イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

アニメ感想日記 15/02/22

・アルドノア・ゼロ:第18話『楽園の瑕
二つの天国、二つの地獄、どっちに言っても業まみれ。
そんな感じの火星VS地球大戦争もそろそろ終盤戦、姫様もおっきして状況は雪崩のように動いている展開でした。
姉の言葉遣いをたしなめても、クズ野郎は否定しない辺りイナホマン根に持ってるな……頭打ち抜かれたし当然だな……。

今回は姫様と偽姫様、スレインくんを取り巻く二人の女が、今回話の軸だったような気がします。
勝ち誇ったふりをしても、お姉ちゃん大好きなので涙は流しちゃう偽姫さまが、可愛くて好き。
そんな本心に蓋をしても手に入れたスレインくんが、嘘は付きまくるし姫様が起きたんでやる気が失せかけてるしで、どっちにしてもろくな事になりそうもねぇ。
不憫な人だ。

ようやく目覚めた姫様の方は、まさかの記憶喪失……とか思ったけど、記憶がハッキリしてたらスレインにビンタどころの騒ぎじゃないので、軟着陸させるのは上手い手だと思う。
外堀が無くなっている間に本丸を攻略すりゃいいのに、イナホの名前が出た瞬間花束置いてバックダッシュする辺り、卑劣漢にはなれても下衆にはなれない中途半端さが滲み出てて、無様にグッドでした。
手を下さない共犯者としてスレインくんの足掻きに付き合ってるエデルリッツォの、複雑怪奇な情みたいのが今回垣間見えて、そこら辺良かったです。


スレイン帝国の樹立により栄光と破滅の階段を駆け登るスレインくんに比べ、イナホサイドは地味。
ココらへんは火星と地球の組織形態の違いの表現なんだろうけど、主人公の活動が大局に直結する分、スレイン見てるほうがおもろくはある。
『なになに、丸戸大尉の話?』って感じでホモ臭い医者が寄ってきたり、インコが撤去したはずの地雷をチラ見せしたり、相変わらずイナホマンがお姉ちゃん好きすぎだったり、キャラ弄りという意味ではこっちサイドの方が安定はしてるのか。

『今回もイナホ無双でレッツポーリィかぁ』とか思って見てたら、スレイン帝国の旗のもと火星人が舐めプを辞めてきて、勝ち筋が一切見えない状態で引いた。
科学特捜隊が束になってなんとか怪獣を退治してたら、軍団成して連携してきました! みたいな塩梅であり、ちょっと緊張感が高まってグッド。
イナホマンのさらなるチートで蹴散らすよりも、怪獣を束ねている旗印を崩壊させるキーマン、マズゥールカ卿の活躍に期待したい所です。(マズゥールカ卿好きマン)

 

・プリパラ:第33話『らぁらのこと、おしえて』
プリズム名物『重要な要素をぶっ込んでくるので、一切油断できない総集編』は、プリパラになっても健在でござるの巻。
一話メインでらぁらの歩みを確認しつつ、アイドルサイボーグたるファルルの電子頭脳に火が入るお話でした。
久々にほぼ1ONの状況が生まれ、1クール目で見せていたらぁらの女殺しが炸裂していたのが、個人的には嬉しい所。
距離近かったなぁ今回……百面相も多かったし、らぁらの可愛いポイント全開で素晴らしかった。

総集編としての尺は一話に大きく使っていて、これはらぁらのオリジンであると同時に、プリパラ全体のテーマが一番詰まってる話だったから、というのもありそう。
『誰とでも友だちになれる』『プリパラでは自由に、なりたい自分になれる』ということを、一番素直にやってた話だな、と半年ぶりに見て思いました。
一話のみれぃはホントぷりぷりうるせぇな……委員長との落差で笑いを取るところだし、まずキャラを入れるタイミングなので強めに強調してたんだな。

過去を振り返るだけではなく、前に進む準備を忘れないのがプリパラ。
ラスボスたるファルルが許されるためのタネを大量に蒔き、次回以降の展開をスムーズにするべく、らぁらとファルル対面のシーンを多めに取ってました。
『精密機械に感情というノイズが入る』つーのも古典的な展開なんですが、らぁらの感情表現が素直かつ豊かなので、型に嵌まらない面白さが伝わってきてグッド。

そしてユニコの溢れんばかりの独占欲が、ファルルの言葉からにじみ出ててヤベェ。
メイキングドラマは心の表現であり、フローズンキャッスルをユニコが制作したというのなら、彼女(?)の望みは『氷で出来た綺麗なお城に、綺麗なままのファルルをずっと閉じ込める』となる。
大谷さんの好演で笑いになってますが、ユニコの歪んで内向きな愛情は、結構危険なんだろうなぁなどと思いました。
そういう妄執、オレ嫌いじゃないぜ……。

