ちみも を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
最終回一個前! 嵐の前の静けさ、穏やかな日常をじっくり彫り込むぞ!! という回。
第1エピでふみおとめいの甘酸っぱい青春絵巻、第2エピで鬼神家の優しい現場をスケッチしつつ、”家族”を話の芯に入れてガッチリ立てる作りとなった。
一見フニャッとしてるようで、この手堅さは流石。
ふみおは父親に反発して家を出、ここではない何処かを求めて”エメラル”の元へとやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
それは家族が隣りにいるからこその反発で、一年に一回も戻ってこない(からこそ、親に依存せず自分の足で経ってる)鬼神家とは好対照を為している。
親父は解ってくれない、飛び出して世界を見る!
そんな反発が、家の経済力と親の存在感に依存した甘ったれであることを、ふみおは鬼神家滞在から勝手に学んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
金持ちのボンに生まれついた自覚なしに、何かと財力権力志向がぶん回ってるふみおの生っぽいヤダ味、このアニメらしい切り口で良かったな
いるよね、ああいう人。悪い人じゃないんだが
いかにも思春期っぽいゆるふわ反抗キメてるふみおに、めいは説教っぽいこと一切しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
ドタバタ騒がしい日々の中、見栄坊な自分を維持しようと手一杯で、しかしそんな狂騒がふみおを変え、それを鏡に自分を鑑みる。
事実を守らずありのまま。
そう決めたはずなのに、”エメラル”という嘘をつく。
誰も傷つけない可愛い身勝手を、めいはふみおとのドタバタを通じて小さく乗り越える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
このちょこんとした一歩がとてもチャーミングで、この作品らしいな、と思った。
あくまでまったり重たくなく、可愛らしい日常を積み重ねつつ、ちょっといい話風味に。
このバランス感覚は、シンエイ動画の本領か。
ちょっと『うぜーなやだなー』と感じつつ、ふみおは前のめりなリスペクトを、めいは素直な感受性を仲立ちに、お互いいい影響を与え合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
姉たちは先走ってそれを恋だと思い込むけど、簡単に看板を付けれない不定形な関係性が、二人の間に生まれていた。
ここの手触りも、凄く良かった。
生っぽい欠点も当然ありつつ、基本風通し良く明るく楽しく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
日常コメディとして良いところを狙い撃ったキャラ造形が、SNS世代の青春物語を嘘なく、オリジナリティのある手触りで見事に削り出していた。
第1エピで活写された青春のスケッチ、凄い良い体温あったと思う。
”親”にふみおが見せる反発と依存が、鬼神家におけるその不在と、それを埋めてる地獄さんの存在感を照らして、第2エピに繋げる構成になってるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
鬼神家の両親は、踏み込むと湿度と重さがガン上がりするのであえて触られなかった領分だと思うけど、幕引きを前に慎重に筆先を伸ばしてきた。
親がなくとも子は育つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
15分の鬼神家スケッチは凄く穏やかで、地獄さんとちみもがすっかり人間界に、三姉妹の家族として馴染んだことを教えてくれる。
『ちみもの可愛い所、全部出すぞッ!』という気合を感じる日常描写が、たっぷり見れて良かった。
マスコットアニメでもあるので、そういうの大事ね
ちみれんぼを忘れてしまうほど楽しく、姉妹と地獄さんは家に宿った思い出をたどる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
その距離感まで踏み込むことを許している時点で、四人の間柄は既に深い。
ドタバタ楽しく、時にシュールにシニカルに積み上げていった、なんてことない鎌倉の日常を苗床に、豊かな花が咲いたもんだ。
そんな事を確認するのは、最終回で激しく揺らすからであり、まったりアニメがしっかり終わるためには、がっぷりシリアスやんなきゃな! という話でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
地獄さんを取り巻く環境が結構シビアでシリアスなことも、ここまで着実に積み上げてきたからな。そらー荒れる。
同時に地獄さんが獄卒稼業まーったく向いてない、鎌倉でまったり人情コメディやってるのがお似合いの”人間”であることも、今回含め丁寧に描かれたわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
鬼としての自分と、人の家族である自分。
その狭間で何を選ぶか、次回は望んでいたものがしっかり見れそうだ。
あの家族写真は地獄さんの人間証明書で、ああいうモノを形にできてしまう人は、誰かを傷つけたり陥れたりするのが、致命的に向いてない人だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
一緒に暮らす中そう感じたから、三姉妹は”親”っていう、気にしてないふりしつつ彼女たちの中でかなりデカい居場所を、彼に許したんだと思う。
何気ない日常スケッチのようでいて、『サバサバカラッと対応しているようで、かなり重めの感情渦巻いてるな…それを表向き整理しきって、自分達なりの人生生きてる三姉妹強いな…』と思える仕上がりになってるのは、凄くこのアニメらしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
こういう陰影が乗ると、グッと奥行きが増す…気がする。
『金持ち彼氏ゲットだぜー!』と、生臭い匂い振りまきつつ姉たちが誤解してる、ふみおとめいの関係。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
それがすごく真っ直ぐで爽やかな、お互い敬意を持って影響し合う甘酸っぱさで、もしかしたら”恋”になるのかな…と想像した所でピタッと止まるの、上手いなーと思う。
こっから先の二人は見たくなるし、描かれないとしても豊かな想像は広がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
二期狙ってる匂いを嗅ぎ取りつつも、それはコンテンツビジネスの全体の調子次第だろうなぁ…などと思う。
アニメはあくまで呼び水、本命はグッズとコラボ企画…かなぁ、とか思ってんだけど、どうだろうか?
さておき、地獄さんと三姉妹のお話としてしっかり足場を定め、色んな楽しさを提供してくれたアニメも残り一話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
今回あえて”親”に筆を伸ばしたのも、ナイーブな場所まで踏み込める距離感を彼らが作り上げた現状の活写…それを切り崩す嵐の前触れだと思います。
崩す前に、積み上げたものをちゃんと書く
ハチャメチャ自由に、無定形にのんびりやっているように見えて、こういう基礎をキッチリ積み上げているところが、このアニメのいいところだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
さて次回、優しすぎる鬼はどんな未来を選ぶのか。
とても楽しみですね。