安達としまむら を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
上手く行ったのか、行かなかったのか。
不思議なクリスマスを超え、除夜の鐘を聞いてヴァレンタイン・デイ。
安達としまむらの関係はパンパンに張り詰めた思い込みと、それを受け流す計算された鈍感の上で、コロコロと転がる。
鈴音を立てる青春は、一体どこへ行くのやら。
そんな感じの私達の冬、あだしまアニメ第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
カレンダーがめくれていく中で、微妙に変化し、足踏みを続ける不思議な友情。断絶と共鳴が二人の間を行き来しながら、もどかしくも愛おしい時間は積み重なる。
安達としまむらが奇妙でオリジナルな重なり方をする隣で、スタンダードに繋がれる連中
そして、懐かしい新しい再開と、後半戦のスタートを告げる静かなスケッチだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
安達の性欲空回りを笑っているようで、その奥にある凄まじくデカくてヤバいものの影を描いたり、想定より遥かに深かったしまむらの陰りを見せたり。
微笑ましさの中にきな臭さが漂う、穏やかな青春の火薬庫。
それを掘る前に、ちびっこ達がドシドシ仲良くなっていく様子にまずホッコリ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
妹ちゃんとヤシロは、小学生特有のワケの分からなさが濃く滲んでいて、やり取りがすごく好き。二人の間では共有されてる感じが良い。
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謎のキラキラを撒き散らすヤシロが、いつ消えてしまうかわからないことを、幼い妹ちゃんは想像もしない。紫のマフラーは、天女の羽衣なんだろうなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
つがいの金魚が見守る中、インデックスフィンガーにかけた青い呪い。
うーむ、姉世代より透明感ある掛け合いしてるな、小学生…。
関係性の蓄積と変化は、後であだしまが掘り下げるメインテーマでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
幼い安達は二人の関係が永遠に続くと夢見て、しまむらはそれが簡単に切れてしまう世間の世知辛さを、しっかり見据えている。
小学生コンビのように、無邪気に戯れるのが難しくなってしまった二人。
それを強調する意味でも、ヤシロと妹ちゃんの無邪気な戯れは面白い挿話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
まぁあだしまオンリーで進めていくと、血中もどかし濃度が危険領域まで達するので、別カプ挟んで味を変えるのも大事ではあろう。
トンカツにおけるキャベツみたいな立ち位置…このキャベツ変な味するな! 美味しいッ!
そんな無邪気を尻目に、姉たちは大晦日特別通信で繋がり…またズレていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
しまむらが成熟した視力で『こんなもんでいっかぁ…』と投げる球、一つ一つが安達にストライク。
神棚に飾る空き缶とブーメラン、しっかり日用されてるプレゼントの紅茶。
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しまむらは”友達”から貰ったプレゼントを、わざわざ特別扱いはしない。日常の中で消費することこそが、真心への向き合い方だと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そんな視線から見れば、リボン付きのブーメランは重すぎ、異質過ぎるのかもしれない。でも、安達の恋心はどうしても、それを特別扱いしたいのだ。
年越しコールで繋がっているように見えて、”一番の友だち”へと変化しているように見えて、二人はやっぱりズレている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
でもその分断が、即座に悲しい離別に繋がるわけでもない。理解し得ないまま、見えない部分があるままに、友達でいることも出来る。青春と人間は、いつも不思議だ。
かくして念願のあけおめコールを果たし、しまむらは結構なシケ面、安達は満面の発情顔である。お、温度差…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
顔つき合わせてりゃ、バレンタイに誘う時みてーな超ギクシャク困ったちゃんムーブを炸裂させるので、この方がいいのかもしれんがね…。
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そして耳朶をくすぐった想い人の声をスイッチに、性癖チェッカースイッチオンッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
おっぱいを見たいか → そんなに…
おっぱいに埋もれたいか → かなり…
安達…その二つを隔てる壁は、多分お前が想定してるよりディープな部分に癒着してるぞ…我が母なる暗黒ッ!!
