久方ぶりの大騒ぎ、ハイテンション格闘ラブコメリバイバル第二章開幕!
一年ぶりなのに異常に肌に馴染む、令和らんま第13話を見る。
大変良かったです。
いやー…正直ここらへんからかなりテイストが代わり、騒々しい永遠が延々同じ場所で転がり始めるわけで、色々と思うところはある。
あるんだけども、蓋を開けてみたら程よいトボケとかわいいドタバタがたっぷりと暴れ、テンポ良く騒がしい日常を描いてくれる筆は大変に楽しく、「やっぱらんま好きだな!」という気持ちになった。
一期に漂っていた重たくしっとりした雰囲気は、一大ジャンルを確立ほどの大成功に押し流され、もう戻ってこない、
ガンガン新キャラ投入して賑やかにやっていくアッパーテンションの中、ほんのり甘いスパイスとして、ちゃんと機能するのも、疑似泥酔シチュからの事故チューの流れを完璧にこなし、だんだん許嫁が隣りにいるのが当たり前になってきたあかねの純情が燃え盛る〆でしっかり感じられた。
この付かず離れず、照れとピュアが入り混じった暴力的距離感を今後延々繰り返し、当て馬(というには可愛すぎる)ヒロインとのドタバタの中色んなモノが織りなされていくわけだが、さて令和のアニメはそれをどう描くのか。
少なくともこの第二章開幕、すげー収まりの良い「いつものらんま」をしっかりやりつつ、やっぱ時代に合わせた細かいチューニングも頑張ってくれてて、「やっぱ令和らんま好きだな!」つう気持ちにしてもらった。
嬉しいね、ホント。




つーわけで話は新たなライバル、五寸釘光のお目見えも兼ねてのドッタンバッタンである。
直球武闘派は既に席が埋まっているので、陰気で陰湿…なんだけども妙な可愛げと図太さのある、大変いい造形の五寸釘くん。
なんだかめっちゃ可愛かったわけだが、それは石田ヴォイスを手に入れた化学反応というより、もともとのポテンシャルが令和らんまのKAWAII書き方によって顕になった感じもある。
久能先輩との妙に噛み合った掛け合いも良くて、「やっぱ、男の子たちがかわいいラブコメは良いなぁ…」という気分になった。
俺は「作品全体のムードも、構築していくべき関係性も手探りだった序盤に漂う、独自の湿り気と重さがかなり好きだったな…」と思い出させてくれた、一期の話運びがとても好きなんだけど。
その中核にいた長い髪のあかねも、すっかり短くなった髪に馴染み、乱馬が隣りにいる日々を当たり前と思うようになった。
看病してる時の自然な笑顔とか、もう”上がり”だろラブコメ双六…。
乱馬の方も天堂家での生活に馴染み、「アイツラ薄情だし…」で自分の弱みをさらけ出せず、いじけている様子がチャーミングだ。
こういうホームドラマとしての変化が、ドタバタ騒がしいコメディの中にしっかり息をしているのが、なかなかいい二章開幕だった。
ここら辺の地道な変化というやつも、こっから三十数巻同じところを回り続ける、恋愛格闘牢獄(ラブコメウロボロス)に擦り切れて、だんだん味がしなくなっていくわけだが。
この段階だとまだ、そういう新鮮味が「いつものらんま」に変化を加えてくれてもいて、改めて味わうと新鮮である。
騒々しい日々を共に過ごし、毛嫌いしてた相手の人間が見えてきて、でも素直にはなりきれない。
そういう生煮えの甘酸っぱさを、一番美味しく味わえるタイミングがここなのかなぁ…などと思ったりもする。
まぁ今回は、乱馬がデレデレ他の子に鼻の下のバス描写がなく、乱あか一本勝負だったのもあるか…。
ともあれ久方の再開となる今回、狂乱しつつもあかねにだけは爪を向けない乱馬の気持ちと、なんだかんだ許嫁が弱ったら面倒を見てくれるあかねの健気さが、「ここに話のメインがあるんじゃい!」としっかり示してくれて、大変ありがたかった。
照れ混じりの鉄拳受けて、るーみっくサインしつつぶっ飛ばされるオチ…を追いかけて、美しい夕日に乙女色満載な「らんまのバカ」が解けていくラストで、ラブコメのど真ん中にしっかりぶち込むストレート、大変良かったです。
騒動を引き起こす五寸釘くんのキャラ、それを魅力的に楽しく弾ませるドタバタの描き方含め、新章開幕に凄く良いエピソードだったと思う。
一話で起承転結ドタバタ純情、完璧にまとまっとるね…。
数年ぶりに出会ってみると、こっちの変化に合わせて作品やキャラのの見え方も変わってくるもので。
そういう経年のメジャーとしても、このかなり頑張ってくれてるリバイバルはありがたい存在といえる。
「五寸釘くん、覚えてるより全然かわいいな…」とか、「暴力的ツンを抑えめに、なんだかんだ乱馬を案じてくれるあかねヒロイン力高いな…」とか、結末を知っているからこその俯瞰で、作品全体を楽しめている感じ。
これは「俺達がいま新たに描き出す、”らんま”ってなんだろう?」と、制作陣が考え抜き、様々な工夫を表現に織り込んで描いてくれてるからこそだと思う。
例えば玄馬との組手のシーンとかは令和水準の作画の良さで、コミカルな猫バトルが展開される肩の力が抜けたエピソードでも、このお話があくまで”格闘”ラブコメであることを思い出させてくれた。
相手が五寸釘くんなのでバチバチの殴り合いはなかったけども、そっち方面にも今後しっかり期待できる足場がちゃんとあって、抜かりがないなぁと思わされる。
同時にあんまガチらないからこそ生まれる、独自の空気感が心地よいエピソードでもあり、キャラと舞台を紹介し終わり、本格的に作品世界が動き出したからこその豊かさを、楽しく味あわせてもくれた。
この初々しさと練達のバランスは、とってもいい感じだ。
こっからあの子が戻ってきたり、あの子が新たに顔を見せたり、らんまの世界はどんどん広がり繰り返し、鈍重に動かない「らしさ」に縛られていったりもするわけだが。
既に完結した傑作に確かに存在してしまうそういう重たさを、このアニメシリーズがどう料理していくのか…それを飲む干して、今の自分がどう感じるかを、楽しみながら見ていきたいなと思える回でした。
ドタバタギャグ、純情ラブコメ、甘酸っぱく爽やかな思いと変化していく関係。
らんまの美味しいところ、全部たっぷり味あわせてくれました。
第2クールの始まりがこういう仕上がりで、大変良かったです。
次回も楽しみ。