ゲキドル を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
呼びかけられた昔の名前は、呪いの囁き。
唐突に始まったアイドル活動が、あいりに呼び覚ます記憶。取り残されたせりあは、不安を噛みしめる。
演劇とアイドルが融合した、ボロ劇場会心の一手。
置き去りにされた者たちが歩みだす、新たな一歩とは!
そんな感じの崩れた日常を舞台に踊る青春演劇絵巻、ゲキドル第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
先週はあくまでサワリ…あいりの生臭い闇にズブズブ押し込んでいく迷い道と、コピー以外なーんも出来ねぇ虚無人間の青春が、樋口さんを置き去りに加速していくエピソード。いや、ある意味専用ポジションは手に入れたが…。
いろんな表現が唐突かつ劇的で、ガツガツ硬い所がぶつかってくるのがこのアニメの特徴…であり、僕にとっては良いところなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
今回も強めの表現がボコボコ殴ってきて、翻弄されつつも楽しかった。演劇を扱うアニメの表現法が、しっかり演劇的なのは良いなー、と思う。
あいりはなぜ、過去を知る青年から逃げたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
今回のお話はそのネタバラシから入るが…まー生臭いッ!
何も知らない間に、ノリで柔肌を売り飛ばして金を稼いでいた記憶。
今となっては蓋をしたいジュニアアイドル時代の自分と、アイドル稼業は重なってしまう。
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他の連中がギラついたカメラでかぶり付くおっぱいから、ケンケンが目を背けてる描写が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
あいりが(今となっては)後悔しているものから、過去と今のあいりが好きな青年は目を背けてくれていた。
そういう人がいたのは、まぁ救いなんじゃねーかな、と思う。
脱いで、稼いで、満たされて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
そういう生活に嫌気が差したからこそ、求めた自分の居場所。
そこからビッグサクセスを求めて離れていった雛咲いずみには、そらー山盛りの感情持つわな、って感じの過去だ。
『なんで小劇場なの?』つー疑問に、あいりを通じて答えだしてるのは好き。
ダンボールに蓋をしても消えない過去と、動き出している未来の狭間で、あいりは動けなくなってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
取り残された側は彼女を心配しつつも、次のショーのために手は打つ。ここら辺の、ちょっと乾いた感じは生っぽくて好き。
コピーしか出来ない天才に、あいりの代役は務まらない
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描かれたスクリプトを演じつつ、役者の人間が否応なく出てしまうステージ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
あいりが肌色の黒歴史から逃げられないように、せりあも空っぽの自分を隠せはしない。
存外『自分であること』というテーマに、ド真ん中から突っ込む話なのかもしれない。語り口は変だけど。
相変わらず樋口さんが距離感間違えまくってて、『お前はツンデレしたいのか素直に好きって言いたいのかどっちなんだよ!』という、挙動のバグりっぷり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
つーか根が良い子すぎて、属性としてツンデレじゃないんだよな…自分の立ち回りを客観視出来てない善人というか…。
せりあは自分も過去も友達もいない虚無人間であるが、そこに演劇とシアターの仲間とまこちんを詰め込むことで、なんとか人間になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
普通の友情、最初で最強のファンが側にいることは、多分演劇では補充できない必須栄養素を、せりあに与えるのだろう。大事なポジションになってきたな…。
少女たちのアイドル活動は結構順調で、握手会にも列ができる。演劇とアイドルをシームレスに繋げる表現にも、手応えあり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
佐藤亜美菜がアキバで手売り系やってんの、時間が巻き戻った感覚あって脳がバグるな…。場所はドンキとラジ館でズレてるけど。
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ピュアボーイが追い求める、ジュニアアイドル・かがみあいの残影…で止まらず、ケンケンは今のあいりをちゃんと見てんだけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
鏡の中の自分にとらわれているのはあいり本人で、それを動かせるのは自分だけ…ってわけでもない。
ケンケンがせりあに預けたものは、彼女があいりに届けてくれる。
しかしそれは先の話で、あいりは過去の残影に囚われ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
あの時は気軽に開けられた蓋。暴けた裸。
それが、今は奇妙に重たい。
性のメタファーを勢いよくコスりつつ、もう子供ではないあいりの当惑が鏡に滲む。
ああ、茶封筒の身も蓋もない生臭さ。
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『売れないアイドル』と聴いて想起される泥に、あいりがザブザブ入りつつ『それは過去、重たい過去』と正面から語っていくのは、テーマの扱いとしても面白いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
性を売り物にするヤバさは、ゲキドルに隣接して確かにあり、しかしそことは違う場所を狙っている。
ある意味この話数、パブリックイメージを引き受けつつの決別宣言、というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
『そう思われているのは判ってるけど、そうじゃないんですよ』と、手間かけて作品が言ってくるのは正しいし、ありがたい。
ケガレとして隔絶してる感じじゃなくて、複雑ながら不可分なあいりの過去として描いてるのも良い。
一方せりあは過剰な過去ではなく、空疎な現在に悩んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
半年かけて役に血肉を付けてきたあいりの歩みに、虚空の劇才は追いつけない。『自分を出せ』と言われても、人形めいた自分に出せるものはない。
ライティングの妙で、ドールと同じ髪色に見える少女。
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アリス周辺の描写も、この作品らしい奇妙な奥行きに満ちているけども、せりあが名付けた人形が彼女自身の鏡であることは、多分間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
それは世界消失とともにもぎ取られた、彼女の半身の投影だ。あいりが独り歩きする過去に苦しむのに対し、せりあは過去の不在に悩まされている。
ドールの言葉を受け取ることで、せりあは思い切ってあいりの領域に踏み込み、彼女を前に進めることができる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
穴だらけの世界でそれでも立てる自分を見つけるには、誰かの助けがいる。それは人間であるとは限らない。
演劇という行為、舞台という場所自体が、自分を照らす鏡にもなってくれる。
あいりもそういう存在には出逢っていて、一度もぎ取られている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
ディスプレイの奥の欲望を掴むため、透明化した身体を売る。一人で食べ切るには過剰なサイズのパフェ、喉を滑り落ちる白濁に、あいりは『気持ち悪い』とつぶやく。
それが、”かがみあい”への決別宣言だ。
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出逢ったのは、ARで強化された夢。せりあと同じルートで、あいりも”演劇”と出逢ってんだな。どんだけ他人の人生滅茶苦茶にすれば気が済むんだ、雛咲いずみ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
舞台越しの憧れではなく、共に同じステージに立つ同志として。
お互いを感じ合う日々は、あまりに楽しかった。
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しかし今は、それも遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
雛咲いずみは凄く前向きで正しく、あいりへの餞別もいい感じに手渡せているとは思うのだが、相棒の面倒くささを甘く見ていたというか…。
かなり厄介な過去と自我を備えてる人なので、もうちょいケアしてから立ち去ったほうが良かったんじゃねぇかな…。
とまぁ、外野が色々言っても詮無い。時は動き、運命のパートナーはもうあいりの隣にはいないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
『んじゃあそこには、あたしが滑り込むよ!』とばかり、激情がぶり寄りでドッカン来る主人公。
お前虚無人間なのか感情生物なのか、どっちなんだよ!