世に”童貞”と揶揄されるだろう安達の性欲大暴走に見えるものは、ヒビだらけの親子関係を諦めきれない未練、それを特別な友達に求めるネジレと、密接に繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
母を憎みつつ愛する思いを、都合よく他人に投影することで発火する性欲。
分かりやすいトロ顔の奥に、とぐろを巻く怪物の巨影。
『安達のマザコン、マジ深刻だな…』という思いを新たにしつつ、当人は不定形のリビドー、不明なる青春の炎(フランメ)に燃え盛り、怯え戸惑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
あだしまの関係、両方親との距離感を是正して、自分のあり方を調整しないと適正距離に落ち着かないよな、絶対。
めんどくせーし、普遍的でもある。
性や愛が乗っかる”ワタシ”という基盤を、しっかり据えないとゴールにはたどり着けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
分かりやすいラベルを貼っているようで、自意識のモジャモジャ、それを絡め取る人間の不可思議にしっかり踏み込んでいく所が、このお話の好きなポイントである。
正しく、青春小説的。
そんな分析は、過剰な情愛に揺れ動く安達にも、冷えた観察眼に悩まされるしまむらにも、縁のないものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
不安定な心身、触れ合う度飛び交う感情の火花に悩まされつつも、無邪気な子供ではいられない時代。
それを支える歴史の蓄積も、二人にはまだない。
全てが不定で特別な、センチメントの季節
そんな不安定を表に出さず、『悪くない友人関係』を演じる余裕が、楽しい日々を支えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そんなルールを教えてくれるのが、超不審炸裂! 一人きりのヴァレンタイン決戦!! である。
安達の独り相撲を、その源泉たるしまむらはさっぱり判らん
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高校生が取るにはあまりに幼いモジモジ判って頂戴ムーブであるが、好きな子の前で思春期児童が取る立ち回りとしては許容範囲…なのか。ちょっと超えてないか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そんな”正しさ”のジャッジは、人間と人間が繋がる生の現場においてなんの意味もない。
安達としまむら、二人の許容範囲が大事なんじゃい!
恋心を持て余し、伝えるべきメッセージを抱え込んでモダモダしてる安達の幼さに、判らんまましまむらが頭を下げる…下げさせてしまうところに、二人の”今”があるなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
今のしまむらにとって、安達の不審の源泉…自分への恋心を想うことは、とても不快だ。だから目をそらす。
それは簡単に壊れてしまう儚い関係を、その実かなり気に入っていて大事にしたい自分の気持ち…”一番の友だち”を大事にしたい思いの反射だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
恋ということにしてしまえば、壊れてしまう。だから、それは考えない。
安達の心臓を動かすものを見ないから、行動原理も把握できない。
しまむらのズレたモノローグ、安達の奇妙な行動に自分なりの納得を貼り付けて乗り込んでいく仕草には、そんな断絶と、それでも繋がりたいという意志が燃える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
安達の恋心も、マザーコンプレックスと友情と性欲と愛が複雑に絡み合ってて、一筋縄では行かない所が、ややこしさを加速させている。
いつものように、いつも以上にヘンテコな友人に連れられ、目的が隠された放課後を共有していくしまむら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
クリスマスでの指グキから学び、あまりにも不器用に手繋ぎ欲求を叩きつける友人に、髪を染めるの染めねーの、マジどうでもいい話。
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そのどうでも良さを共有できる程度には、二人の友情はしっかり繋がっていて、安達の視界にはそのどうでも良さが、恋色に輝いて見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
嗚呼、すれ違う視線。嗚呼、共鳴する心音。
なんとももどかしい、地方ショッピングモールの青春である。適度な田舎の解像度が、今回高くて好き。
一方その頃、積み重ねまくった”歴史”で日常を塗りつぶす二人は、相変わらずこたつでキャッキャしてたッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
マージであだしまのもどかしさなど歯牙にもかけず、全てが”普通”でOKな幼馴染ゼロ距離戦闘を迷わず展開する強者っぷり、残酷だなと思うよ…。
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ブーメラン勝負を予約する時の”素振り”といい、今回永藤のクレイジーな所がよく出てて、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そういうズレ方と乳の重さ含め、日野は全部OKなんだろう。
あだしまが今悩んでいる断絶と共鳴は、とっくに終わらせてる、と。キサマ達がいる場所は、10年前に通過した場所だッッ!(百合海王)
相手のヘンテコも自分のトキメキも、全部”普通”で飲み込めてしまえる摩擦の無さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
日野と永藤は、面倒くさい青春と決定的なズレに悩まされる安達としまむらが、手に取れないものをナチュラルに掴んでいる。
これも、小学生コンビとは別角度からの対比なのだろう。女と女にも、色々あるのだ。人間だもの
モジモジと言い出せないまま、ショッピングモール迷宮をさまよい、発生する緑色の奇跡。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
『”ラッキースケベ”なんていう、安いラベルで消費させねぇゾ…』という、制作陣の気合が良く見える長回しであった。この過剰感、とても良い。
