映画”特『刀剣乱舞-花丸-』~華ノ巻~を見てきたので、感想を書きます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
モリッとネタバレになると思いますので、そこはご注意&ご容赦を。
雪ノ巻から始まった三部作もこれで完結ということで、バトル成分多めの派手目な展開となっていました。
分断された遠征組をスケッチしつつ、主軸は安定&加州
拾い物の玉鋼から偶発的に呪いを受けてピンチがやってくる展開は、正直ちょっと予測からズレてました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
もうちょい過去の因縁に絡めた、歴史伝奇っぽいネタを押し込んでくるかなーと予想(&期待)してたけど、それは土佐組と修行でやったから…痛話しかな?
時空転移装置がぶっ壊れたことで、遠征中の3組18名の刀剣男士が帰還不能となり、これらの描写をはさみつつ審神者救出作戦が転がっていく筋立て。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
審神者の心に花丸本丸、始まりの二振りが潜っていく展開は、この作品にとって一番大事なものを最後に描きたいから、選んだ戦場な感じもありますね。
…っても僕はゲームの方を触っていないので、結構意識的にプレイヤーの一人称的当事者性に重ねて物語を編んできたこの映画に、潜りきれていない部分もあると思うんですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
あの寂れた本丸って、つまりサービス終了(あるいはログインしなくなる)の暗喩なのかなと部外者なり想像とかしたけど…
そこを実感込めて断言する資格って、自分だけの刀剣乱舞に一プレイヤーとして潜っている人にのみあるのかなと、”遊ぶ”って体験を結構尊重する立場から考えたりもしました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
だからあの寂れた本丸に反射しているものとして、僕が受け取ったものは薄くて大事な一線を越えれてなくて、そこ語るのもズレる
とはいえ花丸アニメで刀剣乱舞に出会って、映画館に三度足を運んで今回の終幕を見届けた”アニメファン”としては、当事者性のある断言する資格はあるだろ、とも思ってます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
そういう立場からまず感じたのは、最後に加州と安定に話が戻ってきて良かったな、ということ。
花丸本丸を彩る色んな事件や日常を転がしつつ、重たく湿った感情を結構な時間映画で切り取られてきた二人は、やっぱり僕にとっても”始まりの二振り”で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
審神者の一大事を、本丸代表して解決するならやっぱ彼らだろうし、”二人”ってのは話が迷わず描けるギリギリの人数だったとも思う。
何しろ遠征中の18人、それぞれの刀剣男士っぷりも切り取らないけないし、本丸で信じて待つ人達のスケッチにも時間使うしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
一人では孤独に過ぎて、三人では軸がブレる。
そういう状況であの二人なのは、花丸新参とはしては納得の人選でした。
色々乗り越えて分厚くなった背中を、見送れた感じがした
同時に二人は、顔がないゆえに万人でもありうる”わたし”を受け止めてくれる刀剣男士代表でもあって、時折乙女ゲーっぽい一人称視点でスチル挟まれるの、妙に面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
さっきはああ書いたけど、僕が花丸という”好きになれた、面白かったアニメ”を忘れてしまった時…
僕の本丸もあんな寂しい風景になってしまうのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
でも…正直やってくると思ってなかった映画三部作を、楽しくかっこよく、このアニメのどこが好きだったか思い出せる手触りで届けてくれたことで、願いの桜は僕の心にも咲いてくれた。
そうしてくれたのは、愛すべき彼ら刀剣男士の物語だ。
僕は映画三部作が、付喪神の噺として編まれてるのが好きだ
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
流れ積み重なる史実と、そこを流転するモノとしての刀剣をベースにしつつ、独自のキャラクターと活躍、心と絆をもった、美青年の形をした妖異として彼らを書いてきたのは、日本刀というモノ、刀剣男士というモノに向き合った書き方だと思った
彼らは正しい時空の守護者でありながら、人の営みに交わることを許されないマレビトであり、あくまで歴史を影から護ることしか出来ない、日陰の存在だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
その目だてなさを恨むことなく、秩序の懐刀として従順誠実に責務を果たす姿が、道具ベースの怪異だなぁ…と愛しい。
江戸の水心子にしても、平安京の江たちにしても、一瞬心を触れ合わせてなお、自分達の素性も名前も開かせない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
刀でもなく、人でもない。
本丸にしか彼ら異形の居場所はないし、それでも集って笑える居場所がある。
そんな安らぎが壊れる今回は、ひとまずの幕に相応しい本質的危機だったように思う。
審神者には台詞も顔もないが、そんな寄る辺ない刀剣男士の寂しさをなぞる形で、彼らの中心にあるその引力、居場所を与える温もりに存在感が生まれていて、面白くも良い書き方だった気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
