その着せ替え人形は恋をする を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
日常系ラブコメ”サバこま”の無邪気なサキュバス、リズきゅんに憧れつつ、似合わないと諦めていた海夢。
新菜の後押しを受けLet'sコスプレ! …と、撮影場所に選んだのはなんとラブホテル!!
二人の夏が闇の中、熱く激しく軋む…のか!?
そんな感じのスーパーえっち青春ラブコメ、エロス濃いめでお送りする最終話一個前。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
”烈!”の劇中劇作画を担当してた山本ゆうすけが筆を執り、危険行為一歩手前の熱い夏を楽しく演出してくれた。
五条くんの血管に溢れるアドレナリンが、こっちにも伝わるようなドキドキエピソードだったね…。
今回のネタにしてるリズきゅん自体が、無自覚エロスで五条くんをボコボコ殴る海夢ちゃんとシンクロしてる部分もあり、凄く”着せ恋”らしい短編だったなー、という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
『声が久野美咲で、エロ一本勝負出来るわけねーだろ!』つう感じの、チャーミングな幼さと、剥き出しのエロスが奇妙に同居する造形
海夢ちゃんは『可愛すぎて似合わない』と言っているが、デフォルメされたサキュバスは彼女にそっくりで、三次元にブートしてみるとシンクロ率は高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ラブホテルという”場”の引力が、あっけらかんとした青春をしっとり包み、あわや…という所で水が入る展開も、”エロティックな日常系”と分類できよう
二人共人品に優れた若人なので、恋人になろーがセックスしようが、お互いを尊重した良い関係性を築けると思うが、何しろ初心なのでそういうダイレクトなのはちょっと…でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
しかし高校生の心身は愛しき異性の温もりを求め、禁忌の領域だからこそ体温は上がっていく。
”そういうの”抜きのコスプレ戦友としての距離感を一枚めくれば、エロスと慕情がマグマのように煮え立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
清潔になりすぎない、でも生々しさが少ない友情と性愛の交錯点は、この作品独自の足場だろう。
しっとり肉感的なのに、繊細で爽やか。
Clover Worksの作風と合ってるよね。
(中学生の爽やかな青春に濃厚なフェティシズムをうずめた”陽中の陰”なのに対し、高校生の湿った熱量に爽やかな風が吹くこの作品は”陰中の陽”で、2つ合わせてClover Worksの陰陽太極だなぁ、と思ったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
両方とも、この会社じゃなきゃ作れない仕上がりで素晴らしい)
今回のエピソードは五条くんがオタク文化に疎いことが、凄く生きた作りだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ガチオタである海夢ちゃんが”日常系”とカテゴライズしてしまう物語は、五条くんにとっては見慣れぬ異文化だ。
淫魔についても、自分なり真っ直ぐに見据え、調べる
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第11話から引用) pic.twitter.com/vINS1M3W2f
『こんな昭和の文豪オーラ漂わせながら、きらら系SDほんわか作品見つめる男おるかー!?』って感じだが、これが頭師にしてコスプレ衣装製作者、五条新菜の視線である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
心血を注ぐ対象を真摯に見据え、生真面目に調べて向き合う。
エロティックに弾む青春にこの視線が、一本筋を通してくる。
解んないら解んないなりに、好きになる努力をして解ろうとする所が、五条くんの良いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
”日常系”という、オタクは使い慣れているけども改めて取り出してみると説明が難しいコードを、ゼロから解体・再構築することでしか、”コスプレ”を作り上げることは難しい。
この目線は五条くん最高のドールである海夢ちゃんにも向いていて、メイクをしてその顔を作る時、視線はとにかく真っ直ぐである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ラブホの空気に当てられ、ギンッギンに張り詰めていた筋肉は自然と和らぎ、”好き”を共に形にする相手、その素材となる作品への敬意が瞳に宿る。
五条くんの生真面目な視線を借りて、オタク文化や海夢ちゃん(が背負う、『オタクに優しいギャル』という記号)を解体し、その良さや難しさを再構築していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
こういうポップカルチャー批評的な目線があるのが、実はこのお話の結構オリジナルな部分かなー、と思ったりもする。
今回五条くんの”コスプレ”は、描かれたものをそのまま形にする所から、自分なりの解釈を交えて作品を作り出す所へと一歩進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
SDから10等身のスーパーJKへ、描かれていない細部にも作品理解をたっぷり詰めた、再製作という名前の創作活動。
そういう変奏のクリエイティブも、”コスプレ”の醍醐味だ…
と、海夢ちゃんは真っ直ぐに全肯定してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
遠い世界の住人だと諦めていた人から差し出された、”好き”の肯定。
色んな”好き”があっていいし、だからこそ面白いと自分を認めてくれたからこそ、五条くんは海夢ちゃんが好きなのだ。
えっちな体に発情してるだけじゃないんだかんねーッ!
