波よ聞いてくれ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
気遣いは 人と人との 潤滑油
そんな上っ面の標語に全力で摩擦しながら生きる女、鼓田ミナレ。
グダグダ足踏みしている間に城華兄が獣の本性を見せたり、久連木さんが卒業したり、妄想の熊と対峙したり…あいも変わらずワイワイと、世界は転がっていくのだった。
そんな感じの、第1話冒頭に繋がるエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
今まで描かれた山盛りのグダグダと奇縁があって、鼓田ミナレは”DJ VS 熊”を演る事になったと、納得行くのか行かんのか、とまれこのアニメらしい『ふりだしに戻る』であった。
その先には、全ての始まりたるクソ男が待っとるわけだな…壮大なサーガだな。
僕らとおんなじように、瑞穂もミナレのことが理解り、好きになってきてて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
先週晒した生き恥を悔いて、思いつきで尼になるだぁほざき始めたミナレの無茶苦茶を、瑞穂は好きだと肯定する。
何をするか分からないのは、見てて面白い。
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気遣いと心配りを褒められても、何かを始める”自分”というものがない女には、ミナレの破天荒なパワーは眩しく映る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
それと同じくらいの真摯さで、ミナレは瑞穂の人徳を見つめているのか。いや、確実に好きだし大事ではあるんだろうが、そういうの土壇場で全部蹴っ飛ばすからなこのアマ…。
二十歳を超えても未だ続く、グダグダの思春期トンネル。出口が見えないハンパさを、全部ひっくるめで肯定してくれる親友が隣りにいてくれることは、ミナレに良いのか悪いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
そういう大上段からのマトモな判断に、後ろ足で砂引っ掛ける、シニカルな作品でもある。
どう考えても問題ありだけど、そういう形でしか進めなくて、そのゴチャゴチャが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
瑞穂が”好き”だというミナレの生き様は、そのまま彼女が主人公を務める作風にも繋がっている。主役はその人格によって作品を染めるからこそ、主役なのだ。
そういう意味では、強いエンジンが真ん中にあるのは良い
瑞穂の暖かな肯定で、訴訟寸前の生き恥をケロッと忘れた瑞穂。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
その背後でVOYAGERには店長が復帰し、墨のような瘴気
を背負った男が、闇に鎮座する。
どう考えても逸刀流じゃん、マキエの兄貴…。廃刀令後の世界に生きてていい存在感じゃないね。
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今回のエピソードは、このグダグダダメダメアニメなりに”家族”というものを、剽げた筆で描く話だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
既に最低オーラを出してたミナレの親父は、ぶっちぎりの最悪エピソードを全力で叩きつけ、受話器はブース内部を跳弾する。
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『ネタがね-なら、身内の恥を切り売りしろ。世間様にさらして、存分に笑い者にされろ』って押し込んでくる麻藤さんも、相当にエグいけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
自分のアイデンティティたる名前が、手切れた愛人のキメラだってのは、なかなか笑えない呪いである。いや笑うけどさぁ…。
生誕の瞬間から、誰かの笑いものになることを運命づけられたようなひでー秘話。こんだけヒドいことされても穴は埋まんないんだから、番組制作も大変よね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
ピンチを助けるどころか、ネタにもならねぇ最悪を電話越し叩きつけてくる。こういう”家族”も、当然ある。
まーた思いつきで『ラディカル・フェミニズムしかねぇ!』みてーな事をほざくミナレに、瑞穂は”善い男性像”を久連木さんごしに紹介する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
ミナレの仕事できないっぷりが戯けて強調される分、オジサン達のお仕事はカッコよく見える。多分錯覚。
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今回のミナレは、多分意図して徹底的に道化だ。”VS熊”ではカッコいい所もあるんだけど、そこは一話の繰り返しになるからカットだしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
笑われて、何かを際立たせること。おふざけにも品格と才能は必要で、ミナレは名前からして、それを背負っている。
まぁ愛人の頭文字を取ったミナレと、シセル光明が祈りを込めた”ミナ・レ”は偶然の一致でしかないのだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
そこに重たい感情を乗っけてる、麻藤さんがマジヤバイと思う。風が吹いても雨が降っても、シセル光明を思い出しながら中年になっただろオッサン…。
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誰かをこき下ろすのではなく、自分が恥をかいて巻き起こる笑いの渦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
それを掴もうとして掴めなかったコメディエンヌの、祝福のような呪いに導かれて、麻藤さんはミナレを探してきた。
当のミナレは、ここら辺全く知らんわけだが。いやー…最終盤で拗れそうな関係だ…。
道化は何も知らんもので、古巣で展開する濃厚な家族劇も、ミナレの背後を通過していく。道警って、熊飼ってんの…?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
用意した鳥かごから妹が抜け出せば、修羅に変わる。そういう兄も、またいる。
やっぱ逸刀流じゃん! ナチュラル・ボーン・キラーズじゃん!
