白い砂のアクアトープを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
迫るデッド・リミットに焦ったくくるは、がまがまで起こる不思議な幻を、最後の起爆剤にしようと目論む。
同じ頃、風花も捨てたはずの過去から届いた頼りに、未来を迷っていた。
不確かな未来を前に立ちすくむ者たちに、差し出す掌の行方は…。
そんな感じのそろそろ1クール目も最終盤、一つの終りが見えてきたアクアトープ第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
序盤は頼もしい太陽娘に見えていたくくるが、その笑顔の隙間から覗かせていた陰り。
がまがま閉館のデッド・リミットが近づき、その根源が剥き出しになってくるエピソードである。
幼く偏狭に空回りする彼女の、焼け付く想いがどこから来るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
それを描かれるたびに、無様さを笑うのも、手前勝手な思い込みをなじるのも、受け手としては違うな、という意識を新たにする。
大事だからこそ譲れなくて、愛すればこそ諦められないもの。
周りから止められようと、正しくなかろうと。
出来る全てをやりきってすら納得できないだろう別れを前に、くくるは慄き、間違え、傷ついていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
高校生が背負うには、ちと重すぎる夏休みの宿題。
彼女を思う誰かが、代わってやるわけには行かない人生の課題。
それを描くのに必要な過ちや、惨めさや、暗さがちゃんとある回だった。
その陰りの裏には確かに、誰かが誰かを思い、影に囚われつつも前に進む人の強さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
肩を震わすくくるが背負うものの重さを知ればこそ、なかなか声がかけられない櫂くんが踏み込んだ距離、差し出した掌。
甘酸っぱい色恋を少し超えた、人が人に寄り添うシリアスな重さが、決心と決意に満ちていた。
時流はくくるの心身に癒着した大事な場所を、残酷に奪っていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
その痛みが成長のための必要経費だと、割り切ることは僕には出来ない。
とても辛く、出来ることなら来ないで欲しい別れは、しかし否定しようもなく襲いかかる。
それにどう抗い、どう飲み込まれるのか。その後に進んでいくのか。
1クール目のクライマックスが…その先にあるだろう挫折と再生の物語が、大変気になる停滞と失敗の物語だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
人と人が向き合い、衝突しないよう気を配りつつも、揺れ動く心がどうしても擦れ合う引力圏が、色んな年齢、立場、性別から描画されていくのは、群像劇として見応えあるね。
カレンダーはひどく着実に、終わりへと突き進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
幼馴染が背負う、情感の重たさ。
背中越しにどんな表情をしているか解ればこそ、櫂くんはなかなか踏み込めない。
初めて出会ったときのように。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/KuNVO0O1pM
ここでは無音で展開するくくるの嗚咽が、死によって略奪された父母の不在…”死”という絶対への反抗であると、後にわかってくるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
大事だからこそ、奪われれば己の体をもがれたように痛むものを、くくるは再び失おうとしている。それを打破する手段は、もうない。
たぶんこの理不尽をこそ孫娘に解らせようとして、おじいは夏休みだけの館長代理を許可したのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
それは正しいし、善き教導ではあるけども、なかなかシビアな荒療治でもあろう。
例えば櫂くんのような、大変に善い青年達が支えてくれるという確信がないと、打てない手だよなぁ…。
ガマは子宮としての側面を強く持つ霊地であるから、がまがまに固執するくくるが(喪われた)母から離れられない、物分りの悪い子供の表情をしている…あるいは取り戻しているのは納得である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そこに閉じ込められ続ければ、くくるは自分の足で立つ存在に変わっていくことが出来ない。
しかしより良く別れていく事は常に難しく、切断はいつでも痛みを伴う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
幼い頃目の前で展開した、”勝手なわがまま”どころではない魂の咆哮。
それを前に立ちすくんでしまうのと同じ思いが、背丈の伸びた櫂くんを縛る。優しい子、賢い子だよ…。
一方風花も、捨てたはずの過去から連絡を受け、どこへ往くべきか、水面の月のように心を揺らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
携帯電話を掴む後輩の指に、輝く緑のネイルが眩しい。
それを付けていられるものと、剥がして”仕事”をするもの。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/FPERCLGCKD
そのどちらに自分を置くべきか、風花は思い悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
