シャインポストを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
遂に迎えた中野サンプラザ決戦、TINGSの旅は…続くッ! という最終回。
良いところも気にかかる部分も、色んな意味でこのアニメらしいラストになったと思う。
いつものように、色々こねくり回しながら感想を書いていく。
まず開場前の現場の空気を結構な長尺で捕まえて、アイドルを好きな人達の息吹みたいなものを、しっかり奏でようとしていたのは良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
”On Your Mark!!”のライブ表現もそうだが、このお話はキャラクターが確かにそこに在る実在感を、相当大事に進んできたと思う。
今まで余裕を持って、汗もかかず舞台をやりきってきた春が今回は、他の四人と同じく自分を出し切って舞台に立っているのだと、語るのではなく描く姿勢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
これは作品の特徴であり、特長であり…難しさにもつながっていると思う。
前回用意された秘策、杏夏が『間違えない』を越えていくための挑戦。
それがWセンター楽曲であること…何がどうなってその試みは難しく、挑戦しがいがあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
ここら辺をわかりやすく予兆させ、あるいは現場のリアクションで際立たせる試みは、あまり行われなかったと感じた。
『ここでドカンと勝ちにいきますよ!』というポイントが、見てる側に届きにくい。
これは第6話における理王の”歌”と同じで、それが切り札になるのなら事前のタメなりヒキなりしっかり作って、予感と期待を携えてカタルシスに向き合いたい気持ちに、このお話はあまり応えないない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
同時に演者や表現のフィジカルがとにかく強いので、実際描かれたもので問答無用に納得するパワーがある
二次元で描かれるライブはどうやったって生身の実在感が落ちるものだが、クオリティと魅せ方に工夫をこらしたライブパフォーマンスは、今までの”アイドルもの”から半歩進んだ圧力を最後まで宿していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
彼女たちが確かにそこにいて、少しずつ善くなっている。
そういう実感をステージごとに感じ取ることが出来たのは、発展途上なTINGSの物語を飲み込む上で、とても大きな支えになっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
『結果として凄いものが見れたので、杏夏の挑戦は形になったのだろう』と、逆算でドラマを補強するような強さが、今回のライブにもあった。
そして問題克服の主体として杏夏に足場を預けすぎた結果、他メンバーの変化や成長を、クライマックスに薄くしか感じれなかったのも、なかなか難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
杏夏は自分のために編まれたエピソードのその先、強気な減らず口を叩きTINGSを導くタフさと、安定感の先にある輝きへと進めたかもしれない。
しかし他のキャラクターもこの中野の舞台に至るまで、自分なりの変化を生み出す足場に時間を使ってきたはずで…しかし、その成果はあまり見えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
難題を甘く見すぎない慎重さや賢さは杏夏の特権であり、同じくらい重たい経験を経てきたはずの理王や雪音は、体験をリセットされたように気楽に進む
これは最終回単品の瑕疵ではなくて、そこに挑むまでのキャラの描き方、エピソードの繋げ方の話にもなってくるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
春をTINGSに留める挑戦の舞台は、アニメの総決算となる勝負は、TINGS全員がここまでの物語があったからこそ勝てたと、僕は納得して終わりたかった。
フリが弱いのは、作品タイトルにもなってる”シャインポスト”の描き方もそうで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
螢との出会いと対話が、春が”シャインポスト”を目指すきっかけとなっており、物語の起点そのものだった…という展開自体は良かった。
今まで散々少女たちを導いた、直輝がそんな過去を忘れてたのも、茶目っ気の在る描写だ
しかし春が螢の舞台から感じ取り、”アイドル”を目指す導引となった『全ての人の好きを尊重し、抑圧されない世界』という夢からは、あまり明瞭な輝きを感じられなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
そう思わざるをえない抑圧や、好きを好きと言えない人達の姿が描かれてたら、それを作中の真実と受け止めれただろう。
しかしTINGSとそのオタク、他アイドルが切磋琢磨する世界は、既に存分に好きを吠えて認め合い、互いに受け止め幸福であったように感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
(これ自体はこのお話の凄く良いところで、テーマとなる”アイドル”がどれだけ強い光になるか、しっかり描けていたと思う)
その上で春が”シャインポスト”を求める切望が、過去の描写なり現在のステージなりに鮮明に描かれたかと問えば、やはり疑問が残る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
苦難や挫折に満ちてなお、輝きを求める己のエゴをステージに眩く光らせて、誰かを導く憧れになる。
そこに説得力を出すには、このお話の舞台は綺麗で明るい。
それは露悪ならば”リアル”だという短絡的な発想から離れて、綺麗なものをあえて見据える姿勢でとても好きなのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
ここら辺、蓮ちゃんのプライドを折ったと思い込み、それでもなお”アイドル”にしがみついた自分のエゴを、春が認識していないようにみえる描き方とも通じてる…かもしれない。
青天国春の描かれ方はとても純粋で怪物的で、独特の魅力(あるいは魔力)を持った危うくも面白いものだと僕は感じたのだけど、作品自体が提示してくる彼女のスタンスはとてもピカピカでツルツルな、清潔極まるアイドル主人公のそれだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
これがズレなのか、僕の(大きめの期待込の)誤読なのか。
ここにも決着がつかぬまま、アニメはひとまずの幕を迎えることとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
何度か言ってるけど、春はフツーのキャラでも主役でもなく、そここそがこのお話の面白さになりうると思ってきたが、春と同じくこの作品も、そこに無自覚っぽい気配があるのがな…。
