であいもん を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
京都の和菓子司”緑松”の跡取り息子、和は父が倒れたとの報を聞き、十年ぶりに実家に戻る。
そこには見慣れぬ少女・一果が、”跡継ぎ”として働いていた。
孤独で健気な子供と、のほほん芯なしクラゲ男の奇妙な生活が、古都を舞台に今始まる!
そんな感じの京都菓子司人情絵巻、ふんわり良い感じに着弾の第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
疑似家族お仕事ヒューマンコメディとして、なかなかカタいデザインと話運びかな、と感じた。
水彩調でしっかりまとめた美術が、美しい異郷としての京都を巧く形にして、そこにお話とキャラがスポッと収まる手応え。
期待を外されない安心感と、想定外の面白さが何処から飛び出してくるかというワクワク。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
これを両立できると面白いかなぁ…と感じるが、現状前者をしっかり組み上げた感じ。
何しろ第一話なので、無理に変化球投げてデッドボールになるより、まずは構えたミットにしっかり入れるの大事よね。
『京都・和菓子・人情噺』と三つ並べて、バキバキに波乱万丈なアバンギャルドを望まれるかっていうと、まぁそんなワケがないので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
美しい風景と移ろう四季を眺めながら、じんわり心にドラマが染み込んで…くらいで、丁寧にまとめる感じだろうか。
ここら辺の話運びは、今後を見ないとわからない。
お話としては糸の切れたタコみたいなヒョンヒョロ主人公が、どっしり伝統に腰を下ろした実家に戻って、ツンツン少女と出会って…という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
話のメインエンジンになるだろう和と一果の凸凹は、なかなか良い感じかと思った。
軟質な性格した子供っぽい大人と、張り詰めて大人になろうとする子供。
お調子者な和の良さや強さが何処にあるのか、正直理解はしても納得はしきれない感じの描画で滑り出したが、ここからもうちょい、グリップの強いお話が転がると良いかな、という印象。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
つーか一果ちゃんが置かれてる状況が、小学生にはキツ過ぎる…そらークラゲ人間にはムズいわ。
クズ客にハメられて”責任”取ろうと、一人で駆け出した時、親父さんが『誰か追いかけぇ!』っていい出した所最高にグロテスクで、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
あそこで自分が駆け出せない距離感が、今の”緑松”の現状なんだな。
そらー、放蕩息子のテキトー力を触媒に、化学変化も期待したくなる。
一果ちゃんが”責任”に過剰に縛られ、大人になろうと頑ななのも、クズ親に『いらない存在』として捨てられたトラウマが、強く反射してるのだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
そしてその頑なさを解けていないということは、なんか良い感じにはんなりまったり夢売家業してる”緑松”は、彼女のシェルターとして穴だらけだ。
一見のほほん京都日記風に見えて、相当ガタが来てる家に思えるし、多かれ少なかれ”家”なるものは、そういう隙間風が吹くものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
これを水彩調の美術に巧く逃がすでなく、泥っぽくその苦味を追いかけられると、巧く作り上げた柔らかさと面白い咬み合わせになるんじゃないかな、と感じた。
”緑松”で一番弱い立場にある一果に問題は収束しているように見えるけど、クラゲ人間もその親達も、色々背筋直さなきゃいけないポイントは多々あるはずで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
作品全体をつつむ柔らかで温かいムードを丁寧に維持したまま、そういう人間型の風穴にしっかり対峙し、一個一個治していけるか。
そこが個人的には大事かな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
人生の苦い感じは、ともするとセールスポイントである異郷の癒やし効果をガリガリ削り、『こんなん求めてない!』と拒絶される弱点にもなりかねないが。
巧く覆いをかけ、あるいは暴き、作品の雰囲気にあった描き方を刻んでいって欲しい気持ちだ。
そういう意味では、一果ちゃんが一人抱え込んでる重りのデカさと、そこをフワッとすくい上げる”親代わり”のありがたさは、この第一話なかなか上手く書けていたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
しばらく和が他人の人生問題集をお助けする形で進んで、主人公としての良さと強さを、間接話法で描いてく形…かなぁ。
僕はお話と出会う時『んで、なんでコイツが特権的に、湧き上がるトラブルを解決しうる存在なの?』と心のどっかで聞いてしまうタチなので、和を尊敬できる足場は早めに整えてほしいかな、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
軽蔑するほど悪いやつでは勿論無いが、兎にも角にも芯が見えない。
おそらくその闊達さが独自の強み…って話なんだろうが、クニャクニャ折れ曲がりつつも一本通ったスジが見えると、より主役…と、彼が背負うお話全体を信頼できるかな、という感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
ここら辺は群像劇の中、巧く削り出そうとする意志を、出だしから感じれはした。
とにもかくにも美術が印象的で、『皆が見たいであろう京都』を的確に形にしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
そこから更に半歩踏み込んで、都合のいい夢が踊る異郷としてではなく、血の通った人間が行き交う現場としての”京都”を、ヒューマンドラマと共犯しながら描けると、なお良い感じか。
これも扱いを間違えると一気に作品が濁る、難しい添加物なので、半端に混ぜるなら一切触らない方がいい部分なんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
