BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
思いを暴走させた陽桜莉により、コモンへの扉が開いた。
現実を侵食し、世界の理を書き換えるべく攻撃を仕掛ける紫乃。
美弦は妹を愛で抱き潰すように、幸福の形を定めようとする。
その時、傷の痛みに蹲っていた瑠夏が吠える。
その子は、貴方の人形じゃない。
そんな感じの異能者達の尊厳闘争、最終決戦が加熱し続けるブルリフR、第19話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
陽桜莉を追い込んでがっぽり開いたコモンの扉に、紫乃が両手を突き上げてビリビリビームを送り込む裏で、救いを押し付けるお姉ちゃんとの負けられないバトルが勃発、その心の奥底には…という展開。
バトル描写が挟まるほどに、微妙な作画で空気が抜けていくのはもはやブルリフR名物だが、19話まで付き合った”戦士(ウォリアー)”は気にしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
つうかブルリフR味のするぼっ立ちバトルを見ると、心が潤うまである。みんな可愛いねぇ…(異能バトルを評価する時、使ってはいけない語彙)
紫乃の奸計に散々かき回されて、みんなズタズタな今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
竹は押し下げるほどに強く跳ね上がるってんで、今回は叛逆の意志を炸裂させ、お姉ちゃんの閉ざされた心へと遂にダイレクトアクセスを話すお話である。
傷ついて、惨めで弱い自分を思い知らされて、人は何故立ち上がれるのか。
ブルリフRの答えが今回、よく出ているエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
目の前で人が落ちる時、傷を追ってなお進もうとする時、人は思わず手を差し伸べようとする。
惻隠の心は仁の端なり。
傷負い人を思いやる愛こそが、人を強くする。
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第19話より引用) pic.twitter.com/tDY5rSEy9Z
陽桜莉の迷妄に付き合ってズタズタになった瑠夏が、最初落下する陽桜莉に駆け寄れず、なんの異能も持たねぇ都がその細腕で抱きとめようと駆け寄るのが、相変わらずの”勇”で泣けてくるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
マジで都は、このアニメが傑作たり得ている大きな柱だと思う。力の有無が、気高さの理由ではないのだ。
山田先輩もまた、都に許され…というか、自分の犯した罪に潰されず立ち上がろうと、震えながら誰かを支えようと差し出されたツナマヨ握りを食ったことで、”仁”を思い出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
最初は動かなかった足を押して、美弦の救済に噛みつこうとする瑠夏の歩みに、心配そうに寄り添っていく。
詩とのバトルよりもむしろ、この小さな仕草の中にこそ山田仁菜の再生…ピンク色のパンドラの匣を開け、母の鎖を引きちぎった後の真価が、強く宿っているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
ナイフを握ることしか出来なかった少女が、出会いと別れに傷つきながら、優しくされて出来るようになったこと。
それは傷をおして立ち上がる戦士の尊厳に、己も手を差し伸べようとする強さだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
そんな再生にもまた、飯作って怪我人を背負うことくらいしか出来ねぇ只人の都が、深く深く関わっている。
それ以上に価値のある営みは、人にはねぇのよ、根源的に。
謀略の道具に思いを弄ばれ、倒れ伏した涼夏を前に、甘い同情でも厳しい正しさでもなく、当人に見えなくなってる不屈を指摘し、新たな闘いの背中を押す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
都自身が彼女の闘争を必死に戦い抜いているからこそ、その言葉は真実誰かの魂を震わせ、立ち上がらせるのだろう。ホンマ強い子よ…。
最初は立ちすくむことしか出来なかった瑠夏は、心の尊厳を弄ぶ美弦の行状に憤怒し、腹の底から力を引き出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
何が幸せかを決めることは、人に定められた最後の宝石。勝手に手を触れ、弄ぶことは許さない。
傷つかぬよう護るために、気付けば自由を奪い、可能性を殺す救済。
それはつまり、傷つきすぎたがゆえに救いを求めていたお姉ちゃんの、エゴの反射でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
しかしその弱さと醜さは、人の宿命である。
間違えるし、響き合わないときもある。
それでも胸に湧き上がる愛おしさを大切に、隣に立って一緒に進んでいく。
それが、二人がたどり着く新たな答えだ。
見守るだけだった自分を越え、笑顔の仮面に涙を隠していた己を超えて、少女たちは強くなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
お姉ちゃんもそういう存在だったからこそ、沢山の辛さを背負ってなお、妹のために笑顔を作り、少女たちの心を救い、強がって頑張っていた。
それはけして、無駄な行いなどではない。
美弦は紫乃に過去の記憶を甦えさせられ、何も成し遂げられなかった自分を直視させられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
前回陽桜莉の心を折りかけた仁菜ちゃんとの共鳴と、似通った状況がお姉ちゃんにもあったのだ。
姉妹は同じ重荷に迷い、妹はバディの支えを受けて立ち上がり直し、姉は救済の沼に沈みかける。
平原姉妹の差は、醜さも弱さも預けられる真のバディが隣りにいるか、否かなのだが、では美弦は百ちゃんに甘えれば良かったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
…バブバブ甘えればよかったんだけども、父も母も消えた極限の中”お姉ちゃん”でいることが魂の救いであり、唯一の杖だった美弦に、鎧を外せってのは酷なんよ。
