イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

宇崎ちゃんは遊びたい!ω:第3話『宇崎ちゃんは学祭に行きたい?』感想ツイートまとめ

 ガタイだけ見事に育った思春期ボーイ&ガールの一進一退ラブコメ、今回は大学生活の一大イベント、学園祭に挑むッ!
 ってもキラキラキャンパスライフに全力投球ってわけではないので、ダラダラ低体温で行くの行かぬののたくって、行ったら行ったで煮えきらず、なんともこのお話らしい温度感で進行していく。
 この微温はいい塩梅に暖かく生っぽくて、結構好きだったりする。

 毎度ながらの榊のお節介で、どっからどう見ても学祭デートを堪能しカップル占いまでやってる、先輩と宇崎。
 亜実が持ち前のコンテンツ消費根性を抑えたのもあって、状況の進展に結構大きな一打になったんじゃないかと思う。
 逆に言うとこの二人、横から押されないと全く関係が変化しない、今の生ぬるい”遊び”で健全に終わってしまっても良い距離感で安定している。
 宇崎は先輩を独占しちょっと優越した位置からウザい絡みを延々続け、先輩はそれをウゼーとぼやきつつ憎からず、あやふやな半煮え距離感で向き合い続ける。
 一人間として、性欲と愛情を有した一雌雄として、なんか七面倒くせぇ責任とかを背負わなくても続けられる生ぬるい距離感に、一生浸っていたい。
 こうして書き出すと、個人として覚悟が足らないとか状況変化が怖いっていうよりも、柔らかかな保護膜で包まれた永遠のモラトリアムに微睡んでいたい、読者側の欲望を反射したセッティングな感じもある。

 しかし占い爆弾で火がついた後の鍋グツグツを見てみれば、二人の本心がそこで止まっていたくはないのは明白であり。
 なんか二期から急に推されるようになった、クドいナレーション演出で補助線引かれているように、生ぬるい恋愛綱引きからゴロリと転がる素地は、既に出来上がっているのだ。
 そこまで仕上がってなお付き合ってない……と言いはる、潔くはない身悶えを遠くから見守る視点は僕の中にも確かにあって、亜実がやってる他者のコンテンツ化をあんま責めれねぇな、とも思う。
 それは無責任で安全で、文句なしに楽しい。
 だからこそ歯止めをかけて、濫用しないよう自覚したほうが良いものなのだろう。

 さておき、見てて美味しい生態系を意地せんとする亜実と、積極的に介入して状況を前に進めようとする榊が手を組む形で落ちた純情爆弾、一体どう作用するか。
 モラトリアムの生ぬるい水の中を、延々イチャコラしながらのたくってる様子を楽しむこのお話の中で、二人の恋路はとにかくジワジワ進む。
 同時にちょっとずつ前に進める意識も見えるので、この仕掛けが生きる様子も楽しみである。
 占いによって恋愛感情が表面化し、グツグツ煮込まれていくシーンよりも、冒頭先輩に声かける前の調子くれた『先輩には私しかいないし、ということは私には先輩しかいないのだ。望みのままあの人を拘束する関係でいて良いのだ』と、自己暗示気味にテンション上げてる時の宇崎がキモくて良かった。
 あいつ、こういう欲望に全く無自覚なのがな……自分がすでに穢れていることを知らぬまま、永遠の思春期に微睡んでいられると思うなよッ!

 そんなわけで、モラトリアムの水面にちょっと波紋が投げ込まれる、楽しい学園祭でした。次回も楽しみ!