シャインポストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
杏夏エピ後編! というわけで、ずっしりねっぷりその内面に潜るAパートと、諦めを踏破し輝く野望に飛びだつBパート、大満足の仕上がりだった。
春の透明感あるキャラ付けとは違う、ギラギラ眩くグラグラ煮立った、等身大の弱さと強さ。
それが凶暴に牙を剥いてて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
直輝のマネジメント、それが生み出す全体的な作風を考えると、杏夏の持ってるリアリティはともすれば、春より主人公力高いかなー、とも感じる。
でも無敵の才能でぶち抜いてく役も、泥臭く諦めを踏み越えていく役も、両方いて面白くなるわけでな…。
冒頭、直輝に噛みつく杏夏の表情が、獣のように歪んでいて最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
このアニメ、あんまアイドルをツルンと可愛いお人形さんとして書く気がなくて、その内側にある泥臭くギラついた人間の顔を、大事に話作ってる感じが強い。
痛みに怯え、変化に震える、等身大の弱さはしかし、生々しく魅力的だ
優等生だからこそ自分の身の丈と立ち位置が見えてしまって、傷つかないポジションに先回りして諦めたフリ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
そんな彼女の防壁を、直輝の異能は簡単に突破してしまう。
ギラギラ輝く嘘の奥にある、本当の願い。
あまりに純粋で、だからこそ叶わなければ致命傷な夢を、えぐり出して板に乗せていく。
直輝の魔法が全然優しくなくて、生半可じゃねぇアイドル道を突き進むために必要な、痛みも力もガツガツ要求してくるのが、真実TiNgSを信じてるのだと思えて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
あの人醒めた顔して相当アツいし、アイドルも人間も好きなので、無茶振りに体重預けたくなるんだよな…面白いカリスマの書き方だ。
ここで雪音が怒りを顕に、本気の思いを叩きつけに来たのも大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
名前は冷たい感じなのに、この子も魂の奥底がメラメラ燃えていて、序盤で見せていたイジりも仲間が好きだからこそと、後出しで評価が変わっていく。
こうしてキャラを理解っていくのは、物語の醍醐味ともいえよう。
物わかり良い諦めで逃げてしまう杏夏と、クール装って本気でぶつかってくる雪音は良い対比でもあり、ユニットは違えど同じ事務所、同じアイドル、色んな個性がぶつかり合って生まれる輝きを感じることが出来た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
おまけに逃げ出した仲間を探すほど、まっすぐに仲間思い。コイツ…好きになれるッ!!
雪音様のツンデレもそうだけど、直輝が見据える嘘の輝きが、必ずしもマイナスではない様子がだんだん積み重なっていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
気恥ずかしいから、あるいは直視するには辛すぎるから、人間がどうしても真っ直ぐ見れない輝き。
嘘は自分の中の本当と、魂が摩擦を起こして生まれる黄金に満ちている。
『嘘は悪いものだ』という社会通念を上手くひっくり返して、巨大過ぎる嘘を観客にも、自分にもつかなければいけない”アイドル”を切り取る刃に使いこなしているのは、やはり優れた物語の技芸である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
そして巧さだけでなく、切実だからこそ嘘で鎧う少女たちの赤い血が、しっかり宿っている。
ずっしりと一人芝居、内面と過去を吐露する杏夏の語り口には、凡人が夢と出会い呪われ、それでも諦めきれない苦しさがしっかり宿っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
こんぐらい深く、腰を落としてキャラに潜ってもらうと、杏夏という少女の魂がその泥臭さ含め、良く伝わってありがたい。
これを最初からやられてたら重たすぎたけど、まず色々問題のある現状を描き、杏夏の内面に興味を向けた上で、ガッツリ彫り込む形にしたのが良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
嘘と諦めと強がりの多い彼女が、一体本当は何を望んでいるのか。
なぜアイドルを夢見て、なぜ叶わないのか。
そこんところを、螢との出会いから初めて艱難辛苦の旅路、特別になりたくてなれなかった苦しさを交えて、しっかり描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
サイリウムを”素晴らしい棒”っていう所とか、ライブ行ったり買い食いしたりが”悪いこと”なピュアさとか、苦しい話運びの中でも、チャーミングな部分が濃く出てたのはグッドだ。
帽子と眼鏡で武装して、”オフのアイドル”演じてる自意識の強さは初見時鼻白んだけども、この『おめー変装ってタマかよ…』て認識をキレイに逆手に返して、特別な存在として見つけて欲しかった願望と、それが敵わない悲しみへと繋げていったのは、大変素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
妄想の中で演じられる、ちょっとキャピキャピしすぎなアイドル・玉城杏夏。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
それが都合の良い夢だとイヤってほど思い知らされても、どうしても諦めきれない。
そんな女の子を、直輝は望み通り見つける。雪音様の優しいアシストもあるよッ!
