明日ちゃんのセーラー服を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
本格的に体育祭の練習が始まり、小路は応援係として汗だくで走り回る。
仲間の助けも借りつつ、だんだん形になっていく応援が向かう先は、テニスにエントリーしたあの子。
体を丸め縮こまらせて、一体何に怯えているのか…。
そんな感じのゴーゴー璃生奈青春ファイト! な、明日ちゃん第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
既にお馴染みとなった原作を大胆に膨らませ、豊かに描き直すアニメの筆致により、色んな子達が体育祭に挑む表情、明日ちゃんに応援された反応がたっぷり味わえる。ありがたい…。
16人の群像劇として見事に再構築されたことで、色んなキャラの間を明日ちゃんが走り回るたびに、『この子のこういう顔が見れた』『この子はこういう子なんだ』という納得が生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
擬似的にクラスメートに触れ合っているような、奇妙な親近感が作品に宿りつつあるのが解る回だ。
蝋梅学園1-3の子たちが、どんな青春を送り体育祭に挑むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
主役である明日ちゃんの溌剌とした影響力だけでなく、それが波紋を広げる様子も楽しく、10話かけていいアニメを作ったな、と思えるエピソードだった。
話の構造としては、部活紹介に重ねて横幅広く魅せた第3話に近いか。
というわけで夏本番、魅惑の夏服を体操着に着替え、体育祭の準備に皆が勤しむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
友情に飢えた小学校時代を過ごした明日ちゃんは、『皆をたくさん見たいから』という理由で、応援係も兼任。
つくづく、バイタリティの塊だな…。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/ADRAThVDiv
ファーストコンタクトは峠口&大熊組で、デタラメでバラバラな応援が、面倒見のいい田舎少女の手で形になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
第5話ではコンプレックス全開で後ろに引っ込んでいた彼女だが、屋上で振り絞った勇気が硬さを取り、文句垂れつついい距離を捕まえている感じだ。
今回の明日ちゃんはとにかくやる気があり、やる気しかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
”応援”がどんなものか全く分からない状況から、苗代さんとポンポンを作り、峠口に導いてもらって、何をどう頑張れば良いのか方向を定めていく。
メチャクチャ元気で、いつでもメチャクチャで、否応なく人目を引く。
そういう、客観で見た明日小路がよく分かる回…かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
常人離れした活発さ、溢れかえる心の輝きで色んな人に影響を与え、より良く変えていく。
その引力がクラスメートにどう作用するか描くのに、”応援”は一番いい題材かもね。
つーか、ちょっと助けたら即座にゼロ距離だからな…みんな狂うよ
そういう距離感を遠巻きに見ていた蛇森であるが、明日ちゃんは青春安全圏を許さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
ぐるっと回り込んで大声エールを叩きつけ、蛍ちゃんもクルッと回ってお返事である。
八方美人の軽さではなく、あらゆる相手に本気で踏み込むの、やっぱ人徳よな
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/Ulevn5MtsH
蝋梅学園1-3は明るいのから暗いの、デカイのからちっこいのまで色んな子達が集っていて、その全員と小路は本気で向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
自分と似ている部分も、違う部分もとても素敵で、本気で応援したくなる。
世間一般には不思議と思われたり、欠点と受け取られそうなところも全肯定。
その濁りのなさを、同じ学舎で過ごすうちに偏屈女達も嫌ってほど理解らされたので、陰のモノ達も下から睨めつけるのではなく、その輝きに相応しい自分でいたくなるんだろうな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
龍守委員長が兎原にからかわれつつ、エールに全力出しちゃう所ホント好き。
色んな子達の間を明日ちゃんが駆け抜けていくことで、一瞬一瞬に全力な彼女の生き方、それが周囲にどう受け止められているかが、良く分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
探り探りの出会いから数ヶ月、”クラス”というものが明日小路の引力で、どうまとまったかも見える回か。
そして後半の焦点は、お腹が気になるあの子だ。
己を鏡に写すことを一切恥じない明日小路を、被写体として友達としてうっとり見つめる谷川さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
アンタも”こじ開けられた”側…すっかり、”視る”ことに夢中だよ!
