SPY×FAMILY を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
”西”陣営最高のスパイ”黄昏”に与えられた新たな任務、それは家族を作ること!?
凄腕スパイが捕まえた、任務のための偽物の娘。
アーニャは”被検体007”として、ロイドの心を読みながら奇妙な日常へと進み出す。
果たしてその先に待つのは家族的喜劇か、シリアスな悲劇か!?
そんな感じの総発行部数1500万の超怪物が、満を持してのアニメ化である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
OP髭男、ED星野源、監督は”ガンダムユニコーン”の古橋監督で制作会社はWIT×Clover Works。
『ぜってぇ場外までかっ飛ばす!』と、座組の段階でバットブンブンぶん回す、圧倒的な気合が感じられた。
色んな意味で上がったハードルであるが、実際のジャンプとなるこの第一話、大変丹精で手応えのある仕上がりとなり、軽々と飛び越えていった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
フツーにめちゃくちゃ面白くて、構えた所なくスムーズで、原作の良い所が120%で発揮され、ロイドさんはかっこよくアーニャは可愛かった。
素晴らしい。
自分は原作既読者で、様々な面白さをギュッと詰め込みつつ食べやすい仕上がりに、毎回感心させながら楽しませてもらっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
嘘まみれの疑似家族コメディ、シビアなスパイモノ、裏街道の血生臭さ、子供の小さな世界…。
キャラクターごと個別の物語があり、それが絡み合い新しい面白さが生まれる。
色んな要素を貪欲に乗っけて入るものの、家族の物語に必要な人情と温もり、他人が家族になっていく交流の面白さがしっかりとした柱になって、要素を個別に分散させない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
キャラの魅力がギュッと話をまとめ上げ、多様さが散漫にならず、ひとまとまりの魅力としてしっかり形になってる。
この完成度が原作第一の強みだと思っているわけだが、流石に古橋監督、これを見事にアニメに咀嚼し、”原作通り”に仕上げてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
ビタッとハマる声優の好演、70年代ヨーロッパの匂いを全領域に漂わせる見事な美術、いいタイミングで暴れるBGM。
そしてけして崩れない作画と色彩。
力こぶの資金提供に応える、アニメとしての強みも随所でうなり、大変に楽しい視聴となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
こんだけ高精度に、原作既読者が見たいイメージをアニメートさせるの本当に大変だと思うけど、完璧に成し遂げてるの凄まじいな、と思う。
期待通りで想像以上。
正解であるが、達成はあまりに難しい。
お話は非常にテンポ良く進み、この世界がシビアな東西冷戦の渦中にあること、主人公”黄昏”はその安定を担う影の戦士であること、次なる任務はコミカルな家族劇であることが、開始3分でスルッと入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
必要な描写を最適に差し込んで、とっとと楽しい場面に移る思い切りの良さ。
これを下支えしているのが美術の良さで、車のデザイン、鞄の質感、建物の作りが作中のリアリティ、漂う空気を見事に教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
『だいたいこういう時代で、そういう雰囲気』ってのを、無言で伝えられる美術がけして崩れないのは、本当に強いなと思う。
情報圧縮の強度と精度が、とにかく段違い。
サクサク話は進んで”黄昏”はロイド・フォージャーとなり、孤児院からピンクの天使を回収していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
はー…アニメのアーニャほんま可愛い。
原作からしてマジ可愛かったが、”動く絵”であるアニメになってみると、ちょこまかちょこまか小さい物体がロイドさんの周囲をぐるぐるぐるぐる…ッ!