愛すればこそ全てを背負おうとし、育ちゆく妹をしっかり見れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
お姉ちゃんの歪みはそこに起因するが、実際陽桜莉はお姉ちゃんが守り、抱きしめて愛を伝えてあげなきゃベキベキに折れていたと思うので、そんな歪みを責める気にもなんないんだよな…。
それしか、二人が生きる術はなかった。
荒野のサバイバルが生み出した歪みが世界を殺すのならば、改めて新しい形を探せばいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
お姉ちゃんとの”闘い”が共鳴を呼び、陽桜莉を勝たせるのはある意味、頼りなかった妹の成長を証明するための通過儀礼と言えるだろう。
自分が姉を殺した罪悪感、甘えるばかりだった弱さ。
それによろめいていた陽桜莉だが、自分自身が成し遂げてきた真っ直ぐな生き方を瑠夏の喝破、仁菜の穏やかな肯定に思い出して、道を思い出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
陽桜莉が揺るがず、魂の尊厳を大事にできたのは、お姉ちゃんが陽桜莉が陽桜莉であることを無条件に抱きしめ、肌で温もりを伝えてくれればこそ。
ずっと隠してきた心の奥底、耐え難い痛みと羞恥に降りる資格は、踏み込まれる当人が既に発行していたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
お姉ちゃんの弱さや過ちを正すパスポートが、手繰っていけばお姉ちゃん自身の善と行いから出ているところが、大変にいい。
人は己に…他人に施した光の反射にのみ、最後は道を示されるのだ。
美弦にとって救済者であり、守護者であることはアイデンティティの核として、とても大事なものだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
それは善きことを為す綺麗な理想ではなく、これ以上”大切”を奪われたくないという、エゴの泥から伸びる蓮だ。
陽桜莉の影が伸びるから、少女たちを救いたい。
あるいは陽桜莉が求め、自分もそうありたいと願う気高い戦士であるために、誰かを助けたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
救済の根本には身勝手な身内意識、自分可愛さがある。エゴの醜さがある。
でもそれが、お姉ちゃんの全部ではない。
そこから伸びた強さと優しさが、妹と同じように既に誰かを助け、導いてきた事実は消えない
地獄めいた苦境にも関わらず、妹の震える手をけして手放さなかったお姉ちゃんは、崇高な理想主義者だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
だから自分が、人間として当たり前の弱さ、身勝手なエゴを抱えていることを認めきれない。
弱い自分を認めたら、世を満たす理不尽が私を…私の”大切”を食い殺しに来るから、鎧は外せない。
陽桜莉は瑠夏と二人三脚…都や百ちゃんやその他沢山、出逢った少女たちと散々に迷い、問われ、戦って強くなることで、その鎧を引き受ける腕力をようやく、手に入れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
甘えていた自分、何も知らない弱い自分を見据えた上で、それでも自分の思いを譲らず貫く尊厳の意味を、共に掴み取った。
その結果が、お姉ちゃんの深奥に潜る共鳴であり、そこから逃げず勝ち切る結末なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
甘えん坊の綺麗事少女が、鏡合わせのお姉ちゃんの魂を背負い切れるまで、己を鍛え上げるまでの歩み。
ブルリフRは、そういう物語であったのかもしれない。強く…強くなったよ、平原陽桜莉。
全てをさらけ出し、お互いの魂を抱きしめ合う熱い抱擁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
姉妹の再生を間近に、思わず瑠夏の眼にも涙であるが、舞台裏でドンドンパチパチやってた涼夏と柑橘類コンビがいい加減ヤバくて、紫乃が神ッ面で降臨カマして次回に続く。
詩…悦に入ってないで、お前も”お前”に会えッ!
勝手にゲームクリアされたのに、分かりあえない人の悲しみが残ってしまった記憶を一人抱えた紫乃が、何故お姉ちゃんに記憶を戻し、指輪を手渡したのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
やっぱあの性悪ロリータも、どっかで他者の存在を、そこからしか得られない救済を望んでると思うのよね。
他人の心を自分が勝手に定めたルールで支配し、幸福の形を規定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
瑠夏マジギレの傲慢の裏には、お姉ちゃんと同種の救えなかった哀しみ、救われたいという願い、救われなければならない痛みが、絶対あると思うのですよ。
少女たちの物語に、”悪役”はいねぇ…ッ!
異能による共鳴を大事なモチーフとするこの話、みんな違っているから傷つくし、どこかが響き合うから救われるという物語が、幾重にも繰り返されてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
少女たちは皆どこか似ていて、でも同じにはなりきれなくて、心の花を刈り取って同じにしようと思えば、魂自体が消えていく。
それでもこの嵐の中で尊厳を両足に込めて立ち上がろうと思うのであれば、一体何が必要なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
私達には何が欠けていて、何が与えられるのか。
この作品はずっとそれを問い続けてきたし、今回ずっとラスボスとヒロインをやってきたお姉ちゃんを相手に、二人が一つの答えを出した。
紫乃が自分の事情とか心情とかを語りそうな次回、そんな共鳴が彼女にも伸びていくと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月23日
運命は複雑な渦を描き、一つの答えを手に入れた直後に、新たな闘いを差し出す。
掴んだものが儚い幻ではないと、示すための闘争は続く。異能バトルっぽくなってきたぜ…次回も楽しみッ!