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多分どっちも本当で、そのアンバランスがせりあの劇才を支え、危うさの源泉ともなってんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
他でもない今の自分を求めてくれる、かつての自分に似た少女。
その真っ直ぐな眼差しが、あいりの迷路に導きを与える。
アイドルやっても、自分は役者。
過去もひっくるめて”各務あいり”だ。
一方的に繋がるばかりだった手は、去っていった相棒が自分に託したもの、過去を知りつつ今を認めてくれる思いを受けて、しっかり両つなぎになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
今、ここにいるわたし達。それが動き出すステージに、背中を向けてる場合じゃない。
”いい先輩”の仮面が剥げて、見える小悪魔な笑顔
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後の握手会で判るように、”かがみあい”はかなり”釣る”アイドルだったわけで、このニヒヒ顔はそんな自分をあいりが取り戻した証明なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
後悔も痛みもあるが、それひっくるめて前に進む。今隣りにいる仲間の手を繋いで、確かに一歩ずつ。
ここら辺のどっしりした歩みは、青春王道で好き。
まーあいり以外のメンバーにも、同等の”闇(ダークネス)”が眠ってんのか、あるとして彫り込むかは分かりきらねぇけどな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
このアニメ、かなり小器用に要素を繋ぎ伏線も蒔いてんだけど、それがスタンダードに咲かない危うさと期待感が、どうにも元気なんだよな…いい意味で信頼がない。
かをちゃんのヤバい練習風景などにドン引きしつつ、迎えたステージ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
不揃いな衣装が統一され、それでもまだ固い歌唱。その中で一人、観客席をくすぐる余裕と技量を見せる”あいあい”。
黒歴史でも、経験は裏切らないんだよなぁ…。
あと樋口はもうダメだ。ズブズブだ。
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かつての調子を取り戻し、握手会でも熟練の客さばきを見せるあいり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
芝居に強いやつとか、アイドル適正高いやつとか、いろんな個性魅せれるのは”ゲキドル”だからこその面白さかなー、と思う。
同時にテキトーに摘んでるだけじゃなく、ドルにも劇にも過剰に力んでる本気っぷりだ
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んで樋口のポジションは、お金払って握手してもらう立場に落ち着く、と…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
まこちん呼びをこのタイミング、この角度でぶっ刺せるあたり、せりあは接触系の才能もあると思うよ。
おかげで樋口は、下手くそなツンデレも忘れていつメン宣言だ! ああ、少女の人生がどんどんねじ曲がる…。
マジで樋口の間違えたツンデレっぷりと、まったく隠せてない守野溺愛力と、滲み出る善良さは非常に好みで、今後もステージ外の重要人物として暴れまくって欲しいところです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
せりあと噛み合ってない所が、アイドルとファンって感じがして良いんだよな…偶像は、遠くに在りて思うもの。
かくしてマネーもがっぽり稼ぎ、名前も決まって”ゲキドル”始動!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
世界は穴だらけで、わたし達も揺らぎっぱなしだけども、なんとか楽しく生きております!
…やっぱポストアポカリプスモノとして、スゲー独特な質感だ。けして清廉ではない、タフな大破壊以降。
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とまぁ、そんな感じの序章終了でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
『まぁこれで友情爆裂一段落かなー…』と思ってたら、もう一段階踏み込んだヒキから、生の生臭さと薄暗い後悔、虚無人間が炸裂させる巨大感情、なんかいい感じに動き出すわたし達のステージと、盛りだくさんの内容でした。
いやマジ、色々唐突…最高に面白い。
ジュニアアイドルのヤダ味を存分にコスりつつ、それを封印するのではなく活かす方向で落ち着く展開は、なかなか良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
作品全体がまとってる、妙な実在感とぶっ飛びぶりに、上手く波長が合ったエピソードだったと思う。
今後他キャラ彫る時も、この調子でお願いしたい。好きな語り口。
ドールとかスーパーマテリアルシアターとか、かをちゃんの過去とからぶみんの闇とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月20日
色々彫り込めるネタは蒔いているので、次回何処らへん触るか楽しみでもあります。
結構群像劇として動くのに必要な、地ならしもやってはいるのよ、このトンチキアニメ。
樋口の思いは何処に行くのか、次回も楽しみ