BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
仁菜が託した美弦の過去に、陽桜莉は押しつぶされていく。
揺れ動く心と、満たされる痛み。
誰かを思えばこそ、刃は魂を切り裂いていく。
守りたかったもの、助けたかったものの残骸を埋めて、今至聖墓の門が開く。
そこに全てを埋めて、私達を救うために。
そんな感じの青春どん底絵巻、主役ガン堕ちサゲ展開のブルリフR第18話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
太陽のごとく揺らがず強かった陽桜莉の魂が、最愛の姉にかつての自分が何をしたかを見せつけられ、世界ごと地獄に真っ逆さまである。
瑠夏の思いも届かず、刃を交えて心は軋む。地獄の門が開いて、さぁ黙示の時間だッ!
ストレス強めの展開であるけども、ここまで18話、独特のトンチキに交えて非常に細やかに、登場人物の魂の色合い、迷いつつ答えを探す必死さを描いてきたこの物語に、信頼は篤い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
試されればこそ、より強く優しく、誰かと共鳴できる。
その信念が一番厳しいところを、シビアに叩けばこそ…
ここを乗り越えれば陽桜莉も瑠夏も、彼女たちを主役とする物語ももっと確かな答えへと、自分たちを導いてくれるという期待感が、このダウナーな展開の中にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
ブルリフRは”やって”くれる。
そういう信頼をもってアニメ見れるのは、とても幸せなことである。”育った”なーマジ…。
グラングランに揺れ倒す陽桜莉と、逃げ惑う彼女に追いつこうとする瑠夏の切なさを語る前に、仁菜ちゃんの話ししますね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
お姉様を殺したお前を、絶対に許さない。
共鳴を通じて地獄を見せた仁菜ちゃんだけども、それはけして揺らぐことのない覚悟、殺して止める以上の答えを、陽桜莉に求めればこそ。
自分一人では掴めない奇跡を、この少女なら成し遂げてくれるのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
そういう希望と甘えを、お姉ちゃん以外の誰かに預けられるようになったのは、かなり大きな人間的成長とも思える。
駒川…そういうモンを仁菜ちゃんに差し出せたのは、お前じゃねーんだよ…。
お姉ちゃんが”一周目”の失敗にとらわれている以上、それを知らぬまま万全の救済など出来るはずもないので、いつかは知らなければならない事だったとも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
仁菜ちゃんは一人では、救済の怪物になってしまったお姉ちゃんを殺す以外の決着を思いつけなかったけども。
それに邁進する日々は人間的な営みから彼女を遠ざけ、お腹をペコペコにした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
かつて傷つけた都が仁菜を許さず、しかし認めてツナマヨにぎりを差し出したことで、追い込まれていた仁菜ちゃんにも余裕が出来て、”お家”を辞書でぶっ壊し、その空疎を確かめ前に進むタフネスが生まれた。
ここら辺、指輪に選ばれていない都が普通人領域で”共鳴”を果たし、異能に結びつかない地道な…本物のチカラが仁菜ちゃんに宿った感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
その延長線上に、陽桜莉への試しと信頼、期待がある。
ピンク色したパンドラのスーツケース、開けたら希望が出てきたよ…と。
しかしそれを受けての陽桜莉は滅茶苦茶にグラグラ揺れて、泣きじゃくり乱れまくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
今まで前向きに明るく、希望を見据え続けた彼女だからこそその迷走は痛々しく、重い。
そんだけお姉ちゃんが大事で、もう一人の自分が許せないってことだろうなー、と思った。切ない…。
バディである瑠夏の歩み寄り、共鳴も跳ね除けて、陽桜莉は全てを拒絶していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
この閉ざされた絶望は、”二周目”に降り立ったお姉ちゃんと多分おんなじ気持ちで、この暗がりとノイズを通り抜けない限り、陽桜莉は救うべき相手、愛する家族と同じ立場には立てないのだろう。
最初は『なんか薄っぺらい、フワッとした主役だなぁ…』と思っていた”ひおるか”であるけども、トンチキ物語の中で幾重にも魂の色が描かれ、二人だから越えられるもの、共鳴する思いの強さが、確かに届いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
そのハーモニーが好きだからこそ、今回の不協和音は哀しい。
瑠夏が相変わらず不器用に激しく、陽桜莉に近づこうと必死に藻掻いてる姿…自分をわかって貰い、相手をわかろうとする努力のすれ違いも、また苦しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
”ミチコとハッチン”以来、『アタシの気持ちはどうなるの!』と言い出す女(ひと)にマジ弱いので…(アツコ・ジャキソン大好きマン)
時に無敵に思える陽桜莉も当然、笑顔の奥に涙をこらえ続けていて、仁菜ちゃんから託された重荷は仮面を壊すのに十分であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
今陽桜莉は、お姉ちゃんに守られるしかない子供にまで魂を戻している。
瑠夏は共に戦う頼もしい友を、取り戻したいとすがりつく。
お互いが求めるものがすれ違って、閉ざされた心の扉に鍵がかかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
逃げ出した先で見上げるのは、夏の高い空。
ここで曇り空じゃないところが、陽桜莉というキャラクターに宿る、哀しいほどの透明度といえる。
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第18話より引用) pic.twitter.com/vEr8Aw5IA6
時に罪深いほどの無垢、透き通った無邪気は、妹であり答えを追い求める主役である陽桜莉の特長であり、武器でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
しかし重すぎる真実を背負って、それが武器足り得る強さを壊されたただの子供にとって、世界も自分も輪郭を失って透明だ。
ただただ鏡のように、夏空は陽桜莉の瞳を貫通する。
いやね…こんだけ追い込まれるとフツー、ハイライト消して精神負荷を表現しそうなトコロじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
