アイドリッシュセブン Third BEAT!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
雨のステージに再起を刻んだTRIGGERは、しかし苦境にあった。
兄と弟、背を向けた家名と厳しい現実。
狭間で揺れる少年たちは、決意を秘めて未来を睨む。
”家”に傷ついてなお、それでもだからこそ。
かくして突き刺した刃はさかしま、道化を貫いた。
そんな感じのクライマックス直前現状確認ッ! アニナナサドビ第21話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
仕事も増えて順風満帆、あるいは涙雨の路上ライブを終えて気合十分。
そんな良い感じの気配を横から殴り飛ばすように、色んな人達を”家”の鎖がぶん殴ってくる展開となった。
冬も近いのに、この寒暖差は凄いな…熱出ちゃう
一織が気づいた、陸の怪物的訴求力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
それを暴走させかねないTRIGGERの苦境を越えるには、壮五が背を向けた実家の力が必要。
『家族は仲良くあるべき』と、幸福な自身の体験を他人に敷衍して語る龍之介の態度は、不幸な家しか知らない環を苛立たせる。
背を向けても、満たされても、”家”は何かを乱す。
この波風が了さんにまでおっ被さって、非人間的な嘲笑を徹底することで隙を消していた悪役が、素の声を出し始めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
なるほど、そこがアンタの急所か。
ずっと見たかった気もするし、見てみると寂しい感じもある。
月雲了のオリジンを垣間見るのは、結構複雑な気分だった。
このお話徹頭徹尾人間の物語だから、底なしの悪意で世の濁りを体現するように思える了さんも、主役と同じ生っぽい弱さを抱えているのだろうと、半ば祈りを交えて悪行を見つめてきたけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
陸が見せた家族への諦観に、了は『キミもそうなのか?』と共感を寄せる。
偶像の訴求力は、悪魔の鎧を貫通した。
そこから了の夢…あるいは悪夢が崩れていくのは、なんとなく想像がつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
目を見てしまえば殺せない。
相手に自分と同じ傷を持つのだ思える、共感能力が蛇めいた悪漢にもあるのだと見せてしまえば、その底も見えてくる。
一度見えた底をぶち抜いて、無限の奈落に引きずり落とす道もあるが…
了さんの描かれ方、扱われ方を考えると、まー終わりは近いのかな、という印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ぶっちゃけ了さんが出てきてからのアイナナは空気が生臭くて重い。
それはアイドル神話を語り切るために必要なリアリティを掘り上げるために、絶対に必要な色合いなのだが、長く付き合っていると見てる側の心が軋む。
了さんが差し出すものはあくまで否定され昇華されるべきアンチテーゼであり、本命はアイドルたちが体現する不屈の光でもあろうし、三期で一区切りをつけるためにも、無敵に思えた悪魔の弱点を示す頃合いでもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
それは狂笑と嘲弄に世界を巻き込み、癒やされぬ渇望に踊る男が、足を止める準備だ。
悪行のツケを払う時、了さんはどんな顔をするのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
今回のお話を見終わって、一番気になったのはそこだったりする。
散々引っ掻き回した悪党、討たれて当然ではあるし、殺し方も見えては来たが…主役たちの正しさが彼を射抜いた後、正しくなれなかった男に何が残るのか。
物語は、何を遺すのか
それは彼が表舞台に引っ張り上げたŹOOĻくん達が、若さ故の過ちを精算しながら示すものなのかもしれないが、願わくばどす黒くも力強く渦を巻いた狂騒劇の立役者に、手向けの花一つ送ってまとめて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
全てを叩き壊す痛罵でもいいし、夢を奪われた荒野でもいいし、空虚を埋める微かな光でも良い。
末路それ自体はあんま問題じゃなくて…了さんがいてくれたから描けた、愚かしく身勝手で移り気な人間の有り様に、これからも向き合っていくお話が続くのならば、悪党なりの花道で殺してやってほしい感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
そんだけの存在感と魅力は、持ってるキャラだと思うしね。
物語は穏やかに、アイドルたちの日常と仕事を切り取って始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
TRIGGERの共同生活は微笑ましい衝突に満ち、アイナナの仕事は順調。
お互いの気持を語り合う場所も輝いていて、未来へ続く道は明るい…はずだ。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/aXVHFkOS6C
環の天然ボケっぷりに、ブースの外でディレクターが爆笑してるの、現場の空気が感じられて好きな描写である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
率直に思いを告げあって、問題解決のために前に進んでいける健康なコミュニケーションが、Aパートには満ちている。
…一人先を見据えすぎてるロボ人間は、どっか間違えてる感じだが。
訴求力の怪物・七瀬陸の表情を観察するために『アイナナ辞めます』を出しちゃうあたり、やっぱ一織くんの理性は人情を、まだまだ解さない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
しかし幹部が破裂する前に、制御不能な嵐を呼び込むアイナナの急所(それは武器にもなりうる)に目を向けれるのは、一織の冷徹な理性故だ。
