ラーメン赤猫 第8話を見る。
今日も今日とて赤猫メンバー、それぞれの持場でやるべきことを頑張る日々。
昨日と同じことをやってるように見えて、小さな変化を積み重ねているからこそ、従業員にも顧客にも気持ちのいい風が吹く場所になってるよね…という、第8話である。
文蔵くんの過去が新作への挑戦に垣間見えたり、社さんの凝り性気質が新しい職場ではいい方向に転がってたり、佐々木CEOの理想をハナちゃんのシビアな目線が支えてるのが解ったり。
関係者それぞれの個性がいい具合に噛み合い、刺激し合って今の赤猫があることが、良く分かるエピソードだった。
やっぱ第1エピソードのまとまりが凄く良くて、猫社会のマイノリティたる”自立を望む猫”の居場所として、赤猫作った佐々木さんの観てる世界が、真夏の母子像に反射する回だった。
佐々木さんは根本的に甘っちょろい理想主義者だが、座ってれば理想が形になるとは思っておらず、自分で働きかけて世界を変えて理想を結晶化させていく。
優しい思いつきをすぐさま実行に移す、お母さんへの声掛けと赤ちゃんのお世話は、そういう気性の現れだ。
リアルの気候も相まって、お母さんがあの一杯にどれだけ救われたか、しみじみ感じ入ることが出来るのが良かった。
同時にただの美談では終わらせず、飲食店経営のシビアな視点をハナちゃんに語らせて、いいバランスで赤猫が維持されていることを見せたのも良かった。
文蔵くんの言う通り、佐々木さんの善意が引き起こす厄介な可能性は事実としてありえて、彼もそれが見えないバカではない。
しかしそれでもなお、あそこで助け舟を特別に出すべき、出せる状況と判断して迷いなく踏み出すのが佐々木さんであり、彼が経営する赤猫なのだ。
そういうお店であってくれたほうが良いからこそ、ハナちゃんもわざわざ色々言うわけだしね。
ここら辺の意思疎通が極めてクリアな職場なのは、沢山赤猫の良いところの一つね。
こういう所ではズバズバ色々言うのに、自分のプライベートには及び腰な態度を見せてるハナちゃんも、社さんの凝り性な工夫にトロンと蕩かされて、確実に距離は縮まっている。
眼の前の人のために目一杯何かをしようと、力を入れてしまう社さんの気性は、前の職場では悪用され、赤猫では適切に活かされている。
燃え盛る善意をありがたく思いつつも、適切な線引を忘れず踏み込みすぎたと思ったら「悪いこと聞いちゃったね」がすぐさま出てくる、佐々木さんの人徳がやはり分厚い。
社さんの善意が仕事と噛み合って力出すためには、貰ったものを適切に返す誠実さが、なきゃダメだったんだろうねぇ…。
極めて幸福な転職だわ。
誰かが生み出した小さな変化を、他の誰かが受け取って継いでいく小さなリレーを、しっかり書いて積み上げていくのがこのお話の、とても良いところだと思っている。
ブラッシングに全力を傾ける社さんの頑張りを受けて、文蔵くんが新メニューを決意する連動は、とてもこのお話らしい描写だった。
それぞれの仕事、それぞれの個性、それぞれの居場所とプライドが確かにありつつ、孤立せず影響し合ってなにかが確かに変わっていく手応えは、見ていてとても気持ちがいい。
自分が良かれと思って生み出した変化が、自分ひとりで終わらず、心地よく繋がった誰かに波及していく心地よさ。
従業員間の敬意とコミュニケーションが健全に機能しているから、赤猫はいつも通りの赤猫らしさと、それを日々新にしていく風通しが両立している。
そういう赤猫の強みを、緩やかな連作形式で描く回だったかなー、と思います。
いつも変わらぬ都会のオアシス、心癒やす最高のラーメン屋。
そうであり続けるために、結構な速度で未来へ足を進めている猫と人間たちの物語は、まだまだ色んなモノを描いていく。
次回も楽しみです!