イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ラーメン赤猫:第1話『⾮公開求⼈/黒猫アスレチック 』感想ツイートまとめ

 ラーメン赤猫 第1話を見る。

 アンギャマン原作、ジャンプ+の動物癒し系お仕事マンガを、”呪術廻戦”の朴性厚監督が独立して作ったE&H productionがアニメ化。
 ほんわかしてるけど芯がある、なによりとびきり可愛い。
 原作の良い所を素直に調理した仕上がりで、大変いい感じの第1話だった。
 キャスティングが絶妙で、脳内で赤猫スタッフが喋ってる声そのまんまで見たかった場面がバンバン押し寄せてくるの、脳みその快楽ボタンバシバシ乱打される感じで気持ちよかった。
 現代の深夜アニメ水準からするとやや作画に不安は残るが、文蔵くん渾身の湯切りが異様にいい仕上がりだったの、面白かったな。

 

 話の方は接客一番味二番、猫が作って猫が売る都内唯一のラーメン屋”赤猫”に、地獄のブラック企業から流れ着いた社さんの新職場奮戦記…という感じ。
 職人にやりてに活発弟系にツンデレにシャイガール、粒のたったキャラを持つ猫たちとのファーストコンタクトは尖ったところのない穏やかなもので、しかし仕事としての小さな難しさが確かにあって、だからこそそれを乗り越えていく手応えも宿る。
 ナメられたり愛玩動物扱いされたり、勝手な人間の視線にさらされつつも二本脚でスックと立って、自分たちなりにしっかり仕事をしてる赤猫の姿が、しっかり見えるスタートだった。
 労働条件通知書もちゃんと出すよッ!

 猫が主役で人が影、通常の社会とさかしまな赤猫で、社さんはブラッシングと掃除を腱鞘炎になるまで頑張る。
 クソ職場のトラウマに震えつつも、生真面目な心根がいい出会いの中で報われ、労働と自己実現がバッチリ結びついた充実感で、新たな毎日が始まる。
 人間相手だと説教臭くなってしまいそうな、極めてスタンダードなお仕事モノの開幕だけども、何しろ相手は猫なのでいい感じにヒネリがあって、真っ直ぐだからこその強さも際立つ。
 ちょっとハナちゃんのアタリが強いけども、赤猫は働く人全員が押し付けがましくなく、過剰に吠えてぶつかることもなく、自分たちなりに良いラーメン出すのに真摯な風通しのいい職場だなぁ…。
 『接客一番味二番』というポリシーを初手から打ち出すことで、グルメ漫画ではなく職業漫画になっているのは、やっぱ強いわな。

 

 『頑張りたいと思える場所で、真面目に頑張ったらちゃんと報われる』という、今どきプレーンですらある善因善果が作品の背骨であり、この真っ直ぐな気持ちよさが初手から元気だったのは凄く良かった。
 今後も色々な厄介事はありつつ、職人気質なんだけども気難しさのない文蔵くんと、超優秀なんだけども人当たりが良い佐々木さんをトップに、個性豊かな従業員とモフモフ触れ合いつつ、社さんの社会生活再生記は続く。
 サブの可愛い後輩感、ハナちゃんのツンデレ無敵感、クリシュナちゃんの乙女力と、みんなの強い所一発で分る見せ方になってたのは素晴らしかったな。
 従業員の個性が生み出す化学反応が、とにかく面白い話だからな…。

 文蔵くんが採用決める決め手が『猫派じゃないから』なの、程よいベタつきのなさで好きなんだよな。
 ペットとして距離感間違えた拘束キメるでも、畜生と蔑んでナメるでもなく、仕事仲間としてお互いを尊重して、適切に向き合う。
 それを一番大事にするのは、ベタベタされたりナメられたり、猫ゆえの苦労を既にしているからこそだ。
 その苦労で根性ネジ曲がらず、人間社会の手続きや約束事も賢く学んで、スジの通った仕事を積み重ねている文蔵くん、やっぱ良いっす。
 この風通しの良さを背に受けて、社さんがどんどん自己実現していく様子も好き。

 和やかな職場の見えてる地雷と現状描かれている、ハナちゃんのツンデレもプロ意識故であり、『彼女に認められれば赤猫の一員!』という、いい感じのラスボス感も程よく出ていた。
 飾らない言い回しながら、仕事のどこに気をつければいいか適切にサジェストもしてて、やっぱハナ先輩パネェっすって感じ。
 舞台裏のピリッとスパイシーな気風が、お客の前では求められるあざとさで”接客一番”支えているギャップが、やっぱ良いんだよなぁ…。
 あ、早見さん声のクリシュナちゃんは最高でした。
 『虎なのに内気』つうギャップも、ハナちゃん同様の美味しい造形だよなぁ…とにかく、赤猫メンバーの造形が安定してて良い。

 

 というわけで、今後物語が転がっていく舞台としての赤猫と、その主役になる社さんをしっかり視聴者に紹介する、手堅くも素晴らしい第一話でした。
 人間の愚かさにヘロヘロになってた社さんが、色々面白そうな賢い猫たちと触れ合い揉まれ、どんな風に変わっていくのか。
 その歩みに重ねて、猫たちの一筋縄ではいかない個性がどういう物語を、面白く生み出していくのか。
 ワクワク期待の高まるスタートで、とても良かったです。
 次回も楽しみ!!

・追記 ジャンルとしてはアニソンのくくりじゃなく、”ドン・キホーテのテーマ”とか”西原商会社歌”の仲間だと思う。