安達としまむら を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
決意を込めて二年目の嵐を乗り越えた安達は、更に一歩を踏み込む。
島村家への一泊二日。
とんでもない大イベントに胸は弾み、いつものように暴走する。
そのヘンテコも、悪くないかなと微笑んで。
しまむらは安達に桜のヘアピンを送る。
いつか散る花を、それでも寿ぐように
あるいは、特別な所有権を主張するように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
そんな感じのあだしまアニメ最終回! 何かが進んだようであり何も進んでいないようでもあり…つまり今までやってきたことに嘘のない、情感と詩境に満ちた、とても良い最終回であった。
なお、樽見の”た”の字もねぇ! みっちり”あだしま”だッ!
”お泊り”というスペシャルなイベントだが、キスも告白もない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
表向き二人の関係は進展せず、友情と慕情の間…とすら定義できない、あやふやではっきりしない関係は最終回を越えて継続されていく。
しかし同時に、淡く積み重なるものは確かにあって、何かが変わっている。
それは家族人に見せるしまむらの表情を、安達もまた共有することであったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
別々の部屋になったと思えば、特別に自分の領域に踏み込んでくれたことへの優越感だったり。
星の海を泳ぐように浮かれる、寝顔を見つめて微笑める時間であったり。
なんでもない特別を、安達は掴んでいく。
それが緑色の聖域を、目の前に現れた運命の手を取って飛び出した少女が、ここまで勝ち取りこれから積み上げていくものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
そんな変化は、笑顔の仮面に自分を閉じ込めて、渇いた砂漠をさ迷い続けてるしまむらにとっても、何かを変えていく。
それはとてもヘンテコで、曖昧で、大切な…。
ズレたテンポとトンチキな笑いととびきりの純情を絵の具に、そういうものをずっと描いている話だと思ってきたので、今回のなんでもない特別な一日が最後に来るのは、とても嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
いやー…変なアニメだったなぁ…要素はむっちゃポップでナウいんだが、妙に近代小説の匂いがするのよね。性に合う。
というわけで、安達が孤独な桜を幻視する中、すげーさっくりと元クラスメートは接近遭遇復縁する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
クラス替えでなんとなく疎遠になったから、体育の授業でなんとなく再接触。
劇的じゃないのが、なんか嬉しい。
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謎の電車ごっこで不動の仲良しっぷりをアピールしつつ、日野と永藤は芳香の爆弾を落とすだけ落とし去っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
なるほど、あのお風呂がこう繋がるとは…いや、判んねぇよ!
『私、日野と寝たの』級の言論弾頭をブッパされても、照れはせど焦らない所に、二人の安定感が良く見える。つえーなマジ…。
一方安達は身近で炸裂した度を過ぎた緊密さに、体熱を上げつつ焦がれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
私もしまむらとお風呂に入りたいッ! 肌に触れたいッ!
今までは家に閉じ込めていた獣性は、シャーマンの導きにより鎖を解かれ、ノータイムの宿泊懇願へと至る。
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しかし出会いから一年、色んなものを積み上げてきた二人にとって、この唐突さはOKなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
他の人に押し付けられたらしまむらはイヤだろうし、しまむら以外にこんなに強く熱く迫ることなど、安達にはないだろう。
しかし求める気持ちと受け入れる気持ちは、奇妙ながらも絶妙な均衡を作っている。
『自分を特別に求める気持ちが恋だったら、関係が壊れてしまうな…』と、かつてしまむらは砂漠で思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それが今も続く拒絶なのかは、よく判らない。
安達は一切周りを見ない大暴走を重ねながら、絶妙に関係が死ぬ急所を避けて、上手くしまむらのパーソナルエリアに踏み込んできた。
慕情と友情と性欲と母性希求が入り混じった、混沌の情動。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
安達自身もよく判っていないものに突き動かされて、ただただしまむらただ一人を求めて突っ走るノーブレーキは、しかししまむらにとっても心地良い。
それは”求められるから”ではない。それなら樽見はこんな事にゃなってないんだよッ!!