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麻藤さんのサラッと重い呪いと比べると、『激重感情にも色々あんだなぁ…』という感じだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
女を見る目以外は人間力高い中原くんは、頚椎へし折られかけても慌てず、一番頼れる身内でもって、城華兄の瘴気を祓う。
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フツーに他人を受け止めれて、フツーに強くて優しいオバちゃんこそが、マキエの救世主になる。ヤッパ持ち出して切った張ったの時代じゃあないんだよお兄さんッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
やっぱ中原姉弟の、肩の力の抜けた靭やかな善良さは、ダメ人間のパレードの中で一服の清涼剤である。フツーって強いし、大事ね…。
中原くんは『姉貴ならどうにかしてくれんだろ』という信頼を込めて携帯電話を握ったろうし、姉ちゃんも図太くそれに応えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
そういう”家族”も、またある。
上手くいくことも、いかないことも。最悪の適当も、強い信頼も、どす黒い執着も。
色んな家族、色んな人間がいるのだ。
その聖俗貴賤入り混じった人間曼荼羅を、ゲラゲラ笑ってたっぷり食える所が、このお話の良いところだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
ミナレの主人公力で引っ張りつつも、群像劇として濃いキャラが埋没せず元気なのは、面白いし良いところよね。
『色んな輩がいて、面白い』って作品の視座を、キャラとドラマが裏打ちしてる。
ミナレとマキエ、奇縁で結ばれた二人のVOYAGERは、それぞれの舞台にそれぞれのスタイルで向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
重たい檻から出たマキエが、望むものはなにか。グダグダな波風に押し流された、ミナレが辿り着く場所はどこか。
分からないなりに、もがきながら探していく。
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準備不足と現実逃避の結果ながら、色んな人の助けもあって『DJ VS 熊』は見事な”芸”として成立する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
超高速超濃度のアドリブでバカでかい嘘を具現化し、その内側に血の通った、素裸の自分を混ぜていく。
必死だからこそ面白い、恥も嘲りも身一つで受けていく、ミナレの話芸。
まぁ何だかんだ生真面目な作家、真摯な作品でもあるので、メイン素材として扱ってる”笑い”がどのように生まれ、消費され、勝ちを創造していくかに関しても、存外考えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
笑うことと、笑われること。密室の中で生まれた爆発が、波に乗って広がっていくこと。
ミナレは何も知らないまま、そんなテーマと必死に踊りくねり、大怪我してケロッと忘れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
その爽やかで疾走感のある生き様は、確かにパワーが有って面白い。僕をこのアニメに惹きつけた”DJ VS 熊”へ至る道を見ながら、そういう事を考えた。
そして、ミナレも当然、ただの馬鹿じゃない。
今までで一番の台本が、去りゆく久連木の”餞別”であることを、ミナレのセンスは嗅ぎつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
でもその裏にあるオジサンたちの事情も、同居人のはかない恋にも、気づくことはない。人間、そんなに万能でもない。
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今までで一番の台本が、去りゆく久連木の”餞別”であることを、ミナレのセンスは嗅ぎつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
でもその裏にあるオジサンたちの事情も、同居人のはかない恋にも、気づくことはない。人間、そんなに万能でもない。
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片や純文学、片やシセル光明から受け取った”笑い”という呪い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
お互いなかなか始末できない青臭さを閉じ込めた、オジサンたちのハンパな檻。
久連木さんは、一足先にそこから出ていく。あるべき自分を、自分の筆で掴み取って巣立っていく。
それが寂しくて、麻藤さんは昔を思い出したのか。
天使のような同居人が、酒と笑顔に隠す苦味。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
そういうもんに気を向けるには、ミナレの人生強風過ぎる。
突如差し込まれた、憎みきれないろくでなしからの手紙。
次週札幌に降るのは、愛憎の赤い雪か、はたまたグダグダ復縁油地獄かっ!!
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そんな感じの、面白うてやがて悲しき人生曼荼羅であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
光雄がノンキにメールできてるのも、ミナレが渾身の宇宙戦争を演じ、”芸”が包丁女の心を穿ったおかげだったりするのだが、それを当のミナレはさーっぱり知らんのだな。
やっぱ”愚者”なる主役なのねぇ…。
色んな思いや縁が触れ合いつつ、それぞれの劇場で踊る面白さ。ミナレと愉快な仲間たちの物語は、ドンドン加速しております。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月23日
第1話で見せられた未来に追いついて、待ち構えるはクズ男。さぁさぁ、どっちもどっちも!! つうところで、次回もマジで楽しみですな。