ぼっち・ざ・ろっく!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
夏の終わりに結束バンド、江ノ島にて青春仕る!! …という回。
ゆるっとふわっと少女たちの青春を追いかける雑味の少ない仕上がりで、まるできららアニメみたいだぁ…という感想。
いい加減、このアニメのトバし方に飼い慣らされてきてるのかもしれない…。
前回バキバキに張り詰めた大勝負を描いたので、新章開幕はあくまで緩め…というか、相変わらずダメダメながら確かに後藤ひとりが手に入れた青春の手触りを、優しく確認する感じか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
バンドの危機に発奮し、かき鳴らした吠え声が届く先…更にその先。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/eDBeqBXQ5r
アニメ最後の大勝負になるだろう学園祭ステージにむけて、主に喜多ちゃんがどんだけぼっちを気にかけているか、一緒に時間を楽しんでいるかを重ねていく夏の絵日記である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
…先週あんだけ”虹ぼ”だったのに今週は”ぼ喜多”猛追で、もう完全に分かんねぇな下北女女模様…。
というわけで何もしないから何も変わらない、自意識の暗黒星・後藤ひとりの夏休み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
クッソ陰気に自室に据え付けられてるが、ママンだの妹だのが入れ代わり立ち代わり、当たり前に近くにいるのは見てて有り難い。青春地獄の空気穴…。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/6TCVfSeHSk
喜多ちゃんの圧倒的な”陽”は、ぼっちの眼球を捉えるブラックホールから友達を引っ張り出す、強引で優しい脱出装置だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
なのでバンド以外にも沢山居場所があって、楽しいことに精力的に駆け回ってる彼女の姿は今回良く切り取られる。
光が眩しくないと、ジメジメ陰気が映えないからなッ!!
周りを巻き込んで低い方低い方に沈み込んでいくぼっちの奇行と、ブラックホールの比喩は良く噛み合っており、急に”コズミックフロント”始まるアバンギャルドな唐突感も、このアニメの武器なのだとそろそろ納得する話数である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
ほんと、毎回手を変え品を変え新しい表現に挑んでるの偉い。
あとまー結束バンドがギターヒーローの珍妙行動にいい加減慣れて、そこにこそ面白さがあると受け止めてる様子とか、当人には強めの”圧”にしかなってねぇけど虹歌さんが凄テクギタリストを気にかけてる様子とか、色々確認できて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
お話のテンションとBPMを下げると、こういう下地が整うね。
ぼっちの肥大化した自意識は『声をかけてもらえる私』にこだわって動き出さず、根が生え腐って沈み続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
しかしバンドに出会ってギターを弾いたことで、他人に突き刺さった後藤ひとりの根っこは色んなところに芽を出して、関わり合いの花が咲きつつもある。
確かに、何かが変わっているのだ。
そこら編を確認する、夏の終わりのキラキラ江ノ島旅である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
”ヤマノススメ Next Summit”に続き、湘南全踏破の勢いで素晴らしい。あとは青ブタ劇場版で藤沢やって完璧だッ!