すぐ拒否しないのは、継続して描かれてるフワッとしたどっちつかずのキャラクター性でもあるし、一度背を向けたアイドル活動にあったのが悲しいことばかりではないと、沖縄の夏休みを通じて思えるようになったからでもあろう。
誰かを押しのけて前に出る気概も、燦然と輝く華もないと思っていた自分を、求めてくれる人がいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
一度は望んだ道、帰れる目処がつけば当然迷うだろう。
そもそもここは、意を決して選んだ一生の居場所ではない。フラリと流れて、逃げ出すように流れ着いた仮宿だ。
しかしそんな場所が風花に教えるもの、守り癒やしてくれたものは沢山あって、今回彼女はそれに気付いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
繋がったと思えたくくるとの距離は一度離れ、だからこそ彼女の姿…そこに繋がる自分との望みを再確認も出来る。
そうして見据えたもので、風花はどんな未来を選ぶか。前半の眼目であろう。
思いつめたくくるは水槽の前の幻を、オカルティックに…あるいはスピリチュアルに宣伝材料として、最後の逆転を狙う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
霊的であるからこそ個人的で、再現性がない不可思議。それを”ある”と決めつけ集客に使う危うさを、周囲はしっかり指摘する。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/wY4v5d2tMz
食べかけのまま置き去りにされたスイカ、一人で潜る風呂の水。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
縁側の告白は、自分と違って行く場所、帰る場所がある風花との違いを、くくるに教える。
姉の転生、喪われた家族の再来と思っていたものも、夏の終りに去っていく可能性。
くくるは風呂に沈んで、擬似的な胎内回帰を果たす。
それはあくまで疑似でしかなく、くくると触れ合い支えてもらえるものは過去ではなく、現在から繋がる未来にしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そことの縁を切って孤独になってしまえば、迷い間違えるだけだ。
ネット越し、顔の見えない声はくくるの決断に、責任を持ってくれるわけではない。
このお話では、海咲野家の屋根に住み着くキジムナーが、幻を生み出してるように描かれ続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
ガマでの霊的体験は非常に土着的であり、歴史的であり、地域共同体の内部、過去と切り離されていない場所で起こるものとして扱われている。
この古く閉じた場所への視線は、前回から継続である。
資本主義というのはそういう、泥臭く軽々には扱えないものもファッション化し、”スピリチュアル”という商標を貼っつけて蕩尽していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
くくるの焦りは、細心な扱いを要求するものを軽薄に使い果たしてしまう一つの流れに、自分とがまがまを投げ込む危うさがある。
確証も再現性もない”嘘”(になりかねないもの)で、望みを叶える危うさを周囲は心配するわけだが、くくるの決断はもう少し広く、衰退していく古い共同体…それが崇敬していたものをわかり易く、消費しやすい形に都合よく整形していく、一つの時流に接近しているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
後に水槽の前で、櫂くんがくくるの問いかけにNOを突きつけた時、護られたのはくくる自身の尊厳であり、ガマに作られた水族館に刻まれた土地の記憶であり、定かに見えず再現もできない不可思議を、より慎重に扱う古い仕草なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
果たして”それ”は、インスタの流行に乗せて消費して良いものか。
この問いかけは、水槽前のヴィジョンを物語の推進装置として、お話の見せ場として配置しているこの作品自身が、ファンタジーをどう扱うか、という手付きにも通じてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
キャラクターの描写、それを取り巻く社会に”沖縄”という場の記憶と空気が、かなり慎重に練り込まれているように。
不可思議なことが起こりうる状況を、ただのスペクタクルではなく、土地と人に根付いた一つの現象として見据える視座が、くくるの迷いに重なって問われ、描かれているように思うのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
ここでのくくるの勇み足と、それを引っ込めさせたモノの書き方は、僕が作品を信頼する大事な足場となっていく。
くくるが電子の海に投げ込んだ、”奇跡”と書いたボトルメールはそこまで波紋を呼ぶこともなく、フラフラと彷徨っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
重い足取りで、日々の業務をこなすくくるには、薄暗い陰りがじっとりまとわりついている。
自分とは違う風花から、隠れるように
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/YT9SIXbcWV
生来の暗さを全面に出したくくるが頼るのは、長い付き合いの幼馴染である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そうして重い吐息を預けれるありがたさ、受け止めてくれる優しさの意味を、この段階のくくるは掴めていないように思う。
