シャドーハウス 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
同期の知恵を結集し、見えてくるローブの奥の真実。
埋められた手紙に誘われ、対峙してなお見えぬ闇の奥に、揺蕩うのは願い。
館の欺瞞、シャドー出生の秘密を知って行われた惨劇は、何を望んでのものか。
ケイトの決意を試すように、暴かれたその正体は…
そんな感じの、亡霊騒動クライマックス開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
個別回と重なる形で書かれたヒントをより集めて、唯一の答えにたどり着く。
”誰?”は解っても”何故?”が見えない状況を確認しつつ、モーフ時代の記憶を持ち、館の嘘を憎む犯人は、革命を望むケイトの鏡として機能する。
星付きになるための点数稼ぎ、館のシステムへの迎合という側面を持ってる、今回の騒動。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
これ自体がケイトと仲間の絆を深める大きな試練であり、主人公が真実求めるものは何か、似た立場から選択を間違えた”もう一人の私”を描いて、強く問いかける機会なのだろう。
革命者よ、汝は何を信じ求めるか。
マリーローズと対峙し、亡霊騒動を引き起こした動機を聞く中で、ケイトは否応なくその根源を問われることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
『疑われてムカつく』という、ひどく等身大な苛立ち含め、自分がどんな存在で何を望むのか、ちゃんと答えなければいけなくなる。
謎解きは外部の事件だけでなく、主役自身にも及ぶのだ。
というわけでその前段階、同期総出の推理タイムからお話は始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
全員の知識を寄せ集めてみると、推理の前提になっていたすす量基準の憶測が間違っていたことがわかり、そこから消去法で真犯人が見えてくる。
一見無駄足であるけども、可能性を探ったことは無駄ではない。
解らないことが解ったり、出来ないことが証明されたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
すでに在る結論に縛られず、自由に事実を見つめる科学班的姿勢は、ケイトと仲間たちが権威に縛られていないから成立する。
ルールとシステムに雁字搦め、あらゆる結末が既に決まっている館では、珍しい態度だ。
しかしちゃぶ台返しからのやり直しを恐れず、事実を集約し真実を探る姿勢がなければ、犯人を探ることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
館のシステムは政治的・社会的にだけでなく、知的態度としても、子供たちを強く縛っていた。
同期会のてんやわんやは、そんな館のスタンダードからの逸脱でもある。
そこでは生き人形は”顔”としてではなく、個性と意見を持った大事な仲間として扱われる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
主より賢かったり、見えていないものが見えたり。
そんな当たり前の事実を尊重することで、影だけでは見えてこない真実へと、近づくことも出来る。
公平であることは、知的効率を上げるのだ。
館は子供たちにより善く、人間らしくあって欲しいなど願っていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
館が規定する形で、権力とシステムに都合の良い存在として、既に決まった結論を追認し、強化して欲しいだけだ。
そこに多様性はないし、可能性もない。
真実もなければ、公平さも変化もない。
すすまみれのどん詰まり。それが館だ。
モーフ時代の記憶を持ち続けているケイトは、自分が人権の窃盗犯であることをよく知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
ローブ様もその記憶を共有し、他人を巻き込み傷つけることをためらわず、大きな騒動を企んだ。
ケイトが慎重に、犠牲少なく進もうとした道を、年上世代の叛逆者はより過激に突き進んだわけだ。
それが何を求めてのことかは、次回以降明らかになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
うっすら透けている館のシステム、その残虐を思うと、ちょっとは動機が推測できる感じもあるが…先走るより、どっしり描写を受け止めたほうが良さそうだ。
ケイトが博愛と正義故に、心に叛逆の旗を打ち立てたように、多分そこには愛がある。
しかしそれが、誰も傷つけず犠牲にしない、正しい道に繋がっているとは限らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
シャドーはその存在からして、特定個人へのエゴが否応なく強化される。
”私の生き人形”は、その他大勢より遥かに大切な存在だからこそ、ローズマリーの顔は白いままであり、双子は死の寸前まで追い込まれていく。
この館も、私という存在も、生まれつき不正義に汚れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
ケイトとマリーローズの出発点は同じで、しかしその歩みは決定的に異なっている。
ケイトは慎重に立ち回りつつも、同期を信じ、その自由を尊重した。
エミリコが大事だからこそ、自由な意思を重んじてきた。
普段のマリーローズが、他人を蔑ろにする暴君だった…というわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
しかし双子を陰謀の凶器として道具化し、システムによって殺される現状を知りつつ突き進んだことは、(館の外の倫理では)尊重されるべき命を、蔑ろにする行いだ。
正義のため、欲望のため、死ぬべき命と生きるべき命を分ける
その特権が、どこから来ると考えているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
今後の対話は、マリーローズの傲慢なるエゴ(に、結果としてなってしまったもの)と、その危険性をはねのけ公平を体現する宿命に在るケイトを、強く照らしていくだろう。
ケイトは主人公として、館とシャドーの真実を識るものとして…
糾弾する相手と同じ道は歩けない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
しかしその出発点…モーフという存在の特異性、館の欺瞞と不正義への反発は、探偵と犯人で同じである。
では、何が道を間違えさせたのか。
犠牲を生む歩みは、大望の前に正当化されないのか。
ここら辺を、騒動の決着として問いただす流れになりそうだ。
逆に言うとケイトの正当性は、どれだけシステムが規定しても消えない個別の尊厳…命と自由意志を尊重することに立脚している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
ここを蔑ろにしてしまえば、どれだけ切実な祈りだろうが、正統な抗議だろうが、館に渦巻くどす黒い悪と同質の、不当な存在になってしまう。
なってしまったのがローブ様…か
巨大なシステムに食い殺されないために、賢く…あるいは狡猾に立ち回る必要性が、ケイトにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
方便としてシステムに奉仕し、星付きへの点数を稼ぐ行為自体が、大きな目的を忘れさせ、薄汚れた手段に飲み込まれる結果を産まないか。
ローブ様の問いかけは、そんな指摘も内包している。
過酷な現状を生き延びるために、嘘を重ねて悪を行う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
そんな過程も大事だろうが、知らず一線を越えてしまえば後戻りはできない。
己が選んでいる生存の手段が、果たして大きな望みを叶えるのに相応しいのか。
名探偵にして革命者たるケイトは、そんな自問を続けなければいけない。
ここを正してくれるのも、自分と異なる他者のありがたさだとは、既に描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
目的論に凝り固まっていたケイトは、同期会をただ楽しむ姿勢をエミリコの思い出から取り出し、結果その気楽さが、仲間の協力を産んだ。
自分一人では集めきれない情報が、真実に近づく大きな助けにもなった。
連帯こそが独善を砕く最強の武器であり、ローズマリーは同期たるバービーとの間に、それを育めなかった…ということか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
そう出来なくなる必然が、クリストファーの死によって生み出された…てことなんだろうけども、絆を打ち砕く楔は、一体どこから来ているのか。
ここら辺も、次回語られそうである。
やっぱ二期でクローズアップされた年上世代は、主人公と同じ魂の輝き、真実への祈りを抱えつつ決定的に間違えてしまった、”主役になり残った犠牲者”として、作中に配置されているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
その過ちと弱さは、ケイトにとって真摯に見つめるべき鏡だ。
この館に食われれば、誰もがそうなるのだ。
では何が、犠牲をためらわないテロリストと、希望に燃えた革命者を分けるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月26日
亡霊騒動の真実はここら辺を明らかにしてくれそうで、次回の過去語りが楽しみである。
ここまで出たヒントから、自分なり考えてる推測の答え合わせも出来そうで、そこもワクワクしている。