イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

魔王2099:第11話『女神降ろし』感想ツイートまとめ

 ツンデレエルフと、学生身分でキャッキャウフフする時間はもうおしまい!
 唐突に降って湧いた悪辣組織の手先が、大事な人みーんなぶっ殺してクライマックスへの道が開く、魔王2099第11話である。

 「新宿編、筆がノリすぎてバランス間違えちゃった♥☠♥」とばかりに、露骨に尺が足りてない後半戦をm悪役の真相バラし長喋りと魔王様チームのピンチ脱出を並走してぶっこむことでどうにかする、スーパー力技をぶちかまされ、大変満足である。
 上手い下手でいうなら明らかに下手な話運びだが、このアニメらしさで言うなら最高にゴリゴリブッこまれたので、めちゃくちゃ良い。
 やはり巧いっていうより気持ちが良いアニメ…。

 「この15分で、緋月を救うべきヒロインとして立てきるッ!」という気合の入った、 嬉し恥ずかし混浴日和のアーパー加減も良かったし、その結果明かされるまさかまさかのイヤボーンヒロイン真実とかも、自分としては大変消化しやすかった。
 「魔法学園ネタわっかんね~(実はハリポタ未履修マン)」とかボヤいていたが、小さな幸せを望むその身の丈に、全く似合わぬ神の定めを勝手に押し付けられ、暴走する力と邪悪な暴力に人生振り回されて、自暴自棄を演じている擦れっ枯らしのことならちったぁ理解るぜ!
 やっぱ自分のコンテンツ遍歴で培われた、胃袋に優しい食材が話の真ん中に躍り出てくると…嬉しいッ!

 

 

 

 

 

画像は”魔王2099”第11話より引用

 緋月の哀しみを、ラバーダックに滴る涙で表現するカットとか大変良くて、なんだかんだこういう勝負どころの演出がベーシックながら冴えているからこそ、楽しく見れるアニメだなぁ、と思う。
 マージで魔王様のちんぽブラブラコミュニケーションが最悪&最高だったので、そことの温度差で湿り気ある感情が深く刺さった感じでもあるな。
 魔王様、本体はあのクソダサ超強トカゲなので、人間態で性器見せることにあんま意味見出してないだろうし、愛ゆえに生殖するだろう相手は既に固定済みだしな…。
 チャーミングな壊れ方し続けてる主役、俺はやっぱ好きだよ。

 「ツンデレ女の言質は取った、こっからは乗り越えるべき悲劇と危機を山盛りにするタイミング!」とばかりに、スゲー勢いでいい人たちがぶっ殺され、最悪暗殺者たちが好き勝手絶頂ぶっ込んで、メチャクチャなスピードでクライマックスが始まるのも、勢いあって良かった。
 いやまあ、ちったぁ事前に種まいておけって話ではあるんだが、ヌルくも心地よい魔法学園日常コメディを容赦のない暴力がぶっ壊す、破滅のカタルシスはむしろ待ち望んでいた感じすらあり、あっという間に話の治安が悪くなっていくスピード感は正直気持ちが良かったぜ。
 レガリア継承者を煙幕に使われて、マグロに目が行ってなかったスキを突かれた気持ちよさもあったね。

 

 やっぱ優しいおじさんが志半ばに、極悪人に首を落とされ無惨な屍をさらす瞬間にしか得られないサイバーパンク・エクスタシーってのは確かにあって、シンプルにいい人だったコルネアおじさんがあっけなく不意打ち食らって死ぬのは、正直気持ちが良かった。
 善意が踏みにじられ、悪党が高笑いする最悪な世界で、それでも微かな光を心に携えた奴らが拳を突き上げるからこそ面白いジャンルではあって、アキバ魔法学園の空気感はそこら辺を感じられず、結構寂しかった。
 だがコルネアおじさんとトラートおばさんの無残な死が、報奨目当てで誰でも殺す最悪カス共の好き勝手絶頂が、俺が好きだった空気がこの作品の真実だと、改めて教えるッ!

