プラオレ!〜PRIDE OF ORANGE〜を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
梨子の怪我に動揺し、精彩を欠く尚実のプレイ。
胸に宿るのは遠い日の記憶と、ずっと見たことのなかった涙。
ずっとその背中を追いかけ、支えられてきた幼馴染との約束を嘘にしないために、小さな巨人が奮起する。
あなたがいないからこそ、今あなたのために。
そんな感じの幼馴染湿度全開ッ! 一本まるごと試合でお送りするプラオレ第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
登場時から異様な引力を感じさせていた霧降コンビがずっしり描写され、期待を裏切らない感情のネジレが炸裂しまくり、大満足の仕上がりであった。
尚実→梨子がかなり”デカい”のよく描かれて、大変良い。
切り込み隊長を欠き、後衛がグラグラ揺れている状況で窮屈なゲームをする描写、尚実が気合を入れてからの広々としたプレイと、ホッケーの”試合”がよく描かれていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
対等な条件でガチって勝つまで、9話かかるのプラオレペースだよなぁ…俺は好きだけど。
メンタル揺らいだ尚実、ヒビの入ったチームを前に、松永監督が勝負師の顔見せていたのも良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
ほーんと、トンチキなダンスを持ち出さなければ良いリーダー、良い指導者なのだが。
そういえば、勝ったのに踊らなかったな今回…いやありがたいんだけどさ、踊らない方が。
パックが上手く捌けない、スペースを活かせない前半戦の窮屈さの中で、プレイミスもありつつ愛佳が獣のような眼でプレイに集中している描写も、彼女の資質が見えて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
独断専行して無駄なプライドに悩んでた第6話から、自身の才で一点、それを囮に決勝点と、優の強さも判る試合であった。
この決勝点の起点が、尚実の泥臭い追走なのが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
梨子が怪我する原因になったプレイでは、どこか諦めてしまっていた一歩を息も荒く踏み込み、バックスの役目をしっかり果たす。
高速のパックを前に引かず、声もよく出ていたゴーリィ薫子の奮戦も、特筆に値するだろう。
話全体の進め方としてはスローペースかもしれないが、こうして試合の中で今まで描いたものがちゃんと結実し、スピーディなプレイの応酬の中、成長を感じられるのはなかなか良い競技描写だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
アイスホッケーが”速くて強い”競技だと、動画から感じられる所は凄く好きなんよね。
んで、その圧力に飲まれかけていた霧降の二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
事ここに及ぶまで、一度も尚実の前で涙は見せなかった梨子の強がりが、なんとも愛おしい。
それこそ梨子がホッケー止めて、”なんか(←この無垢なる無自覚、マジで重要)”楽しくなくなった時とかも、暗い表情はしてたんだと思う。
でも尚実は幼馴染のその曲がり角に気づかないし、気づかせないために梨子は明るさを装っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
…というか、尚実に関わる時だけ生来の明るさが陰るのかも知れない。
このねぇ…特定の相手にだけ”らしさ”が消えるという”らしさ”の表現が、俺は大好きで大好きで…ありがたいッ!
舌っ足らずな幼子の頃から、ずっと続いている縁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
『まーだ続くんかいッ!』と思わず突っ込んでしまったくらい濃厚に、連発される思い出ボムが重くて良かったが、あの頃からどっちが前で引っ張るか、体を張って守るかというのは、固定されて動けなくなっていたのかも知れない。
梨子は自分のために夢中になって、体を張って守ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
その安心感が依存となり、常に後ろに引いたポジションに尚実を安住させてきた。
しかし競技で並び立つのなら、それが足枷にもなる。
ゴールを狙う強敵から、陣地を守る仕事ならばなおさらである。
泥臭く、なりふり構わず、夢中で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
覚醒を果たした尚実が、あのときの梨子のように振る舞うことで、バックスとしての仕事を果たし切るのが凄く良かった。
競技と関係なく思える絆に心は揺らぎ、そこから戦う力も湧いてくる。
強いはずの大事な人の、涙を見ることで進み出すことも出来る。
登場以来ぽやーっと掴みどころのない(そこが良い)尚実が、梨子の退場でホッケー選手に相応しい、”らしく”ない闘志を引っ張り出す流れも、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
それは何もかも中途半端な歩みの中で、確かに彼女の中に燻っていたもので。
誰かとの約束に預けていては、燃え上がらない熾火だ。
二人が交わした約束は、ずっと一緒にいて”強い”梨子が”弱い”尚実をフォローする形で発露するのではなく、梨子の庇護を失った尚実が、ずっと見てきた幼馴染のように、彼女がいないからこそ”強く”なることで形になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
それは二人の心の繋がり方が、見た目より相当に重くネジレているからこその決着だ。
このアニメは結構ツルッと、物分り良い青春スポーツものの枠に収まってしまいそうな第一印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
それを突破する独特の歪み、湿り気と重さを霧降コンビに見込んで見てきたわけだが、今まで匂わせてきたものが爆心地で炸裂し、大変ありがたい展開となった。
これまでも梨子→尚実のデカさはサラッとした仕草で投げ込まれて来たわけだが、尚実が主役特権を活かして思い出爆裂、幼馴染特有の”ねっとり糸引く因縁をぶん回したことで、巨大引力どうしが拮抗する”渦(ボルテックス)”が生まれていました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
やっぱねぇ…これを”喰う”瞬間が一番ウマい。
こんだけデカい爆弾を炸裂させておきながら、シレーっと照れた”言わない距離”に引っ込んでいく尚実も、そこに踏み込みきらずにサラッと素直系に戻る梨子も、臆病でズルくて良いなぁ、と思うわけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
まぁここで生まれた”渦”を本気で追うと、もうプラオレじゃなくなるからな…同人誌でやれッ!!
いつもの関係が思わず壊れたからこそ、新たに進み出せた二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
それがチームの力になりうるのだと、試合結果で示してきたのも良かったです。
優が”いらないプライド”を投げ捨てて、自分の突出した才能の活かし方を自分で考え、試合を作ってる描写、何度も言うけど好きだなぁ…。
んで古巣の釧路は、優がいなくても空気あんま良くなかったッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
おそらくクライマックスで競り合うライバルも、抱え込んだ爆弾を処理しながらの決戦…て感じになるのかなー。
上から落ちてきたからこその弱みを、ここで彫り込むのは面白い。ちょうど、優が愛想つかしたポイントだしね。
そして東京に旅立った懐かしき友からの手紙を受け取って、次回に続く…と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
『”霧降”ってそういう…』と、特定地域への偏見を心地よく助長してくれそうな、しっとり重たい幼馴染感情爆弾が全てを薙ぎ払った後の地平に、昔の女は何を描くか。
来週も楽しみであります。
追記 この”強張り”は人格形成期に時間を共にしなければ生まれ得ぬものなので、水沢姉妹でも炸裂しねーものか、実は期待してる。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
物心付く前から…つうかその女とともにあったからこそ、そういう形に魂が手びねりされた間柄を叩きつけられることでしか得られない栄養素ってのを、今回はドギュンドギュン補給してくれて、大変ありがたかったです。
出会いが運命だったからこそ、その外側に出れない弱さ、出たくない怖さ。
そんな関係固着に震えしがみついていたものが、容赦なくぶっ壊され見えてくる、己の内側と外側にある真実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月3日
下がりたくなる己を奮い立たせ、魂の燃え盛る場所に飛び込む時、道が拓けていく。
そんな二人の物語が、ちゃんとチームの”勝負”に突き刺さってるのが、青春アイスホッケーアニメとして好きよ。