『氷のお城からファルルを出すことが、今後のクエストになるよ』と視聴者に見せる回だったわけですが、電子生命体であるファルルにとって、現実世界は『無い』ということも示唆されていて、SFテイストが叙情性の補強に巧く使われています。
『無垢なる人形』というモティーフの持っている切なさを、無邪気に友達を思うらぁらと巧く重ねあわせていて、感情導線の引き方、今回巧かったなぁ。
切ない終わり方を予感させる回でしたが、行動力の塊たる主人公真中らぁら、暗雲を弾き飛ばせるんでしょうか。

 


・四月は君の嘘:第18話『心重ねる』
魔法使いの弟子編、ついに完結! という感じで、凪ちゃんを弟子に迎えた日々は穏やかに終わりを告げるのでありました。
ピアニスト有馬公生が階段を一つ登るお話としても、公生とかをりちゃんが覚悟を固めるきっかけとしても、凪ちゃんの成長譚としても、そして最終局面に向けて武士くんが奮起するための足がかりとしても、とても良く纏まったエピソードでした。
凪ちゃんがお兄ちゃんと公生、両方大好きすぎるのがとても良い。

母親のトラウマと徒手格闘し続けてきた今までの演奏と異なり、今回才能やら限界やらと取っ組み合いをしたのは、公生ではなく凪ちゃん。
ようやく下ろした荷物の重さを考えると、指導者/先輩という立場から若者(と言っても二歳差なんだけど)を引っ張り上げる立場に公生がいるのは、今までの苦労をなかった事にするのではなく、それを足場にさらに延ばす妙手だったと思います。
人間的成長が産んだ余裕があるからこそ、凪ちゃんの顔を見て、そこに写った自分の顔を見て、その瞳の奥にあるかをりちゃんも見れるという、山彦みたいな理解の連鎖。
このアニメはゆったりと時間を取って感情を演出するのもあって、こう言う奥行きの表現が徹底的にリッチだ。


かをりちゃんに与えられ続けていた公生が、凪ちゃんとの連弾を彼女に捧げるという構図も、綺麗なシンメトリーでとても好き。
モノトーン/カラフルの役割が逆転した今だからこそ、死に怯えているかをりちゃんにもう一度夢を与える演奏を公生が弾けたのは、とても良いことだなと思います。
挑発的に凪ちゃんを引っ張り上げる演奏の演技も、かをりちゃんが公生に与えたもの、公生が取り戻し成長させたものを強く感じさせて、説得力がありました。

かをりちゃんが夢見たワルツを、もう一度弾けるかどうかっていうと、難しいところだと思います。
彼女の病状の描かれ方を見てると、虚しく弾ける泡沫の夢かなとも感じる。
でも、その夢は無いよりも在った方が善い夢であり、今後彼女の生死がどういうところに落ち着くとしても、今回携帯電話越しに届いた公生の思いは、とても大切で貴重なものです。
若い女の子の死を扱っている作品が、こういう夢の扱い方をしてくれているっていうのは、とても有難いことなんだと思います。
かをりちゃんが、自分を襲う若すぎる死に追い込まれ、追い詰められる描写、彼女が血を流す生き物なのだという描写を、しっかりしてくれている事も含めて。

全然関係ないけど、『いちご同盟』からの無言の引用がすごく多くて、未読の人は飲み込めてるのか、というどーでもいい心配をしてしまう。
ただ引用するのではなく、同ジャンルのマイルストーンである『いちご同盟』の内容を消化した上で、それを変奏する決意に満ちた使い方で、個人的にはすごく好きなんですけどね。
まぁ届くだろう、このアニメだから。


一方、主人公の個人的なクライマックスと、物語自体のクライマックスの狭間を見事に担当した功労者、凪ちゃん。
たっぷり凹んだがゆえの飛躍の描写が気持ち良く、最初から最後まで好感の持てる、気持ちの良いキャラクターでした。
三池くんといい、公生は才能のある子供にモテるなぁ……。

公生大好きボーイ繋がりで、お兄ちゃんの奮起も描かれていて良かったです。
つーか彼女いたのね君……。
こうしてライバルたちが描写を積み重ねていくとい、いよいよクライマックスに向けて物語が走っているんだな、という感じがします。
一つの区切りがついた今回以降、彼らの青春がどうなっていくのか。
とても楽しみです。


