リーマンズクラブを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
復活の碓山を加え、SJリーグ優勝という新たな目標に意気上がる、尊たちバドミントン部。
竹田をコーチに、佐伯兄弟をダブルスに据える新体制に、しかし蒼汰は背中を向ける。
しょせん俺は、村人A。
醒めきった兄貴の心を、弟は燃え上がらせれるのか!?
そんな感じの新章開幕、リーマンズクラブ第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
竹田さんが一線から引いて、碓山さんがシングルス、佐伯兄弟がダブルスと構造一新。
優勝に向けて駆け出す…ところで、兄弟だからこそのギクシャクが躓きを生んで…というエピソード。
俺竹田さん好きだったので、限界を超えて選手として再起して欲しかったけども、彼が『やりきった』と前向きにコーチの道に進むなら、まぁ応援しようかな、みたいな気持ち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
この変化に納得できてるのは、27歳という年齢、実業団という立ち位置も大きいとは思う。
二足のわらじを履く厳しさと、自分で自分の道を定めなきゃいけない難しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
社会人だからこその責任とケジメに、竹田さんが向き合ったからこその決断だと思うしね。
これは部活でもプロでも描くのが難しい、このアニメだからこその面白さなんだと思う。
後に大きな爆弾になるだろう、健さんの去来への前奏って意味もあるだろうしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
選手としての賞味期限が迫る中、社会人としてスポーツをやるのなら、見据えるべきものは沢山ある。
そこでの決断が暗いばっかじゃないと、竹田さんで描けたのは良かったんじゃないかな、と思う。
というわけで大きく体制が変わって、ポテンシャル引き出して優勝目指すぞ! …って状況なんだが、今までもくすぶってた蒼汰の煮え切らない部分が、最悪の形で炸裂する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
いいタイミングなので、自分に見限りつけて辞めます。
弟ならずとも、そりゃねーだろ! な決断だ。
めんどくせー白鳥くんのトラウマを平らにするフェイズが一旦落ち着いたので、チームメイトを掘り下げる余裕も出てきた、このタイミング。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
あえて白鳥くんと健さんを話の真ん中から外すことで、グッとキャラが掘り下げられていくのは良いなー、と思う。
主役ダブルスに代わって、佐伯兄弟が真ん中に立つことで、兄弟として長い時間を共有してきたからこその重荷とか張り合いとかが、立体感を持って届いてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
『兄弟なんだから、ここ触ってくれたら面白いな…』と思ってた所に筆が伸びたのは、正直とっても嬉しかった。
プレイにも自分にも見限りが早い蒼汰の冷たさには、正直結構イライラ来てたわけだが、その源泉を掘り下げ、大人びた諦めの先へとキャラを導いてくれることで、彼のことも好きになれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
趣味のゲームと絡めて、”村人A”として自分を見限る視線を象徴的に描いたのは、良く刺さる表現だった。
ここで冷え固まった心を動かすのが、一旦は情熱から離れた、復帰して椅子を奪った形の碓山さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ヌルい同情を跳ね除けて、復活に燃える競技魂を全面に押し出してきたのも、彼の顔がよく見える描写で良かった。
クールガイほど、燃えた時の温度差が映えるわな。
そして今回、バドとリーマンが上手く混ざった話で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
弟がキラキラと見上げる視線は重荷であり、挫けそうな自分を押し上げる推進力でもあった。
そんな兄弟特有の距離感が、バドではなく仕事を通じて活路を開き、コートに戻る原動力になる。
実業団だからこそ、スポーツとビジネスが繋がる瞬間がある。
ここまでバド回とリーマン回が上手く混ざらない感じもあったけど、今回『バドでのトラブル→仕事でのトラブルとその突破→バドでの突破』と、2つの領域を一話の中行ったり来たりして進むことで、ここに橋がかかった感じがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
これは作品が選んだ舞台を活かす、とても良い話運びだと思う。
職場での4年差となりゃ大した経験値の差で、コートでは人数合わせに思えても、仕事では圧倒的に頼れる兄貴になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
その実感が醒めた男を、新たな舞台に引き戻す。