”求めてくれるのが安達桜だから”だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
その繋がり方はお互いズレていて、ヘンテコな青春と友情を続けながら今まで…そして今後探っていくものだとしても、しまむらは特別に求められる強さを、安達桜という一個の人格を通じて許容できるようになった。
ヘンテコでも、唐突でも、吹き上がり過ぎのコミュニケーション不全な友達でも、安達だからOK。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
安達だからこそ、全部OK。
そういう特別さを、しまむらはもう手に入れてしまっているように見える…し、その事にあまり自覚的ではないようにも見える。まぁ自覚しちゃったら、関係一気に進むからな…。
お昼を食べて、ドーナツを食べて、一緒のベンチで一服する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
”食”という私的で公的な空間を、二人は徹底的に共有し続ける。それを許す特別さを、お互い求める色は異なりながらも共有している。
そうなれるように、出逢って繋がって迷って来たのだ。それ故の最終回である。
というわけで、気合い入りすぎの空回りをシャーマンチャントで方向づけ、安達勝負の二泊三日である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
ずっと側にいたい。目の届かない場所で、勝手に代わって欲しくない。
ネトついた欲望は同室を求めるが、まぁ人生そんなに上手く行かない。
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思えばこんな感じで一進一退、自分の中に膨らむ感情の扱いをさっぱり知らない子供は、それでも彼女なり思い切りぶつかり、人生に大事っぽいことをちょっとずつ学習して、ここまで来たのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
何もかもうまくいくわけじゃないが、何もかもダメになってしまうわけでもない。
迷い込んできた運命を捕まえて、だんだん親しくなっていくことも出来たし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
不意に縁が途切れそうになった時に、奇妙な隣人との出会いを活かして、強く自分の気持ちを伝えられるようにもなったし。
手つなぎもハグもお泊りも同衾もしたし。
イベントだけ追っかけると、百合ロード順風満帆だな安達…。
しかしイベントだけ追っかけても、なんか気持ちが入らないのがこの作品でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
普通なら心が動くはずの出来事を共有しても、樽見相手には島村抱月笑えねぇ…笑えねぇんだッ!
逆にあからさま”重い”安達の立ち回りも、ニヤニヤ楽しみながら腕枕するのだ。ああ…青春慕情残酷絵巻…。
安達は家族の食卓を同じくすることで、しまむらの新しい一面を見る。母親に茶化されて、プンプンと大急ぎでご飯をかきこむ”いい子仮面”を付けてない顔を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それは彼女を取り巻き、作ってきた個人史の中に自分を置き、認めてもらうことでもある
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僕はしまむら個人を極めて不器用に、異常な熱量で追い続ける安達の歩みが、結果として彼女の社会を広げている描写が好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
普通なら…それこそ島村抱月のように、世の”普通”に自分をアジャストして、濁りを飲み込んで上手く付き合っていくものが、安達には解らない。
だから、あの聖域にいた。
しかしそこに入り込んできた少女と恋をして、彼女を追いかけて外に出ていくことで、結果として安達の世界は広がってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
相変わらずしまむら以外基本見ないけど、その家族とも友人とも縁が広がり、教室に居場所を作り、自分の乗りこなし方もトンチキながら覚えてきた。
自分の気持ちを上手く言葉に出来ず、愛する人に差し出すのも下手くそな安達は、非常に幼い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それが母親との関係不全に強く影響されていて、欠落を取り戻すべくしまむらに”母”を(性欲混じりに)求めているのは見ての通りである。
安達は実母と作りそこねた情緒を、親友と作り直してる最中かもしれない
それは一般平均からは多分遅すぎるし、やり方も普通じゃないんだろうけど、でも豊かな歩みだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それしか安達桜にはない、大人になり方、自分の見つけた、他人との繋がり方なのだと思う。
それをしまむらは苦笑しつつ受け入れてくれるし、しまむら自身の潤いにもなっている。
子供な安達が大人なしまむらにただ導かれるのではなく、非常に奇妙な形ながらお互いの歪みが噛み合って、青春する中で彼ら独自の歩みで前に進んでいると判るのが、僕は好きなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
お互い様で、奇妙に奇跡的に釣り合っている。不可思議に平等なところが、安達としまむらにはある。
宇宙に一人放り出されたような夜の寂しさを噛み締めつつ、『負けないぞー!』と気合十分バイトに向かう安達。すっかり座右の銘だな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
そんなお道化た力み過ぎを、安達は微笑んで噛みしめる。
それが例え恋ではなくても、とても大事なものを。
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なんか上手く行かなかった、特別なことが何もなかったと容疑者が供述する日々を、切開してみたらテメー…核弾頭級の炸裂が起きてるじゃねぇか! おお、エクスプロード!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
こんだけ焼け野原広げておいて、今更”正常”ぶってんじゃないよ…。
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傍から見てりゃダダ漏れの性欲に、言い訳混ぜて気づかぬふり。でも悪巧みの口づけは、妹ちゃんに見咎められて足を止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
降って湧いた姉の特別な女に、対抗心メラリと燃やして妹特権行使しに来るの、ホント可愛くて困る困らない。
妹ちゃんはトンチキ話の、大事な清涼剤だったなー…。
こうして牽制されるのも認識されればこそで、安達の世界はしまむらを追うことで、確かに広がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