彼女の異様な存在質量に巻き込まれ傷つき、なお這い上がった蓮ちゃんには嘘のない魅力があって、TINGSの勝利も『まぁ…黒鉄蓮がOKなら…』で飲み込んだ部分が、結構ある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
まぁそう収まるように、異常執着に囚われた面白ヤバ女を、ラスボスにお出ししたんだろうけども。
とまれ、HY:RAINさんが蓮ちゃんを思い、共に進んできた日々が滲む描写は短いながら良く刺さっていたので、春がTINGSになることを受け入れることで、蓮ちゃんが真実『HY:RAINの黒鉄蓮』になれた事は、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
ここの暖かな透明感が、この話の終わりを爽やかに飲ませてる部分は大きい。
これは蓮と誉、久方の再開の描き方も同じで、穏やかながら強さの宿る対応でもう一人の親友、もう一人のアイドルに向き合ってる誉の伸びた背筋が、決着を受け入れる補助線となってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
こういう、サブプロットの簡勁な魅せ方、使い方の良さは、間違いなく作品の強みだったと思う。
この後アプリに物語が続き、未だ問題山積発展途上な五人の歩みは続いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
そこで例えば、春のぶっちぎりで他人ナメてるヤバさを誰かが突っ込んだり、自分の身勝手を嫌ってほど思い知らされたり、するのかもしれない。
そのために描かれかなったお話だったとしても、僕はその暗さが見たかった。
嘘に塗れた金色の輝きを、大事なモチーフとして進んできたこのお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
全ての起点となる螢のステージが放った魔的な光を上手く活かしたように、春の中にあるエゴイスティックな黄金へ踏み込み、えぐり出し試すようなお話を、アニメの中で見てみたかった。
しかし中野決戦のメインプレーヤーは杏夏一人に絞られ、春がピカピカ明るい態度、既に答えを出している鳥澄まし顔の奥で溜め込んでる(だろう)どす黒い黄金は、上手く切開されずに終わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
惜しい、という気持ちは濃くある。
同時にそういう黒いネトネトに、踏み込みすぎなかった故のまとまりだとも
エピソードごとに問題解決の主体となるキャラクターを絞り込み、超えるべき課題を複雑化させすぎない割り切りは、幾度もいうがこのお話の強みであり…個人的には不満の源でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
主役を立たせるために戯画化され、あるいは物わかり良く自分の中で問題を解決するキャラの、ツルンとした顔。
それをもうちょい、経験としても人間関係としても相互に響き合いながら見せてほしかったな…という気持ちがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
蓮ちゃんを僕が特に気に入っているのも、春に向ける感情、春から受け取った感情、そこから生まれた行動と変化が、刺激的かつ鮮明だからかもしれない。色んな意味で、分かり易い子だった
なにしろあまりに多くの作品が描かれ、あまりに沢山の答えが既に示されている、”アイドルアニメ”というジャンル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
そこに今更素手で、真正面から挑むのは蛮勇であり、しかし勝ちうるだけの強さをこのお話は確かに、持っていたように思う。
演者と空間の実在感に切り込んだ、精妙なライブ表現。
輝く嘘を可視化して、”アイドル”という呪いに絡め取られた苦しみを描きうる舞台設定。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
キャラを転がす時の心地よい呼吸と可愛げ、作品全体に漂う前向きな透明感。
それは本編でも良く生かされていたし、好きになれる手がかりが結構色んなところにある、いいアニメだったと思う。
同時にもう少しポテンシャルを開花しうる話運び、キャラの使い方もあったと、視ているだけの一視聴者には感じられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
硬さの残るダンドリ感が色んなところで顔を出し、キャラの成長はリセットされ、あるいはその芽を物わかり良く摘まれる。
フィナーレを飾るに相応しいケレンが、今一キマりきらない
『後半歩、高く飛べるだろうに…』というもどかしさが、ちょくちょく募る視聴だった…というのが、正直な感想である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
そう思わさせてくれるのは、このアイドルアニメ飽和時代においてなおなにか新しい輝きを、確かに感じさせてくれた証拠でもあるのだけど。
そんな可能性がアプリという新たなステージでどう羽ばたくのか、楽しみに思えるようなお別れをこのアニメから生み出してくれたのは、素直に嬉しかったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
色々惜しかったり気になったりするポイントはあれど、好きになれるアニメであってくれたのは、とても有難い。
アニメ単品で完結せず、まだまだ続くお話として転がしていく難しさも、お話を編む過程で多々あったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
それでもアニメだからこそ出来る表現をステージ上に、ギラついた黄金の夕焼けの中に、しっかり演出し届けてくれたのは、得難い出会いだ。
まーぶっちゃけ、あんだけ他人傷つけた実感ありつつ爆心地に戻ってこれちゃう、”アイドル”にならざるをえない春って夢に呪われた怪物以外の何物でもないので、ここから始まるお話はその怪物性に目をつぶるのではなく、話の軸に据えるくらいの転がし方してくれたほうが、自分的には飲みやすい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
どう考えても、作中描かれたことは綺麗でも素直でもない春の歪さ…それが生み出す暗い人間的魅力に凝集されてると自分は受け取ってんだけども、どーも語り口見てるとお話はそう感じてない気配があってな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
『オレって異端?』て誘い口、絶対叩きたくないけど、疑問で不安ではあるよ、ずっと。
さておき、色んな混じり物が”アイドル”に引っ付くご時世で、どストレートに王道に挑み、独自の魅力と存在感を出してくれたアニメで、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月21日
武道館対バンライブへと続いていくTINGSの物語に期待を込めて、ありがとうとさようならを。
お疲れ様でした!