月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
イリナの高所恐怖症を克服するべく、レフは彼女を夜間飛行に誘い出す。
実験体と監視役が交流を深める中、着実に迫るXデイ。
政権中枢が複雑怪奇なうねりに踊り、国家の威信が死者を覆い隠す。
政治的大嵐は未だ、星の街の青春とは遠くに吹き荒れていた。
そんな感じの共産主義的宇宙英雄ロマンス、恋が夜を飛ぶ第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
イリナちゃんの高所恐怖症をどうにかするべく、レフくんが空の先輩として色々頑張る…裏で、前政権の遺物が国家を腐らせる中、同志第一書紀が苛立ちを募らせるエピソードとなった。
ここまで当たりの強いイリナちゃんに押され気味だったレフくんが、厳しい鍛錬をくぐり抜けた空軍エリートらしい頼もしさを押し出してきて、『おっ』と思わされるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
こういう気持ちいい『おっ』が適度にあると、見てる側もダレずにすんでありがたい。
落ちこぼれ宇宙飛行士と被差別吸血姫が真夜中の二人三脚、着実に実力を蓄える裏で、国家の腐敗がデロデロ染み出してきて、『ソヴィエトモデルのお話はこうじゃなくっちゃ!』みたいな、良くない興奮がモリモリ燃え上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
ボストーク号の飛行と、二度目のスターリン批判が行われたが同じく61年、と…
同志第一書記は躁病気質のアーパーかと思ってたら、思いの外慎重に状況を転がし、旧政権の残り滓をどう払拭しようか、藪睨みに思案してる曲者だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
旧弊と秘密主義、困ったら粛清で全部燃やす病根が、しつこく染み渡った共和国政府。
そのトップがああいう姿勢なのは、青年たちにはいい傾向…なのか
モロKGBであることが示された”運送屋”を妙にコスってる事からも、人間が追い求めるべき真善美が素直に実現される舞台では、もちろんないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
第一書記が実験体の処刑提案を”保留”にしたのも、別に人権重点ってワケではなかろうし…。
500人死んだ大事件も、”不幸な事故”に塗り替えられる国家体制
ただただもっと高い場所飛びたくて、宇宙英雄に志願した青年の志は、リヴァイアサンに食われるのか、はたまた一発入れるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
『スターリニズムの残骸 VS 今の価値観で応援したくなる”人間”』という、社会的Ifとして楽しみだしてるのは、この作品喰う上で正しい姿勢なのか…悩むぜ。
そこら辺はさておき。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
過剰な想像力が恐怖に直結してるイリナちゃんへ、レフくんはその乗りこなし方を考え、差し出す。
知れば、怖くなくなる。
そのために、瞳を輝かせるような喜びを。
夜間飛行に至るまでの、内省的な画面作りとカタルシス。
(画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用) pic.twitter.com/gYtdTAJXlw
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
×(画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用)
○(画像は"月とライカと吸血姫"第3話より引用)
やっぱプロダクトデザインの良さが、作品の足場をしっかり固めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
ジャズバー”ズヴィズダー”に掲げられたポスターの素朴さと、現実の宇宙開発との落差。
地べたを這いずり回っている時は鳴り響かないスウィングは、雲海を越えて虹かかる月を眼にした時、世界を満たしていく。
人命も理想も、国家の威信の前には…それ以上に党派の点数稼ぎのためには、紙よりも軽い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
赤く重くのしかかる現実を越えて、視線を夜空に上げた時、レフくんは自分自身の経験から答えを導き出していく。
どれだけ地上が政治的汚濁に塗れていようとも、翼を手に入れて飛んだ空は、とても美しかった。
その実感を伝えることで、イリナちゃんは豊かな想像力を墜落の運命ではなく、飛翔の可能性へと向ける事ができる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
思い込みで思念を腐らせるのではなく、新しい出会いによって解放させること。
知ることで、恐怖を超えていくこと。
これはレフくんが、”吸血鬼”と向き合うことにも繋がってると思う。
知らないことが、差別と対立を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
そんな構造は、レフくんを当てこすってくる候補生たちからも透けて見えている。
ひたむきに空に向かって翼を伸ばす二人の歩みは、偏見の壁を超えてよりよい未来へと、想像力を上向きに出来るのか?
ここらへんも、今後気になるところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
非常にピュアに真っ直ぐに、(21世紀のスタンダードから見て)”正しい”生き方をしてる二人は、しかしこの時代、この状況においては少数派だ。
そんな二人だからこそ、人類初の宇宙飛行という難題、腐った社会構造、分厚い偏見に打ち勝つカタルシスも生まれる
その大事な一歩として、二人の夜間飛行は、赤い目に焼き付いた白い月は、きっと何かを成し得る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
そういう期待感があるシーンになっていたのは、とても良いと思う。
レフくんが空の先輩っぷりを発揮し、頼もしいのがやっぱええわな。
かくして万事順調…とはいかず、人間と鬼の視線は交わりきらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
果てなく空を征く理想を語り、眩い光に顔を向けるレフの影で、そちらの方角を見ないイリナ。
実験機材に縛り付けられ、それでも不屈を叫ぶ時、闇の中赤く燃え上がる吸血鬼の瞳。
(画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用) pic.twitter.com/lOANZaN9C9
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
×(画像は"月とライカと吸血姫"第1話より引用)
○(画像は"月とライカと吸血姫"第3話より引用)
イリナは何故この計画に志願し、過酷な訓練に耐え続けるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
一体どんな過去と願いが、彼女を前に進めるのか。
夜間飛行の夢が終わり、故郷に背中を向ける理由はなにか。
レフくんがそこに疑念を抱いた辺りで、物語は次回へ続いていく。
まーロクでもないっぽいよね、吸血種の社会的扱いを思うとッ!
近くて遠い二人の距離は、縮まっては離れ、判ったと思えば謎が覆い隠していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
この個人的で人間的な追いかけっこの裏で、国家体制というデカいうねりが見え隠れし、時に飛沫を投げかけてくる。
作品全体のパースペクティブが、大体掴めてくる第三話だったかな。
第一書記が苦虫噛み潰しながら睨む粛清主義の残滓は、レフくんの個人的体験にも色濃く焼き付いてるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
国家的大事業である有人宇宙飛行に関わる二人の想いも、人知を超えた巨大なものと無縁ではない。
それが分厚い雲を超えた夜間飛行になるか、政治的重力に引き寄せられて墜落するか。
若人二人が魂の交流を深めるクローズアップから、ちょっと離れた画角もまた、面白いなーと思える作品です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月18日
ソ連ベースのいいトコ(個人的見解)、滲んできたなぁ…。
イリナちゃん可愛いんで、素直にモチベ知りたくなるしね。
いい感じの話が転がってきて、次回も楽しみ!