イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

鬼滅の刃 刀鍛冶の里編:第4話『時透君ありがとう』感想

※お知らせ
 TwitterAPIの仕様変更に伴い、ツイートをまとめて掲載する形で感想を書くのが難しくなりました。
 今後”鬼滅の刃 刀鍛冶の里編”の感想は、ブログへの直書きへと移行させていただきます。

 

 

※本文

 四体に分裂した半天狗との死闘をメインに、ドロドロヌチャヌチャなぶっ殺し合戦が温度を増していく、鬼滅の刃刀鍛冶編第4話である。
 やっぱ鬼やら鬼混じりやらがぶっ殺し合ってると、首吹っ飛んだ程度では戦いが終わらず、どんどんスプラッターな絵面になる。
 その凄惨が妙に面白く、『なんでこのゴア作品、国民的人気アニメに上り詰めたんだろう……』という疑問も湧いては消える。
 まー鬼滅がなんでここまでウケたか、考えて答えが出るわけではないので横に置くと、血しぶき山盛りで景気のいい回だった。
 鬼滅アニメで戦いが加熱すると、自動的に激戦に差し込まれるモノローグも過剰になるって話で、そろそろ舌が慣れる頃だとは思うがやっぱりあの喋りすぎ、音が乗っかるとやや重たい。
 ロゴスをこねくり回す言葉の時間と、パトスすら置き去りにする身体の瞬間はなんだかんだちぐはぐで、ここの軋みが表に出てきて、血みどろな絵面を不思議と醒ましてくるのは、全く奇妙な味わいだ。
 『嫌いじゃあないな……』と思えるから、三期まで見てんだけどさ。

 戦いの構図は半天狗四名 VS 竈門兄妹&玄弥に、玉壺さんのキモい金魚軍団が里を襲ってる中柱二人が駆けつけてる最中……という感じ。
 とにかく半天狗のタフネスがインチキすぎて、殺しても殺しても終わらない生き汚さが印象的だ。
 『圧倒的な攻撃力でもって問答無用にぶった切る』という攻めの強さではなく、『とにかく死なない』という守り(というか死からの逃避)の強さなのが、半天狗の人格を反映していていい感じにキモい。
 味方サイドも鬼と鬼混じりと鬼より死なない主人公なので、ズバズバビリビリダメージ入れ合う泥仕合の様相を呈しており、ここら辺スマート&クレバーにキモ金魚を捌いた無一郎くんと、良い対比ではある。
 殺し方を選ぶ余裕がある天才児と、血を代価に肉薄する以外手がない凡人。
 どっちも飲み込みながら、激闘は加熱していく。

 

人間やめてる玄弥の不死っぷりとか、敵の翼を逆に利し足をもいで逆転の契機に活かす炭治郎の戦勘とか、モチモチ禰豆子のグロバトルとか、分身体とのガチンコは見どころが多かった。
 空喜を縫い止めて空を舞う場面と、障子に身を隠して飛び込んでくるシーンの演出が良くて、やっぱ異能チャンバラとしての仕上がりこそが、このお話の大事な土台だなと再確認。
 ド派手なキメ技の応酬も好きだけど、手練手管を現場で思いついて、ジリジリ勝ちを引き寄せていく描写が地味に多くて、その泥臭さが好きだ。
 ここら辺、無言でやっても分かりにくいからその意味合いを全部セリフで喋って、わかりやすくしてる側面はあるのかもなー。

 玄弥はショットガンと日本刀を構えた戦闘スタイル自体がカッコいいし、謎めいた不死で人間やめてる連中に肉薄する勇姿も、不気味な壮絶さを宿して良い。
 復活の呪詛のようにつぶやかれる阿弥陀経が、また伝奇な色合いをぞろりと血戦に付け足して、スタイリッシュ剣戟アクションではありえないレトロな味わいを、心地よく足してくれる。
 玄弥も半天狗も生き汚いが、不倶戴天の剣士と鬼である以上その由来は真逆であるはずで、お互いの素性や性格が激戦の中暴かれていく内に、死ねない理由が見えてくるのが楽しみである。
 鬼滅のキャラ評価は基本、最底辺の泥まみれからバトルの血潮でそれを洗って、グンと跳ね上がる構図なので、平時はイヤなキャラ多いんだよね……。
 まぁ今際の際にさらに株下げる、どーしょうもないゴミカスも沢山いるけどねッ!

 

 もう一人の上弦、玉壺さんはまだまだ前哨戦というか、柱も現場に到着してないしキモ金魚でモブ食っておこ! みたいな段階。
 いやー……ほんとキモイな眷属呼んでる段階で!(褒め言葉)
 玉壺さんはキモいのが仕事なんで、お目見えからこっちずーっとハイクオリティにキモい状態を維持し続けてくれるのは、UFOに大感謝である。
 こっから更に残酷と醜悪が加速していくわけだが、その血煙を晴らす清霞となりうる時透無一郎、今までの自分らしくない人助けの迷い道に、ふと分け入って……さてどうなるか。
 炭治郎の一言という、小さな兆しを見逃さず身を投げ出してみたことで、非効率的な迷い道こそが己の本道であったと思い出す歩みは、既にお館様が出会いの時に示していた。
 産屋敷耀哉、行動自体は激ヤバ疑似家族カルトの悪しき家長なんだが、森川ボイスがそのカリスマに説得力付け足しているの、奇妙な面白さだよな……。
 鬼に人生グチャクチャにされた当人にしてみれば、その安らかな声が地獄に仏優曇華の花なのだし、条理と人倫の外で好き勝手やってる外道を折伏するためには、フツーの組織じゃなんともならんので、鬼とはまた違った異様が鬼殺隊に宿るんだけども。
 味方サイドのヤバさは作品終わるまで内省されなかった部分で、ここ突っ込んでたら作品が内破していたかもしれないナイーブな要点でもあるから、無一郎がお館様を思い出す時漂うカルトな気配も、味として飲み下すべき部分かもしれない。

 ……いやまぁ、やっぱどう考えてもヤバイよな鬼殺隊。
 ヤバくなることでしか生き延びられなかった人たちが、ヤバすぎて精神的にも肉体的にもヒトに戻れない連中を斬り伏せることで、ギリギリ人間の範疇に足を留めている暴力集団。
 その色にまったくそぐわない恋柱も、全力疾走で現場に駆けつけ、さて次回。
 キモ金魚がひょっとこモブを大虐殺する、国民的アニメにあるまじきゴアな絵面をどんだけUFO頑張るか、今から歪な期待感で俺はパンパンです!
 なんもかんも力み過ぎな作風、こういう場面でも緩まずブン回るんで、なんだかんだ俺は好きだよ……。
 次回も楽しみですね!!