懸念を告げずに観察だけして、後は一人で突っ走るスタイルは褒められたもんじゃないが、これもロボ人間なりに友達を心配させたくないと、色々考えた結果なんですッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
この独走、圧倒的な思考速度に周囲が併走できない経験を、何度もした結果選ばれた感じする。
普通人と歩調合わせるの、辛いんだろうな
順調な歩みの奥に不穏さが漂うのはTRIGGERも同じで、用意できるハコと動員する人数が釣り合っていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
車の中で思い詰める姉鷺さんあたりから、だんだん空気が重くなっていくが、暗闇の中かすかな希望が、携帯電話から漏れてもいる。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/pGTBBfpqD5
生臭いお金の話も含めて、アイドルがアイドルであるとはどういう事か、これまでとは別角度から描く、TRIGGERの厳しき独立独歩。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
都合を押し付け勝手に振る舞う、独善的な”家”に見えた八乙女事務所が、庇い立ててくれた世間の荒波。
それを間近に被ると、船の進路はこんなにも危うくなる。
(…今書いてて思いついたが、これまで『移動する家』として見てきたアニナナの乗用車は、運命共同体が世間を進んでいく『陸上の船』でもある…のか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
航海モチーフは結構顔を出す印象なので、アイドル新天地を目指して様々な困難に立ち向かうための団結と守護…その象徴としてはデカいのか?)
Aパート終わりの影は楽しいお宅訪問にも長く伸びてて、龍之介の踏み込みをきっかけに、それぞれ思いが暗く燃え始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
家族は仲良くあるはずで、仲良くあるべき。
龍之介が見据える優しい幻想は、環には飲み込めない。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/lL8cvF7te3
僕は人格のバランスが作中一番良い龍之介、唯一の欠点がその家族信仰と描かれているのが、結構好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
世の中には環や壮五のように、複雑な家庭環境にもみくちゃにされ、自身が信奉する”全き家族”を認められない人も確かにいることを、あまりに満たされていた思い出が許してくれない。
ここで『そういう事もあらァな』と、物わかり良く何かを諦めて現実的対応を持ち出せるほど、若くも醒めてもいないこと含めて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
優しくて強いTRIGGERのバランサーですら、踏み込みすぎな歪さを”家”は生み出す。
そここそが、十龍之介の数少ない、譲れないポイントだ。
そういうの、あった方が良いよ。
『実家と向き合えよ』と告げられた壮五自身は、逃げてた自分を突きつけられむしろ襟を正してる感じなのに、環は理想の押し付けに対し過剰に反発する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
そこに、置いていかれる寂しさを感じ取り、言葉のナイフで突き刺すあたり、龍之介も容赦がない。
アレはキレる。急所に刺さってるから。
後に天に吐露するように、環の荒くれた態度は寂しさを遠ざけるための防壁であり、自分は傷ついていないと言い訳するために、怒りを絞り出してる部分もあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
MEZZO’で荒波乗り越えて、ようやく好きになれる『環の壮五』が見えてきたのに。
そこには、”家”に満たされない乾きが共鳴するのに。
ここで龍之介の提案を飲んで、壮五が実家と繋がり直してしまったら、”家”との関係が壊れたままの自分一人が、寂しく取り残されてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
そう感じるのは、ズタズタに引き裂かれた幼年期を送り、背丈だけは伸びた子どもにとって、当然のことだろう。
胸ぐらを掴んだのは、加害ではなく防衛のためだ。
そんな年下の寂しさを、”家”から連れ出して受け止めるべく、九条天は四葉環を引き受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
理ちゃんを間に挟んで、非常に複雑な義兄弟でもある二人の間柄は、環がまくし立て天が聞く形でまとまっていく。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/RXW1wIdAJT
『弟の叫びを聞く兄』って形にしてしまうと、色んなモノを取りこぼすとは思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ここで天兄が普段まとってる完璧な鎧をかつてないほどに外し、一人間としての柔らかさと誠実を表に出しているのは、やっぱ陸の兄であることが深く関係しているように思う。
傷ついて叫ぶ年下を、見過ごせない兄の性分。
家族関係の多様性とか、そういう他人行儀な正しさで龍ノ介をぶん殴るより、大事な人が離れていってしまう寂しさこそが、環を突き動かしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
揉め事の奥にある柔らかな思いを感じ取り、吐き出させて想いを返す足腰が、素顔の九条天はとても強い。
義父相手にも、幾度も見せていた顔だ。
