宇崎ちゃんは遊びたい! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
猫カフェに、二十歳記念の居酒屋。
二人は気づかぬままに、お互いの一番弱い部分を預けている。
それを受け止める勇気がないまま、子猫のようにじゃれる日々が、少しでも長く続くように。
今日もヤバ飲酒でゲロインデビューだ、宇崎花ッ!!
そんな感じの臆病者たちの輪舞曲、宇崎ちゃん第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
先輩と宇崎ちゃんが相互にどんだけお互いを信頼し、特別な瞬間を共有したいのか。そしてそんな特別さを真っ向から受け止める気合が足らねぇかが、良く見えるエピソードとなった。
いや寝ゲロで布団死んでキレないの、宇崎好きすぎでしょ…。
今回のお話は前半の猫カフェと後半の居酒屋が緩やかに照応してる話で、先輩は猫にデレデレなキモい姿を、宇崎ちゃんはゲロ垂れ流しのこの世の終わりを、それぞれ相手に見せて受け止めてもらっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
そうできるだけの信頼が、お互いの間にもうある、という話である。
それが友情になっても恋情になっても、どっちも良いとは思うけども、このお話はヘテロラブコメ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
最終決着点は恋人の関係性であり、逆に言えば”恋”という分かりやすい結晶化を経ないと、お互いの距離感にラベルを張りきれないお話でもある。
不確かで曖昧なものを、曖昧なまま愛でる話でもない。
んじゃあ今回のダメ学生青春のたくり物語は、ゴールに辿り着くまでの”過程”でしかないのかというと、そうでもないな、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
大学生活のモラトリアム感と合わせて、形のない関係性、それに値札を付けてしまうことへの恐怖と期待がゆるゆると流れていて、なかなか良い雰囲気であった。
逆に言うと、先輩と宇崎ちゃんの関係を進展させたいのなら時間を進めさせ、”卒業”という目に見えるリミットを顕在化させれば、恋の方も先に進むんだろうな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
そのままではいつか終わってしまうことを、解りつつ見つめられない。二人の恋と猶予は曖昧なまま強く癒着して、青春を浮遊している。
そこら辺の陽性…でありつつ、妙にしんみりした寂しさが匂う味付けが結構好きなのかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
先輩のキャラ付けに顕著だけど、陰気に見えて楽しく、陽気に見えて暗い、結構ヘンテコな話だよね。ポップな性消費アニメと思わせて、思いの外内省的…なんだけど、それを堂々張ったりはしない感じ。
まぁここら辺は、何でもかんでも陰気に噛みしめる僕個人の好み、認知の歪みも強く影響してんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
『作者そこまで考えてないって~』と言われれば返す言葉はないけども、考えていないという保証も、またなかろうよ。
結構クラい話だよなぁ、この物語。
さて、カエルくんクッションが可愛い宇崎私室に飛び込んできた、一本の電話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
思わせぶりな勘違いを超えて、やってきた猫カフェは産業化された楽園。思う存分ネコチャン相手にデレデレキモい顔を晒すが良いさ!
先輩は可愛いなぁ…。
©2020 丈/KADOKAWA/宇崎ちゃん製作委員会 pic.twitter.com/SaXwPKrac8
作画リソースの苦しさが画面に滲む中、ネコチャンの猫らしい動きを頑張っていて、アニメの中の動物大好き人間としてもニッコリであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
変に擬人化せず、ちゃんと”猫の動き”になってたのは、非常に良かったです。その生っぽさが、二人の時間の実在感を高めていくわけよ。
先輩も猫カフェ行ったら自分がキモくなることは判っていたはずで、ということは同行養成は『キモい俺を、お前なら見ていいよ』という許可証でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
どうみてもプレイな痺れ足弄りを公衆の面前でパなす意識の低さはさておき、まぁ二人の関係は現状、そんくらいに煮込まれているわけだ。
信頼と依存と臆病が、宇崎ちゃんの一方通行でないのは結構好きなところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
幼く甘えまくりな宇崎ちゃんと同じくらい、先輩も宇崎ちゃんのウザ絡みに楽しさを感じ、他の連中には見せなくていいと感じている(だから孤高を守っている)自分を預けている。
お前なら、別にいいかな。
先輩が他人をそう評価する基準は結構高いはずで、宇崎ちゃんはそれを楽々、大股で超えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
しかしそれは、恋人という形に結晶化は(まだ)しない。
先輩はセックスを怖がっているし、宇崎ちゃんの人格的視野はまだ未成熟だし、性の介在しない現状に二人共満足してる、つうのもある。
とまれ二人のゴルディロックス距離は”今、ここ”なわけで、猫カフェのじゃれ合いはそういうモノを柔らかく可視化する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
ツッコミ仲良く戯れて、お互いの感情を素直に出し合う。受け止め合う。
そういう相手がいることが、二人はとてもありがたい。
なら、それでイイじゃん。
そう思わなくもないが、同時に『このままじゃイヤだなぁ…』という感覚も、二人の間にはジワリと漂っていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
だから宇崎花は先輩をじらし、試し、逃げるふりをして追いかけてもらう。
”太陽のジェラシー”か。捕まえて好きだって言って欲しいかアアン?
