ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
・ONE OF US
貫いた意地が、生み出す思わぬ波紋。”いつもの私たち”を知らぬ人々が、投げかける冷たい害意。
夕焼けの子供たちが、苦闘の果てにたどり着いた場所とは…。
そんな感じの三章開幕! Afterglow VS ”世間”って感じのバンドエピソード。
アフロは弱々メンタルのカリスマ蘭ちゃんを守るべく、幼馴染が作り出した防波堤から始まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
仲間の支えで父との葛藤、家業へのわだかまりを問いた彼女は、持ち前の才覚で道を切り開いて、一足先に広い場所へとコンタクトした。置いていかれる形になった仲間は、変化に震えつつ答えを出した。
ここまでが二章であり、三章は蘭ちゃんが一足先に見たものに、トラブルに巻き込まれたバンド全員が立ち向かう話といえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
5人だけの”US”で済んでいた時代が、世間に飛び込み、やりたいこと、続けたいもののために挑戦した結果、形を変えていく。
その過程で、より広い”US”に出逢っていく。
”バンド VS 世間”というテーマは、例えば始まりからして商業バンドだったパスパレがずっと取っ組み合ってるネタであるし、クラシックの峻厳さに振り落とされた連中(燐子、瑠唯、チュチュ)が幼年期、強制的に思い知らされたものでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
ポピパも”FUN! FUN! CiRCLING FIVESTAR!”とかで向き合ってる
世の中は顔も名前も個性もある自分たちを知ってくれている人たちのほうが少なく、身の丈が伸びるにつれて、そういう冷たい世間に己を抛ち、問いかける必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
自分を守ってくれる優しいサークルの外側に出なければ、掴めないものがある。
ガルパの少女たちは、みなそういう思春期と向き合っている
Afterglowが満ち足りた幼年期、傷つくことのない身内の”輪”として機能しつつ、それを変化させていかなければいけない宿命と、ちょっとずつ歩み寄る過程は、丁寧に切り取られてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
中心軸である蘭ちゃんが成長したことで、彼女を取り巻くバンドも前へ踏み込む勇気を、変化を恐れぬ心を手に入れてきた
バンドを続けて、音楽で自分を表現して、見えるものがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
だからAfterglowは今回オーディションに挑むわけだが、そこから見えた世間は彼女たちが取り囲まれていた(あるいは広げていきたい)、暖かで情のあるものではなかった。
自分の都合で相手を決めつけ、要不要を切り分けてしまう残酷な世界
今回ひーちゃんとあこちゃんが、そういう優しくない世間にぶつかって泣いているのが、僕はとてもつらかったわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
悲しいかな、彼女たちを育んだ豊かで靭やかな人々だけが、世間にいるわけではない。愚かさや頑なさひっくるめて、世界には色んな場所がある。
それを『世の中そんなモノだよね』と飲み込めるなら、美竹蘭は赤メッシュの狂犬やってないわけで、納得できない世間に堂々噛み付く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
それは”私たちらしさ”を貫く、Afterglowらしい行動…なんだが、波紋は思わぬ方向に伸びて、彼女たちは居心地の悪い日々を送ることになる。
ここでひまりが、Afterglow以外の友達のためにいの一番で踏み込み、怒り、声を上げたことが、僕には嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
”STAND BY YOU!”で描かれた、友達にいつでも本気になれる彼女の美質は、何かと”うちら”で固まりがちなAfterglowを超えて、色んな人々に繋がっている。
それが厄介事を持ち込み、ひーちゃんを泣かせたりもするのだが…彼女は傷つくと判っていても、”うちら”を知らず悪くいう、顔のない世間に黙っていられない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
相手を言い負かす器用さや、黙らせる迫力は彼女にはない。でも、友達を悪く言われて大人しくしていることも、またできないのだ。
キャラクターの魅力は『何が出来るか』と『何ができないか』の掛け算で生まれると、僕は思っているのだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
”STAND BY YOU!”でひーちゃんに『何が出来るか』描かれたこと、今回それが話しの大きな軸になっていることが、上原ひまりの魅力を大きく高めているな、と感じた。
三章に至るまでの物語が生み出した変化(あるいは、再確認された”らしさ”)は随所で生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
頑張ることを諦められないつぐみの熱量は”潜熱、空を焦がして”で描かれたものだし、戯けた仕草で生来の優しさ、強さを隠さず蘭の隣に立ったモカちゃんは、”それぞれの道、結ぶ茜空”の葛藤あってこそだ
積み重なるエピソードで手に入れた変化をリセットせず、そこから伸びていく成長に繋げる有機的な話運びが、僕がガルパでいっとう好きなところなのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