・Go! プリンセスプリキュア;:第4話『キラキラきららはキュアトゥインクル?』
イメージカット登場時から図抜けたヴィジュアルパワーで一部の噂を独占していた、『今年の黄色』『悪い子担当』こと天ノ川きらら登場回。
主役たるきららの魅力を120%引き出しつつ、夢に輝くきららに素直に憧れを抱くはるかの姿、鷹揚に事態を受け止めるみなみパイセンの人間力や、橋を渡った憧れの街である夢ヶ浜の紹介などなど、みっしりと中身の詰まった美味しい回。
キュアトゥインクルとしてチームに加入するのは次回に回す所も引っ括めて、三人目の仲間の鮮烈なデビューでありました。

既に成人の貫禄を兼ね備えたみなみパイセンは当然の事ながら、一見庶民でドジっ子に思えるはるはるも行動力と直感力に優れ、全体的にスペック高めなプリプリのメンバー。
黄色もその分に漏れず、マイペースなだけではない強い意志と、夢を見据えて全力で走る真っ直ぐさを兼ね備えた、非常にしっかりした娘さんでした。
ていうか輝きすぎやろあの子……あざとい担当かと思いきや、「大した夢だよ!」とか満天の星空を背負っての飛躍宣言とか、クレーンの階段を駆け上がっての流星キックとか、カッコイイ要素ありすぎ。
無論単純に可愛くあざとい外見が火力高いってのもありますけどね……キリッとしたつり目とか、ほんと可愛い。

前半主人公二人の提案を蹴らせ、自分勝手なイヤな子と思わせてかーらーの、モデルという夢に向かって常に全身全霊を傾け、暴力に怯えない芯の強さを持ち、ドーナツくれたら飲み物奢ってくれる社交性も有するという、ギャップを活かした見せ方が冴えていました。
思い返すと、みなみさんも『厳しさを見せた後に優しさ』をという見せ方だったので、第一印象を巧く裏切る演出法がプリプリ流なのかもしれませんね。
プリキュア戦闘法をの説明を省略することで、彼女の地頭の良さも演出できていたし、プリキュアを断る理由も『自分の夢最優先』という納得の行くもの。
なかなか奥行きのあるキャラクター表現で、これ以上ないデビューを飾ったと思います。


今回もサブプロットの心配りは良く出来ていて、二回もデートするはるみなだったり、初めてのドーナツに夢中でもぐもぐしてるみなみパイセンだったり、邪険な態度を取られても受け流すパイセンの人間力だったり、良く掘り下げてくれました。
みなみパイセンの話ばっかしてる気がしますが、あのひと好きなのね、穏やかで懐豊かで、ポンコツともまた違う自然さがあってね、ウン。
戦闘でのコンビネーションも自然なものになってきていて、はるみなキテるなぁ……とつくづく思います。

みなみパイセン以外にも、OPの階段映す所で前回仲良くなったメンバーが増えていたり、三回天丼した『え~』であったり、演出の切れ味は鋭い。
きららが生身で特攻した時のスロモとか、その後のまさかのクレーンとか、アクションシーンの緊張感も良かったなぁ。
ハードな場面だけではなく、夢ヶ浜でのゆったりとした日常も魅力的に描かれていて、緩急のハッキリしたお話でした。
女の子が可愛いのも良いんですが、動物共がファンシーなことをしてオッサンがホッコリ出来るようなシーンがあると、自分的にはとても得をした気分になります。

そして『ヘイトアーツ黒帯』ことクローズさんの煽り芸がアニメ国宝クラスにまで高まっており、『くっそムカつく敵BOSSロールプレイ』の教本として、全国のイエローサブマリンで出番抜粋ビデオを売りだして良いレベル。
「大切なショーを台無しにして……」→「そんなの知るか!」とか「大した夢じゃねぇーんだろ?」→「大した夢だよ!」とか、主人公サイドの思いを引っ張りだすために憎まれ口を使いこなしているのが、TRPGプレイヤーとしては見逃せない所です。
4話で5回負け、3人のプリキュアを復活させるという記録を打ちたたているクローズさんですが、もう少し生き残ってヘイトアーツの極みを見せて欲しいものだ。

強く、あざとく、逞しく。
色んな魅力のある女の子、天ノ川きららをしっかりと見せてくれた、とても優れたお話でした。
まさかのプリキュアNGで引いた終わり方ですが、次回はきららの日常にはるはるが入り込むお話。
お互いの立場を知って、更に絆が深まるかと思うと楽しみ過ぎてヤベェぜ。
プリンセスプリキュア、面白いなぁ。