トロピカル〜ジュ! プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
大人になったら、なんになる?
学校で投げかけられた問に、夢多きまなつは答えが出ない。
一方家出したエルダはつかの間の自由と、家族と離れた寂しさを味わっていた。
流れ行く時に憎悪を募らせる少女に、キュアサマーは…夏海まなつはどんな答えを返すのか!?
そんな感じのそろそろラストクール、楽しい時間の終わりを見据えだすトロプリ第34話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
成熟、夢、時間。
メインターゲット層には未だ遠く、しかしいつしか必ず問われる大事な問題に、しっかり背筋を伸ばすエピソードとなった。
前回、ハチャメチャ11連発やったアニメとは思えん…。
今回トピ部は中学生の自分の先にあるものに、イベントを通じて向き合うことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
モラトリアムの渦中、特別な戦士として特別な時間を過ごす一年間を超えた先にある、人間の必然。
永遠に今が続くわけではなく、必ずときは流れ人は変わっていく、普遍の宿命。
これを話の真ん中に持ってきて、時間的視力をエンディングの先へと伸ばしたことが、『ああ、トロプリもそろそろ終わるのだな…』という感慨を、静かに深めるエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
エルダちゃんのデカい感情、その裏にありそうな秘密を描くこと含め、かなり大事な話数なので、シリーズ構成直筆…かな?
今回のエピソードは夢多きまなつを通じて、テレビの向こうのお友達に、輝かしいヴィジョンを届ける作りになっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
画面には子供が多く映り、変身の口上は『子供もなれるよ!』である。
『消防車になりたい』という、不定形で破天荒な夢は見れなくなったローティーン達。
10代なりの成熟を反映して、トロピカる部の夢はそれなり以上に、しっかりした硬さを持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
それはキャラクターの真実としてしっかり描かなければいけない所だが、見てる側のリアリティとズレるので、今回は色んな方法でそこにブリッジを架ける。
夢に迷ったまなつが、子供の純粋さを喪わない大人である両親に、かつての夢、今の夢、そこから繋がる未来の夢を聴く展開も、その一つである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
未成熟な児童期を通り過ぎ、移り気な思春期を超えて、今やりたいと思えることを生業にした大人。
その在り方は、子供であることを排他しない。
なりたいものが沢山あって選べなくて、それが大人が笑うような自由な発想に基づいてても、全然大丈夫なんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
そういう夢から、色んな未来が広がっていくんだ。
両親が朗らかに語る思い出は、まなつを通り越して視聴者全体に、上手く伸びていたように思う。
エルダちゃんの灰色な大人像を叩きつけられた時、まなつは『両親を見てると、大人になっても楽しいことは沢山ある』と告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
なにか別の生き物に脱皮するように、人間は薔薇色の子供から灰色の大人へと変化するわけではない。
そこには連続性と変化が同居していて、過去あればこその未来でもある。
前々から匂っていた、エルダちゃんのネオテイニー疑惑が更に濃くなる、”大人”への拒絶、幼き幼年期への狂信。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
子供でいれば楽しいことだけやれて、責任を背負わず、自由に浮遊した”今”を永遠に楽しめる。
そう言ってたエルダちゃん自身が、お菓子食べまくり夜あそびまくりの人間世界に飽きる。
彼女にとって本当に楽しいことは、大事な人がぶどうゼリーを作ってくれて、自分の窮地をやる気のタンス貯金で助けてくれる、生き生きと弾む”今”にこそある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
画面に映る全シーン、”悪役”というレッテルを引っ剥がすあとまわし一味の人情が、時を止めた少女にジワリ、染みている。
まなつの根本テーゼである”今”は、過去と未来の中間点であり、そこに他ならぬ夏海まなつが生きて、日々変わっていくアクティブな時間概念である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
彼女は楽しい瞬間を、永遠にしようとは思わない。
それは常に変化していくものだし、むしろ積極的に変化を促そうとすらする。
