BLUE REFLECTION RAY/澪を、第1話から第3話まで見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
繊細に揺れる心の破片、フラグメントに共鳴し、超常の力を振るう戦士、リフレクター。
傷ついた思いは拭い捨てるべきか、抱え癒やすべきか。
静止した美しい世界の中で、陽桜莉と瑠夏の物語が始まる!!
という感じの、サイキック現代伝奇少女物語…で良いのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
全体的にクニュクニュした、掴みどころのない質感であり、話に一区切りがつく第3話まで見てもその確信を掴みきれてない感じではある。
つーか令和の深夜アニメで、主役が変身するまで三話は相当に遅い。
相当にヘンテコなアニメで、キャラデザから美術、演出のタイミングに話の進め方、画面の作り方まで、ガッツリした手応えがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
無いんだが、ジャンルの定形はしっかり抑え、キャラの心の機微も結構大事に扱われている感触もある。
しかし、全体的な印象としては”変”なのだ、やっぱ。
この先二クール(!)どう転がしていくか、正直さっぱりヴィジョンが見えないが、この訳のわからなさに半年付き合うのも悪くないかな、という気分なので感想を書いていくことにする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
これから記す『僕の見たブルリフR』が正しいのか正しくないのか、さっぱり自信はないけども。
話としては思春期のヤバい心が生み出す超絶パワー的なのを巡って、ブルーハワイ色の剣を握る主役サイドと、いちごみるく色の剣を握る邪悪な山百合会がチャンチャンバラバラ、現実の裏っ側ですったもんだするお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
サイコダイブ型現代伝奇の定形に、ある程度乗っかったお話とも言える。
初見で想起した過去作は”ペルソナ トリニティ・ソウル””Caligula -カリギュラ-””プリキュア”シリーズ、そして”マリア様がみてる”あたりか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
思春期少女がワチャワチャたくさん出てきて、独特のテンポで暴れる雰囲気としては”悪魔のリドル”も思い出す。
主人公のウジウジ黒髪ロング、羽成瑠夏は触れ合うことにトラウマと欠損を抱え、強い共感能力故に他人と距離を置く、かなり面倒くさい女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
このアマが短髪グイグイ系の平原陽桜莉と出会い、露骨ズブズブにされる気配を漂わせながら青のリフレクターに変身するまでが三話である。
コミュ障態度の裏に自殺に気づけなかった、止められなかったトラウマが突き刺さってると判明するまで三話かかっており、『かなりドッシリ時間使うな…』という印象であるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
その間を埋める物語は、猛烈に未来を暗喩する…というほど、画面がリッチではない。
ツルンと清潔で引っかかりどころの薄いデザインと、箱庭めいた簡潔さの美術。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
どこか人形劇めいた雰囲気の世界は、心の闇に切り込んでいく重さと暗さを遠ざけて、非常に独特の味わいがある。
音量が小さいというか、体温が低いというか。
ただ”地味”ってのともまた違う、独特のビジュアルと間合い。
第1話で都が屋上から落ちそうになる(陽桜莉がリフレクターになる)一連の流れと、第2話のオルガン暴力の場面が一番わかり易いと思うが、キャラの芝居の付け方、動きと呼吸もまた独特で、ぶっちゃけ緊張感が随所でスルスル抜けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
座組とあらすじはバリバリの現代伝奇だが、力みがない。
なんか手応えがないままスルリスルリと状況が転がっていって、しかしこの滑らかさが不快ではないという、本当に名状しがたい味わいで話は進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
この質感を狙って出しているのか、結果としてそうなっているのか、全然読めないの凄いなと思う。
この味わいとテンポが、2クールの物語でどう生きるか、あるいは仇となるかもさっぱり読めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
とりあえず、敵である邪悪な山百合会が相当なトンチキ集団なので、そこを手がかりに見ていく。主役サイドもプレーンながら嫌いじゃないが、アイツら濃すぎるだろ…。
お話としてはおそらく、序盤に赤と青のリフレクターのバトルをやって、中盤以降第1話冒頭でビービー殴り合ってたトンチキ異形とのバトルになってく…と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
フラグメントを手に入れると何が起きるのか、今一分かんないまま三話であるが、まぁじっくり煮込んでいくお話なのだろう。
主役サイドはフラグメントの苗床たる心の傷(都なら豊かで空虚な家庭環境)を、手放してはいけない宝石だと定義する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
お姉ちゃんが率いるいちごみるく軍団は、嫌な記憶なら忘れろと奪ってくる。
赤と青の哲学は対立するので、アラベスク漂う異能空間でビシバシやり合う、と。
時の止まったリフレクター時空は大変妖しく魅力的で、第2話ラストのヒキは素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
静止した雨粒、眠る少女、結晶化した花。
あのゴシックな感じが、日常パートに一切滲まず所帯じみた空気なのは、ホント独特だなと思う。メリハリ効いてる、とも言えるが。
瑠夏は”陰”の主役で、人付き合いは下手くそだし思いもなかなか形にならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
それ故ガンガン前に出て人助けする陽桜莉に惹かれるが、この子も純粋な”陽”って感じではなく、姉に捨てられた欠落と、その反動としてのメサイア・コンプレックスに囚われてそうである。
リフレクター時空の先達として、そこに助け船を出すのがドヤンキーなフリーターの百ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
一応先輩のはずなのに、食い詰め根無し草としての生活描写が余りに生っぽく、バリバリのファンタジー衣装で炎とか出してる方に違和感がある。変なアニメだ…。
ここに第一被害者であり、家に宿った空虚を同級生で補充しようとする都ちゃんが加わって、ソーダ味の主役四人組…ということだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
そして彼らの行方を遮るのが、陽桜莉を捨てて新しい妹を量産しまくる黒の聖母、美弦お姉ちゃんと愉快な仲間たちである。
『まーた上田麗奈が、激ヤバ精神バトル空間で他人の情緒をメチャクチャにするロングヘアー女をやってる!!』と興奮してしまったが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
五年間も妹に連絡入れず、学内カルトめいた妹牧場を謎の教会に作り上げているあたり、まー端的にヤバ女である。上田麗奈声のヤバ女最高ッ!!