ただお話の運び方、キャラが背負う物語が第一話の段階で、結構苦くて重いわけで、そこら辺と歩調を合わせた描き方になってくれるといいな、と感じる。
とりあえず”緑松”の外側にあるだろう、働き手でも看板娘でもない、ただの10歳の一果の顔が見たいな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
それを巧く構築できず、私人としての足場がないからこそ、あの危うい頑なさなのかもしれないけど。
学校で笑ってる姿も、友だちと遊ぶ姿も、”看板娘”と同じくらい大事でしょ。
しかしお仕事モノとしてはまず職場にフォーカスして、力点が何処にあるかをハッキリさせる必要があるわけで、もっとディープ&コアに和菓子屋の仕事を描く描写も欲しくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
和菓子に限らず製菓業は、体を酷使するフィジカル勝負とセンス命な芸術家業の入り混じった、大変な仕事だ。
そのハードさをちゃんと描いた上で、『でも、だからこそいい仕事です』と見せると、そこを舞台に描かれる水彩の夢も飲みやすくなるかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
ここら辺のファンタジーとリアリティのバランス調整は、作品を通じて何を見たいかっていう個人的好みの話にもなるので、まぁまぁ難しいが。
とまれ、作品が見せてくれたものと僕が見たいものは、キャラ、ドラマ、舞台設定…どこも完全には重ならず、しかしどこか通じ合う響きを感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
このズレが今後作品に付き合う中で広がるのか、狭まるのかは、なかなか楽しい旅路である。
美術がいいんで、ソレ眺めてるだけでもかなり幸せなのは有り難い
和が芯を感じられないが嫌なやつじゃないのはありがたくて、主人公として否応なく話の中心に立つキャラクターを、ストレス少なく見守ることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
あとは体温ある人間ドラマの中軸として、お話を牽引する背骨の強さが早めに見たい…って感じか。
東京に置き去りにしてきたはずの音楽が、一果の頑なさを解いて小さな成功を掴む第一話のオチは結構好きで、半端な音楽家の身の処し方の話としても、今後掘ってくれると嬉しいかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
次回も音楽に絡んだ話になりそうで、結構大事なポイントなのかもしれない。
あと和が大人大人してないのは、所詮他人でしかない一果との関係を、ベッタリ”親子”で染めない大事な足場だな、と感じてて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
親に捨てられた喪失を”緑松”で癒やしていくお話になるにしても、すぐさま他人を家族とは思いきれないから、いちねんどうきょしてもあの頑なさなわけで。
ならそこは、責任感を感じられない、立派な大人でもない所から自分たちなり、個別で独自で大切な関係を積み上げていったほうが、型にはまった”親子”を借りてくるより誠実かな、と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
このズレて冷たい感じを、どういうエピソードで埋め、際立たせていくか。
ワリと最悪な第一印象から始まった和と一果の関係構築を、どんなペースとテンポで描いていくかが、個人的には見どころかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
低いところに人情埋めていく形は、一果の眼を通して、現状わかりにくい和の良さ、強さを際立たせる仕事もしそうだしね。
俺は早い段階で、主役を好きになりたい視聴者。
この第1話で届けてきた作品の基本的なフレームと方向性を、今後物語が進む中でどう裏切り、あるいは補強していくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
そういう語り口の変遷も楽しみにしつつ、次回を待ちたいと思います。
夢と現実、苦さと甘さ。
その両輪を巧く扱えそうな期待感は、確かにあるスタートでした。次回も楽しみ。
追記 この感覚が『エンタメに対して求めすぎ。気楽に楽しめ』って言われかねないモノなのは一応自覚してるつもりで、そこら辺のバランス感覚も、1クールお話に向き合う中で自分の中、調整しつつ見直す必要があるのかと感じている。
であいもん追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
過剰に大人な一果が強張りを解し、年相応の子供に戻れる場所としても、芯がなく大人になりきれない和が擬似的に”親”になれる試験場としても、今後二人が構築していく疑似家族的な関係性は、変化の苗床として大事になりそうな予感。
ここで子供たる一果が否応なく背負う純粋さ、健気さを、権力勾配の上にいる”大人”の和が簒奪する形ではなく、お互い様に一歩ずつあるべき場所に進んでいってくれると、個人的には有り難い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
唐突に”子供”が出来る状況って、恋愛なり就職なり、ふつーに果たすべき責任のステップを一足飛びに飛ばせて。
色んな理由で大人になりきれなかった元子供が変化する物語の触媒としては、劇的だし良いところもたくさんある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
んだが、劇的だからこそ子供側から奪うものも山ほどあると思うので、そこに自覚的にアクを抜いてくれると、出されるモンも食べやすい。
ここは実際のエピソードで掘って、始めて見える部分
なので掘り下げの端緒に付いた第一話では絶対に見えない部分でもあるので、ややガードが上がってる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日
元々の好みと、加齢に伴う変化が合わさって、””付きの”疑似家族”のヤバさ怖さを、結構警戒するスタイルになっちゃったなー、共思う。
もう自分の中で素直には食えない食材なんだな、て感じ
だから作品なり手びねり、一果が一果らしく子供となり(そこから、求める責任を背負える大人へと踏み出し)、和が和らしく大人となり(持ち前の子供っぽさをより良く使え)、二人が”親子”になっていく歩みと、がっぷり四つで組み合って欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月6日