イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

真夜中ぱんチ:第3話『新メンバー加入で DEAD or ALIVE』感想ツイートまとめ

 真夜中ぱんチ 第3話を見る。

 吸血鬼の超フィジカルを活かしたエンタメ路線を掟に封じられ、八方塞がりの”真夜中ぱんチ”。
 ウケる企画探しの泥沼に、ギャンブル中毒のカスだの、夜の秩序を守る委員長だの、ワケの分からねぇヤカラが大乱入!
 ド底辺動画配信ユニットの未来は、一体どうなってしまうのか…なかなかカオスな第3話である。
 分かりやすくカスな十景が場を引っ掻き回してくれるおかげで、ワーワー騒がしく元気な状況は継続。
 変顔やらパロやらで温度を上げつつ、『んで、配信業のキモって何なん?』つう作品のコアへの問いかけへ、ジリジリ進み出すような手応えがあった。
 こらー長く長く……1クールくらいかかる問題だで。

 

 面白いって、一体何なのか。
 それを一回掴んだからこそ配信業で成り上がり、解んなくなったからぶん殴って地に落ちた真咲は、裏方に回った三度目の勝負においても、かなり生真面目に足掻く。
 序盤の勢いがやや落ち着いてみると、真咲が結構クレバーでタフな、成功するのも納得の動画制作者だとだんだん解ってきた。
 コメント欄から湧き上がるノイズに惑わされつつも、何も解ってねぇボンクラ共を表に立たせて、もう一回のし上がるための手立てを必死に考え、実際に企画を回す。
 自分の血を求めるりぶの欲望を便利に使うだけでなく、一番額に汗して働く。
 そういう描写が、動画作成に本腰入れる今回は多かった。

 作中幾度か言及されているが、はりきりシスターズ時代は先行者優位が効いたブルーオーシャンだった場所でやり直す今のポジション、生半可なことじゃバズらない死海である。
 ここら辺、動画見るのが当たり前以上の行為になった現状を反射してて面白かったりするが、今までと同じことやってたんじゃダメで、しかし新しい刺激がどこにあるかは、簡単に見つからない。
 吸血鬼の特性(”自分らしさ”と言い換えても良いかもしれない)を活かした超肉体派エンタメ路線は、一番最初に思いついた一番楽しいネタで、だからこそ速攻封じられる。
 今回も動画撮影に高速戦闘が混ざった瞬間、ゆきが飛んできてSDカードぶっ壊してきた。
 ハイテンションなお気楽に見えて、吸血鬼社会の厳しさがジロリ、動画配信者を睨む世界観だ。

 

 色々厄介なことが多い中、真咲はアイデアを出しては叩き、実際撮ってみて足掻き続ける。
 この地道な悪戦苦闘が、ワーワー文句ばっか言ってワンチャンリベンジ狙ってたクソアマの、意外な生真面目さを浮き彫りにもしていく。
 どうしてこんなに真面目に動画やってんのに、なんもかんも投げ捨てるように友達殴っちゃったのか。
 ここら辺の真相は、今後作品を牽引する魅力的なミステリとして機能しつつ、だんだん明かされていくんだろうなと思う。
 真咲性格捻くれているので、素直な気持ちや過去の軋轢を吐き出すまで、時間かかりそうだしなぁ…。
 そこにりぶちゃんが踏み込めると、なかなか良いロマンスになるとも思う。

 お調子者のおバカが揃っているので、”真夜中ぱんチ”の悪戦苦闘はなかなか歯車が噛み合わないが、熱心で無邪気ではある。
 りぶも苺子も譜風も、初期メンは驕ったところがなく素直で、真咲Pの熱意になんとか応えようと、ポンコツなりに頑張ってくれている。
 このイノセンスが妙な可愛げになって、ド底辺から100万バズを目指す”真夜中ぱんチ”の歩みを、見守ろうかなという気持ちにさせられるのは大変良い。
 まーキレイなばっかりじゃ話に起伏がないので、金にがめつい十景を混ぜ込んで、場がいい感じに荒れる座組になってみるが。
 そこもひっくるめて、主役チームに可愛げがあるのは好きになれるポイントだな。

 