ロイドさんが世界平和を背負った生真面目ボーイなので、自由奔放で無垢なアーニャが物語の潤滑油として、可愛いことはとても大事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
その冷静な内面を、エスパーである彼女が受け取ってくれることで、スパイの仮面が一気に剥がされて、人間としての地金も見えてくる。
OPで小気味良く示されたように、ロイドさんは顔も名前も人間関係も簡単に捨てれる冷酷なスパイ…と思えて、超がつくほど人情派である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
戦争にズタズタにされた幼年期を、アーニャと不器用に向かい合う中で再獲得し、それを壊させないために世界の守護者をやってる。
このお話は世界に見捨てられた超能力少女が、優しい”ちち”に抱きしめられる話であると同時に、冷たく情を投げ捨てたロイド少年が、自分の中にある人間性を抱きしめ直す話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
支え合うのはお互い様、ワイワイガヤガヤ”家族”をしながら、世界に満ちた苦しさを少しずく、楽しく変えていく。
そういうシリアスなヒューマニティが、軽快なコメディを壊さぬ強さと角度で的確に差し込まれていることが、ただ笑いを消費するだけで終わらない気持ちよさを、作品に宿してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
スパイ×超能力者×殺し屋。
薄暗い秘密も血なまぐさい過去も背負う、嘘の家族が今後、お話の中で作られていく。
しかしそこに宿る温もりは本物なのだと、どっしり展開されるアーニャ可愛いフェイズが教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
アーニャは読心能力つうチートを持っているのだが、4歳児に相応しく使い方が拙くて、でもその必死さが、子供なり厳しい世界でなんとか生き延びようとする切実さを伝えても来る。
嘘を暴く読心能力が、アーニャがロイドさんにすがる嘘の足場になって、でもそれは”生きたい”という、誰も否定しようがない真実から生まれてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
お話がスタートしたこの段階で、スパイの物語に相応しい虚実が、結構複雑に…その難しさを見せないように踊っているのは、いいスタートだろう。
大人びた奸智(”ちち”の本領)を悪用して生き延びようとするけど、アーニャはアニメとカリカリベーコンが好きなただの子供で、でもそうであることを許してくれないくらい、この物語の舞台は実は厳しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
だからこそ、その理不尽に立ち向かうロイドさんがヒーローとして、カッコよさを際立たせも来る。
ロイドさんの見せ場は暴力的な暗闘…もあるけど、”ちち”を演じる中道具であるはずのアーニャにガンッガンほだされ振り回され、嘘が真になっていく様子にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
暖かな家庭、平和な日常。
スパイとは縁遠いはずのものをこそ、ロイドさんは求めて与えられなかった。
だから、大事にしたい。
それこそが彼の”真”なので、ロイドさんは生真面目に”家族”を勉強し、不器用ながら”ちち”であろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
任務遂行のための”嘘”は、実は我等がヒーローが厳しい人生の中諦め、忘れていた宝物を掴み直すための運命でもあったわけだ。
ここら辺のダイナミズムが、第1話から元気なの好き。
どうやったってアーニャ(そして娘に優しい”ちち”)を好きにならざるをえない”FAMILY”パートがキッチリ半分で終わって、”SPY”な薄暗がりと暴力が後半パートに広がっていくの、見事なペース配分だなぁと感心する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
敵が待ち構える我が家の暗さが、場面転換のメリハリとして非常にいい。
作画も前半アーニャを切り取ったコミカルな仕上がりから、体重移動に力を入れたリアルでスムーズなものへと変化していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
お話の”調”が変化したことを、動きのトーンを変えることでしっかり伝えれるコントロールの良さは、お話全体に満ちたこのアニメの良さだろう。
敵のボスが銃を抜き、命を奪うところの冷酷な滑らかさは、アーニャと”ちち”の奇妙で平和な世界が、作品の一面でしかないことを教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
暴力的な暗さは”黄昏”をずっと覆っていて、かつてアーニャを超能力者にし、カリカリベーコンを食べさせてくれなかったものだ。
