乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…X を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
誘拐されたキースを救うべく、怪しげな屋敷に突入したカタリナ達。
義弟を捉えた闇の触手を、むんずと掴んで引きちぎる。
無敵の博愛を背に受けて、キースは帰るべき場所へと進めるのか!?
そんな感じの三部作完結、戦乱の恋模様も半歩前進…? な、はめふらX第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
演出、作画ともに気合い入りまくりで、大変心を動かす仕上がりとなっていた。
突入時のアクション、泣きじゃくるカタリナ、闇を振りちぎるキースあたりが、特に良かったかな?
お話としては完全決着ッ! …っていうより、色んな場所に含みを残した仕上がり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
キースの告白も『そこまでよッ!』って乱入でいつもの楽しい冷戦状態に戻っていったし、悠木碧声の邪悪少女とは挨拶済ませた程度だし。
ここら辺の決着は、三期以降に持ち越しって感じかな。
物語は闇の魔力センサーであるマリアがピコピコ反応した邪悪屋敷へ、みんなで突入してキースを救う感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
実行犯であるトマスが恨み言満載の救えねぇ小人で、キラキラ世界も一皮むけば、こういう人種で満ちてんだなぁ…と、妙にしみじみした。
”カタリナ・クラエス”の人格チートで介入しなければ、今ノンキに青春してるメインキャストも泥に塗れ、救済を与える役割はゲームの主役たるマリアが担当していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
光に満ちた特別な存在を、特別に祭り上げるための陰りは、この物語ではゲームが始まる前にぶっ飛ばされている。
しかし消えたわけではなくて、今回のように逆撃してくることもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
闇の魔力との因縁が今後どう転がっていくか分からんけども、天真爛漫なカタリナからはけして見えないどす黒い業を、煮詰めて力に変えてる感じはある。
逆に言うと闇の魔力と関わることで、カタリナは知らないことを知っていける…
可能性がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
キースの勇気ある純愛宣誓が、『いつものはめふら』を維持せんと乗り込んできた仲間によってフラットに戻されるように、カタリナを取り巻く状況は変化をなかなか許さない。
『カタリナ様はみんなのもの』という言葉は、平等なようで残酷だと思う。
それにはカタリナが誰かを特別に選べる自主性を、押しつぶしかねない危うさがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
恋の相手を、恋する自分を選び取れない子供時代に、カタリナを永遠に閉じ込める停滞が、彼女と彼女の周辺…そこから広がる物語には確かにある。
しかし、少しずつでも時は進んでいく。
第4話でのカタリナ誘拐、今回のキース誘拐。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
闇の魔力が絡んだ事件に挑むたびに、『カタリナ様は私のもの』と願う者たちは一歩踏み込み、その唇に愛を届ける。
カタリナだけを特別に選ぶ、エゴイスティックで成熟した自分へと、周りの関係を壊してでも進みだしていく。
それは誰が抜け駆けするでもない、誰も選ばなくていいモラトリアム維持の圧力に押し流されて、決定的な終わりにはたどり着かないのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
しかしジオルドとキースが、愛する人の唇を求める自分へ、力強く踏み込んだ事…それでおぼこいカタリナ様が、ちょっとオトナな体験をした事は良かったと思う。
キースは闇(カタリナが介入しなければ、彼を取り巻いていたネガティブな可能性)から這い上がる時、義姉だけを縁に立ち上がるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
恋のライバルといがみ合う相手、生徒会の仲間として笑い合う友も大事だから、姉を入り口に広がったもの全部を力に変えて、前に進むのだ。
僕はカタサーの面々がビシバシ牽制を飛ばしあい、恋の冷戦状態にありながらもお互い大事な間合いが好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
キースもそんな日々が大事だ。壊したくはない。
でも動いてしまった運命を、なかったことにしたくないから、均衡が崩れるとしても自分の思いをまっすぐ言葉にした。偉い。
カタリナからキースへの視線は、斧でクローゼットをぶっ壊し光に引っ張り出した時から変わらず、可愛い弟から変化はないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
でも今回の宣言を受けて、何かが変わっていくかもしれない。
既にジオルドのアプローチを受けて、お菓子とお友達だけが住んでた脳内に、微かに恋の花が咲いている。
カタリナの幼さ、無垢さに話しの大きな部分を背負わせている物語は、急速な変化を許さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
変わることは、おそらく終わることだろう。
しかし流れていくときの中で、いつまでも子供のままではいられないと己を見定め、自分を導いてくれたものに力強く踏み込んだ青年達の志は、大事にしていて欲しい。
恋愛をゲーム化し、人間を”攻略”していくシステムの歪さが、あまりに幼く真っ当なカタリナの心意気と、摩擦を生んでる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
彼女は目の前の人間をパラメーターの塊とは思えないし、進んでいく道も”ルート”ではない。
自分の命と思いを一個一個埋め込んで作る、かけがえのない一度きりの道。