今回はここまでの物語、一つ一つがあるからこそ可能な描写が随所にあって、三章まで話を積んできた”凄み”みたいのを強く感じた。
巴がウジウジ悩まず(悩んでるんだけど、それで足を止めず)、『彼処で啖呵切ったのは、自分たちらしかった』と胸を張れるのも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
ひーちゃんが泣いてる時に、最高にかっこいいタイミングで登場できるのも。
きっぷの良い外面に反し、色々悩んで考えてきたからだろうし。
蘭ちゃんがAfterglowの”真ん中”として、自分の行いを恥じず堂々、前に進むことを決意するのも、二章まで散々弱々生命体としてブルブル震えてきたからだし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
5人のサークルの中で色々悩み、考え、時にぶつかって支え合ってきたことは、確かに彼女たちを強くしていたのだと、今回の試練は教えてくれる。
ポピパとロゼリアが”US”の一員として差し出してくれたライブの機会を、蘭ちゃんとAfterglowは蹴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
安全な防波堤の中で守られるよりも、荒波に打って出る。己に恥じるところはないと、歌に乗せて世に問う道を選べるのは、やはり”US”だと思える人達に守られ、健やかに成長できたからだ。
僕は今回、口で言っても世間が偏見を変えない所が好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
『世の中そんなモノだよね』という、ヒネたオジサンの世界認識もあるけども、言葉でいくら説明しても届かないものが、思いを込めた歌なら伝わって、”世間”がAfterglowを知ってくれるという流れが好きなのだ。
それだけの力を蘭ちゃん達の歌はもう持っているし、それならバンドとして己たちを世に問い、曲を聞いて好きになってくれた人を”US”の一員として、世界を広げていくことも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
それはバンド活動をやる中で、既に始まっていた…んだけど、その真意は世間と向き合った今回、ようやく分かる。
手の届く範囲で満足していたAfterglowの”US”が、実は顔も見たことのない、しかし同じような景色を、同じような思いを曲の中に感じていた人たちに届いていたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
その支えが、荒波に挑む支えとなること。
自分たちの身の丈が、防波堤でしかなかったはずの音楽に乗っかって、結構大きくなっていたこと
そういう事を、今回Afterglowは学んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
”US”を妥協することなく拡大できたという、今回の成功体験はバンドの方向性を定め、Afterglowはより広い場所…メジャーシーンへと舵を切るかもしれない。
そこには、今回以上の難問があるだろう。新しい物語の契機が、随所に埋まっているだろう。
これ以上ないほどに真っ直ぐで青臭い、Afterglow”らしい”話でありながら、新たな物語の鉱脈をしっかり発掘できた今回のエピソードは、最初の”三章”として凄く良いな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
他バンドも今回のように、新たな物語の地平を見つけて、健やかに漕ぎ出していくのだろう。
もう一個、個人的に良いな、と思ったのは、ひーちゃんの”えいえいおー!”を茶化さず、ようやくみんなが言ってくれたことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
あの子は本当に、バンドが元気になるよう毎回心を込めて、あの言葉を言ってきた。お約束で茶化されるネタじゃなかったと、ずっと思ってきた。
”STAND BY YOU!”を経て、色々不器用で空回りもするけど、友達にはとにかく本気になれる上原ひまりのキャラクターが鮮明になった今だからこそ、”いつもの”ネタをあえて外し、ひーちゃんの想いに真っ向から向き合うメンバーが見れたのは、僕はとても嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
確固たる”I”、狭く緊密な絆で結ばれた”US”があってこそ、より広い場所にアイデンティティを問いかけ、歌を通じて”US”を広げていくことも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
個人と集団、その連動で生まれる自己意識はガルパの大きな主題だと思うが、Afterglowの視界にそれが入ってくるエピソードとなった。
何かと”US”と”THEM”を分断し、断絶を広げていく傾向にある時代なので、顔の見えない”THEM”の無理解に青臭い意地と力強い音楽で向き合う今回の話しには、同時代性があったとも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
『我々と奴ら』という世界観は、心地いいけど死ぬほど危ういので、Afterglowがそこから抜けたのは喜ばしい。
”奴ら”を”あたしら”に出来る武器は、もう彼女たちの手の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月12日
友情、音楽、理想。Afterglowを特徴づける全てが、彼女たちがより大きな存在になっていく助けになるだろう。
そういう健やかな道の第一歩を、新たな困難とその克服で鮮明に描く、三章初弾となった。とても面白かったです。