思えば色んなアイドルが、大事な人が去っていく世界の無常に傷ついて、それでも永遠を諦められなくて苦しんでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ナギにとっての春樹、壮五にとってのおじさん、七瀬兄弟にとっての”家”、環にとっての妹と母。
全ては儚く移ろっていって、確かなまま留まるものは何もない。
そんな真理を微笑んで飲み込めるほど、少年たちは当然大人ではなく、あるものは耐え難い苦しみにうめき声を上げ、あるものは自分自身が永遠になろうとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ゼロ。
全ての原点、人格なき虚無、揺るがぬ永遠。
九条天が”それ”になれば、鷹匡の喪失も埋まるのか。
四葉兄妹を、亥清悠を巻き込んで複雑にうねる、鷹匡の胸に空いたブラックホール。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
息子としてその虚しさを、アイドルとして人間としてそれが生み出す危うさを、共に感じている天は、『終わらせなければならない』という思いを初めて言葉にする。
このままじゃいけない。誰も幸せにならない。
その実感は、あの情緒不安定人間と同じ屋根の下暮らす天が…天だけが受け取れるものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
寂しさを吐き出す環に優しく手を添えて、未来を約束する真っ直ぐな背筋は、人の身には重すぎる永遠に成り果てようとする歩みを、支えることが出来るか。
天が見据えるゼロへの道は、果てしない暗夜行路だ
つーか『あ、環寂しいんだな…龍之介に当たるのは、心の置きどころがないんだな…』て一発で共感して、クール気取って他人の目が入らない所でゲーゲー吐き出させてあげれる”人間”が、あらゆる人の祈りと呪いを受け止め揺るがない神様には、まーなれないでしょうよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ここで柔らかく輝く人間味と、ステージの上で完璧を演じ続けようとする気概が、『誰かのために』っていう同じ根っこから湧き出しているのが、九条天の尊さであり難しさなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
破綻を約束された矛盾を、丸呑みできる才があってしまうことが、彼の不幸かもしれない。
そんな兄の決意に呼応するように、弟の魂が道化のナイフで切開されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
いつもの小憎らしい嘲笑で近寄ってきて、情のある人なら突きつけない厳しすぎる真実を弄んで、傷ついた顔を堪能する。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/YCvG3OmVAW
そんな『いつもの月雲了』が、家族との遠さを語る陸の瞳で、ぐらりと揺れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
君もか。
怪物が見開いた…見開いて門を開けてしまった共感の核には、”家”から疎外されてきた過去が滲む。
それはさておき、アイコンタクトで庇い立てカマす狗丸くん、今すぐŹOOĻ辞めなッ!!!
ここで『あ、目の前で他人が尊厳ふまれてるの耐えられんねぇなオレ…』と思ってしまう人間が、敗残の辛さに悪魔の手を取り、踏みつけいたぶる側に立ってしまっているのが、世の中の難しさである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
NO_MADが(アイナナが成したような)順風満帆の成功を掴めていたなら、彼の優しさも正しく活きただろう
とか書いたけど、アイナナくんのアイドル旅も大荒れに荒れたりTVの前で暴れたり窃盗されたり殺人未遂したり、”順風満帆”ではけしてないわな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
見えるところでも見えないところでも、人間が歩けば苦労はある。
その上で結果が出る時も、出ない時もあるのが難しいわな。
しかし現実にNO_MADは負け、敗北を飲み込めず世を恨んだ狗丸くんは、了の甘言に乗った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
アイドル業界全部メチャクチャにしたい悪魔の隣に立つことは、触れちゃいけない他人の真実にベタベタ手をつっこみ、大事にするべきものを足蹴にする手助けだと、知らぬままに。
今回見てて解った…というか感じたのは、了さんは嘘が嫌いで、だから嘘まみれのアイドルも嫌いな、真実信奉者なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
陸に秘された事実を告げたのも、何も知らぬままノンキに踊ってるクソガキ…それを許している世界の嘘が、耐え難く気持ち悪いからじゃないかな、と感じた。
残酷に移ろう世間に、確かなものなど何もないと謀略で示している男の奥に、揺るがない本当を探す歪みが確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
綺麗なものだからこそ汚したくて、高く輝くからこそ引きずり落としたくなる。
逆接でしか世界と自分を繋げられない存在は、悪辣ではた迷惑で、愚かで哀れだ。
そう成り果てた大きなトラウマが過去にあるのか、特に大きな理由もなく”そう”なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
今後描かれるところだと思うが、どういう起源が背後にあろうと、月雲了が悪辣で身勝手ではた迷惑なのは事実だ。
その片棒担いで、平気でいられるほど体温低くないわけね、狗丸くん…。
駐車場の中、暗い社内で紬と陸は二人語らい、顔を上げて前に進む事を選ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ぶっちゃけサドビは紬ちゃんの存在感薄かったので、ここで陸の涙を受け止め、奮起を助けたのは嬉しかった。
『良いおねショタみがある…』とか思ってないです!
