ましろのおと を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
爆弾のように強烈な個性を持つ母・梅子の襲来により雪の日常は、一気に景色を変える。
新しい住まい、新しい出会い。
それを追いかけてくる兄もまた、祖父を失った迷いの中にいた。
同じ兄弟、同じ三味線弾き。
心通わせるのは、いつでも…。
そんな感じの、連載版スタート! という塩梅な第2話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
人情音楽モノとして第1話の仕上がり、まとまりが凄く良かったわけだが、連載前短編版って感じだったのかなー…。
一話にまとまり切る収まりの良さはないが、今後の広がりを色々感じ取れる二話目となった。
お話の方向性を一気に変えるにはある程度以上の力がいるが、それを背負う梅子ママがまー強烈なキャラで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
金も美貌もエゴも人一倍、強烈に雪を振り回す彼女は民謡も巧い。
作品内部でデカい顔をするやつが、音楽強いのはありがたい。音楽の話だからね。
二話もよく三味線が鳴っているエピソードだったが、口下手な雪は母と語らうのも、兄と心を通わせるのも全部弦に任せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
母を”梅子”と呼ぶほどに荒れた関係も、音を合わせるとその存在のデカさが解ってしまい、追いつこうと魂を絞り出す。
彼には三味線があり、三味線しかない。
イマドキ高校生の大概が気にかけないだろう、小原節に描かれる林檎の四季、そこに宿る女の生涯。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
音に包まれて育った彼は、そんな詩情を肌で感じ、浮世離れしたオーラを出し続ける。
このフェアリックな感じが、中々チャーミングでいい。音に浮かされて、地面に足がついてない感じね。
そんな彼に”生活”を(強制的に)与えるのが梅子であるが、破天荒ながら雪くんの事は見ている感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
が、それは息子というより三味線奏者であり、彼女もまた音を通じてしか息子と…その背後にある父と繋がれない異端者、破綻者なのだろう。
そんな女にも、また歌がある。
二人の歌は問答無用の迫力と詩情を宿し、下町商店街に心地よく挨拶をする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
演奏御免の許し書きを実力でもぎ取る形になった、アパートでの演奏会。
それは本意気の演奏ができれば、雪くんが社会や他者と繋がれる事実を示している。
の、だが。
弦を弾かない彼は、自分をうまく示せない。
津軽くんだりから弟を心配して、東京まで見に来た兄ちゃん(”若菜ちゃん”という呼び方が可愛い)が、抱え込む悩み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
圧倒的な才能を持つ若手に、自分の限界を思い知らされた苦しさを晴らしてくれる師は、もういない。
その重さに押し流されて、雪も東京に流れてきた。
二人は同じ過去を共有し、同じ師の音を聞き、同じ空虚を抱えているのだが、普通の言葉はなかなか上手くお互いを繋げてはくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
そんな彼らも、祝いに楽器を送り、稲荷見守る神社で音を重ねることで、過去を思い出し未来を語らうことが出来る。
共通言語(リンガ・フランカ)としての三味線。
それに頼らないと他人と繋がれない雪くんの不器用さと合わせて、作品が選んだ楽器の意味合いが良く鳴るエピソードだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
三味線の音、ドラマの中での響かせ方、魅せ方がなかなか良くて、ずーっと作品に音楽があり続けるのがやっぱり心地良い。
音楽の物語では、こんぐらい音がなっていて欲しい
一方鳴らない三味線もあって、ほわほわした雰囲気のメインヒロイン候補、朱利ちゃんが引き継いだ一棹は胴破れ、弾き方も解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
部員一人の津軽三味線同好会を、この三味線と一緒に復興していくのが、今後のストーリーラインになんのかなー、という印象。
ラストに口ずさんでいた歌を追いかける物語と合わせて、そこに雪くんがどう絡んでくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
やっぱり三味線の組み立て・修理を通じれば朱利ちゃんともコミュニケーションできているので、同好会が形になるにつれ、雪くんの世界が広がっていくのかなー、という感じだ。
しかし彼の空虚もデカく描かれているので、普通の学校で同好会活動し、高校生するのも難しそうな感じではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
三味線を弾かない状態の彼が、どう同年代の友達と触れ合い、あるいはすれ違い、青春していくか。
学園モノとしての仕上がりは、今後転がっていく部分だろう。
名門一家との過去の因縁もチラホラ描写され、色々話を転がせそうなネタが埋め込まれた今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
若菜ちゃんとの演奏で翼を貰った雪くんは、とりあえず青春に翔びたつ元気を手に入れたようだ。
しかしその飛翔は、あまりにアーティスティックで難しく、中々理解されないだろう。
色々ぶっ壊れちまってる機能不全少年が、三味線を杖に…あるいは武器にどう、一としてのあり方を掴んでいくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月12日
そういうところが軸になる話なのかな、と思う第二話でした。スタンダードで、音に満ちて、とてもいい軸だ。
これから始まるだろう学園生活で、雪くんがどんな音を鳴らすか。次回も楽しみ。