そんなお姉ちゃんが妹ほっぽりだしてナニやってるかというと、漆黒の天蓋付きベッドで新妹(ロリ、声は井澤詩織)とネトネトしたり、おっとり刀でリフレクター出勤した百ちゃんの邪魔したり、心が荒れた家出少女に『お姉さま』って言われたり、マジやりたい放題である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
彼女を中心とした邪悪な山百合会は、オルガンの上で重度のマゾヒストとバチバチヤンキー少女が痴話喧嘩したり、心の傷でメタメタになった女の子の花を奪い取って助けたり、楽しく放課後を過ごしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
あの爬虫類っぽい被虐癖女、ほんとにネトネト気持ち悪くて最高に良い。
マゾの面倒くささが前面に出たいいキャラで、いちいち相手が苛立つ状況を作ってニーナちゃんを怒らせ、雷に打たれて絶頂しまくっておる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
その癖任務の方は相当テキトーで、失敗してはまたニーナちゃんに怒られ…つうか怒られるために失敗してるまである。
『フラグメント回収は、お前のプレイの道具じゃねー! 真面目に悪役やれッ!!』って感じもあるが、詩ちゃんがネットネトネトネト、欲望の赴くままやりたい放題し放題するのが、なんか自由で良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
今後も己のマゾヒズムを大事に、周りに迷惑かけまくって欲しい。
一応邪悪なお姉ちゃん軍団はトンチキ異能コメディばっかやってるわけではなく、都が鉄道自殺しかかったのをちゃんと止めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
思い出の写真を捨てられ、自分を顧みてくれない家に居場所なく、身を投げようとした少女の傷を、奪って捨てて治してあげる。
お姉ちゃん中心に広がっただろう赤き信念は、探してる当人が敵の首魁だと知らない陽桜莉の決断と、真っ向から衝突する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
例え耐えられない傷でも、それは私だけのものだから。勝手に暴いて捨てるのは許されない。
赤と青の少女たちのバトルは、トラウマを巡る哲学の対立でもある。
第1バトルは青の勝ちと終わったが、今後サイキックバトル青春絵巻していく内に、陣営越しの対話が深まったりするのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
その合間をつなぐ日常フェイズが、何処かぎこちなく硬い感じなのは、やっぱ気になる。
キラキラ学生生活というにも、暗黒の青春というにも、振り切りが足らない印象。
天蓋ベッドと発情オルガンを兼ね備えたトンチキアジトで、信念赴くままに大爆走してるお姉ちゃんサイドを楽しく見れるのは、良くも悪くも振り切れていて、その表情がハッキリしてるからかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
主役サイド、繋がり方も関係性も、ややボンヤリしてんだよな現状…。
心の闇を救われちゃった都を加えて、今後展開してくだろう陽桜莉と瑠夏の青春が、そこにどういう色を付けていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
瑠夏が現状、無茶苦茶に弱い生き物なので、彼女が寮生活に適応していく成長物語として見てくのが良いのかな、と思ったりもするが、はてさて。
繊細すぎるがゆえに他人の思いを強く反射し、だからこそ他人に踏み込めない瑠夏のキャラは、なかなか良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
彼女の欠落を補うように描かれてる陽桜莉の闇が、今後どういうコクを出してくるかが大事かなー…アンタが探し求めてるお姉ちゃん、マジ好き勝手やってるよッ!!
というわけで、お品書き見て『こういうの食べたいな~』と思っていたのとは明確に違うが、しかしなんか独特の味わいがあるアニメであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
思春期の不安定な心を扱う現代伝奇としては、ハッタリとケレンが明確に足らない。
全体的に淡白な仕上がりが過ぎて、ツルンと取っ掛かりがない。
のだが、この味付けで青春マインドバトルを書いてったらどういう絵が出来るのか、先が楽しみな部分はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
とりあえず現状、邪悪な山百合会を足場に、作品に切り込んでいく構えだ。
お姉ちゃんとヤンキーとマゾとロリの、オモシロ伝奇百合仕草に負けないくらい、主役側も独自の”コク”出して欲しいね。
わりとゆっくり目、弱め薄めの味付けで転がってく話だというマインドセットも、第3話までで出来てきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月25日
深夜アニメの展開速度ってどんどん高速に圧縮されていると思ってんだけど、そのトレンドに乗っからない話作り、絵作りよね。
序章が終わり、フラグメントを巡る運命が動き出す。次回も楽しみです