そしてロイドさんは、新しく作った”嘘”であり、ずっと自分が求めていた”真”でもあるアーニャを取り戻すべく、ハードなアクションを軽妙に乗りこなしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
少女の涙を通じて、自分が何をしたかったかスパイが思い出す展開はベタながら、やっぱり最高に良い。愛の戦士…。
ズラがどーしたこーしたって下らない導入から、ガチで命を取り合うシビアさに一気にツッコむ落差も、また良いんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
なんだかんだ、メインテーマに選んだ冷戦(の前景である、”黄昏”の少年期を奪った熱戦)の重たさ、暗さは、コメディにせずしっかり向き合っている。
その上で、『家族皆で笑えたほうが良い世界だろッ!』と、シンプルな人間讃歌をがなりたてようとする所が、僕は好きなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
可愛いかわいいアーニャは泣いてるるより、笑ってる方がいい。
冷酷無比なマシーンと自分を規定していた”黄昏”は、そういう答えを”嘘”から受け取って、任務に戻る。
ボスを脅迫するにとどめ、”家”に返す決着、嘘まみれの家族生活の中で”黄昏”が何を手に入れたかを簡勁に語ってて、凄く好きなんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
道具として利用したかつての恋人に、手切れ金として情を手渡した終わりでもあって、小粋でクールで…正しくスパイ的な決着だな、と思う。
かくして奇妙な家族生活も悪くないかな…となるわけだが、”ちち”が凄い嘘つきであると語るアーニャは、”黄昏”が失った童心を窓際大きく開け放って覆いがなく、ロイドさんはスパイの陰りに未だ、少し包まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
はー…アーニャはほっぺが真ん丸だねぇ…。
(画像は”SPY×FAMILY”第1話より引用) pic.twitter.com/0ea6MhKphM
こういうさりげない構図で、キャラクターが何を背負い、相互に何を手渡しうるかをしっかり明示できている所とか、『アニメとしての骨が、とにかくごん太だな』と思わされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
こういうキレた構図が、自己主張少なめに随所で牙を研いでるの、WIT STUDIO×Clover Worksの地力を痛感させられるわな。
”黄昏”はずっと閉じた窓の向こうに、『泣いてる子供を、平和な世界を守りたい』って夢を隠し続けてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
それは今、嘘まみれの任務で出逢ったアーニャが開け放ってくれて、この絆はもっともっと色んなモノを、この窓から連れてきてくれる。
そういう未来が、ここにしっかり書かれとるわけよ。
この仮面の奥の赤心を、アーニャの異能は余すことなく受け取り、”ちち”が優しい人だと…カリカリベーコンくれるカッコいいスパイだと、ちゃんと理解している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
『世の中こんなもんさ』と、大人なロイドさんが背中を向けたとしても、アーニャは子供の純朴さで世界の真実を、確かに伝えてくる。
それが超能力者の素性を隠し、年も頭脳も偽った嘘まみれの悪ガキがやってるのが、また面白いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
彼女を特別で、ともすれば不誠実な存在にしてしまう異能に頼らず、”ちち”と二人三脚勉強頑張った努力で試験を突破していく描写、やっぱ良いよね…。
全人類、現実の厳しさに張り詰めた氷の戦士が、知らぬ間に求めていた温もりに鎧を外してしまう描写は大好きだと思うので、ラストカットの親子像はもちろん最高。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
アーニャとの日々に警戒をようやく解けたロイドさんだけでなく、実験動物扱いされてきたアーニャも、安住の地を見つけたのだ。
というわけで、大変に精妙で美麗な第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
めちゃくちゃ良かった。
全部いいけど、やっぱアーニャが可愛くてロイドさんがカッコよかったのが良かった。
話を牽引する最強のエンジンは結局”そこ”なので、そういうシンプルな強さが初手からブン回ってるのは、本当に偉い。
こっからどんな魅せ方で、僕の好きなお話をアニメにしてくれるか信頼と期待しか高まらねぇスタートでしたが、嘘つき一家には新たな試練が…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月11日
奇妙な家族に加わる”はは”は、一体どんな女なのか。
ヨルが背負う影と暖かな光を、アニメはどんな風に描いてくれるのか。
次回も大変楽しみです。