あ、妄想シーンのポスト印象派なアニメ、”ゴッホ 最期の手紙”みたいで良かった
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/apehrb0UgI
前回”人間”としての血の滲みを教えてくれた虹夏ちゃんが、勝手に吹き上がったり凹んだりする珍生物のお世話を面倒くさがり、喜多ちゃんに全投げしてたのは大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
想定外にバカだったリョウへの形なき憧れが蒸発し、死ぬほど付け込める顔の良いピンクが間近にいると気づいた時…。
一体何が開始(はじま)ってしまうのか、知るものは誰もいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
お客さん扱いで介護しなくても、友達だし仲間だし恩人なんだと思えたから、喜多ちゃんにお世話任してる部分もあるしね、虹夏ちゃん。
いくつか山場を超えて、バンド内部の関係性がジワジワ変化してる様子も見てて楽しい。
というわけで真夏の江ノ島、ぐにゃぐにゃ青春軟体静物の本領を発揮しつつ、なんだかんだぼっちはキラキラを堪能し尽くす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
それは陰気なクズバカ三人衆が後ろに引っ込まないよう、虹色の陽性オーラで皆を引っ張ってくれる、喜多ちゃんあっての楽しい時間
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/VhJ6UJgFMb
ぼっちは当然、リョウも納得として、虹夏ちゃんも思いの外”行かない”側なのは面白いなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
何でもかんでもアクティブに、貪欲に楽しめてしまうタチじゃあないこの子が、じゃあなんであの時失われたギターを後藤ひとりにすがったのか。
…後出しでコク出てきたな、ここら辺。
ぼっちのゲキヤバっぷりを丸呑みし、物語を転がす潤滑油となったきらら菩薩が、思いの外”人間”だったのは前回描かれた所だけど、そんなツルンとした仮面で守っておきたかった願いは、どんな体温を宿しているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
クズの変人ベーシストの、譲れぬ願いと合わせて最終局面、もう一発欲しいネタか。
後藤亭襲撃には顔見せなかったリョウが、主に金銭管理面での終わりっぷりを存分に発揮し、ある意味ではぼっちを追い込んですらいたのは、クズ人間観察したくてこのアニメ見てる(部分もある)自分としては嬉しい描写だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
三人のクソダメ陰キャっぷりが濃いほど、喜多太陽は眩しく感じるからな…。
といいつつも、”虹ぼ”密やかに強い回でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
湘南名物トンビの襲来(ガチでなんの遠慮もなく襲い来る)に、江ノ島のヤムチャと化したぼっちの面堂見るのは喜多ちゃんで、『あ”っちちいけ”ー!』って声荒らげるのは虹夏ちゃんなんだよな…。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/knZip8olAR
あそこのちょっとラフに荒れた声、最高に良かったですけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
弁財天に祈りを捧げ、バンドたる私たちのために祈るギターヒーローの横顔を見て、虹夏ちゃんは微笑む。
それは先週彼女を救い、瞳を奪ったものの再確認だ。
あるいは物語が始まった時、後藤ひとりの手を取った、そんな運命の。
ぼっち自身は超絶いつも通り、身勝手で周りを見ないヤバ思考を存分ブン回しているだけなんだが、そこに虹夏ちゃんは身勝手な夢を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
そうして夢を見られていることに、後藤ひとりも結構自覚的で、だからこそその視線の熱さを肌で感じて、そうなれない自分を申し訳なく思う。
夏休み最終日、ギリギリセーフで江ノ島に引っ張り出されたように、後藤ひとりの自意識は狭く孤独なクローゼットから這い出して、自分を見つめる色んな人の思い、それによって削り出される”こうなりたかった自分”に近い英雄像に、目を見開くようになってきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
それが散々ネトネト悩まされ、捨てれなかった”後藤ひとり”を完全に書き換えるわけではなく、ぼっちはぼっちのまま、ぼっちではなくなっていく様子がどっしり感じ取れるのは、なかなか贅沢なことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
こんだけのアダージョで、クズから人間味を絞り出していく筆致も、なかなか無いよね。
というわけで小田急帰り道、夕日に照らされて青春はまばゆい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
このお話において影と光はかなり力を入れて、後藤ひとりの人格的・社会的変遷を切り出す素材として扱われているが、思い出いっぱいの江ノ島旅で手に入れたものは、下北沢とは少し違う色だ。
(画像は”ぼっち・ざ・ろっく!”第9話より引用) pic.twitter.com/GxnTgCLEpD
楽しいことに貪欲で、そうおあれるバイタリティを隠そうともしない喜多ちゃんの足は、常に弾んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
ぼっちのべた足は影に張り付いて動かないように見えて、縁遠いはずの天性陽キャと同じリズムで、少しずつ動いてきている。
その歩調が重なった時、新しいロックンロールが始まるのだろう。
喜多ちゃんは世界が楽しいことに満ちていて、自分がそれを堪能するのに相応しいポジティブな存在だと、貪欲に疑わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
時に人を疲れさせるそんな眩さで、後藤ひとりもまた『喜多郁代の大事な楽しい』なのだと照らされることで、ぼっちはまた少し、ぼっちじゃなくなる。
功徳なことやで、喜多ちゃん…
筋肉痛でギャフン! 普段から怠けてるから信頼ゼロで更にギャフン!! なオチも綺麗に決まって、新たなステージに向けて”結束バンド”は絶好調。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年12月4日
さて次なるステージは…というところで、今週は終わりである。
凄く良かったです。
『カウントを整える球』の仕上がりが良いアニメ、やっぱ好きだな…。