彼女の”今”は時間のみならず、交流に対しても開けていて、他人を巻き込み交わり、相手の顔を見てもっといい”今”を作ることを躊躇わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
だから異様にキレた暴力兵器描写で暴れるエルダロボZを前にしても、両手を広げて対話を試みる。
叩きつけられた絶望を前に、しっかり自分の言葉を届けようとする
エルダちゃんが怯え、おそらく自分を閉じ込めている永遠の”今”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
それは成熟の必然に背中を向け、それ故他者から取り残されてしまう…まなつが人生を捧げる”今”とは真逆の概念である。
彼女の”遊び”は破壊工作であり、自分と同じ子供をいたぶることであり、誰にも認められない。
時の歩みに背を向けることは、即ち人の流れに取り残されることでもあるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
ここら辺、自分で書いてて大変耳に痛い所だが、プリキュアは揺らぐことのない幸福な静止よりも、流転の中で貪欲に変化していく”今”の連続を、主役に肯定させ、体現させる。
ここら辺、HUGっと! がメインテーマに据えたものを、エピソード単位で再話してる感じもあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
某CEOに比べてリトルエルダちゃんはそこまで拗らせていないので、怒って飛び出した場所に何があるのか、チョンギーレ親父が自分を見つけてくれたときに、既に思い出している。
『面倒くせぇ…』ばっか言ってる癖に、海ぶどうゼリーは作るは、説教一切なしで任務の助けになるアイテムを渡し『お前には探して、待ってるだけの価値があるよ』と伝えるチョンギーレさん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
帰りたいけど帰れないと泣く幼子に、大人のへそくりを差し出し家路を諭すヌメリーさん。
ハードコアな宿命のバトルを通じ、魂にヤスリがけして地金を出す必要もなく、完全に”人間”である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
ここら辺深刻に暗く沈み込まず、のんびりゆったり進めてったの、冒険だけど成功だと思うなートロプリ。
『こういうプリキュアがあってもいいんだ』つう扉が、また一つ開いた感じ、あるわな。
さておき、まなつは沢山ありすぎて選べない夢全部を肯定して、移り気で貪欲な自分を、メッセージビデオ越しに投げかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
映像媒体、あるいはシャボンの写真に切り取られた”今”が、いつかの未来でどう思い出されるのか。
そういう連想が生まれるのも、終わりを見据えて布石を打つ回だからかな。
まなつが固定された未来像を選ばなかったのは、未だ夢がどんな形か、そこにどんな困難と喜びがあるか当然知らない、幼い視聴者に向けた描写なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
子供たちが少し上目遣いで見上げる、カッコよくて面白いお姉さん、夏海まなつ。
それが何者にもならない、何にでもなれる未来を”今”叫ぶ。
それはロケットでもパティシエでも、魔法使いでも、あらゆるモノになりたい子供たちの夢全てを、肯定するための白紙なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
大人になっていくことは、子供じゃなくなっていくことじゃない。
”今”楽しいことを捨てなくても、”今”の先に進んでいい。
時の流れが削り取り、エルダを孤独にしていく影を突破して、明るい夢を未来に広げて、大丈夫なんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
そんな綺麗事を堂々、力強く叫ばせたのは、俺は本当に偉いことだし、必要なことだと思う。
ユルい展開にしっかり教導的なこと、交えて描くこと忘れないの、凄く大事よ。
同時に彼女たちだけのティーンエイジを生きてる、トロピカる部の青春にも今回のエピソード真摯で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
みのりが夢を問われた時『本に関わる仕事。司書とか出版とか』って答えた時、俺泣いちゃったんだよね。
作家って言わないんだな、って。
夢を土足で踏まれて、傷ついてんだな、って。
あすかがラケットを遠巻きに見るのも、さんごが当たり前と思ってた家業をもっと広い視座で見てるのも、一日一日背丈が伸びて、自分に出来ることと、世界が許してくれないことと、それでもやりたいことを真剣に考えてる時代を、生きているからこそじゃないですか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