 今回も衝動の暴走が人外の速度で襲いかかり、ギリギリらぶちゃんの防御が間に合う描写があった。
 本来食べなくてもいいニラレバを、山盛り腹に収めている描写と合わせて、お気楽に見える展開の中吸血鬼が人間のふりしたバケモンだって事実と、気楽なバカ共が人間のフリ頑張って社会の片隅必死に生きてる現実を、結構隙なく画面に入れ込んでるアニメだ。
 人を殺さずフレンドリーな吸血鬼共の、おバカで気楽な配信稼業で油断させて、真咲と同じく『この人たちは、生態がちょっと違うだけの人間なんだ』という思い込みを、加速させる方向に話しの舵が切られている印象。
 つまりそのうち、種族間の差異で思いっきり殴ってくる展開があるんだろうなー、と期待もしている。
 ヴァンパイアの話だからねッ!

 銭に狂った十景の暴走といい、りぶちゃんが吸血欲求を手玉に取られている様子といい、吸血鬼は自分の中にある欲望を、根本的に抑えられない種族だ。
 真咲も承認欲求に狂ってなんもかんも台無しにしたわけで、ある意味似た者同士と言えるが、彼女にとっては”個性”の範疇であるエゴの強さは、吸血鬼にとっては抗いえない種族の特性である。
 吸血鬼は血を吸う生き物であり、楽しい動画配信業の果てに100万バズを達成したら、りぶちゃんは真咲が死ぬまで吸い尽くしてしまうだろう。
 愛した相手を殺してしまうという、人間に混じって生きていくには根本的な部分がぶっ壊れている、吸血鬼の業。

 ダイナシコメディの糖衣で包まれてはいるが、一歩間違えれば大惨事になりかねない必然の危うさが、色んなところに見え隠れし続けている。
 だからこそガーガー口うるさいし、みんなの頑張りはペキッとへし折るゆきの横暴に、ある程度の説得力が生まれてもいる。
 放っておけば人食いの怪物が取り返しのつかない暴走するんだから、そらー夜の掟も厳しく締め付けはするだろう。
 『怪物のフィジカルをエンタメに活かして、素直に楽しくバズる!』という正統派路線の封印も、人の世に馴染めぬ怪物がどうにか隅っこで生きていくためには、必要な処置なのだ。

 

 …という物わかりの良さを、配信業という新し目の職業に重ねてぶん殴るのが、 このアニメの背骨になってくのかなー、という手応えはあった。
 バカなお子様に過渡の人見知り、ギャンブル狂いの銭キチガイ
 ”真夜中ぱんチ”は吸血鬼じゃなかったとしても、なかなか社会に馴染めないヤバ人間ばっかだ。
 そういう連中でも、夜しか活動できなくても、配信業でならカネを稼いで、世界に露出して、誰かと繋がり混じり合うことが出来る…かもしれない。
 古臭い社会秩序においては、排除されるべき異物でしかなかった存在が、テクノロジーの発達が生み出した新しい職能によって、生きる術を見つけていける。
 ここら辺のリアリティを、吸血鬼という幻想にまじえて削り出していく話かなー、と思った。

 何しろマトモにゃ生きれないクズ人間の集まりだから、世間様が評価してくれる『面白さ』を捕まえる道のりは、長くて険しい。
 捻れた性格や溢れる衝動に押し流されて、大事にするべきものを殴りつけちゃったり、グダグダ企画と向き合って面白さの根源を探したり、悪戦苦闘は続いていく。
 しかし仲間とワイワイ騒いでどうにか社会に居場所を探していく営みには、結構いい感じの汗と笑顔が確かにあるのだ。
 お行儀の良い世間様は眉をしかめるだろうが、こちとらなにしろ吸血鬼、人食わずに生きていくのも一苦労の、ナチュラルボーン人でなしだ。
 なら、ハメ外して自分たちなりの繋がり方、探すしかねーだろ。

 

 吸血鬼という種族に生まれついて、望まず社会からドロップアウトさせられている”真夜中ぱんチ”と、自分で望んで大事なものを殴りつけて、それでも必死こいて動画配信にしがみついてる真咲Pの、ダバダバ騒がしい人生二人三脚。
 そういう話なんだなぁ…というしみじみした実感が、ハイテンションな大暴走に奇妙な手応えで立ち上がってくる回でした。
 欲に踊らされた結果とはいえ、真咲が必死に取っ組み合ってる『面白いってなんだ?』に、新キャラの十景が同じ体温でかじりついてくれているの、良かったな。
 やっぱなんかを必死にやる時、温度感を共通してくれてる相手が一人でもいると、熱意が空回りせず報われている感じがある。

