シャドーハウス 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
亡霊騒動は哀しき心中立てで決着し、館には日常が戻る。
煤がかかった認識は晴れ渡り、瞳には欺瞞と抑圧がよく見える。
周囲を取り巻くのは敵ではなく、犠牲であり同志。
燃える志が二人を結び合わせ、誓いも新たに一歩を踏み出す。
この館は、間違っている…と。
そんな感じのケイト様の闘いはこれからだッ! な、二期最終話であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
亡霊事件自体のピークは前回ラストで終わっているので、今回は長めのエピローグというか、これからの闘いの序曲というか。
何しろ原作完結していないので高望みと知りつつ、アニメで見届けてぇよ~マジ!
さておき、内通者にして二人目のローブ様であるアンソニーの接触などを受けつつ、マリーローズ最後のレッスンを糧にして、ケイトとエミリコは未来へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
叛逆の意思を表に出せば、即座に叩き潰される過酷なシステムの中で、敵も味方も欺きながらの革命劇。
双子の片割れが”壊れた”事から見ても、大義のために犠牲を飲み込むアンソニー型の革命は、おそらく運命に愛されない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
誰にも頼れないまま影と主、お互いの掌で両手を塞いでどん詰まりに突っ込んでいったマリーローズ型の反抗も、上手くはいかなかった。
ならばケイトはどんな闘いを、エミリコとともに進んでいけば良いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
最終話は館の日常をどっしり描きつつ、そんな難問に向き合う回だったと思う。
棺での目覚めから生き人形の日々を追う構成は、謎めいた覚醒から始まった一期第1話と重ねて見るべきなのだと思う。
あの時は何も知らぬまま、館の命じる心なき人形でしかなかったエミリコは、”お披露目”やいくつかの陰謀をくぐり抜け、ケイトや仲間たちとの絆を深め、辛いこともたくさん受け止めて、すっかり変わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
残酷な真実も、人が死ぬ意味も、それでも大切にしなければいけない価値も、よく分かっている。
だからこそPTSDに動けないベルを破棄するという、館のスタンダードな価値観に背を向けて、再起を信じてリスクを背負う道を、班長として選ぶことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
人命と尊厳を焚き木にして、進み続けるこの館は間違っている。
それはもはや主からの借り物ではなく、エミリコ自身の信念だ。
今回エミリコは色んな表情を見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
絶望の中、微かな希望を拾い上げるような切ない笑顔。
過酷すぎる現実に、思わず陰る憂い。
その歪さに周囲の人々が飲み込まれ、受ける衝撃。
それでも立ち向かう、決意の眩さ。
(画像は”シャドーハウス 2nd Season”第12話から引用) pic.twitter.com/98UhvgNSUI
理知的なケイトになりたい純粋さを担当するだけと思いきや、エミリコは既に賢く、強く、自分だけの成長をしっかり果たしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
それは精神力を削る過重労働を半分受け持ってくれる、貴族(≒シャドー)らしくないケイトと共に在ることで、得られた変化だ。
ケイトはエミリコを自分の”顔”…表情なき怪物のコミュニケーション・ツール、館の中の社会的体面、いつか取って食らうべき人間性の”お手本”としてではなく、自分と違うからこそ尊い他者として、余計なことを考える人間として暑かっってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
その自由が、エミリコの可能性を伸ばす。
館が押し付ける規範を当然視してしまえば、一回間違えたり、ハンディを背負った個体は”使えない”と烙印を押され処分される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
そんな目先の効率で潰される個人にこそ、生きながらえるべき価値があり、尊厳があることを、エミリコの豊かな完成はしっかり受け止めてきた。
それでも、シャーリーもマリーローズも死んだ。館に殺された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
そんな悲惨を当たり前の損耗として、人間らしい悲嘆にくれることも許さず駆動していく、巨大で顔のない怪物の館。