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しまむらが安達の恋情に勘付きつつ目をそらしていても、その手は許諾を得てしっかり繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
だから崩したバランスを引き受けて、とても近い距離まで近づくことも出来る。
でもそれは、安達が求めるものを永遠にするわけではない、ただのアクシデントだ。
それが発生したのもまた、ちゃんと手を繋いでいればこそであり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
シュークリーム屋前の小さな奇跡は、ズレたままなんだかんだ、特別に繋がってる二人の”今”を、上手くスケッチしていたと思う。
はー…もどかしい。だが、その形にならなさこそが…。
ツッカエまくりどもりまくりの超不器用で、ヘンテコポーズをとりながら安達は、なんとか10日後の約束を結ぶことに成功する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
その奥に燃えている本気を、しまむらは見ない。”友チョコか…”と思うことで、全てを破綻させる真実から身を躱す。
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そんな賢くズルい仕草の奥で、二人の関係がひどく脆いことや、砂漠を歩くような日常の感覚や、灰色の世界に微かに灯った光として”一番の友だち”を見ていることを、恋に夢中な安達も見れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そういう複雑なものは、幼い彼女の視界には暗すぎるのだろう。その真っ直ぐが、しまむらの光だ。
月世界を進むしまむらの心象は、僕が考えていたよりも冷たく薄暗くて、とてもショックを受けた。良いショックだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
安達が幸福にも、恋と幼さで見なくてすんでいる人間関係の複雑、社会の厄介。
大人になりかけのしまむらは、その只中でとても苦しんでいる。それは、彼女の中だけにある砂漠だ。
それを溢れさせてしまえば、人は遠ざかっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
人間関係の砂漠は心象で終わらず、彼女を取り巻く世界に実体化してしまう。
だから、社会の海を上手く泳いで、詰まりそうな息を堪え続けている。安達とはまた別の所で、しまむらの心も厄介な縺れ方をしている。
そんな彼女にとって、安達との日々が緑の水槽、光と潤いの溢れる水の底として共有されていることは、やはり幸福なのだと思う。例えばそれが、恋とは違うとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
あやふやなグラデーションを、明瞭に切り分けないことで生まれる幸福。
それがひどく脆いものだとしても、しまむらには大事なのだ。
想い人も相当に(別角度から)浮かれていることを知らず、しまむらは緑色の夢に踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
抱きついて、感情を自然に預ける距離感。日野と永藤が、こたつの側でやっていた間合い。
それはまだ、夢の中にしかない願いだ。
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でも結構良い繋がり方で、緑色の輝きは共有されている。あの中二階の聖域で、実体化もしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
赤面せずにそう思えるのは、僕が俯瞰で彼女たちを見ているからだし、もうオジサンだからでもあろう。
なんだかんだ、彼女たちが身を置く自意識の嵐は、僕にとっては(ある程度以上)終わったことだ。
未だに青春の殻を全然脱げていない未熟ボーイであるが、大量生産される二次性徴ホルモンに否応なく心身を燃やされ、望んでもいない不安定に揺すぶられる時間は、物質的に”思い出”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
そんな無責任な立場から見る彼女たちの断絶と共鳴は、懐かしくて、とても愛おしい。
とか! 綺麗にまとめたようなことを言ってる場合じゃないんですよ! 茅野さんの声帯を備えた最強の捕食者が、過去から立ち上がり力強く歩を進めてきたんですよ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
あんだけ身悶えして繋がりを作った安達を、置き去りにする音速の番号交換。
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適切な構え、適切な距離感で再会に微笑み、踵を返して”今”を動かし直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
つ、強い…登場30秒の立ち回りだけで、”強い”ことが判る女だ。
人間関係の最善手を適切に打ち込める成熟と知性が、しまむらの胸に燃える無垢なる郷愁と結びついた時、いかなる炸裂を…おお、爆発よ(エクスプロード)!
永藤と同じく目撃者でしかない僕らは、なんかトレンディドラマのヒキみてーなスーパードラマティックが、安達の見てない所でしまむらを押し流すのを見守るしかないわけで…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
さー、ジワジワモダモダやってる余裕がなくなってきたぞ、安達ッ!
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そんな感じの、二人の冬でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
安達の超空回り大暴走と、それを突き動かす感情複合体のややこしさ。
それを見ないようにしつつ、心の砂漠に灯るかすかな光として、親友を求めるしまむらの思い。
すれ違いつつも惹かれ合う、二人の青春が面白く踊っていました。はー、もどかしい素晴らしい…。
そんな曖昧な二人に、差し込まれるはしばみ色のナイフ。思い出から飛び出してきた女は、ズレつつ繋がるヘンテコな関係をどう揺らし、どう崩し、どう作り直すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月20日
『来たぜェ…嵐が…ッ!』てな感じで、来週も非常に楽しみです。
間違いなく、大変なことが開始(はじま)ってしまうッッッ!!