プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
帰らぬキャルを待つ”美食殿”に、突如響いた地響き。
王都は迷宮に閉ざされ、シャドウが人々を襲う惨劇を、皇帝は冷たく見下ろしていた。
その傀儡として、ペコリーヌの前に立ち塞がる仮面の少女。
運命の戦いが、今始まろうとしていた。
そんな感じのプリコネアニメクライマックス、遂に開幕の第10話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
まずはユースティアナ王女の帰還と、キャルちゃんが未来を選ぶ所まで、ググッとお話が進む。
歪んだ悪党の顔を隠さなくなった皇帝の嘘を暴く役が、一度真実を諦めかけたユニちゃん先輩なのは熱い。
話としてはさんざん積んだペコキャル貯金を精算する感じで進むが、これまでの物語で関わってきたキャラやギルドがたくさん出てきて、総決算な感じが色濃く出ていたのはとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
アニメオリジナルの人たち含め、ランドソルの住人全員が野望の犠牲となり、全員で立ち向かう。
そういう最終決戦。
タイトルに”connect”を冠する作品として、主役たちのぶっとい感情と因縁に、横幅広い結束が巧く絡んで、とても良い感じだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
賑やかな冒険を通じて出逢った仲間、国民を背負う王女の帰還が晴れ晴れしいほど、皇帝の孤独も際立つが…何考えて、キャルちゃん泣かせてんだろうなぁアイツ。
お話としては前回の頂上決戦の余波を受けて、皇帝がその本性を剥き出しに国民を牙にかけ…ようとするのを、なんとか抵抗してる状況。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ここで欺瞞をやめて魂の収穫を始めたのは、ラビリスタの力を取り込んで出口のない狩場が作りやすくなったのと、彼女が指摘する通り劣化が酷いから…でいいのかな?
今まで隠然と進めてきた魔力補充を、公然かつ大規模に推し進めてクライマックスのトリガー引いた裏には、皇帝なりの思惑ってのがあると思うが…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ここ気にするの、キャルちゃんが大事にしてる人なんで、許せないなりに何らか理解できる”理”でもって動いてて欲しい、みたいな気持ちが俺にある…のか。
この最終決戦を越えていく中で、仲間に言えなかった秘密は共有され、世界の真実も暴かれていくと思うが、皇帝個人が何を望んで他人を踏みつけにしたのかも、個人的には知りたいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
いやまぁ、どんな動機であろうが許されざることばっかしとるけども、むしろだからこそ…か。
疑問解決のためには足を止めて考える賢者が必要だが、”美食殿”は現場でビシバシやるので担当できない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ここを二期で良い役もらってたユニちゃん先輩とカスミが担当するの、なかなかいい配役だな、と思う。
主役がやれないけど、それがなきゃお話が完成しない部分を、別のギルドが担う。
しかもそれは、虚偽に満ちた世界の真実を一度は諦めかけた少女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
今回ユニちゃん先輩が、皇帝の真実を探り出し暴露する立場になったの、世界にナメられてた負け犬が自分の領分で一発入れる、リベンジの気持ちよさがあった。
たった一人でふんぞり返るラスボスと、地べたから反撃するちっぽけな絆
絵的にも、そういう構図なんだろうなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
僕ユニちゃん先輩好きなので、その嚆矢を彼女が放ってくれたのは、公平なチョイスで凄く良かった。
世界に『ザマァ見ろ!』と吠えた第3話のラストから、彼女は何も諦めてはいなかったのだ。
そんな不屈を、主役たちも戦いの中証明することが出来るか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ユウキくんの出番は次回以降として、まずは今回ペコキャル総決算である。
王家の秘宝で強化された身体能力が、大迫力のバトルを演出する…が、親友同士の闘いは悲しい。
(画像は”プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2”第10話より引用) pic.twitter.com/Lh3AQImSy7
仮面に心を隠し、悪逆皇帝の手先…ある意味”娘”という立場に戻ったキャルちゃんを最初に対峙した時の遠くて冷たい感じと、彼女がペコリーヌの接触を受けて、虐殺を拒んで仮面を剥がされた後アオリで見上げる構図は、ほぼ同じだからこそ違いが際立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
後者の方が、より力強く見える。
より前進の意志が強く宿る構図は、ペコリーヌが傷つきながらも諦めずキャルちゃんとの間合いを詰めて、今までともに過ごした時間を思い出させようと、必死に踏み込んだからこそ掴み取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
そして全てを諦め仮面を付けて、冷たい安息に戻ろうとしたキャルちゃんは、もう帰れない自分を知る。