大人の力は巨大で、進むべき道はいつでも綱渡りで、しかし諦めるわけにも行かない。
なぜならば、エミリコは自分が人間であることを思い出してしまったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
洗脳コーヒーと過重労働で魂を削り取られ、その上に書き込まれる館への忠誠。
50人からの子どもたちが”当然”と思い込まされている社会の邪悪さに、気づいてしまったからだ。
考える自由は、奴隷の身分には重荷である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
コーヒーに思考を鈍らせ、自身を体制の道具と思い込む安楽に、エミリコも一瞬惹かれる。
余計な…人間らしいことを考える行為を罪悪と、刷り込まれた思考はよぎる。
その度、常に隣に立つケイトが思い出させる。
私たちは、人間なのだと。
太陽の化身のようなエミリコでも、館を覆う大きなシステムに、単独で抗うのは難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
ケイト自身も一人では、持ち前の賢さが仇となって敵を作ってしまう様子が描かれた。
人の尊厳を削り取り、食い散らかして巨大化する館に立ち向かう時、連帯こそが最大の武器となり、自分を見失わない導となる。
カオナシの怪物が人間の形を簒奪するべく編まれた”生き人形”というシステム…そこから生まれるかけがえない絆が、館の息の根を止める決定打になる…かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
マリーローズとローズマリー、クリストファーとアンソニーという、『二人いてもダメだった』世代を既に書いてるのが、奥行きあって良い
シャドーと生き人形、二人きりの関係に狭く閉じた距離感は、あまりに巨大なシステムと闘うには脆い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
敵味方の前提をぶち壊して心をつなぐ…例えばエミリコが”お披露目”で見せたような広範な関係性が、50人の生贄を運命から救うためには必須である。
それを掴み取るためには、ケイトもエミリコももっと強く、正しく、優しくならばければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
今回エミリコが様々な顔を見せたのは、成長に伴う痛みを飲み込んでなお前に進む、決意と感受性の現れだろう。
真実を知るほどに、未来に突き進むほどに、辛いことは増えていく。
逃げたくなることは勿論あって、しかし特別な誰かの手を繋ぎ、自分の手で誰かを支えることで、嵐に耐えることも出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
エミリコは館での経験から、そんな自分の強さを…邪悪な抑圧に死んでも飲み込まれたくない正義を、学び取っている。
幼く純粋なまま、エミリコは”大人”になっているのだ。
そんなエミリコの”顔”はケイトの失われた面でもあって、表情豊かに揺れる人間性は、彼女の主から学び取られたものである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
泣くことを許されないケイトの代わりに、エミリコが泣く。
感情に流されがちなエミリコの代わりに、ケイトが鉄の無表情を貫く。
そういう補い合いを幾重にも重ねながら、二人は試練を越えて館の真実を知り、それに立ち向かう決意を固めてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
亡霊騒動と数多の死体を経て、その足取りはむしろ力強い。
残酷な社会に勝ちきれなかった者たちの無念を背負って、私たちは負けない。
そういう決意が宿る。
それが二人と同じ柔らかな感性と優しい心根を持ちつつ、現実の嵐に翻弄され居場所を見失ったバービーとバーバラに届き、過去の革命では共に進めなかった場所へと、彼女たちを押し上げて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
そう、強く願ってしまう。
バーバラ&バービー味方になんないの、心情的にも作劇的にも”嘘”でしょ…。
現状ケイトとバーバラを繋いでいるのは、星付き筆頭と優秀な幹部候補という怜悧な益なんだけども、その表層を引っ剥がした場所にある情と志こそが一番深く響き合ってる関係なので、はようそこに光が届いて欲しいんよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
まぁ下手に近づくと、情け容赦なく腹キックだけどな。見事な後ろ回しだった…。