社会人一年生の橙也が、トラブルと向き合い仕事にかじりつく手応えもあって、良い解決の導き方だった。
弱小チームが世界一になる説得力を出すためにも、ドラスティックな変化は必要で、でも波風なく受け入れてしまったら、どこか嘘っぽいことにもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
お話の都合をスムーズに飲み込ませる意味でも、素直に生きられない大人の人間味を描く上でも、こういう話は大事だし、必要だと思う。
でもそういう都合だけで終わらず、それぞれの年齢、個別のライフステージを通じて何を見ていて、何にこだわって、何を譲れないのかちゃんと描くことは、キャラクターが書き割りで終わらない立体感を出す上で、凄く大事なことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
そういう手触りが宿っていて、とても良いエピソードだと思った。
前半戦散々面倒くさく作品リソース専有してた白鳥くんが、その甲斐あって結構視力の良い”大人”に育ってきてる描写も、随所にありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
無理してる橙也を見落とさなかったり、健さんへの違和感を抱えるだけではなく、浦和駅に駆け出して叩きつけたり、情の分かる男になってきた。
逆にこれまでシニカル気取りの厄介ボーヤをお世話し続けてきた健さんが、複雑悩みを背負って白鳥くん化してる感じもあって、『いい塩梅の”お互い様”だなぁ』と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
ここで波風生み出す側と、余裕持って受け止める側が入れ替わるの、公平でいいと思うんよね。
今後お話の焦点が再び主役コンビに移るので、その前にサブキャラの彫り込みを済ませておいた…つう回でもあるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
結構BPMの早い、色んな人が色んな事するエピソードなんだが、描くべきことをしっかり描ききってる満足感があって、次の局面にしっかり軸足を移せる。
ラーメン屋で碓山さんと話す時、蒼汰の心理を反映して画面が傾ぎ、スーツの鎧を脱がない(率直に心情を伝えている碓山さんは、上着脱いでる)所とか、いい表現だなー、って思うわけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
この距離感から、兄弟ダブルスを受け入れ家に戻った時はスーツを脱ぐ。
(画像は”リーマンズクラブ”第8話から引用) pic.twitter.com/GwPQIJZ3HU
蒼汰の脆い自尊心を守り、情熱を縛り付ける鎖としてスーツを使うのは、このお話が”リーマン”の物語だからこその表現だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
そして”村人A”じゃない自分を信じる時には、スーツは闘うための鎧にもなってくれる。
作品のフェティッシュをこういう使い方出来てたのも、良い”バドリーマン”話だったと思う。
あと絵に書いたようなイヤーな上司に喧嘩打って、負けられない理由を積み上げていく動きも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
あのオッサンの戯画上司っぷり、どーかなと思う所もあるけど、わかりやすい敵役と超えるべきピンチがいてくれたほうが、クライマックスは盛り上がるからな…。
というわけで、新たなる高みを目指すべく断行されたバド部構造改革は、波風もありつつ受け入れられた…と思ってたら、健さんがとんでもないこと言い出したッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
良いよー凄く良い…。
捻じくれたガキの魂を支えてくれたつっかえ棒が取れた時、白鳥くんどんな顔すんのかなぁ…。
年齢差が幅広く取れる実業団だからこそ、セカンドキャリアを見据えての決断とか、まだまだ己を諦めない青臭さとかを、同じ箱に入れて描ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
大人になったばかりの新入りと、子供ではもういられないオジサンが同じ場所で、同じ夢を見る難しさと尊さを、今後どう燃やし尽くすか。
そんな期待も高まる、大変いい爆弾投下でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
膝に負担かかってる描写もあったので、持ち前の全力プレイが厳しくなってきて、竹田さんと同じ決断…って所かなぁ。
根回しと地固めしてから状況転がすの、オジサン特有のずる賢さ、優しさって感じがして好きよ…。
白鳥くんいい具合にアツくなってきとるので、ここで自分を立て直してくれた大先輩が揺らぐことで、魂の恩返しチャンスだと思うしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月20日
酒飲まないと本音吐けないイマドキボーイが、素面で燃える瞬間を楽しみに、次回を待ちたいと思います。
…こういう変化を書くために、酒を便利に使ってきたんかなー。