自分だけを見て変わらないしまむらを強く求めつつも、その欲求に素直に従うことで安達自身が変わっていくのは、なかなか魅力的な矛盾だ。
狭くて特別な空間に滑り込んでいくとしても、安達はバイト帰りを”母”に出迎えられ、島村家の敷居をちゃんとまたぐ。食卓を同じくする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
知らず広がっている世界を、それでも特別に切り取りたいという願望は、安達の特許ではない。
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しまむらもまた、自分にとっての特別を刻みつけたいからこそ…そうすることで安達桜を自分に引き寄せたいと願ったから、ここでプレゼントを渡したのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
異質性を胸の中の砂漠に閉じ込め、孤独に彷徨っている賢い少女が、ただ一人同じでありたいと願う存在に、印を刻んだのではないか。
安達のがっぷり寄り切り大暴走に目が行くけど、個人的には送ったしまむらの重力に目が行った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
あんだけ渇ききった内面を持つ子が、ここで”桜”の象徴性を宿したヘアピンを安達に送るのは、かなりの事件だと思う。それこそ、『しゅてき!』一言ではすまないような。
まぁその複雑さもゴロゴロと転がしながら、安達としまむらは二年目を過ごしていくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
その奇妙な歩みは一般化などされないまま、彼女たちの関係と人格に独特の傷を付け、豊かに太らしていく。
何が起きても、二人ならOK。
奇声を上げながら急に抱きつかれてもなッ!
というわけで、もっと特別な証が欲しくなった安達は大胆同衾を求め、結構スルッとOKされるのであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
マージ特別。樽見見てるー!? 見てねぇから問題なんだろうがッ!!(一人激怒)
つーかヤシロと妹ちゃんが”キ”てて心臓持たないよッ!
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安達が大暴走の唇奪取に失敗し、羽虫のように無様に落ちる隣で、幼い二人は非常に順調に、健全に関係を育てていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
片方宇宙人なんだが、そういうのは別に問題ではないのだ。メインがドタバタやる隣で、スゲー着実に階段登っていく描写好きだなぁ…八億年仲良くしなッ!!
安達は時折(時折?)性欲エンジンを大暴走させて、同意が取れれてないところで願いを叩きつけようとするけど、ヘタれたり事故ったりで衝突までは至らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それが物分りの良い仮面の奥に、凍りついた地獄を抱えてるしまむらにとって、結果として良い距離感を生む。
安達の過剰な思いを全部受け止める足腰は、まだしまむらに育っていない。しまむらの複雑怪奇な内面を、理解できる成熟も安達にはまだない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
でも、その断絶は致命には至らず、二人の関係は奇妙にいい感じで転がっていく。
情愛も友情も孤独も特別も、独自の居場所をなんとか見つけていく。
特に何も起きないこの夜は、まぁそんな二人の距離の概算を上手く見せてくれる。いや大事件なんだけどさ姉妹ともども…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
孤独に思えた闇も、貴方が抱いてくれるのなら星空になる。
夢が覚めたとしても、続いていく日々が戻ってきても、世界は綺麗だ
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安達が気づいてないマザー・コンプレックスを、抱く側のしまむらはかなりの精度で理解していて、親友の”母”を代理することでお互いをいい場所に収めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
その温もりが、二人を安眠させる…が、この距離感で収まらないのが、ややこしくも面白い。
安達、ママとはセックスできないの知ってる?
安達の胸で咽び泣く性欲が、なんか落ち着いた感出てるこのゼロ距離にどう暴れるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
どーせ今後も大暴投して、ちょっとずつ距離感が変わっていくのだろう。
幾度目か桜が散ったときも側にいれたのなら、肌が重なるときもあろう。そうでない未来も、またあるかもしれない。
それはどっちに転がっても、嘘なく良いことなんじゃないかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
安達の性欲と性的指向は、今現在彼女を取り巻く世界においては”普通”ではおそらくなくて、しかしその熱量も危うさも純粋さも、本当のことだ。
それはそこにある。奇妙で曖昧で不思議なまま、たしかにそこにあるのだ。
安達の不器用な道化っぷりで一笑い取りつつも、非常にナイーブな事象に繋がってる彼女の”性”を、結構大事に取り扱ってくれたのは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それはとても難しくて、一通りの答えなんて出なくて、自分を勝手に突き動かすもの。強く抱えても、必ずしも求めるものが応えてくれるとは限らないもの。
それを意識のない相手にぶん回すのではなく、自分たちだけの間合いで抱き合える現状に、安達としまむらは辿り着いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
そこには色んな人がいる。窓の向こうには無限の星だけではなく、狭く青い現実も広がっている。
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天と地が繋がるような美しい景色を、夢見心地で駆け抜けた先に待ってたのは、近いとも遠いとも言えない微妙な距離。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
特に劇的なイベントもなく、気の合う友達との縁は戻ってきて、親しい距離でバラバラの飯を食う。
タピオカは飲まない。日野と永藤は、顔のないサンチョパンチョではない。
そんな流れから一人切り離され、静止した約束に微笑む樽見の残酷。い、いっそ殺してやってくれ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
この道化めいた孤独を描いた直後に、あまりにも順調に純朴に繋がる妹ちゃんとヤシロ持ってくるの、悪魔以外の何者でもねぇだろ…そこが良いッ!