そらー、ズブのズブズブよ。
嘘のビカビカでカンニングしているので、直輝は自分の言葉が突き刺さる場所、タイミング、強さを熟知しているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
でもそれは、都合の良い結果を引っ張り込むための、便利な嘘ではない。
心の底からそう信じていることを、素直に受け止めれられる好機に手渡す。
優等生を縛り付ける”べき”の鎖を、内側から湧き上がる”したい”でぶち破ることこそが、アイドルとして正しいんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
お前は今、やりたいことをやっていい。
それこそが、賢く諦めていた少女がずっと欲しかった言葉であり、今までの頑張りが正しく報われるための、魔法の導きでもある。
クールに感情を制御して、程々に分相応に生きて行く賢さは、杏夏に泣くことを許さなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
しかし魂の奥底まで見通し、そこで暴かれる赤心に本気で向き合ってくれる男(ひと)を前にして、ようやく心から哭ける。
そのくらい信じられる相手って、杏夏にはなかなかいなかったんだと思う。
杏夏の泣き顔がぜーんぜん整ってなくて、かなりガムシャラでブサイクなのが、最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
抑え込んでいた鎖が弾ける時、獣はそういう顔をする。
そういうむき出しの感情に向かい合って、燃え盛る情念を絵の具に”アイドル”描く話なんだと、理解らせてくれるのはありがたい。
回想シーンで、天才・青天国春に対するコンプレックスをギラつかせていたのも、ただただ仲良しじゃいられないユニットの、芸能界の、”アイドル”の複雑さが薫って、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
あんだけ嫉妬やら羨望やらに焦がされてなお、杏夏は春のこと大事で好きなんだろうなー…そこがいい。
弱さもエゴも全部吐き出して、それでも残った最後の輝き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
譲れない願いは、誰にも見つけてもらえない、特別にはなれない自分を、嘘にする夢だ。
そのギラついた願いこそが玉城杏夏なのだと、悪い子な自分をこそ誇れと、直輝は導いていく。
教師としても、相当有能よなこのメガネ…。
というわけで挑むラストソング、”一歩前ノセカイ”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
古参オタクたちがTiNgSの”歴史”覚えてて、これがトリに来て杏夏が真ん中に立つ意味しってるのが、スゲー良かった。
そういう泥臭い失敗とか全部ひっくるめて、ファンは”アイドル”という物語を共犯していくわけだな。
体幹と表情の差異をかき分けて、春の才覚、杏夏の限界を示す細やかな演出力は、今回も健在。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
曲が始まり、トラウマに食われかけている時の硬い表情が、自分の中に確かにある眩さを掴んだ時に解けて、自然と特別な”アイドル”の顔を作っていく様子も、繊細に描かれていく。
この”質”の使い方、ホント好き
前回冒頭の悪夢で、杏夏はのっぺらぼうの世界にとらわれて、でも”おキョン”をずっと見つめてくれてたトッカさんの瞳こそが、彼女が”アイドル”になる…夢の輝きを己に引き寄せる決定打になるのが、大変ロマンティックだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
それこそが、あのエゴイストが翔ぶための翼なのだ。愛だなー…。
”一歩前ノセカイ”って曲名も凄く良くて、杏夏の新境地を祝福する未来志向と同時に、一歩後ろにあるトラウマに再度向き合って、過去を取り返せばこそ未来に進めるっていく、再帰のタイトルでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
自分はこんなものと、ギラついた嘘で縛り付ける鎖を砕くには、真正面からぶち当たるしかない。
一歩先の世界に踏み込むためには、一歩下がって過去を殺すしかない瞬間が、確かにあるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
そこを乗り越えて、杏夏はときめきの弾丸でトッカさんを殺す。心より、本望であったろう…。
過去こそが未来に飛び立つ力になるという表現は、思い出ボム炸裂しまくりの特別EDにもしっかり宿ってた。
杏夏の葛藤が激しく荒れ狂い、薄っぺらな表皮を剥ぎ取って地金を見せてきた、この二連作。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
しっかり感動が湧き上がるいいEDをラストに持ってきて、その成長と変化を真っ直ぐ伝える終わり方になったのは、作品が持つ地力を教えてくれる。
こういう、真っ向勝負こそが強いアニメなのだ。
嘘の輝きを帯びていない…帯びることが出来ない春の透明感にくらべ、杏夏二部作は泥臭く、嘘まみれで、人間らしい話運びとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
その両輪あってこそ、”アイドル”は成り立つと描く上で。
そして、そんな人間的な嵐こそが少女を育て上げ、”アイドル”にしていくのだと伝える上で。
凄く良いお話だった
杏夏の自己卑下と停滞は、結構な数の人が共感できる当たり前の挫折であり、だからこそ散々苦しんだ挙げ句乗り越えていく物語には、強い共鳴が生まれると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
こういう泥臭い味付け、ど真ん中の芸能根性物語を走りきれると示せたのは、大変いいことだと感じた。
アイドルコンテンツ飽和時代、死海を泳ぎ切るのにあえて飛び道具を使わず、ジャンルの超ド真ん中で勝負を仕掛けてきたのは、現状正解に思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
この真っ直ぐな作風だと、雪音様のアツさが最高に生きそうでもあって、今後の活躍にも期待が高まるね。
というわけで杏夏は一つの壁を超え、『玉城杏夏は《目立たない》』が否定されるべき大嘘だとしっかり示した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
残るはTiNgSのマスコット、勇なき獅子たる聖舞理王である。
杏夏をぶっ叩いた語り口のエグさを考えると、ボッコボコにされるだろうなぁ理王様…マジ楽しみ。
杏夏中心にぶっとい話やりつつ、その端っこで理王がどんなキャラで、超えるべき課題は何処にあるかを示せてもいるので、次のお話に予測と期待が立つのが良いよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
四話付き合う中で、結構な数いるキャラが立って、『コイツはこういう事する』って先読みできるのは、作品との対話成立してる感じがある
自分の弱さを認められず、中身のない強がりで震えを隠している弱虫は、果たして本物の獅子へと己を変えることが出来るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月3日
今回殻を破った杏夏が、仲間の変化を後押ししてくれることを期待しつつ、楽しみに次回を待つ。
ボッコボコにしてやってくれ…そこからしか伸びない、輝きがが確かにあるから。