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/gRNahOE4PX
突きつけられた真実に傷つき、涙してなお知らないフリを選ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
個人的な痛みを噛み殺して、”アイドル”し続けることが罰であり責務なのだと、顔を上げて微笑む。
色んな経験を経て、強くなった陸は魅力的だ。
だからこそ、最近話題の”訴求力”も肌で感じられる。
プライベートな関係を保護してくれる、乗用車という狭い舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
ここで描かれた陸の様々な感情は、大きなアリーナでも演目に乗っかり、観客に届く。
一織が危惧するその暴走が、ただの杞憂ではないと理解らせる意味でも、陸の悩みと決意を魅力的に描いたのは大きい。
真実は誰も抗えない強さを宿して、心の扉を叩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
傷つけ、あるいは傷つけられるだけの思える関係の中で、確かに揺るがされた心が変化を求め、たしかに何かが動いていく。
気付かされてしまえば、そのままではいられない。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第21話から引用) pic.twitter.com/RfmXgKMwJv
陸は悪意とともに手渡された真実を、自分が背負うべき罪なのだと認め、新たに進み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
陸に突き刺した真実の刃はひっくり返って、”家”の遠さを抱えた了さんに突き刺さった。
龍之介の指摘は壮五の迷い、その確信を射抜いていたからこそ、彼は”家”と向き合うことを選ぶ。
相手を理解した上で差し出される優しさだけが、人を何処かへ動かしていくわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
痛みと裏腹に虚栄を剥ぎ取る真実の刃が、運命を新しい場所へ押し出していく。
そういうエピソードとなりました。
嘘が嫌いな了さんが、陸に反射された自分の真実で刺されるのは、残酷で怖い絵だったな…。
陸は差し替えしたつもり、欠片もないと思うのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
無垢で無自覚だからこそ、自分の見えてない自分をその中に見る鏡として機能するって部分もあるし、そうやって機能できる怪物性が、子犬みて~に泣いて笑う少年にはある。
そこに並ぶためにも、天兄はゼロになろうとしてんのか…。
まずは壮五が落とした”家”の爆弾を、炸裂させたり解体したりするフェイズが来ると思いますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
その先に待つクライマックスをどう運ぶのか、さっぱり読めずにワクワクしております。
了さんの鎧には今回明確な穴が空いたんで、底を狙ってくるとは思うのだが…報いるように悪を殺してくれ、アイナナッ!
追記 全ての大人びた子どもの中に、確かに存在しているむき出しの魂。覆い隠すプライドと、震える寂しさが同居しながら、約束の日を待っている。
アイナナ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
天が鷹匡の空虚を埋めるように”ゼロ”足らんとするのは、神に去られたあとの苦しさに身悶えする彼を見捨てられない哀れさが主かと考えていたが、もしかすると息子である自分をゼロの代用品としてしか見てもらえなくて”寂しい”のかな、と思った。
環が吐露する寂しさを受け止め、未来を約束する頼もしい”兄”に見えて、あの子だって10代の子どもで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
自分そのものを真っ直ぐ見ない”親”の視線を、ぐいと引き寄せ寂しさを満たす我欲が、あらたなゼロたらんとする歩みにあるなら、そっちの方がいいと思う。
慈愛と自己犠牲だけなのは、悲しく怖い。
もしそういう個人的で身勝手で、人として子どもとして当然の寂しさが天と鷹匡の間にあるのだとすれば、聞き役に徹して約束だけを手渡した頼れる”兄”の中には、誰にも抱きしめてもらえないガキがいることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年11月21日
…『そいつをこそ、誰かが抱かなきゃいけねぇんじゃねの!?』って話にもなるか。