最後の奇策が空振りに終わったと、突きつけられてなお『ありがとう』と。
言えるようになる前の、狭く孤独な視界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
これをこじ開けるには勇気がいる。
普段はかぶらないフルフェイス・ヘルメットで顔を隠し、差し伸べた手を振り切るように進み出す幼馴染を前に、櫂くんの手は幾度目か空を掴む。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/lR6KsDjtar
漁師の息子として家業を手伝い、恋した少女のため…というにはあまりに献身的に、くくるの幸福をまっすぐ見据えながら寄り添う櫂くんの”今”を、くくるは結構見ていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
思い出すのは背丈が伸びた彼ではなく、思い出の中の、出来ないことの多い幼馴染だ。
くくるが見た櫂くんがアップデートされていないのは、父母を求めて泣きじゃくっていたあの日から、彼女自身あまり先に進めていない現状を、静かに示しているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
ガマに繋がったへその緒を切るべく、廃館という大鉈が振るわれることになりそうだが、耐えきれんだろこのママじゃ…。
そういう幼さと危うさを、これまでの物語で櫂くんはずっと見つめてきたし、踏み込めなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
それは関係性が変化することへの臆病と言うよりは、受け止める資格が自分にあるのか、それでくくるが楽になるのか、ずっと考え続けているからこそだと思う。
大口を開けて泣ける時代が終わって、それでも震える背中をどうしたものか解らぬまま、くくるはフルフェイスの中で泣く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
何も出来ない自分に、再び大事なものが引き剥がされていく痛みに。
それを他人に預けれない頑なさ、門を開けられない意固地は、前回知夢への壁にもなっていた。
こうして高い壁を張り巡らし、自分を守ってくれる身内だけを置くことでしか、生きられないくらいの荒廃に、海咲野くくるは生き続けているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そんぐらい、幼子が親を奪われるということは重い…ってことを、立ちすくむ櫂くんも知っているのだろう。善徳が過ぎる…。
自分の焦りと痛みを理解ってもらえない(と思いこむ)拒絶を、示すかのようにくくるは網戸の向こう、簾の奥…境界の果てに身を置き続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
遠く、切なく、血縁ですら寄り添えない必死のあがきを、一人で空回りさせ続ける。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/QqZHxG1voA
その空転は青臭くて身勝手で、腹が立つ…より先に切なく感じてしまうのは、自分も年をとったと感じ入るところだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
あからさまに感じ悪いくくるの暴走を、周囲はあくまで穏やかに、心を寄せて見守り続ける。
正しさを噛んで含めたところで、今の彼女が飲めるわけでもないと、老人たちはよく知っている
境界は異質なものが接するからこそ発生するもので、そこには断絶と同時に対話の可能性が存在している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
際を前に背を向けて駆け出すか、あるいは覆いを引っ剥がして踏み込むか。
どちらにも進めるが、赤い柱が作る境を越えて逃げ出しても、帰ってくるのは我が家の寝床である。
旅立ちうる可能性を持った客としての風花と、戻ってくる以外に答えがないくくるの対比も、前回描かれた土着と都市化の対象に通じて面白いところだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
風花は映画主演という未来に悩み、くくるはがまがまに張り付いた過去を殺さないために足掻く。
背中合わせ、遠い心の距離に晒されながら…
風花は眠れぬ夜の中で、”ここ”で受け取ったものに思いを馳せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
その真意を知らぬまま応援し、今迷い引き裂かれて苦しんでいる少女が、自分に与えてくれたもの。
それに報いるために、どうしたら良いのか。
喪われていくものに正しく報いるには、どうしたら良いのか。
都会から流れ着いたふわふわ少女は、闇の中で猛烈に考え続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
水族館職員としてタフになっていく描写と合わせて、物語開始時の『大丈夫かコイツ…』感を綺麗にひっくり返して、変化のダイナミズムに活かす話運び。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/0JfMFXtTR0
可愛いカメさんがもっしゃもっしゃと飯を食う描写に続いて、がまがまの光と影に自分を省みる風花の描写は、どっしりと奥行きがあって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
今回は櫂くんがくくるのストッパーとなり、受け止めるエピソードなので、この迷いの答えは先送りされるが。