キャルちゃんが”現実”でどういう存在だったかは現状解んないけど、かなり冷たい家庭環境にいて、それを皇帝との疑似家族的繋がりで(無意識的に)満たしたかったのかな、とかも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
時に傷つけ時に愛する身勝手な”母”として、皇帝はそんなキャルちゃんの孤独を悪用し操っていた。
その糸はペコリーヌと”美食殿”が切った…と同時に、キャルちゃん自身が選んで外したんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
命じられるまま仮面を付けて、親友を傷つけたけど、楽しいことが沢山あったこの街に住む人を殺すことは出来ない。
それがずっと求めていた温もりを、諦めることだったとしても。
仮面を外したキャルちゃんが最初『私を消して』と呟いてて、ペコリーヌの不屈を瞳に捉えた時『私を助けて』に変わるの、凄く良いシーンだなと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ペコリーヌ抜きだと、自己の消滅がキャルちゃんの選ぶ解決になっちゃんだね…
(画像は”プリンセスコネクト!Re:Dive Season 2”第10話より引用) pic.twitter.com/QQqf9lp6Xx
良い感じの夜とか良い感じの泉とか良い感じの花畑とかで、散々に思いを重ね合ったことで、キャルちゃんは消滅よりも救済を、ペコリーヌに願えるようになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
幸せになりたいと心の底で願っている自分を、冷たく押し殺すのではなく、貪欲に求められるようになった。
それは自身、孤独と忘却に震えながら必死に笑って、キャルちゃんと同じ屋根で過ごし一緒に笑った少女が、掴み取った奇跡だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
囚われのキャルちゃんが涙ながら、その言葉を預けてくれることで、ペコリーヌはランドソルの高貴な姫君として、群衆を背負って闘えるのだと思う。
あんだけ高貴で強い子でも、顔の見えない”誰か”だけを信じて闘い切ることは出来なくて、一緒に御飯を食べて心を満たす”あなた”と共に暮らしたことで、ペコリーヌは皇帝に対峙できるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
それはやっぱ、素直になれない甘えん坊の黒猫ちゃんだから生まれた、かけがえのない絆なのだろう。
ここでペコリーヌが、キャルちゃんの涙を拭うべく立ち上がること、そうなるべく紡いだ二人の絆は、相当力入れて描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
しかし同時に、”あなた”だけではなく”みんな”のためにも闘えるからペコリーヌはプリンセスなのであり、ユニちゃんの大暴露を背に受けて、堂々の名乗りで国を背負う。
ここでペコキャルの狭くて特別な関係を力強くぶん回しつつ、ランドソルの名も無き人々を必死に守り、その希望となる”公”の描き方頑張ってるの、凄くこのアニメらしいなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
色んな人達が毎日飯を食って、それぞれの幸せを大事に過ごしている、大きくて広い世界。
そこを吹き抜ける風の心地よさを大事にしてきたから、色んな冒険が楽しかった部分は、確かにあるだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
日常コメディの中で確かに描かれた、ギルドハウスに狭く閉じない視野の広さが、このクライマックスをグッと熱くするのは、とても良いと思う。
ここでその真の名を堂々叫び、王家と国土全部を背負って皇帝に対峙するペコリーヌは、下手すると上滑りする大義の体現である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
しかしそこには、確かな体温が宿って熱い。
飯を食って笑い、寂しさに震え温もりを求める少女の人格を、ここまで大事に描けたからだと思う。
逆に言うと、ペコリーヌというキャラを魅力的に描けた結果、ラスボスが踏みにじるもの、主人公たちが打倒するべきもののが、手応えのある描写を手に入れられている、ということでもあるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
キャラクター個人の描画と、大きなドラマのうねり、テーマの追求が噛み合ってトルク出してるのは、凄く良い。
ずーっと『悪の幹部向いてないからやめなッ!』と画面外から吠えてたキャルちゃんが、皇帝への思いを振りちぎって大事なものを選び取ったのも、同じ共犯があるから刺さる場面よね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
ペコリーヌが”公”を背負うキャラだとすると、執着雁字搦めなキャルちゃんは”私”のキャラだったと思うし。
未だ状況は絶望的ながら、国民は真に頼るべき彼らの王を思い出し、貴種は唯一つの思いのために、高く刃を掲げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月16日
大義と灯火、共に我が胸にあり。
最高に盛り上がっているクライマックスに、我らが主人公は何を取り戻し、何を護るために駆けつけるか。
次回、ユウキくんの活躍が大変楽しみです!