 りぶちゃんは性衝動が吸血殺人になっちゃうという、特大の反社会性以外は極めて善良な純愛人でもあって、そのズレ方が悲しく可愛い。
 ある意味クイアな話というか、否応なく加害的になっちゃう『私らしさ』をどう制御し、開放し、共有していくかっていうアニメでもあるんだろうなー。
 人間だったら爽やかな学園物語に収まりそうな悩みでも、おバカ吸血鬼なら殴り合いアリ不謹慎な大騒ぎあり、お行儀良くはいられない。
 その狂騒にどこか、望んでもいねぇのに怪物にうまれついちまった連中の哀しみが滲む所が、面白いバランスだと思う。
 そして真咲も、破滅的な怪物としてしか生きられなかった。

 吸血鬼が持つ生粋のアウトサイダー性を、炎上気質のお騒がせ女人生やり直しに重ねて、チャンネルという泥舟に人生預けた同志として、未来へ漕ぎ出していく物語。
 でもそこにはいつだって、愛が死になり夢が夜に覆い隠されていく、吸血鬼のどうしようもなさ…根本的な違いが横たわってもいる。
 『だからなんだよ!』と大暴れして、どうにかこうにか自分たちがもうちょい自分でいられる場所を探す身じろぎが、どんな動画を作っていくか。
 そのテストケースとして、とても面白いエピソードでした。
 やっぱワーワー騒がしいだけに見えて、根本的な部分がきっちりしている現代伝奇だ。

 

 やっぱもはや凡百になってしまった人間基準の”体当たり企画”より、吸血鬼の超フィジカルを活かしてバトってる瞬間のほうが、シンプルに『面白い』んだよな。
 超高速で飛んだり跳ねたりしてるだけで他人の心を動かせる、生粋のエンタテイナーとしての吸血鬼が、その資質を封じられて窮屈に、よくいる配信業者やってる姿は、悲しくもあり健気でもあり。
 この板挟みな感じは、もし超フィジカルエンタメが解禁されたらあっという間に鬼バズかませる、逆転劇への布石でもあるんだろう。
 その爆弾が破裂するまでは、ウンウン企画を練って、ホームラン出るまでバットを振るしかねぇのだ。
 地道だ…それがいい。

 吸血鬼という非現実の存在、作品全体に漂うチャラいムードで適切に煙幕かけられているけど、PAお得意のお仕事モノとしても、『配信業、ここがキツいし頑張りどころ』つうのがちゃんと描かれてて、なかなか良いなと思う。
 ここら辺、真咲Pがメチャクチャ仕事頑張ってくれてるから感じられる善さだ。
 今後もクレバーでシリアスな地金を時折見せつつ、おバカで気の良い吸血鬼たちを導き、一緒に笑ったり泣いたりして欲しい。
 …真咲のバズ狙いが、結果として”真夜中ぱんチ”が吸血鬼生来のアウトサイダー性を乗り越え、社会に居場所を作っていくお話に繋がるの、普遍的な面白さと善さあって好きだな。
 やっぱオレは、クズの生き直し物語がいっとう好き。

 善良な吸血鬼たちと同じ屋根の下、ワーワー一緒に仕事頑張る中で、どうしてもネジ曲がっちまう真咲の根性が、どうにかいい感じに咲ける場所を探す話でもあろうしね。
 奇妙な出会いと触れ合いの中で、怪物はお行儀よく”人間”になんかならないまんま、それでも自分らしく生きていく道を見つけられるのか。
 …今回の大騒動を見ているとなかなか難しそうではあるが、同時にワイワイ楽しくもあって、”真夜中ぱんチ”の今後が楽しみです。

 

 こっから個別回のターン! って感じですが、内気な譜風の秘めたる輝きはどんな色合いなのか。
 キャラにクローズアップして削り出す手際を見れそうでもあり、次回もとても楽しみです!