イマワノキワ

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魔王2099:第9話『劣等生と留学生』感想ツイートまとめ

 魔王2099 第9話を見る。
 魔法学園の転校生といえばコレだろ! とばかりに、あっという間にクラス最強のお貴族様との決闘シチュエーションが準備され、当然圧倒的なチートパワーで捻り潰し、それはさておきアキバもう一つの顔を探るべくメイドカフェに足運んだら、誇りを守ってやった劣等生がバイトしてた…というエピソード。

 マジすごい勢いで全てが”決闘”に向けてなだれこんでいく勢いに、定型シチュエーションをガッチリやり切ることで独自のトルクを生み出す作品の方向性が感じ取られ、なかなか面白かった。
 アキバのお行儀悪い方にいた、化石みてーな異種族オタク軍団のコテコテっぷりとかもな!

 

 

 …とはいいつつ、自分は魔法学園ジャンルの素養がまーったくないので、新宿の時ほどのブチ上がり感は正直薄い気もする。
 ファンタジーサイバーパンクが衝突し荒廃した世界で、社会のどん底まで叩き落された元厨キャラが力を取り戻していく快進撃は、自分がここまで食ってきた故郷の味でしか構成されていなかったので、脊髄直結でどこがアガるのか理解できたわけだが、アキバ編はそこら辺の「言葉はいらねぇ…見れば理解るッ!」感が弱く、青筋ビキビキに浮き上がらせて興奮する手応えとはいえないのが、ちょっと惜しくはある。
 ここら辺、魔法学園ジャンルで産湯を浸かったガイズだと、また感覚が違うんだろう。

 あとクソ分かりやすく最悪の仇敵やってくれてた、社長みたいな牽引力が現在物語に不在で、ゴリゴリのドライヴ感で下からのし上がっていくというより、新宿で一大サーガを駆け抜け終わって、ややまったり腰を下ろして状況を整理している落ち着きも、手応えの違いの理由かもしれん。
 色々あった魔王様とマキナへの、正当なボーナスって感じもあって今のリッチな余裕もなかなか良いのだが、やっぱ四畳半を根城にクソチンピラに叩きのめされ、ゼロから新生活を始めようとしていたギラツキに変わるものが、ちっと足りてない感じはある。
 ここら辺メイド服着た劣等生が、いい感じに火種になってくれると嬉しい感じではある。

 ストリートのサイバーヤクザにすらボッコにされてた魔王様が、今回の決闘では勝つべくして勝ち試すべくして試す、”上”の立ち位置になっていたのは、新宿から秋葉原へと舞台を移した物語の何が変わったのか、分かりやすかった気がする。
 決闘の名乗りでも堂々告げていた、天下のライブストリーマーは稼ぎも良く、圧倒的な実力も取り戻し、世間ズレした態度を暴力で咎められることももはやない。
 それはそれで良いことなんだが…やっぱ新宿のヒリついた空気が、どこか懐かしい。
 常時忠誠120%、マキナの煮立った魔王様愛がギチギチ詰まっているところは、大変良いけどね。

 

 

 失われたレガリアと緋月との出会いが、どういう感じに話を燃え上がらせていくのかがいまいち見えない状況なわけだが、そこら辺の展望が次回拓けてくるのか。
 なかなか気になる秋葉原編ニ回目でした。

 このまったりムードも悪くはないのだが、やっぱ新宿で味わった圧倒的なドライヴ感をこそ作品の魅力だと捉えていると、正直すったるく感じてしまう部分もあって。
 こういうナメを引っ剥がしてくれる地力を宿した作品だと思うので、秋葉原ならではの怪しさと魅力なんかも引っ張り出しつつ、今後展開がガッと加速していくれると嬉しいなー、と思います。
 次回も楽しみ!!