追記 太陽と月の双子であるぺこキャルの対照/相補といい、物語の基本的な参照構造をしっかり組み上げて、その上にポップでおバカなギャグ、ホッコリ嬉しい日常、異世界の壮麗な景色をギッチギチに詰め込み、食べごたえと多彩さを両立させた見事なランチボックスとして成立させているのは、力のあるアニメだと思うわな。
プリコネ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
皇帝はとても良く出来たラスボスで、美食殿メンバー各員の悪しき鏡として、それぞれの要素を歪めて確保している。
”一周目”のおぼろげな記憶を抱えて、今度は守ろうと誓うユウキくんとは、世界の外側に位置し、目の前の生を大事にできない超越者として。
名前も記憶も奪われてなお、高貴なる者の責務を果し戦い続けようとするペコリーヌとは、立場を簒奪し民を虐げる悪しき王として。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
美食殿という家から温もりを差し出され、それをおにぎりの形にして大事な陛下と共有したかったキャルちゃんとは、愛を用いて我が子を縛る最悪の親として。
ラスボスと向き合う時に、主人公たちがどんなキャラクターで、何を求め何を守りたいかは一番鮮明になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
こういう形で”敵”を設定し描画できているのは、三人がそれぞれ此処までの物語で彫り込んできた(作品にとって、キャラ個人にとって)大切なもの価値を強める、歪な鏡としての”敵”の活用だろう。
皇帝が歪めてしまっているものは、もしかしたら通じあえたかもしれない可能性であり、しかしこの最終決戦において彼は、その全てを踏みにじってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
皇帝と最終決戦に挑むのは、彼が”ラスボス”だからではなく、主役たちが一番大事にしたいものを害するからだ。
暖かな日常と楽しい冒険を上手く描けていたからこそ、皇帝がそれらを蔑する、戦ってでも止めなければいけない存在だということは強調される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
その対立に少し、もしかしたら通じあえたかもしれない可能性の残響があるのが、決戦にやるせなさと人間味を残して、結構好きな味付けでもある。
そう考えていくと、コッコロちゃんは”美食殿”メンバーで唯一、皇帝に踏まれる要素があまりなくて、歪な鏡としてラスボスと向き合う必然がちと弱いな、という感じもあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
そこら辺は彼女の核であるユウキくんを害されることで、現場で最後に作られる部分なのかなー、と思ったりもする。
かくのごとく、主人公と作品の核を上手く際立たせている皇帝だけども、こんだけの無法をやらかす理由があるはず…あるいは、あって欲しいと僕は思うわけで、やっぱりその開示が最終決戦、一番気になることだったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
なぜ”美食殿”が体現した絆を、皇帝は信じられないのか。
『アイツはそういうヤツだから』でも勿論良いし、ベットリと”かわいそうな悪役”書かれてもクドいと思うけども、なーんでキャルちゃんのあのおにぎりを口に運んでおきながら、冷たくて高くて遠い場所に一人立つ道を選んだのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月18日
鮮明な筆致で、可能ならば。
最後に僕は知りたいのだ。