でもそうは書かない。
天の美しさを、世界の有り様をなんの曇りもなく反射する透明こそが、この物語の主役の根底なのだと、鏡の瞳で極限を表す。
そういう手びねりの表現を、ちゃんと掴んでる。偉い。
ここで楓夏&亜未琉襲来となるのだが…湿った百合オーラに似合わないノリノリソング(大好き)に思い出を反射し、それではもう魂を繋ぎ止められない亜未琉の末期描写が、マジで重い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
『これが私の最後の”今”!』…なんの偽りもなく事実だからな。マジずっしり来る。
かつて自分の”今”を素直に掴み取れなかった結果、愛する人がぶっ壊れちゃった涼夏にとって、その叫びは全てを賭けて寄り添うに値する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
奇跡にすがり、過ちを取り戻す。
音叉槍が引き起こす絶唱が、揺れる陽桜莉の魂と共鳴するのも、無理のない流れだ。
お姉ちゃんと紫乃の救済が、世界のままならなさを、少女たちの痛みを乗り越える答えであってはいけないけども、そこにはしがみつきたくなるだけの魅惑が、確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
ではなぜ、否定しなければいけないのか。超えていかなければいけないのか。
フラグメントを預けて、全部終わりでいいじゃないか。
『そうではない』と告げるために、陽桜莉は徹底的に迷い、間違えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
その過ちに惹かれるように、瑠夏もまた暴力を手にとって、短絡的な答えに手を伸ばし…阻まれる。
共に痛みを背負い合う。同じ道を進んでいく。
そんなの、言葉だけだよ。
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第18話より引用) pic.twitter.com/nrEv31T3LJ
貴方には関係ないと、思わずこぼれた言葉が愛を押しのけ、壁を作る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
傾いだ柱、交錯する刃はバディだろうと繋がり得ないすれ違いを可視化し、二人の思いはすれ違っていく。
バトルシーンは相変わらずのブルリフ味だが、心象を風景に焼く演出は冴えるぜッ!
ゴリゴリに追い込まれた陽桜莉が、かつて自分が犯した罪を反響させて、とにかくお姉ちゃんを傷つけさせないよう立ち回るのが、なんとも痛ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
正常な判断ができないくらい追い込まれて、掴むのが後悔と優しさってのが、平原陽桜莉という少女の魂をよく語っている。
『全部お前が悪い…』と、どす黒く思い詰める瑠夏の迷いも、なんとかかつて取りこぼしたモノを救おうとあがく彼女を見てきたからこそ、なかなか辛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
いやまぁ、確かにお姉ちゃんが悪いんだけども、お姉ちゃんは悪くないんだよ!(堂々の矛盾咆哮)
誰かを悪者にしたり、犠牲にしてシンプルな答えを出してしまう道を、多分このお話は最初から見据えていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
でもそういう揺れない道を求めてしまう人の弱さを、見落としてもいない。
それは正道に身を置く主役にも、当然ある。
だから試す。その重さを超えて、確かな答えを掴みうると信じて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
『あ、ヤベ…想定より脆いッ!』みてーな顔してる仁菜ちゃんと、お話を紡ぐ作者達の顔が何処か被る。
仁菜ちゃんも自分が押し付けた因果を超えてくれる可能性を、やっぱ求めてんだよな…殺す以外の結末をよ!
陽桜莉のフラグメントに絶望が共鳴して、コモンへの扉が顕現して終わる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
救いたいと願いつつ刃を交えることになった、犠牲であり加害者でもある涼夏と亜未琉もまた、このままでは望んでいた救済は得られない。
つーかまんまと乗っかった形よな、お姉ちゃんの口車に…。
精神ぐちゃぐちゃにされて、正しく強い道を進むどころじゃない主役コンビは、黙示を告げる鐘の音を超えて、もう一度歩み直せるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
厳しい試しである。
しかしここを超えなければ、”心と人の在り方”という、とても難しいテーマを背負い切ることは出来ない。
逆に言えば、共感されにくいネタに自分なりの答えを堂々叫び、物語を視聴者の魂におっ立てるために必要な下準備を、このアニメは成し遂げつつある、という話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
こんだけグラグラ揺らして、綺麗事ほざく主役のハラワタを暴いて、それでも手を繋いで壁を超える強さを描けたら。
凄く優しいからこそ思い悩み間違えた人も、傷つき傷つけて救いを望む人も、絶望の淵で微かな願いを抱きしめる人も、みな幸せになれるような答えを出されても、嘘じゃなくなるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
何かを物語るということは、そういう試しと答えを幾重にも折り重ねて、世界と人物を編み上げていく営為だ。
ブルリフRは幾度も主役を問うてきたし、試してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
その最新版で最大級が、今回の不和と対立だろう。
見ていて大変つらい。
陽桜莉の純朴が、瑠夏の純粋が、答えにならない世の厳しさに試されて揺らぎ、ぶつかり合う姿は見たくない。
しかし、それが本当のことだからこそ、このアニメは書いた。
それが描けるようにキャラクターを生み出し、交流を積み重ね、漬物とツナマヨにぎりを食べる存在として、二次元少女に息吹を与えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
かくして、コモンへの道は現れた。
甘やかな囁きが救いを差し出す中で、泣きじゃくる幼子の素顔を晒した陽桜莉は、姉の手を取るのか。
差し伸べた手を跳ね除けられ、憎悪に突き動かされて地に伏した瑠夏は、再び立ち上がれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月15日
バキバキと主役が追い詰められ、その存在意義を問われる終盤戦である。
大変に良い。次回もとても楽しみである。
ブルリフR…トンチキ百合異能青春群像劇の、間違いなく金字塔である。