ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
バイトに部活に、忙しく走り回るひよりの前に、突如立ちふさがるハードル。
赤点じゃ大会に出られないと焦るマネージャーに、”LIP×LI`P”も次第にほだされていく。
一つの山を超えたと思いきや、MV撮影でとんでもない事件が!?
そんな感じの青春山あり谷あり、徐々に三人の距離が縮まってきた第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
前回溢れかえる最悪力を発揮していた”LIP×LIP”であるが、今回はちょっと優しいところを見せて俺とひよりちゃんを篭絡しに来た。
『そ、そんなんじゃ揺るがないんだなからねッ!』と言いたいところだが、結構良かった。
顔合わせる度いがみ合ってる二人だが、なんだかんだ常時ニコイチで画面に映り続けてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
その存在を隣に許容してる時点で、相性と雰囲気が良いってことなんだが、そういう事にも目がいかないくらいに子供なんだなぁと、奇妙に二人の発育段階に納得がいく回となった。
今後話が進むにつれて、気に食わないアイツを実は結構気に入ってる自分に、ひよりちゃんから助け舟など出されつつ気づいていくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
そういう成長の種が結構色んなところにあって、意地悪王子様も太眉のシンデレラと一緒に、ちょっとずつ変化していく話なんだと思う。
ファンの顔を見ないアイドルという問題点は、前回FT4パイセンにも指摘されてた部分で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
外面だけ整えた嘘の偶像が、自分たちを見つめ本気の声援を送ってくれる存在の価値に気づくことで、真のアイドルとして目覚めていく。
そういう熱血ストーリーの最前線に、ひよりちゃんは立っている。
名前も知らない所から始まったひよりちゃんが、最悪の素顔を知りつつ二人の人格にほだされ、段々恋に落ちていく過程は、”LIP×LIP”が”アイドル”になっていく歩みとシンクロしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
素敵な恋をするほどに、三人はより良いアイドルとマネジ…兼第一のファンとして、完成度を高めていく。
作品全体を貫通する変化勾配が見えてきたのは、第三話としてなかなかいい感じで、食べごたえのあるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
試験という壁を用意することで、ひよりちゃんが二人に頼らざるをえない状況を作り、二人もひよりちゃんから色々受け取って不器用に恩を返す、可愛いところを見せてくれる。
ピンチの圧力が高まるほどに、ひよりちゃんはヘンテコな表情をして凄い声を出すので、大変ありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
でもBパートの意地悪に凹んでる時は、僕が見たいひよりちゃんでは全く無かったので、洒落ですむ圧力でもって、可愛い珍獣を追い込んで行って欲しい。
冒頭、汗を流すひよりちゃんをがたがた言いつつ見つめてしまってる…その熱量を二人で共有しちゃってる時点で、『恋も友情も、もう開始(はじ)まってるぜ…』って感じだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
有象無象の一人と遠ざけたはずのモブは、溌溂と健気な眩しさを放って、少年たちの瞳を否応なく奪う。
最初は拒否った学業協力も、”応援”とはどんなものか、その在り方で答えを教えてくれるお礼として、ぶっきらぼうに手を貸してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
女の存在を遠ざけているアイドルに、唯一接近できる特別な女。
その上でそれを薄汚いエゴからではなく、無意識で平等な優しさから獲得していく。
ひよりちゃんのヒロイン造形は濁りなくオーソドックスで、嫌味なくスッと入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
この素直な『いい子だなぁ…』感が、”LIP×LIP”が知らずひより沼に沈み、ズブズブになっていく物語とシンクロしてて、なかなかいい感じだ。
そらー好きになるし、尊敬もするわいな。
アイドルがアイドルである意味も、自分が何を望んでいるかも信じつ解ってねークソガキが、ちょっとは大人になる触媒として、ひよりちゃんは大変良い仕事をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
少年を男に(無意識で清純なまま)”してあげる”ポジションは、無形の権力を下部構造から握り続けるズルさがあって、大変いい。
それは相補的な構造をもってて、ひよりちゃんの心の中にもジワジワ、二人が入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
最初はなんとも思わなかったひよりちゃんが心揺らされることで、”LIP×LIP”の男としての、王子としての強みが可視化されていくのも、スマートな話運びだな、と思う。
Bパートは絵に書いたような意地悪ライバルが波乱を持ち込み、それが”LIP×LIP”の女嫌いとぶっきらぼうな野生…そこから唯一排除されないひよりちゃんの特別さを、際立たせる話だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
厄介事を持ち込むためだけに最適化された流線型のフォルムに、俺ァちょっとビックリしちゃったよ…。
華やかな舞台に隠れる、影の濃いモブの領域。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
