ。(ダメ人間の丸大ハム)
煮え切らないのは麻藤さんも同じで、悪夢の中で繰り返し見るのは、消えてしまった女の残影。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
止めれなかった後悔に伸ばした手はけして届かず、どこか似た面影のあるカレー屋のヤバ女で、それを取り戻そうと
藻掻いている。
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フラフラペロペロと、人生に半身構えなミナレと同じように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
麻藤さんもまた、未練に決着を付けれないまま悪い大人になり、何かを求めつつ日々を過ごしている。
何もかも半煮えのハンパ人間たちが、けして沸騰するほどでもない熱さでより集まり、人生を波にプカプカ転がしていく物語。
麻藤さんもその当事者であって、俯瞰で”遊び”ばっかりやってるわけではないと判る、悪い夢である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
モンティ・パイソンの日本放送は76年だから、相当長い間この悪夢を抱えて生きてきたわけだ。
…存外、北の感情弾頭か、麻藤さん。
代用品たるミナレに、この重たさを悟らせないところが面倒くさいネ
中原くん徹夜の企画は袖にされ、新巻き鮭抱えてやってきた旧居で、ヤバい未来の鍵を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
真剣にやってんだか運任せのテキトーなのか、判別つかないところで話が転がっていくのは、このお話らしくていい。いやまぁ、腐臭嗅ぎつけて”ラッキー”もねぇけど…。
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事態はあれよあれよと転がり、ミナレと瑞穂はヤバ領域に足を踏み入れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
どインディの泥臭さときな臭さに、あえて踏み込みネタに変える。”波よ聞いてくれ”の方向性が、(麻藤Dの狙い通りに)定まってきた瞬間である。
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おざなりなミナみずにちょっと反応してしまい、百合豚の浅ましい本性に軽く涙したりもした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
瑞穂ちゃんとミナレがコンビで描かれると、思わず『ガタッ!』ってなっちゃうんだよね。
ダメダメ人間絵巻、ほぼ唯一の清涼剤だからかなぁ…それとも、女二人写ったら即レズと判断するゴミだからかな…。
さておき、深夜の探検くらいの気持ちで夜に飛び出した二人は、血走った眼に迎えられ、生っぽいヤバさに包囲されることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
ドンキのコスプレでどーにかなるもんじゃないが、そのヤバさが聴視率を生み、ミナレを売れっ子にしていく…のか?
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どっちにしても、亜音速でロクでもない領域に転がっていく”波よ聞いてくれ”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
屋根裏に隠された惨劇は、ダメ人間共をどこに連れて行くのか。待て、次回…という塩梅。
麻美子がホラーテイストで演技してると、”地獄少女”思い出してホッコリするね(能登なら何でも全肯定人間)
というわけで、ダメ人間を取り巻く色んな人達を描きつつ、狂気と腐敗が薫る第二回放送へと加速していくエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
マキエと中原姉とのシーンがしみじみ良くて、土まみれの人情に感じ入り、心が暖かくなってしまった…最悪のダイナシアニメなのに!
剽軽に人生を笑いつつ、侮蔑も露悪もしてないところが多分、この作品の好きなところで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
ダメでトンチキでハンパながら、情も意地も込めてなんとか生きてる人達に、シニカルながら結構温かい視線を向けて、それが滲むシーンも上手く作る。
それが、亜音速でかっ飛ぶダイナシを際立たせもする。
そういうバランス感覚が、”家族”描くことで元気に見えたかな、と思いました。麻藤さんの巨大感情が、その片鱗を見せたのもいい。大人になりきれない連中の物語なんだなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月11日
そういう感慨を置き去りに、屋根裏から滴る呪いの腐汁。
インチキ退魔師が拾ったネタは、話をどこに転がすか。次回も楽しみ!