物語が始まった段階では眠れる子供でしかなかったエミリコは、今回の幕引きに己の意思を強く示し、館に喰われる未来を明確に拒絶した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
贄の運命、捕食者の残酷を飲み込ませる十重二十重の包囲を打ち破り、命と魂本来の尊厳を取り戻す戦いは、長く険しい。
しかし志と決意こそが、唯一無明を照らす。
亡霊騒動…それが顕にした敗残の過去を経て、今後の革命に最も必要なものを主役たちが持っていると示して、シャドーハウス二期は終わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
過酷な道のりと微かで確かな希望を示す、良い終わりだと思いました。
マジ続きアニメで見てーッ!!!(欲張り人間の断末魔)
謎めいた屋敷を舞台に、幼子たちの健気な冒険と主題に据えた一期に比べ、過去との対照で進んでいく二期は一見、やや地味な印象を受けます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
しかし”お披露目”を終えて社会的立場が変わり、自由に動ける範囲が広がったからこそ見えてくる残酷な真実は、幼い時代にも伸びていた影。
『こういう感じなのかなぁ…』と推測していた部分に補足が入りまくり、館の超ろくでもないシステムが顕になるにつれ、それに人倫を以て立ち向かう主役を心底応援したくもなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
秘密と冒険にワクワクするだけの時代は終わり、自分達を食い殺す巨大な怪物に立ち向かう決意を定める時代。
”お披露目”な鮮烈なイニシエーションを終えた後の物語として、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
バーバラ&マリーローズ世代に深く切り込んだことで、厄介な奴隷頭に見えてた星付きの人間味、苦悩、重たい過去が鮮明になり、かつて抗って叩き潰された人たちの無念を背負う形になったのも良い。
ケイト達は主人公として、運命に選ばれた特別な存在なわけだけど、そうなれなかった世代があればこそ、その革命に譲れぬ芯と熱い魂も入るわけでね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
そう終わるしかなかったローズマリー達の旅路を、詩情たっぷりに描ききってくれたこと…それを”レッスン”としたことが、凄く良かった。
ケイトの革命は確実に正しく、絶対に成功しなきゃいけない偉業なんだけども、周りにいるのが個性ある人間だからこそ、道程は険しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
理想のデカさで人生の小さな…そして大事な側面を蔑ろにすることなく、人間関係の構築を丁寧にやってくれたのも良かった。
ケイト様は暗闇に顔を上げ、高き理念を揺るがさない人だからこそ、細やかな機微にうとい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
そこをエミリコとの楽しい日々で生まれた変化が補い、理想を掲げつつ情にも通じた良きリーダー、優しき革命者として、彼女の彫りが深まったのも良かったです。
真相があらわになるほど館のクソっぷりは際立ち、それを打破する主役の奮戦を応援もしたくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
ケイト達が綺麗な理想に守られるのではなく、とても厳しく辛い現実に揉みくちゃにされつつも、だからこそ牙を研ぐ構成も良い。
試されない信念など、紙より薄いからな…。
この決意を新たなスタートラインとして、ケイト達の革命はまだまだ続いていくのでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
その先にどすぐらい絶望だけでなく、熾火のようにしぶとく理想が燃えているのが、この作品の良いところだと思います。
現実はあまりに残酷で厳しいが、それ故諦めきれぬものがある。
そんな凄く古臭く、普遍的な倫理を柱に据えて物語がここまで走ってくれたこと、ここから新たに走り出すことが、僕はとても好きだし、偉いなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
だからね…やっぱアニメで見てーわけこの続きをッ!
美術も演出も、ゴシックの雰囲気を逃さず常時最高だからよぉ…動く絵で見てーの俺はッ!!
幾度目かの発作はさておき、苛烈で残酷で…だからこそ惹かれるなドス黒い闇と、そこに取り込まれず闘う主役の魅力、両方で楽しませてくれる素晴らしい作品でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月26日
ありがとう、お疲れ様。
とても楽しかった。
彼女らの革命の行き着く先を、どんな形で見届けるかじゃ解らないけど。
いいアニメでした!