トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
ご飯…それは命の糧、魂の潤い。
よく食べよく眠る元気なプリキュアたちは、初の部活に弁当作りを選ぶ。
あすか先輩に教えを請いつつ、苦労しながら作ったくるるん弁当。一口噛みしめるほどに、感謝感謝の味がする。
今一番大事なもの…それはご飯!
そんな感じの、青春ど真ん中四人組物語、ランチタイムブギーな第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
僕はアニメにおける”食”の表現に興味があり、大事だとも思っておりわけだが。
西村聡のメリハリクッキリついたコンテが活きて、明るく楽しくためになる、大変トロプリらしいご飯回となった。
まなつは元気爆走常夏娘と見えて、存外視力の良い少女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
今回もお母さんの苦労を朝の忙しさに見つけ、弁当を作る中であすか先輩の家庭環境や能力、心意気に感じ入り、食べた時には大事なものも飲み下す。
何かに気づき、それを自分に引き寄せて行動するサイクルが、凄く手早く駆動している。
彼女は自分が色んな思い込みに支配されていることと、それを行動することで壊し、自分を新たにできることをよく知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
お弁当はお母さんが作るもの。好物は先に食べるもの。
そんな常識の外に踏み出した場所が、思いの外面白いからこそ、彼女は常に踏みとどまらず行動する。
そんな彼女に引っ張られる形で、部の仲間たちもワイワイガヤガヤ、賑々しく青春している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
お弁当を作る時、可愛い失敗も多数切り取って、それでも楽しいとしっかり伝えてくる画作りがとても良かった。
みんなでやるから、絶対最初は巧く行かないことだって面白い。
そんな意味合いが率直なコメディ味によく混じって、素直に飲み込めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
あんまクドくない笑いが随所にあって、弾けるように面白いのは凄くトロプリっぽいし、ありがたいところだ。
ローラがビチビチ、家庭科室で跳ねてるところが好き。あとまなつの潮弁当(西村監督繋がり)
18年目のプリキュアはもはやある種の文化権威であり、そこで描かれたものが圧力を伴って社会にメッセージを出してしまう立ち位置を、望むと望まざると占めていると思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
”食”に対し、主にあすか先輩をつうじて時代に即したメッセージを強く出していたのは、大変良かったと思う。
お母さんが作らなくてもいい。残り物や冷食だって美味しい。大事なのは、チームメイトたる家族の腹と心を、豊かに満たす心意気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
そんな風に常識の角をとって、スムーズに飲み込める形で”食”を描いてきたのは良いな、と思う。
あすか先輩の面倒見が非常に良くて、なーんで孤高の不良やってんだこの人…
『好物先に食べるか、後に食べるか』という、凄く身近な(ある意味東海林さだお的な)ネタで日常感を出しつつ、お互いの家族構成とか好みを理解り合っていく、トピ部の部活風景もまた良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
この日常のペーソスが、戦闘中に弁当食うという前代未聞のバトルに、しっかり伸びてるのも良い。
戦闘時の栄養補給するのに、ギャグテイストをうまく使いつつゆっくり食べる余裕を作って、凄く品良く食べていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
プリキュアのお姉さんたちは子供のお手本になる…ってだけじゃなくて、やっぱそういう手付きこそ、作品が人間を養うものをどう受け止めているか、一番滲む部分だから。
最初パクトの向こうで見てるだけだったローラが、楽しそうなトピ部に我慢ならず、身を乗り出して一緒に作る風景なども、あまりに幸福な夢過ぎて最高である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
相変わらずクソアマで、あすか先輩も容赦なくバチバチしつつ、そんな棘を削らなくても隣りあえる空気が良い。
先週長所として描いていたみのりん先輩の『よく見る』能力が、今回は考えすぎて卵を割れない短所…しかも練習で超えていけるものとして描かれていたのも、地味ながら良いポイントだな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
人の特質は局面に応じて、色んな顔を見せる。それを削るより、活かせる場面を増やしたほうが豊かだ。
そういう人格の凸凹に嘘つかないのは、トロプリの良いところだなと思う。ローラもずっと、性格極悪の海の暴れん坊でいてくれ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
ほんとローラのエゴのデカさと、憎みきれないろくでなし感の両立、そこから化学反応する可愛げは絶妙なバランスだな…ピンク髪した、令和のジャイアン。
あとくるるんが特に使命も能力もねぇ、ただただノンキに生きてるだけのもちもち動物なのが最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
いや、悲壮な使命背負った連中も好きだが、トロプリの空気にはザ・マスコットとして顔面モチモチされてるのがビタッとハマる。
異界からやってきた動物が、ただただ無垢な獣として過ごせる。
そんなノンキな空気は”敵”にもよく伸びていて、チョンギーレさんは人間界侵略活動を通じ、自分の料理をどう活かすか学んで帰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
あとまわし組は描かれるほどに人間味と可愛げを増していて、回を重ねるごとに『マジでコイツラと絶滅闘争とかしたくない…』という気持ちが強くなる。
あとまわし組を悪の具現、プリキュアになれなかった憐れな影として書かない筆致は、凄くトロプリに独特のものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
プリキュアがいてもいなくてもあの人らは、自分たちなり生活と仕事を頑張り、仲間を思いやった日々を積み重ねていく。
こういう”敵”の書き方は、凄く独特だ。
ヒーロー物語に必要な『宿命の闘い』という感覚を、あまり焼き付けないあとまわし陣営の描き方。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
今後話数が進んで話が加速する中で、そこらへんを補強する物語装置が何らか追加されるのか、それともこの味を生かしたまま進めていくのか。
個人的には、そこも楽しみな部分だ。
そういうノンキな”敵”だからこそ、お弁当を美味しく楽しく食べて、戦う力を養う描写も成り立つのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
やっぱ何回見ても、バトルのための”餌”ではなく、一回一回思いを受け取る”食”として弁当食ってるあのシーン、あまりに”プリキュア”なんだよな。
宿命に身を投げても、人として大事なものを投げ捨てたくない。日常も闘いも、欲張りに両方勝ち抜きたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
そういう話としてこの、朗らかで楽しいプリキュアをやっていくという決意が、あくまで力みなくよく滲んだエピソードでした。
この肩の力が抜けた靭やかさは、やっぱ強いな。
凄く教導的な話なんだけど、あくまで笑いたっぷり、見てて楽しい話なのよね。それが描いたメッセージを、ストンと腹に落とす強さにもなってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
一話見て、見る前よりもみんなのことがよく判る。何が好物で、家族はどんなで、どんな風に笑うのか。キャラと作品を手元に引き寄せられる。
そういう確かな手応えを、焦ることのないドッシリした話運びにしっかり生み出す、円熟のエピソードでありました。大変面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月18日
まなつをエンジンに、全速力で”中学生”やってるアイツラの熱と風、マジありがたい…来週のメイク回も楽しみであります。さんごにゃん目立つと良いな…。