審神者が主体的に動いて大事なものが生まれるのではなく、大事なものがあるから審神者の尊さが削り出される
逆転の筆致であるけども、花丸最大の武器である可愛げがいい仕事をして、なかなか良いものが描けたと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
時に思い切り楽しみ、時に血まみれで切り結ぶ。
奇縁の果てに手に入れた人の形を、全力で自分なり楽しみきろうとする心意気。
その足場は、不在なる審神者が作ったのだ。
一時の屋根代を稼ぐべく、鶴丸PプロデュースのHEIANアイドルステージに踊り来る江ボーイズには思わず笑ってしまったが、歌い踊る喜びは未来を求める力にもなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
あそこで鶴丸が古参兵っぽく、ルーキーの不安を気楽に吐き出さえて、あったけぇメシ食わせて安らぐの、すげー好きなんだよね。
前二作でも大事に描かれてたけど、TVシリーズで迷って笑って何かを得た連中が、映画の新入りの面倒見てる様子を見てると、不老の付喪神にも確かに時が流れて、得るものがあるのだと思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
その変化こそが人の人たる由縁だから、マレビトの宿命、異形の出生を背負いつつ、彼らは愛すべき隣人たりうる
ここまでは小言の多い姑役頑張ってきた長谷部が、剣士の本懐を見せたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
のったり生きてるように見せてる三日月が、ここ一番で有言実行の太刀さばきを見せたり。
古参のカッコいいところが多く見えたのは、とても嬉しかった。
青江が持ち前の霊感を鋭く、事件解決の鍵拾ってるの好きだなー。
太平の世に不要となった鍛冶技術を、それでも伝える包丁屋は、つまり”今”の反射なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
もはや刀槍が戦場の主役である時代は終わり、人を殺すならもっと効率のいい兵器が沢山ある。
それでもなお、刀剣が継がれ愛される意味と理由はなにか。
あそこのやり取りは、かなりダイレクトに語っていた
水心子は刀剣それ自体ではなく、”水心子”という人が生み出したモノ全体…そこに宿る物語の付喪神なので、そういう曖昧ながら大事なものに触れるのに、良い人材だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
生真面目すぎるほどに生真面目な彼が、思わず時を忘れ夢中になってしまうほど大事なものが、あの街角にはあった。
それが名前なく時代に流されていく、当たり前の人間との触れ合いから形になっていくのが、優しいマレビトの微かな救いのように感じて、なんだかとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
マブダチのそういうナイーブなところを、ちゃんと理解してあげてる清麿…の不安を、しっかり見つめる獅子王隊長も、人情深くてGOODでした
三部作見届けてみると、見てよかったな、という気持ちが強くある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
雪月花それぞれフォーカスを変えて、刀剣男士と花丸本丸の魅力がどういうものなのか、考えた末の物語に挑んでいたのは、とても良かった。
それを味わうことで、”刀剣乱舞 花丸”というアニメのどこが好きだったか、ちゃんと思い出せた
同時にかつて積み上げた善さに溺れることなく、映画だからこその楽しさ、新キャラクターの魅力にしっかり向き合って、形にしてくれたのも嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
映画組だと静形と水心子が、特に好きかなー。
あと菜切くん外見はピンクのロリなのに、立ち回りに老成したところがあってすんげぇ良い。
華やかなイケメンが時にコミカルに、時に颯爽と楽しさを届けてくれるサービスもありつつ、時空SFであり付喪神伝奇である作品の特色を、腰を入れて受け止めたお話が作られていたのも、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
刀それ自体でなく、沢山の人が紡いだ夢とか業とかの集合体として、物語られることで生きるマレビト
その儚さが、気楽で楽しい物語にひっそり陰影を付けてくれてたのが、僕好みで良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
重くなりすぎないけど、彼らが確かに生きしていると分かる悩み、そこに手を差し伸べる仲間を書いてくれたことで、ヒューマンドラマとしての奥行きもあったし。
なんだかんだ、人情ある話が好き。
というわけで”特 刀剣乱舞花丸”三部作、楽しませていただきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
やっぱね、雪ノ巻を見た時に自分が花丸の何を好きだったか、思い出せた感覚が有り難い映画でした。
それが三部作ずっと続いて、新しい好きがいくつも生まれてくれたのは、大変良かった。
いい映画、いいアニメでした。ありがとう。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月15日
精神世界での決着が、闘争という非日常に迷い込んだ”かかし”なのが、花丸らしくて好きだった。
そういう日常の象徴こそが彼らの強みであり、ここまで紡いできた物語だから、それで勝つ。
それは一つの決算になるだろうこの映画から溢れた、かなり強い吠え声だったと思う。