そういうモノとして転生世界を見ているから、ズタボロになった弟を前に、ちょっと”カタリナ・クラエス”ではない響きで泣きじゃくるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
あそこは”死”というどうにもならん重たいものを前に、”カタリナ・クラエス”が滅多に出さない魂の地金が見えた感じで、大変良かった。
未だ本名を明かされざる、”カタリナ・クラエス”ではない彼女は、記号化されていない慟哭を響かせた後Angelaのいい感じのお歌を背中に受け、弟を苛む黒い蛇を鷲掴み、むんずと引きちぎっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そこにはもう、名前のない”彼女”はいない。力強く全てを救う”カタリナ・クラエス”が戻っている。
主人公マリアに試練を与え、憎悪を引き受ける悪役令嬢という役割を、持ち前の純朴で全てのフラグを踏み倒し、希望に満ちた物語の主役に塗り替えた”カタリナ・クラエス”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
彼女はずっと、ワイルドで天真爛漫、世界の陰りを吹っ飛ばす無敵の存在という役割を、ある意味演じてきたと思う。
それを全部引っ剥がして、ひどく焦り苦しみ嘆きながら慟哭する今回の彼女は、なんだかとても自由で、率直に思えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
闇の魔力との対峙は、そういう地金も暴いていくのかなー、と思ったりする。
”悪役令嬢”というステロタイプは脱しても、”永遠に幼いヒロイン”つう檻から、なかなか出れないからな…。
その檻自体が作品全体を支え、規定し、維持している状況を、なかなか話が先に進まない二期はよく見せた感じもある。ぶっちゃけ、キースに三話はなげーだろ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そんな状況下でどのくらいの速度で変化が許され、どういう場所で物語を転がせるか、探っていた感触もある。
人格チートで闇を払い、クソフラグをぶっ壊してゲームを書き換える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
一期で展開した物語が秀逸だったからこそ、”その先”の模索が難しい感じもあるけど、キースがなぜ闇にとらわれないかを描く今回、お話が成し遂げてきたもの、それが半歩進める未来は、鮮烈に見せれたと思う。
闇の魔力それ自体すら、可愛いペットとして身近においてしまうカタリナの菩薩力は、思いの外薄暗いゲーム世界を、今後も明るく切り開いていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そうして見えてくる世界の中で、”カタリナ・クラエス”が…そして、名前のない”彼女”が何を選び、どう進んでいくのか。
その先にある終わりまでアニメで見たい気持ちは強いが、こればっかりは一迅社様のお心次第だからなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
黄金の幼年期に微睡む心地よさを、揺るがす青年たちの慕情は、未だ決定的な楔にはならない。
しかし確かに、カタリナと世界に突き立った決意だ。
俺は特定の役割に縛られた存在が、それを振り千切って不定形の思いを叩きつける場面がとても好きだから、キースに降り掛かった悲劇を嘆く”彼女”が見せた、”カタリナ・クラエス”らしくない湿っぽさ、重さ、暗さが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
でもそれは、あくまで特別編の飛び道具。
カタリナ周辺の人々が、そのドタバタを心地よく見守る僕らが望む、永遠のモラトリアム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
それはやっぱり、幾度繰り返しても面白い。キャラ立ちと凸凹のハメ方がいいんだろうなぁ、やっぱ…。
なればこそ、それが一つの決着に辿り着いていくドラマを見たくもある。悩ましい…。
とまれ、闇の魔力との因縁は深まり、夢を夢で終わらせなかったキースの選択を受けて、恋の鞘当ても半歩前進である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
このかすかな兆しをどう受け取って、話が転がるか。
そもだに三期以降前提で喋ってるけども、終わりまで続くかなんて誰にもわかりゃしないのだ!
しかし良い演出で”カタリナ・クラエス”が生み出しうるものを確認させてもらうと、『やっぱりこのお話が好きで、終わりまで見届けたい』という気持ちは強くなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
そろそろ第二期も終わりますが、どんな決着でお話を落ち着かせるか。そして次に繋げるのか。
次回も楽しみです。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
嘆く”彼女”の姿が良かったと感じたのは、そういう薄暗く脆いものが”カタリナ・クラエス”にも当然あって、でも諦めず闇を引きちぎる”カタリナ・クラエス”の役割を貫くことが、彼女自身の支えにもなってる構造を、確認できたからだとも思う。
押し付けられた道化の仮面は、選び取った素顔でもある。
どんな絶望にもタフに鈍感に叛逆する”カタリナ・クラエス”であることは、物語に予定された自動的な反応ではなく、震える人間が決意を込めて選び、その決断が誰かの救いともなる人の営みなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
作品を支える自動性の奥に、震える不定形のヒューマニズム。それを”彼女”に与え直す営為。
それが鮮烈な作画と見事な芝居で、しっかり届いたのが今回、嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月10日
悪役令嬢という役割を拒絶し”カタリナ・クラエス”になった彼女にとって、その役割自体が前向きで、優しく強い…こうあり続けたいと願う自分の支えでもあるんだろう。
無垢なる救済は他者だけでなく、自分にも反射しているのだ。