 こういうスナック感覚でキャラの生き死に扱えてしまえる、ある種のジャンク感ひっくるめて、治安最悪な素っ裸の自分でいられる気持ちよさってのが、やっぱりある話だなぁ、と思った。
 丁寧に織り上げられたフィクションの中で、健気な祈りが運命を掴み取って世界がより善くなっていく話が好きだってのも、勿論嘘じゃないんだけども。
 全体的に粗雑で粗悪な荒れ果てた世界の中で、スピード感ある善徳蹂躙と、それをひっくり返す主役の好き勝手絶頂をゲップ出るほどたっぷり食い散らかすという、ジャンクな娯楽の楽しさってのも、間違いなく自分の一部だ。
 そういう事を思い出させてくれる死にっぷりで、大変良かった。

 トラートおばさんの擬態を盗み、そこら辺に放りだして爆殺して証拠隠滅するの、サイバーパンクだからこそ出来る尊厳凌辱で最高なんだよな…。
 無論こっから拳を突き上げ、自分が人間に大事なものを踏みにじる特権もってると勘違いしてるゴミカスを、殴り飛ばすこと前提での”最高”ではあるんだが。
 マグロの正体がバレるのはマジ急だったし、そこら辺の背景をぜーんぶベシャリですます(BGV:魔王様人質解放奮戦記)のは拙い…とか言われるんだろうけど、「コイツぶっ飛ばそうよ!」と思える最悪加減をしっかり稼ぐ、見事なヘイトアーツぶっ込んできたのは偉い。
 やっぱ悪党振り回す最悪に、ボーボー感情燃え上がらせてぇよ!

 

 まぁ最悪ぶっこいたクソカスをぶん殴るのは、観光地で売ってるクソダサキーホルダーみたいなエンブレムを正気で掲げる、”ギルド”なる組織をシリーズ全体の敵に据えた後…って感じだが。
 地下図書館での資料閲覧つう、血と暴力の匂いがしねぇ落ち着いた目標設定はやっぱ火力が足りないわけで、ここでクソカス最悪組織がドバっと飛び出し、因縁作って話の背骨に為るのは、大変いい感じだなぁと思う。
 ”ギルド”のゴミ共とバチバチやり合う続編も、アニメで見てみたい気持ちは満載だが、ポッと出なのが逆にいい感じに作用して、何がなんでも決着つけないと片手落ち…つう感じじゃないのは、アニメ視聴者としてはありがたい。

 というわけでレガリアに封じられし†再臨光魔女神(ゴッデスデーモンエンジェル)†がかわいそうなイヤボーンヒロインを乗っ取り、アキバ最終決戦の扉が相手次回に続く!
 ぶっちゃけこの女神様とやり合う理由は、魔王様には「なりゆき」の四文字しかないベルトコンベア型クライマックスだが、緋月の魅力をしっかり描き、助けるべき相手としてこっちにぶっ刺す仕事はちゃんと頑張ってくれたので、結構素直にこの唐突な神魔対決を見守ることが出来る。
 まぁポップコーンとコーラ片手に、超気楽に楽しんでいる事は否めないが…そういうエンタメちゃんとお出ししてくれるのも偉いだろッ!!

 

 

 つーわけで、救うべきヒロイン最後のピースをしっかり削り出し、超音速でクライマックスへとなだれ込む最終回一個前でした。
 この間数多を踏んだへっぽこ魔道士が、”男”になるドラマもなっげー真相バラしの裏で展開されてて、「こんな美味しいネタ”ついで”で良いのかよ!」という気持ちと、「この粗雑(クルード)で適切(テクニカル)なスピード感最高!」という気持ち、両方がある。

 久々に”魔王2099”を腹いっぱい食った感じもあり、大満足で最終回を迎えられそうな心持ちで、大変ありがたいです。
 俺の脊髄に直接ぶっ刺さる、最高のファンタジーサイバーパンクの決着を、次回ワクワク見届けたいと思います!