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『なーんで宇崎が解説に消えていく姿は、異能力モノ最後の日常か、難病モノの平穏な日々っぽいオーラが漂うのか…』などと考えつつ、先輩はプレゼントの謎掛けに思い悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
先輩の中では、宇崎ちゃんは塩対応でプレゼントを跳ね除け、あんま喜んではくれない。
しかし他人をコンテンツ化する邪悪親子の客観から見れば、宇崎ちゃんは何貰っても喜ぶはずで、多分そっちが事実である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
このズレが、曖昧な距離感を先には進めない障壁なのだろう。
過剰に弄り倒してる宇崎が悪いといえば、まぁその通り。分かりやすく形にしないと、伝わんねーぞ!
しかし明瞭な言葉や態度で好意を表すのは、お互い恥ずかしいし怖い。今のアホ後輩とバカ先輩の、男女の境がない距離感が気持ちいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
そこには、セックスが介在する”大人”な関係に変わった時、今のような信頼を再構築できるか判らない不安というのも、またあるのだろう。新しいことにビビっているのだ
後半の居酒屋大爆発は、そんな震えにおちゃらけた、しかし確かなメッセージを出す話とも感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
初めての飲酒はチェイサーなし、勢い任せ、チャンポンの数え役満で、地獄みたいな二日酔いでゲロゲロ吐き戻しましたッ!
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『大学生の飲酒なんてな、それでいいんだよ』と、脳内一条くんが宇崎の背中を擦りながら言ってるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
大量のアルコールで大脳新皮質をマヒさせ、猫のように擦り寄り甘え、自宅に押しかけチューまで敢行する大暴走を、先輩は全て許容する。
財布がカラになっても、後輩におごってもやる。
みっともない酔態、甘やかな痴態含めて,桜井先輩は宇崎花を信頼し、一緒にいてもいいかな、と思っているわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
『んじゃあ酒の飲み方も教えてやれよ!』と思わなくもないが、こればっかりは自分で火傷しないと覚えないからなぁ…美味しいお酒は、マズいゲロと隣合わせッ!!
あんな飲み方してたら、悪い男にお持ち帰りスープレックス始動のワンダフルメキシカンコンボくらいそうなもんだが、宇崎ちゃんも『先輩だから』初飲酒であそこまでグダグダになったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
自分がデロデロになっても、この人はひどいことしない。全部受け止めて、ゲロの掃除もしてくれる。
甘えん坊ここに極まれり、という感じだが、実際そのとおりに対応してくれるんだからしょうがない。マージで布団殺したの、ちゃんと弁償しろよ宇崎…。寝ゲロは窒息見えるから気をつけろよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
お互いのダメダメなところ含め、二人は仲良し心地よし。
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そんな現状が、猫カフェと居酒屋から見えるエピソードでした。榊の危惧するとおり、この距離感で安定しちゃうと一生このままだな、コリャ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
そんな半煮えの二人を優しく見守り、完成したコンテンツとして脇で摂取し続ける亜細親子の邪悪さも、よく見えた。いや、オヤジの方はちったぁマシだが…。
ゲロもOKな、色気も素っ気もない、でも楽しい間合い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月21日
それが今後どう煮込まれて、どう変化していくか…あるいはモラトリアムの繭の中変化していかないかも、気になるお話でした。
やっぱアニメの話数でどうまとめるか、終盤が気になる話だ。次回も楽しみ。