ウィッチウォッチ 第18話を見る。
楽しい日々はまだまだ続く! って感じの、マジカルコメディ三話連作。
伽羅ちゃんと式神の交流を描く第1エピソード、令和の”こち亀”感があるビー玉狂騒曲の第2エピソード。
共に良かったけど、「動く絵」であるアニメの強みを楽しく活用した第3エピソードが、モイちゃんの過去に触れるエモさも相まって特に好きだ。
実質年齢操作して叶わなかった夢を取り戻すおとぎ話なんだけども、味のある児童画がモリモリ動く面白さ(あと版画カンちゃんの異質性)が、アイデアを楽しくスキップさせていた。
こういう切れ味はオムニバスの醍醐味であり、アニメ化の妙味だと思う。
第1エピソードは「ニコの魔法で不思議な事件が…」つう、このお話の定型に素直に乗っかった伽羅ちゃんエピ。
第3エピでも保護者兼ツッコミとして、かなり目立っていた彼女だが、カラッと明るい気質に面倒見の良さがしっとり絡んで、一話任せて安心のキャラである。
やっぱ初メインで真っ直ぐイイハナシをやりきったことで、キャラクターの背骨がしっかり立っているのはデカい。
乙木家をメインから外したことで、普段とは違う味のマジカルコメディが生まれていたのも、大変良かった。
クックもそうだけど、各キャラ色の違うエピソードをちゃんと背負えるまで仕上げ、バラエティ豊かな物語を転がしてマンネリを防いでいるのは、熟練の話捌きだなぁと思う。
第2エピソードはその一環、腐れ配信者KEIGOが巻き起こすひと騒動である。
カンちゃんが撒き散らす口からでまかせが、思わぬ転がり方をしてWeb世間を巻き込み、バズと炎上を引き起こしていく展開には古き良きこち亀テイストが漂い、そらーモイちゃんも「バッカモーン!」だわ。
常識人ポジションかと思いきや、生粋のマニア気質で一番のめり込み、「あれ…この流行りヤバい感じ?」と気づかせるモイちゃん、おもしれー主役だ。
わかりやすい現代オタク像からはハズれてるけど、モイちゃん一番凝り性だよな~。
クソゲーやらクソ動画やら量産はするけど、継続的に配信に向き合ってるケイゴに対して、カンニコチャンネルはすっかり飽きられてて、その温度差がまた面白かった。
単発かと思っていたネタが実は作中世界の日常の中、じんわりした温度感で続いていて再燃するのは、安定ルートに乗った日常コメディだからこその良さで、「カメラに切り取られる瞬間だけが、ニコちゃんの人生ではないんだな…」という手触りがある。
バズに振り回され大嘘撒き散らす、ドくだらねぇ部分もまた、彼らだけのかけがえない青春。
そういうのを隣で感じているだけで、マジありがたい気持ちになるのは素晴らしい。
んで第3エピソード、ガキンチョに戻った乙木一家が好き勝手暴れるお話。
落書きアニメーションの作画をとても頑張ってくれて、元気で楽しい絵が縦横無尽に駆け回ってるだけで、とても楽しいエピソードだった。
幼さたっぷりなのに洗練されている落書きのデザインが、みんなの根っこにある純粋さを原液で溢れさせてて、凄く可愛くて良かったなぁ…。
モイちゃんがむっつり顔の奥に圧倒的なピュアさを隠している男だということは、これまでも幾度か描かれてきたけど、こういう手触りで教えてくれるのも楽しくて素敵だ。
この朗らかな幼気が、モイちゃんがずっと求めていたけど叶わなかった夢であり、高校生に戻っても続いている憧れなのだと理解るまとめ方(と、版画カンちゃんの襲撃でギャフンと落とす安心感)も、大変良かった。
やっぱなんだかんだ、イイハナシ欲しいのよジジイは…。
すんごい濃い画風に思わず笑わされつつ、「怒る”友達”」にメッチャしみじみ来ちゃって、大変いいエピソードだった。
愉快で頼もしい仲間たちとの、ドタバタな日々は今日も続いていく。
モイちゃんが味わってる安心感と幸福感を、僕らにもたっぷり味あわせてくれて、とても良いアニメだと思います。
次回も楽しみ!