もう消防車になりたいとは思わない、その時代を客観で回想するにはまだ”子供”に近すぎる時代を活きる少女たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
彼女たちが共にあることで、弱さとか痛みとかを笑いに溶かして、顔を上げて輝くものを見つめられるようになった過程を、このユルいアニメはちゃんと書いてきた。
”王女”っていうローラの夢も、陸に上がった当時は目の前三センチの狭くて差別的なもので、でもトピ部で笑い合い、まなつと同じ部屋で毎日毎日エモい夕日に睦言を融かす中で、どんどんデカく広くなってるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
そういう、過去の傷を癒やし、あの時願った未来を引き寄せる”今”を、進路を通じ観測する
そういうエピソードでもあったんだろうなと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
先週まで積んできた交流と描写が、”今”彼女たちに何を生み出しているか。
それがどんな芽を出そうと、静かに身動ぎしているか。
みのりが見つめる部内同人誌、あすかの視線の先にあるラケット。
そこに無邪気に手を伸ばせない、リアルな成熟と痛み
エルダちゃんが”今”にうずくまってしまう気持ちは、別に彼女の専売特許ではなく、普遍的な震えだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
それでも、みのりはもう一度小説を書くし、あすかはコートに戻っていくでしょう。
そうなれるのは、バカみたいに楽しく”今”を走り抜けてる、トロピカる部の活動…
そのエンジンとして大暴れして、楽しい笑顔を世界に広げ続けてきたまなつと、出逢ったからこそで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
こういう形で主役が物語にいる意味を確認できるのも、彼女がそういう人間であるルーツが身近な人との触れ合いにあると示すのも、凄くありがたかった。敬愛できる主役は、やっぱり良い。
大型ヴィジョン前面に広がり、キュアサマーの戦いを後押しした、夏海まなつの誓い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
それがエルダちゃんに届いて、止まった時計を動かし、確かに”今”隣りにある幸福の中に飛び出す勇気を与えたのかは、まだ分からない。
でも”敵”の叫びに耳を塞がず、自分の思いを伝えるまなつの在り方が…
本当に大事なものが何か、家を出たからこそ気付いたエルダちゃんをもっと前に、明るい方に押し出してくれると、とても良いな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
立ち位置とテーマ的には、アラモードのビブリーと重なる部分あんだよなー…。
まぁビブ公は時の迷子として、永遠に幼いままいちご坂に立ち続けるがなッ!
まーエルダちゃんは周囲の人々がマジで”人間”なので、あんま横車押さなくても人道を踏破できそうな感じあるけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
33話積んできた”悪役”の可愛げ、人間的体温が、一つの形に結実する回でもあったな、今回。
マージでコイツラと絶滅戦闘したくなさすぎるので、クライマックスは何卒手加減お願いします
あとまなつなりにシリアスに未来に悩み、しっかり周囲の意見に支えられて答えが出るのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
太陽の如きパワフル前向き少女なんだが、当然思い悩む瞬間だってあって。
でも”今”に全力投球する中で、答えは必ず掴み取れる。未来に怯える必要なんて、どこにもない。
重苦しく厳しい時代だからこそ、八方破れに明るい物語として作られてるだろうトロプリが、そういうメッセージを堂々出してきたのは、嬉しく誇らしいことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
やっぱ作り事を語るのであれば、そこにしか載せられない”それでも”を、鋼の如き靭やかさで鋭く、楽しく届けて欲しい気持ちがある。
第4コーナーを曲がったこの楽しい物語が、どんな結末を描くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
それに胸を弾ませつつ、楽しく次回を待とうと思います。
実は相当変化球なプリキュアなので、クライマックスの作り方も二三、大きいスクリュー入れてくる予感はある。
それを見届けるのも、また楽しみですね。
あ、今回エルダちゃん回ってことで、変な表情含め色んな顔の彼女が見れたのも、大変ありがたかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月24日
横長瞳孔のエビ眼をアクセントに、表情豊かなエルダちゃんが見れると、俺のひび割れた肌にも潤いが戻るよ…(エビ幼女健康法)