イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

Lv1魔王とワンルーム勇者:第4話『勇者の新たなる挑戦!』感想

 10年前の栄光も遠い話、すっかりボンクラに成り果てた勇者と世話焼き魔王の日常生活、平和な平和な第4話である。
 過去にややシリアスに踏み込んだお話もやり、大体お話の方向が見えてきたところで一話まるまる主人公とヒロインのドタバタキャッキャウフフという、大変ありがたい一皿である。
 魔王様が想定の三倍くらいマックスのこと好きで、若干頭オカシイレベルに突入している手応えも分厚く感じられ、誰かが好きすぎて頭オカシイキャラが大好きな僕としてはとても良かった。
 変身後の魔王様が結構マックスの好みど真ん中であり、さじ加減ちょっと間違えるとマスコットキャラとの楽しい同居生活が肌色ぬらぬらグラップリングに突入しかねない危うさが見えたことで、ワイワイ楽しい日々にある種の緊張感が生まれた感じもある。
 普段の三眼ちんちくりんでは、人類性愛に偏った性指向が満たされないので眼中にないけども、ちょーっと外見変えただけで血管バキバキ浮き上がりだすの、生っぽくてよかった。
 ここら辺の脂ぎった情欲を、気合の乗った肌色作画でしっかり見せて笑いを成立させてくれるの、見てて安心感あるなぁ……。
 力を入れるべきポイントをしっかり見極めて、的確に演出してくれるメリハリが、ゆるーい日常ギャグの味も引き出してくれてありがたいね。

 

 『人間であること』は若気の至りだと自虐しつつ、『俺であること』を譲れないマックスには、ボロッカスに落ちぶれつつ勇者らしい最後の一線が残っている気がする。
 条件最高な魔族転生を蹴って、んじゃあナメた態度でのYoutuber稼業で食えるかって行ったら、魔王様も大概ポンコツなので上手くは行かないわけだが。
 魂の奥底でくすぶってる炎を目覚めさせてしまえば、もはや”ワンルーム勇者”ではなくなってタイトルに偽りありとなってしまうけど、フレッドが前回チラ見せしたシリアスの種が芽生えた時、そういう性根が生きてくんのかな、と思う。
 現状魔王様がなーんでこんなに惚れ込んで、なーんでこんなに世話焼いているのかいまいち見えにくい部分もあるので、『なるほど、これなら惚れ込むね』と思えるような真っ直ぐかっこいい場面が、そのうち来るとありがたいかな。
 今のダメダメマックスも、結構好きなんだけどね。

 元魔王と元勇者の距離感はすっかり落ち着いた気配があり、強火のLOVEを隠そうともしない魔王様を、ゼニアが結構いい間合いで見守ってる現状が心地よい。
 もっとこー、自分の中にしかない理想像にしがみついて病んだ執着をブン回してくるかと勝手に思っていたけど、ゼニアのクールでバランスの良い保護者っぷりが、作品の良いまったり感を支えてくれている。
 酒さえ入らなければ大変優秀な秘書であり、マックスと魔王の1on1だと手が回らない所に上手くツッコんで、状況整えてくれるいいキャラだと思う。
 魔王様はマックスに足りてない社会性や生活能力を補う立ち位置なんだけど、惚れた弱みでそのバランス感覚がマックス相手の時だけ狂うので、時折ゼニアが顔出して”常識”を補填する形ね。
 非常識で作る笑いは”常識”を隣においておかないと機能しないので、そういう立場のキャラは大事だ。

 

 それにしたって既に惚れちゃってる魔王様の世話焼きを、マックスもまんざらでもなく受け入れてしまっていて、同居ラブコメとしては既に状況が整ってきている感じがある。
 このまったり感のまま”勇者様 10yeras after”なシチュエーションの色んな面白さをほっていくのか、シリアスさを過去から掘り返して味を変えてくるか。
 残りの話数をどう使って独自の魅力を削り出していくか、構成なんかも気にかけつつ、お出しされるものを楽しんでいきたい気持ちです。
 次回も楽しみですね!