二次元の創作物を三次元の生身に移し替える”コスプレ”自体が、読解のアートという側面を強く持っていて、『原作そのまま』に思えるものほど、誠実な読解と精妙な再構築の上に成り立っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ここら辺、原作付きアニメを面白く仕上げるための魔法にも繋がってる感じで、ちょっと面白い。
さておき、無邪気なサキュバスを三次元に移し替えるべく、小道具を用意したり淫魔について真剣に考えてみたりした成果は、最高の輝きとして写真に切り取られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
そして生身の身体には、写真の”先”があるッ!
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第11話から引用) pic.twitter.com/dVmR67WxRB
ガチガチに緊張したコスプレ前から、一緒に”好き”を形にしていく楽しさが淫靡さを遠ざけるコスプレ本番…そしてふと、完全に入ってる姿勢の自分たちを客観視してしまう一瞬へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
”コスプレ”に真摯に向き合い、夢中になっている間は、ヒキの構図を一切使わず一人称的に画面作るの、好きな演出だ。
『完全に”そういうの”やんけ…』と思わず突っ込む、自分たちの行為のヤバ加減にまーったく気づいてない無邪気さが、ベットの上で激しく揺れ、闇の中で荒く息づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
此処のしっとりした熱量は、大変いいエロスであった。イけッ! ヤれッ!!
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第11話から引用) pic.twitter.com/ildsZZcmFr
むにょんと変形する柔らかなお腹、ぎしりと軋むベッドのスプリング、段々と足にかかる体重。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
二人の距離はBGMなしのシリアスな熱気とともに接近して、『はいそこまでー!』と横やりが入る。
危ないところだった…後一瞬遅かったら、掲載誌がYGからアンスリウムになる所だった。
クローズアップでずっしり、後半歩で炸裂する青春爆弾の揺れ方を切り取る作画は、距離だけでなく時間も縮める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
激しく高鳴る心臓と、固く握りしめられた拳。
何もかもが緊密で熱い闇の中で、二人がどんな気持ちでいるのかが、みっしりと濃い時間とともに、心地よく追体験できる。
こういうシンクロ率強い一人称の演出と、その面白さを客観で見せる三人称の演出が、バランス良く同居してるの、やっぱいいアニメだなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
海夢ちゃんを描く濃厚なエロスが、彼女が生気のない人形ではなく、生身の人間であること…だからこそ、五条くんの”綺麗な人形”足りうることを支える。
客を被写体に近づけるところと、引いて見せる所のメリハリが良いんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
二次元にしかいないビスクドールの甘酸っぱいラブコメに、熱く凝った息吹を宿させる。
これはどんな絵をどんなタイミングで描き、どんな音響に乗っけるかつう総合芸術の領分なので、やっぱ”アニメ”として表現力が強いんだわな
さておき、思わぬ形で自分たちが強く惹かれ合う男女であることを思い知らされた二人は、”コスプレ”に真摯に向き合ってる時は見せない、剥き出しの生き物としての眼をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
それもまた青春の、否定し難い1ページだ。
(画像は”その着せかえ人形は恋をする”第11話から引用) pic.twitter.com/J23GRRRIUQ
二人の瞳に宿るドキドキとバキバキをも、アハハと笑ってチャーミングに楽しめるよう、キャラの魅力を伝えたり、作品の伝え方を工夫したり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
いいアニメにしようと凄く頑張ってくれたおかげで、1クールほんとに楽しかったんだなぁ、と。
作品への感謝を新たにするシーンでもありました。
今回暴れたドギツいエロティシズムって、半歩間違えば生臭すぎる感じに仕上がると思うんだけど、精妙に画面をコントロールする事で『おーおー、そういう事も人生あるッ!』と、キャラと作品の妙味を味わえる、良い見せ場になってた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
そういう風に青年たちの性/生を書いてくれるの、俺はやっぱ好き。
よくよく考えりゃ、こんなに甘くて濃い”生々しさ”ってリアルの中にはないんだけども、でもどっかにあって欲しい塩梅でリビドーと向き合う様子を書いてくれることで、二次元の存在が三次元の実在感を手に入れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
それは今回、二人が成し遂げた”コスプレ”の面白さとも繋がってる。
もともと『創作物の中の創作物を通じて、事故を表現していく創作』っていう多層的メタ構造を持ってる作品なんで、面白く作るにはかなりのクレバーさが必要だと思うんだけど、それが鼻につかず自然と活用されてるのは、見事なもんだなぁ、とも思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
批評意識の溶かし方が巧い、つうか。
そんな感じの、嬉し恥ずかし熱い夏の日でありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
いやー…良いエロスだったなッ!
『漫画喫茶であの距離感、ダラダラ時間を使える間合いって、一般的にはもう恋人以上なんじゃ…』と思ったりもするが、形上は戦友なんじゃ!
甘酸っぱいラブコメはまだまだ継続なんじゃッ!!
というわけで残り一話、”続く”で終わるしかない尺をどうまとめ上げて、まだまだ続いていく二人の友情と欲望と愛情に、一旦の幕を下ろすのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
とても面白いアニメなので、とても良い最終回になると思います。
次回も、とても楽しみです。