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あの緑色の特別な空間に出会い、桜が舞い散る場所に辿り着いたわたし達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
その縁がいつか必ず散るとしても、桜と隣り合って進んでいく。特別な当たり前の中で、咲いては散る花の中を、今は二人で進んでいく。
そういう所に、二人は来たのだ。
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しまむらが散華を安達の髪に飾ることで、その間近にいる自分が幾度も目にすることで、何を確認したいかはとても難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
彼女もまた、独占欲と冷たい知性と、温もりを求める寂しさと、知らず特別を受け入れている暖かさを複雑に入り混ぜて、安達の隣にある。
それはとても曖昧で、確かにそこにあるのだ
第1話で緑色の聖域をとても印象的に描いたことが、咲き誇り散り乱れる桜の薄紅で終わる構成と見事に呼応してて、非常に良いラストでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
青春ドタバタコメディで賑やかにやりつつ、非常に冷えた詩情がしっかりアニメになってたのは、この作品の長所だと思います。ポエジーがある。
色んな問題に決着は付かないまま、二人は春の嵐…の先にある当たり前の日々に漕ぎ出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それはここまで描いたように、賑やかで特別で何かが変わり、しかし心のどこかに何も動かない寂しさを抱え込んだ、血の通った青春なのだろう。
女と女の思いが、ぶつかりすれ違う様子と同じくらい。
そんな季節の曖昧な愛おしさを大事に、12話編み上げてくれたことはとても嬉しいです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
スゲーヘンテコで、しかしとても目のいい、優しい視点で子供を見守ってくれた作品だと思う。
普通じゃなくて良いし、正しくなくても良い。奇妙で不思議で、でも二人がOKならそれで良い。
そういう肯定が、なんか噛み合わないけど特別な安達としまむらを包んで進んだのが、僕は凄く良いな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
デカいイベントを越えたからといって、人生の物語が終わるわけじゃないし、そこから継続していく当たり前の日々…特別が当たり前になり、当たり前が特別になる時間の愛おしさ。
それを、力み過ぎのヘンテコ女と、物分りの良い外装に地獄を詰め込んだ女の青春を追う中で魅せてくれたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
それを描くのに、幾重にも重なるモノローグも、非常に私的でドラマティックな画作りも、奇妙なテンポの笑いも、変人たちの大暴れも、しっかり寄与してくれた。
作品が組み上げているものに、アニメを構成するパーツがぴっちりハマって、過不足ない感じが豊かだったのは、凄く良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
BGMも声優さんの演技も、それを活かすタイミングとレイアウトも、とても収まりが良かった。この奇妙な物語に体温があると、理解らせてくれる仕上がりでした。
なんとなくで出会い手を繋いだ安達としまむら…特にしまむらがどれだけの渇きを懐き、それを癒やしてくれるお互いを特別に思うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
ぶっ飛びまくるヘンテコを微笑んで受け入れられる、特別だと気づいていない特別さが、二人を運命的に繋いでいるのか。
それを強調するべく、樽見を”安達じゃない女”として描き続ける妥協の無さは、鮮烈な残酷さがありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
いやー…マジで容赦がない。
負け犬というありきたりな言葉では、透明な刃が彼女を斬りつける苛烈さ、それが浮き彫りにするしまむらの想いは切り取れんね。エグいから正しい…恐ろしいことよ。
かくして流れる時は螺旋を描き、二人は出逢ったときと同じ場所に戻ってきて、その繋がり方は変化している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
たった一人を追い求めることで、広がる世界。
たった一人を特別と受け入れることで、満ちる潤い。
それが二人をどう変え、どんな楽しさが待っているかは、最後に書かれた薄紅の先にあります。
それをアニメで見たい気持ちもありますが、ああいう嘘のない、詩情とまごころと優しさのあるラストカットに辿り着いてくれたことに、感謝とお疲れ様を。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月24日
とても豊かで、ヘンテコで優しいアニメでした。
非常に面白かったし、肌に合う作品でした。
ありがとう。面白かったです!