明日ちゃんは友達みんなが好きで尊敬しているので、全員の良さを強く認識する。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/e3qwTYfOFk
人と違うことは尊敬に値するが、そこに羨望はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
自分に足りないものを引き出すために、今の自分がどんな形か窓ガラスに写し、磨き上げることに躊躇いはない。
その率直さを、薄布一枚隔てて璃生奈ちゃんが、羨ましそうに睨めつけている。
オッサンになっちゃった立場からすると『ええやないの…』と言ってしまいそうになる、ふくよかで悩ましき身体。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
取り替えようのないものに思い悩み、縮こまって自分を閉じ込めている。
こういう青春の迷子にこそ、明日小路の引力はよく効くことを、このアニメは幾度も書いてきた。
つうわけで、思わずおへそに指が伸びる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
それが接触点になって、璃生奈ちゃんは壁の向こう側に回り込まれ、小路に手を引かれて青春が動き出す。
恥ずかしい身体を恥ずかしがって、伸びない手足は自意識の牢獄。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/TOXLwKhQeJ
でもそれは思わず手を伸ばしてしまった小路の身体のように…それとは個別で固有の、璃生奈だけの魅力を宿して、とても善いものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
だから根子ちゃんも頭をもたげ、むっちり太ももに頬を寄せる。
自分が気づいていない強さは、いつでも他人が気づかせてくれる。
明日ちゃんが前半、”応援”を学んでいったのと同じ回路が、今回璃生奈ちゃんにも形成されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
この時一方的に”応援”する/されるで終わらず、一緒に応援に勤しむことで、璃生奈ちゃんがたった一つしかない自分の体を好きになっていくのが、凄く良いな、と思う。
明日小路は、安全圏を作らない。
他人の領域に強引に踏み込んで、心地よく手を引いて、自分の中に眠っていた新しいものが見える所まで、色んな人を連れて行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
その時青春の当事者として、導く明日ちゃんも手のひらの先にいる相手から、色んなものを受け取る。
圧倒的な人間強度で牽引されてるけどフェアなんだよな、明日小路太陽系
自分の身体に心地良い誘惑を感じ取り、触れてくれた根子ちゃんを優しく撫でつつ、璃生奈ちゃんは携帯電話≒カメラ≒鏡に写った自分をようやく見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
出来ない自分、恥ずかしいと思っていた自分を直視して、恥ずかしくない自分に近づいていく。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/fNtwX3sZGu
この時、布で覆っていた二の腕とお腹を出して、明日小路に近いスタイルになっていくのが、主人公の影響力を強く感じて好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
明日ちゃんは他人と違う自分の身体を、けして恥じない。
違うことは違うが、それはたった一つ自分だけの大事な武器であり、考えるべきなのは恥ではなく、その活かし方だ
そういう風に他者の身体を見れるのは、明日ちゃんが出逢う全てに開かれ、敬意を持って生きているからこそなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
そういう敬愛は背中を丸めていた璃生奈ちゃんにも勿論あって、小路の言葉、膝で眠る根子ちゃんの温もり、画面の中の自分を鏡に、なりたい自分へと踏み出していく。
お母さんや江利花ちゃんが言っていたように、璃生奈ちゃんの豊かな身体は彼女だけの大事な宝物であり、(他のどんな体型もそうであるように)美しいものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
でも自分を見つめる目を持てなかったから布で覆い隠し、誰かと取り替えたいと羨望してきた。
明日小路の腹に触れたのは、そんな指先だ。
しかしここで、明日小路は自分の体型を”標準”と分け与えず、璃生奈ちゃんだけの身体を彼女が肯定できる勇気を、そうさせてくれる他者の存在を思い出させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
汗だくに駆け回り、仲間に助けられて学んだ、身体全部を使っての”応援”を、一緒に全力でやることで。
夏の日差しに決意が燃えて、少女達はどんどん武装を解除していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