ここでしっかり、自分と自分を取り巻くものがどんな色をしているか、真摯に見据えている風花を書いておいたのは先の物語で生きてくるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
海咲野くるるの魂に相当深く、ぶっ刺さっちまってるからなぁ、宮沢風花…。
一挙手一投足が、奇跡か地獄どっちかに繋がるわけで、慎重なのはありがたい。
己の迷いを探っている間は訪れなかったヴィジョンは、苦しむ少女に思いを馳せた時、櫂くんに届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
あの時拭えなかった涙を、差し出せなかった真心を、今こそ掴むために。
櫂くんはくくるの問いかけに、あえて首を横に振る。
幻は、見えなかったよ、と
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/Y5K5mSyuAu
神里老人が戦争で去っていった兄を、くくるがもう会えない家族を、死を超えて出逢ったように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
がまがまの幻は常理を逆巻きにして、相反するものを混ぜ合わせる力を持っている。
櫂くんはヴィジョンの中で過去の自分の背中を押し、成し遂げ得なかった過去を見ることで、彼は今必要なものへ踏み込む。
全てが終わり、その苦しみも悲しみもひっくるめて、俺もお前もここにいるのだ、ということ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
”お母さんのいる場所”…すなわち冥府へと逆行する歩みは望んでも果たせず、置き去りにされた痛みを抱えながら、何かが砕け散った世界で生きていくしかないのだと。
青年は拳を拡げ、幼馴染に伝える。
そういう重たい理不尽を、一緒に背負っていける決意を、存在し得なかったが確かに目の前に広がったヴィジョンから受け取って、櫂くんはくくるを受け止めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
ありえないほどに辛く、受け入れられないほどに哀しくても、それでも先に進むことでしか、奪われたものをもう一度活かすことは出来ない。
くくるは幼年期に父母を、今まさにその残り香が残る我が家を、奪われようとしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
櫂くんが『こんだけか!』と逞しく広げた手は、奪われる無力、世の理不尽に暴れだしたいくくるの思いを、共に背負うというメッセージだ。
それがどれだけ切実かを、くくるも解っている。
だから見えないものを見たことを、『見えなかったよ』と告げる嘘…それが守ろうとしているものを見据えて、奇跡を売り物にするのを止めるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
もう、フルフェイスは涙を隠さない。
だからといって、止まるわけでもない。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第10話より引用) pic.twitter.com/6w4w6buOBK
簒奪される苦しみ、理不尽に翻弄される無力感に抗おうと、空転を続けるくくるが物悲しく、そんな彼女の必死さに慄きつつ、自分をどこに置いて何を見据え、受け止めればいいか考える人々が、眩しいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
皆真摯で生真面目で、だからこそ血が滲むように切実で。
くくるは奇跡を売り物にする行為を諦めて、それは(多重の意味で)とても正しいんだけども、同時に抗い得ないものをどう飲み込んでいくかという、”大人”な決着への一歩目を確かに、進んでしまった哀しさもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そしてそこに彼女を踏み出させた、櫂くんの熟考と勇気が、とても偉く感じた。
あの時拭えなかった涙を、理不尽に怒る拳を受け止められる自分を選んだことで、櫂くんの後悔は前に進み、世界は変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そういう風に、取り返しがつかないものを取り返し続けることで、人は凄く理不尽な世界でなんとか、前に進んで行けるのだと思う。
それはとても大変な、ありふれた奇跡なのだ
自分の諦めと拳を、受け止めてくれる相手として櫂くんを見たこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
それが切実故に一人で空回り、世界を狭くしてたくくるが、幾度奪われても確かに生きてる自分と、それを支えてくれる沢山の人に視界をもう一度、拡げてくれると良いなぁ、と思います。
魂を繋げた家族を奪われる体験が重なり、その傷を塞ぐ”姉”の面影を重ねていたからこそ、彼女自身の未来があり、彼女自身の居場所を持つ風花の異質性が突きつけられると、戸を閉ざし背中を向けてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
くくるの身勝手な弱さ…に見えるものは、人を人足らしめるものと強く繋がっている。
それが判るエピソードでもあったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そろそろ夏が終わり、重すぎる宿題にそれぞれ、答えを出す季節が来ます。
櫂くんはビジョンの力を借りて、立ちすくんでいた場所から踏み出す答えを出した。
少女たちがここにどう続き、何を選ぶか。
涙と震えの先にあるものを描く、次回が楽しみです。