真実の愛を貫き、目指せ親子丼バクバクのクズカス!
ヤベー女をファミリーに加え、更に加速していくイカレ人間どものLove&peace、100カノアニメ第11話である。
前回衝撃のビビーンオチで終わったが、羽々里がまぁまぁラスボス頑張ってくれて、いい形でロマンティックが走りきった。
『女の子を可愛く描くぞーッ!!』という、アニメ化当初から総身にみなぎる気合は今回も十全であり、ままならぬみを嘆く羽香里のヒロイン力、”最初の二人”の片割れとして獅子奮迅の活躍をした唐音の愛おしさ、学生共とは一線を画するコケティッシュを全開放しにきた羽々里のピンクっぷり、どれも素晴らしかった。
まートンチキとぶっ壊れ方はいつも以上にひどかった(大量の吐血がスルスル恋太郎に戻っていく様子とか)けども、それでもロマンティックなラブコメとしてギリギリ成立しているのは、作画と演出が怠けず頑張ってくれているからで。
『イカれすぎてて、ときめくとかそういう気持ちになれねぇよ……』という、至極真っ当なリアクションを作画力で張り飛ばして、『ナメてんじゃねぇぞ……この真珠ごとき小さな爪で、朝露の如き涙で、うっすら赤みがかった白い肌で、ときめけッ! エッチな気分になれーーッ!!』と、強引に気持ちもって行ってくれるのは心地よくすらある。
いや実際、作が頑張ってくれなかったらギャグの圧力で作品の背骨が折れて、めっちゃ難しいバランスで成り立ってる作風が破綻していたと思うよ……。
ただでさえ客を選ぶ濃さと”狂い”なんだから……。
しかしまぁビビーンしちゃったことはしちゃったので、シリアスな鬼母ッ面は維持できず、主に唐音を恥ずかしがらせるためだけに生まれた嘘発見装置とか、上田祐司大活躍のメタネタラッシュとかで、明るく楽しく誠実検査は進んでいく。
羽々里編は半分くらい唐音のためのエピソードで、頼もしいゴリラっぷりと愛すべき純情乙女力、”友情”という言葉で糊塗した発情バイセクシャルっぷりが、余すところなく暴れ倒す。
家の外でにゃーにゃー言ってる三匹まで混ざると、場がワチャワチャしすぎて収集つかなくなるし、デカいエピソードとしてはアニメ最終となるタイミングで、物語が始まった二人が目立つのは集大成感があって良い。
『おっぱいだけが……女の子の魅力じゃないだろッ!』と、言葉よりも雄弁な気合で語りかけてくる腹筋と鼠径部の作画が良い切れ味で、気合の乗ったエロティック頑張ってくれているのが、大変良かった。
ツンデレ常識人をどう料理すると美味しいのか、ジャンルの定番を押さえた上で勢いよく踏み込むイジり方もいい感じで、唐音好きに嬉しい展開だったと思う。
唐音を受け役&ツッコミ役にしてオモシロコメディ展開することで、後にファミリー入りする羽々里が相当なオモロであり、『悪い人じゃあないんだな……』と飲み込める素地を作っていたのも、強引な展開の強引さを強引に和らげる仕事していた。
このお話、人生のシリアスな部分にちょくちょく向き合う生真面目さもあるわけだが、その上で強烈なイカレとエロスとロマンスで道理をひん曲げ、『みんなでいることが至上の幸せなんだッ! 倫理も法律もぶっ飛ばしてやる!』と、力強く自分を吠えてくる。
ハーレムラブコメに真剣に向き合いすぎた結果、何もかもが狂っちゃった努力型狂人作品にレギュラーとして混ざるには、イカれた笑いの真ん中に立てるオモロ力がどうしても必要であり、そこらへんの下地が嘘発見器漫才でモリっと見えていたのは、大変良かった。
そんな下地を作った上で、一応シリアス終わらせておくかッ! ってんで羽香里が落ちるの落ちないの、一悶着がある。
ここは直前までのオモロオーラをスパッと断ち切り、ド直球のロマンティックで殴りつける腰の強さで勝負に来た。
こういうところをおふざけしても面白くないし、むしろ真面目にやり切る所は真面目にやってるからこそイカレが映えるわけで、キッチリ純愛通したのは偉かったと思う。
イカレ人間大集合の屋上ポリアモリーを、グツグツ煮込むほどに羽香里は発情ピンク人間に落ちていくわけだが、こういうタイミングで正統ヒロイン力注入することで、ギリギリラブコメの参加者として背筋が伸びる……いや淫乱……いや母親のほうが……。
この『お出しされたものをどう受け取ったものか、さっぱり分からねぇけど掻っ込むかッ!』というカオスでパワフルな手応えこそが、僕はこのお話の魅力だと考えているので、コロコロ描くものが切り替わってその都度本気なのは、大変良いことだと思います。
そして恋太郎は一瞬一瞬、目の前一人一人の恋人に常に本気であり、それを貫いた結果人間ではなくなって行ってるわけだが。
元々無理があるハーレムラブコメを攻略対象100人にまで拡大し、イカれ濃度を跳ね上げながら展開していく物語、主人公も正気では当然いられない。
人間の範疇を超えるほどに頑丈で、誠実で、愛に狂っている男を主役に据えたから……そして加速していく狂気に真っ先に飛び込んでいく柔軟性があるから、この話は成り立っている。
そういうお話の大黒柱が、どういう人間なのか書き直す意味でも、羽々里のエピソードはいい仕上がりであり、アニメ最後に据えるにはちょうどいい塩梅だったなと思う。
ラスボスの大役を終え、ダダ甘クレイジーママンの本性を自由にぶっ放せる立場になった羽々里が、アニメ最後のエピローグでどんだけ暴れるか。
ムホホなお風呂サービス、自由過ぎるED乗っ取りと、既にやりたい放題し放題であるが、元気よく駆け抜けてほしいものだ。
『初代ヒロインの母親』ってだけでインモラル力高いのに、同じ男を愛した娘と同世代の女たち、軒並み娘認定して飲み込む母なる暗黒っぷり、あらゆる欲望を金で叶えるギャグ時空無法金持ちっぷりまで兼ね備えているからな……キャラが濃すぎる。
原作のコアな魅力を最大限加速させ、アニメだけの表現で叩きつけてくれたアニメも、残り一話。
元々ぶっ壊れ気味だった一線をダイナマイトで爆破して、成層圏の向こう側までぶっ飛んでいく作品の勢いを、最終話でも存分に暴れさせ、気持ちよく終わって欲しいと思います。
次回も楽しみ!