裸足の自分を限界まで伸ばして、恥を蹴り飛ばし己を生きる。
そんな輝きが行き着く所を、実像ではなく地面に伸びた陰で描くカットが秀逸。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/dC5hRJ4le7
気合が高まりすぎてワケのわかんねぇテンションに跳ね上がり、友情合体まで果しちゃう所、青春の勢い全開で凄く良いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
バカだなぁ、中学1年生…最高だね。
あんだけウジウジと自分の体に悩んでいた璃生奈ちゃんが、ここまでたどり着いたんだ! てのも見えるしね。
明日小路の自己肯定、他者尊重には強い感染力があって、触れ合った人は否応なく己を変えられ、世界を広げられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
それは明日ちゃんのコピーを生み出す行為ではなくて、クラスメートはそれぞれ個別の魂と身体を持ったまま、明日ちゃんと出会う前よりもより善く、自分らしくなっていく。
その自己再帰性が、俺は良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
グイッと強い引力で捕まえた後に、明日ちゃんは女の子を無自覚に離してあげるんだよね。
執着というものがな~んもない人なので、手放しても必ずまた会えると信じているし、自分とは違う誰かが自分らしくいることが、メチャクチャに好き。
そんな感情の熱量に燃やされて、再び生まれる四条璃生奈。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
それはテニスが得意だった過去の自分を、取り戻す歩みでもある。
思春期に足を踏み入れ、変化していく私の…私だけの身体が躍動して、見事なスマッシュが刺さる。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/YelR2LS2yL
太陽を掴むように高く掲げられたボールが行き着く先は、変わっていく自分を恥じず、堂々手足を伸ばせる未来だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
お腹にお肉が付いていない”誰か”ではなく、この唯一の身体を持った唯一の私として、堂々進んでも良い。
璃生奈ちゃんが迷って取り戻したものは、パッと見より大事なものだと、僕は思う。
それはつまり、明日小路が取り戻させたものでもあって、青春の全局面、出会い相手全てにこういう事をやってのけているのだから、やっぱり大した少女だな、という感じでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
”身体に紐付いた私”のイメージが挫滅すると、人生すごい勢いで折れ曲がるので、実はかなり危ういポイントだったと思うよ…
不定形の他者、どっかにある”理想体型”と自分を比べてお腹を隠してた璃生奈ちゃんが、明日ちゃんとのふれあいを通じて、今そこに在る己を誰とも比べず肯定できるようになったのが、凄く好きなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
羨み比べるべきだった他者が、自分の形を教えてくれるかけがえない存在へと、話の中で変化する。
その視座は、応援係それぞれの身体がどれだけ素敵で、自分に無いものなのかをメチャクチャ明るく前向きに語る、明日小路から学べたものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
違うことが恐怖や拒絶の対象にならず、人と違ってる自分を恥じることも憐れむこともないので、溢れた自尊が他人に伸びる形。
かくして全く自覚なく善徳を積んだ明日小路は、千嵐部長に取り留めなく一日を語りつつ、手渡された妙案に瞳を輝かせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
原作でも描かれていない、『部長が好きだから色々報告しちゃう明日ちゃん』が見れて、極めてありがたい…。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第10話から引用) pic.twitter.com/rI5fXBVGgL
明日ちゃんお母さん子なので、ユウさんにな~んでも喋っちゃうのは書かれてんだけど、副詞の多い取り留めのない”報告”を年上の千嵐にぶっこんでくるの、それと同じ体重のかけ方でしょ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
やっぱクラスメートとは”角度”と”間合い”が違ってて、格別の”コク”があんだよな演劇部…。
そんな頼れる部長から手渡されたのは、一体どんな青春爆弾なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月15日
炸裂とその余波を描く来週、大変楽しみです。
…アニメで描かれてみると璃生奈ちゃんエピ、思春期と身体イメージにまつわる物語で、そらー俺の興味領域にドンピシャだよな、と再確認したよ。