そこが自分の居場所だと思っているひよりちゃんを、眩しく照らす特別な光。
OPでも示唆されてるけど、おとぎ話…特に”シンデレラ”の類型はこのお話のメインエンジンとして駆動しそうだ。
特別な男によって特別にされる、特別ではない私。
『王子様がいなければ、お姫様の物語は成立しないか』というのは、例えば”トロピカル~ジュ! プリキュア”がかなりダイレクトに殴りつけたテーマだったりするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
プリキュア卒業した少女たちがメインターゲットであろうこのお話が、その類型をそのまま使うのか、なんらか変奏があるのか。
現代ポップカルチャーにおける御伽噺受容に、結構興味がある個人としては、ボサ髪太眉のシンデレラをどう描くか…王子様がどういう仕事するかは、今後楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
完璧なるプリンス・チャーミングというには、”LIP×LIP”は瑕疵が多い人格してるし、それを補う唯一の存在として、ひよりの特別さがある
青春の三人四脚を時にぶつかり時に転びながら、一緒に走っていく仲間として、それなりに対等な距離感なのは、なんとなく予測できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
その上で、どういう(巧妙に不可視化された)影響力の闘争、権力の構造が描かれていくかってことに、僕は興味がある。
作品を斜めから見る視線なので、趣味は悪いがね
華やかな光に包まれた男の肩に乗っかって、ガキを育んであげる優しき女の力を背に受けて、ひよりちゃんの自己実現は達成されていくのか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
そこら辺のなかなか見えにくい上下の関係を、どのぐらい緩ませ、崩し、自分たちなりの答えを物語の中に刻むのか。
あるいは、刻まないのか。
そこら辺のバランス感覚を、この青春絵巻から認識したいって観察の欲望が、結構自分の中で濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
これはもう一つの現実として作品に浸るのではなく、上から俯瞰で見下す視線なので、お話(と、それを好きな人達)に対し無礼かなぁ…とも考えるけど、それは確かにあるのでしょうがない。
ある意味醒めて遠巻きに、観客席よりさらに離れた場所からこの青春恋愛劇を見つめてる自分は、作品全体のシーンからは異物であり異端なんだろうなぁ、と思うが、まぁメインターゲットの年齢からも性別からも外れてっから、こういう向き合い方しか出来ない…のかなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
そういう離人的客観と同時に、三人の人柄がちょっとずつ見えてきて、お互いがお互いを心に入れてくる様子に共鳴し、ときめく気持ちもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
ワリと最悪な出会い方をした”LIP×LIP”の内側が、ひよりちゃんの難行に寄り添う形で徐々に見えてきて、いい具合に好きになってきた。
二人個別の人格に彫り込み、女を遠ざけ仮面をかぶる理由を暴いていくのは、こっから先の物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
なので現状ニコイチで描かれる場面が多い二人だけど、大事なシーンでは明暗を棲み分けて、個別の存在だと画面が強調する。
(画像は”ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜”第3話から引用) pic.twitter.com/q5G0OY8q6m
ファンに見せてる都合の良い仮面と、毒の強い素顔。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
キャラ自体の明暗と、ひよりちゃんを通じて”応援”の意味を知る場面に描かれる闇の中の光…あるいは薄汚れた女の欲望をザックリ切り落とす苛烈さが、巧く重なる表現だと言える。
現状”LIP×LIP”としか見えない、ニコイチの二人。
それが個別の事情と人格を見せてくれるのは、もうちょいひよりちゃんの瞳が、彼らの方に向いてから…かなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
クズ相手には流石に顔作らねー暗さは、ファンの思いを数でしか考えられねぇ冷たさが崩れてきた証にも見えて、なかなか良かった。
自己実現のステージをなかなか得られない灰かぶりと、脚光を浴びつつ見せるべき自分をつかめない王子様が、恋に仕事に青春に踊る中で、お互いを照らし合う物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
そういう意味合いも、結構強くあるお話なのかもしれない。
これは凄くシンプルなジュブナイルで、僕も好みの味だ。食べやすい。
恋が主軸のお話と解りつつ、そういう味わいも出てくれると嬉しいなぁ…と思わされる、良い題3話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
テスト対策を通じて心の交流が起こり、仮面と素顔がチグハグな王子様達が、ちょっとずつ変わっていく様子も見えた。
小さな恋心の種も、ひよりちゃんに入ったしね。
さてここからアイドルとして人間として、少年として少女として彼らの歩みがどうもつれ、どう進んでいくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月21日
次回がなかなかに楽しみです。
『いかに己の物語の主役となるか』つう、ひよりちゃんのセントラルクエスチョンが見えたのは、本当に良かったな。